2020年1月のバンコクの旅に続いて行った、2月のミャンマー・シンガポールの旅行記です。まずは旅程の説明とヤンゴン滞在の初日の旅行記を書いていきたいと思います。
直前のルート変更
さて、今回は2020年2月7日~2月12日の日程で旅行をしたのですが、1月のバンコク旅行記にも書いた通り、徐々にCOVID-19の影が迫り始めている中での旅行でした。中国・武漢市が封鎖されたのが1月23日、ダイヤモンド・プリンセス号が大黒ふ頭に戻ってきたのが2月3日という状況で、会社でも中国大陸1への渡航は控えるようにと通知があったりしました。元々はキャセイパシフィック航空で2月7日に成田を飛び立ち、香港でのトランジットでラウンジを満喫してヤンゴンへと向かい、帰りも同様に2月11日にヤンゴンを飛び立ち香港を経由して戻ってくるという旅程で航空券を押さえていました。香港は中国大陸には入らないのでそのままこのルートを強行するという選択肢もあったのですが、さすがにちょっとなあと思い、直前ですが別のルートを検討し、結果以下のような旅程となりました。
日付 | 場所(それぞれの場所の記事へのリンクになっています) |
2月7日 | 成田→ハノイ(経由)→ヤンゴン |
2月8日 | ヤンゴン:Day1 |
2月9日 | ヤンゴン→バガン→ヤンゴン(日帰り) |
2月10日 | ヤンゴン:Day2→シンガポール |
2月11日 | シンガポール→クアラルンプール(経由) |
2月12日 | クアラルンプール→成田 |
見ての通り、中国を回避するべく、東南アジアを周遊するようなルートになってしまいました。今思えばこっちのほうがリスクが高いのでは?という気もしますが、この頃はまだ中国1以外の各国でそれぞれ数人~数十人感染者が出た程度だったので、当時は中国をとにかく回避するというのが妥当と考えていたのでした。ちなみに直前の予約だったため、当然すべてLCC(行きは通しでベトジェットエア、帰りはヤンゴン→シンガポールがジェットスター、シンガポール→クアラルンプールとクアラルンプール→成田がエアアジア)での予約となりました。また、元の航空券は公式でない航空券予約サイトで取っていたこともあり、キャセイの航空券代は返ってこなかったのでした。
最初にCOVID-19絡みの観点から旅程を説明してしまいましたが、そもそも今回ミャンマーを行先の候補に選んだのは、ASEANでまだ訪問していない国がこの時点でミャンマー、カンボジア、ラオスの3か国2になっていたことと、2019年に世界三大仏教遺跡3の一つであるミャンマー中部の古都・バガンが世界遺産に指定されたことから、混まないうちに行ってみようと思ったことが理由です。ちなみにバガンが世界遺産登録されておすすめだ、という情報は代々木公園のタイフェスティバルに行った折、日本アセアンセンターの方から聞いた情報だったりします。旅のヒントはいろいろなところに転がっているものですね。
ハノイへ向かう
今回はLCCでの旅ということでバックパックのみ、スーツケースはなしで行ったので、時間さえ合えば鈍行等で成田空港まで行っても良かったのですが、朝9時半発のフライトということで、早起きしてスカイライナーで空港へと向かいました。
まだこの頃は運休になっているフライトも中国路線以外ではほとんどありませんでした。チェックインの際には14日以内に中国滞在歴のある方はお知らせくださいという張り紙を見かけたとともに、カウンターでも滞在歴を直接質問されたりもしました。
今回は特に課金したわけではないのですが、幸運なことに非常口座席を引くことができました。なぜか出発前の機内ではマイケル・ジャクソンの曲が流れていたりと、いろいろ突っ込みどころはあったのですが、ともかく飛行機は最初の経由地・ハノイを目指して飛んでいったのでした。
6時間半のフライトでハノイ・ノイバイ空港に到着しました。タラップから降機してバスでターミナルビルへと向かいました。ハノイは2016年8月以来なので、3年半ぶりということになります。
到着後は2時間半しか乗り継ぎ時間がないため、入国はせずまっすぐラウンジへと向かいました。プライオリティ・パスを持っているとLCCでの旅行の際でもラウンジが使えて便利です。
お昼もとうにすぎていたのでまずはお昼ごはんを食べました。ベトナムのラウンジは米麺コーナーが大体あるのがいいところですね。
お昼ごはんのお供はこちらのビア・ハノイとバーバーバービールです。前年9月の滞在や12月のトランジットではビア・サイゴンしか飲んでいないので今回はこの2つをチョイスしました。個人的にはインターン時代によく飲んだ懐かしの味です。
さらにおやつにチェー(ベトナム風冷やしぜんざい)とプリンもいただきました。何度も書いていますが、ベトナムは旧フランス領だけあってかプリンがとてもおいしいです。
そしてこちらはノイバイ空港の国際線ターミナルである第2ターミナルのトイレからの景色です。第2ターミナルは日本の大成建設による建設4のきれいなターミナルなのですが、さすがにトイレからの見晴らしがこれというのはいくらなんでも開放感ありすぎという気がします。
ヤンゴンへ向かう
ラウンジで一息つくとあっという間にヤンゴンへのフライトの搭乗時間となりました。ここでもラッキーなことに非常口座席でした。そして機内はかなりガラガラでした。採算は取れているのでしょうか…?
そして2時間弱のフライトで飛行機は無事ヤンゴン空港に到着したのでした。隣に停まっていたのはANAの飛行機でした。ANAは成田~ヤンゴンの直行便を毎日運航しているのでした。
機内ではCOVID-19に絡んでこのような書類が配られ、さらに入国審査前のエリアで配布された健康申告書への記載も求められました。
書類の記入に若干手間はかかりましたが、無事入国すると三菱電機の看板と貢茶のショップを発見しました。どうやらここは本物の店舗のようです。
シンガポールで購入したStarHubのSIMカードがミャンマーでの海外ローミングに対応していたため、すんなりと通信回線を確保できました。通信回線を確保した後は、東南アジアではおなじみのライドシェアアプリであるGrabを使ってホテルへと向かいました。この際乗ったのがトヨタのプロボックスという、いわゆる営業車に使われるようなライトバンでした。当然ミャンマーでは使えないのですが、カーナビも日本語のものが付いたままで驚いてしまいました。この時は日本から中古車がたくさん流れてきているのだなあ、と思っただけだったのですが、翌日、ヤンゴンを走るタクシーのプロボックス&ADバン1の多さに驚愕することになるのでした。滞在中にGrabを呼んだ際、この2車種以外が来るほうが稀という状況でした。
提灯が並ぶチャイナタウン
ホテルはヤンゴン中心部のチャイナタウンに予約していました。春節の関係だからか、大量の提灯が飾られていました。
ホテルへ到着したのが20時過ぎだったこともあり、疲れていたのでこの日は近場でチャーハンを食べて晩ごはんにしました。チャーハンはちょっとオイリーな感じもしましたが、パラっと炒められていてなかなかおいしかったです。お供のミャンマービールは東南アジアのビールにしては結構しっかりしたラガービールでした。
ちなみにミャンマーと日本は時差が2時間半あるので、この時すでに日本は22時半ということになります。移動しかしていないとはいえ、朝も早かったので眠くもなるわけです。
何はともあれシュエタゴン・パゴダ
本格滞在初日、まずはホテルで朝ごはんです。真ん中のお皿に乗っているのは普通の中華とベーコン、目玉焼きというところです。左上のお皿に入っているのはミャンマー料理の定番として有名なモヒンガーです。モヒンガーはナマズなどの魚介からダシを取ったスープにビーフンを入れた料理です。ちょっと独特な味がするのですが、そこまで主張が強いわけでもなく、食べているとくせになる味でした。
ホテルのレストランはペントハウスのような形で最上階に設けられていて、外周部から外の写真を撮ることができました。このエリアは7階~10階建て程度のビルが多数建っているのでした。
朝ごはんの後はいよいよ市内観光に出発です。しかし、ビルマ文字はさっぱり読めないですね…まずはGrabに乗ってシュエタゴン・パゴダを目指します。
Grab(当然プロボックスでした!)に10分ほど乗るとシュエタゴン・パゴダに到着です。シュエタゴン・パゴダは高台の上に建てられているため、ビジターセンターで入場料を払い、靴を預けて裸足になってからエレベーターで上がっていくことになります。ちなみにビジターセンターでは体温測定も必要でした。
そしてこちらがかの有名な黄金の仏塔であります。2017年にミャンマーと同じく仏教国であるタイのナコーンパトムを訪問した際に見たワット・プラパトムチェーディーにある高さ120mの大きな仏塔もなかなかのものでしたが、それと近い規模の仏塔が黄金に輝いているというこの見た目はかなりのインパクトでした。
ちなみにシュエタゴン・パゴダは中央に黄金の仏塔がぽつんと建っているわけではなく、周辺を小さい仏塔が取り囲んでいて、その外周に回廊があり、さらにその外周に仏像を収めたお堂があるという構成になっています。回廊のエリアではお揃いの格好で傘を持ちお参りしている人々もいました。ちなみにこの人たちに限らず、ミャンマーの人は洋服ではなく、民族衣装であるスカート状のロンジーを着用されている方が多かったです。
朝からお堂にはたくさんの人がお祈りに来ていて賑わっていました。当然お坊さんもいます。
さて、シュエタゴン・パゴダに限らず、ミャンマーの大きな寺院では中心の仏塔の周りに8つの祠があります。8つの祠は月曜から日曜(ただし水曜だけ午前午後が別)に対応しています。自分の生まれた日の曜日の祠でお参りをするというのがミャンマー式の参拝方法ということで、私もそれに従いお参りをしたのでした。
ちなみにミャンマーの仏像の光背1はLED化されていました。電飾光背は2014年にホーチミン市近郊のスイティエン公園を訪問した際にも見かけました。
最初に書いた通り、シュエタゴン・パゴダは高台の上にあります。外国人が入場するためのビジターセンターからはエレベーターで上がることになるのですが、他にも数か所ある出入口の一部には、ふもとまでのエスカレーターが用意されています。シュエタゴン・パゴダの中では裸足で行動しているので、みなさん裸足でエスカレーターに乗っているのでした。なかなか珍しい経験ということで、私も裸足でエスカレーターに乗って動画を撮ってみました。ちなみにこのエスカレーターは三菱電機製とのことです。空港に広告を出しているだけのことはありますね。
ちなみにミャンマーの寺院には多数の獅子像が飾られています。このようにお守りとして仏教寺院に獅子像を置くという文化は日本の神社の狛犬の源流にもなったということらしいです。ちょっとポケモンっぽいかわいい造形がなかなか趣深いです。
再びビジターセンターに戻り靴を履いて外に出ると、ザ・過積載という感じにトラックの荷台に人が乗っているのを見かけました。普通の路線バスも市内では見かけましたが、これはバスの代わりか何かなのでしょうか…?ちなみにトラックの運転席部分には「日通北東京運輸(株)」と書いてありました。トラックも思いがけない余生でしょうね。
Grabを待っている間にあたりを見回してみると、鳥かごにおびただしい数の鳥が入っているのを見かけました。おそらく、徳を積むために放鳥する用の鳥だと思います。タイなど、仏教国では時折見かけるのでした。
街の中心、スーレー・パゴダ
シュエタゴン・パゴダを出た後は市内中心部へ戻り、同じくヤンゴンの有名な観光スポットであるスーレー・パゴダへやってきました。スーレー・パゴダはヤンゴン市庁舎などに面したラウンドアバウトの真ん中にあります。ラウンドアバウトのほうが多分後にできたのだとは思うのですが、ラウンドアバウトの真ん中が寺院というのは相当珍しい(というか唯一?)なのではないかと思います。
ラウンドアバウトを渡り、入り口を入って階段を上ると目の前に大きな仏塔が現れます。スーレー・パゴダの仏塔はシュエタゴン・パゴダよりもカクカクした見た目をしています。こちらにも8つの曜日に応じた祠がったので、ミャンマー式でお参りをしたのでした。
もちろん仏塔とは別にお堂もあります。こちらの仏像もLED光背付きです。
街ブラをする
スーレー・パゴダを参拝した後は街を散策してみることにしました。この写真はスーレー・パゴダのすぐ隣にあるヤンゴン市庁舎です。植民地時代の1903年に建てられた建物ですが、100年以上たった今もなお立派な姿を留めています。
ヤンゴン市庁舎の前には大きな看板が掲げられていました。下部の集合写真の真ん中にはアウンサンスーチーさんが、上部にはアウンサンスーチーさんの父であるアウンサン将軍の写真が印刷されていました。
ヤンゴン市庁舎の隣にはマハバンドゥーラ公園という公園があります。右側の白い塔は独立記念塔です。植民地としての歴史を持つ東南アジアはこのような独立に関連するモニュメントのある国が多数あります。
マハバンドゥーラ公園のさらに隣にあるこちらは旧ヤンゴン最高裁判所です。ヤンゴン市庁舎もですが、旧英領の行政機関・インフラ系の建物はここに限らず現在でも立派に思えるような建物が多いです5。
その他にもこのあたり一帯は洋風のおしゃれな建物が多く建っていました。ちなみに1枚目は銀行の建物、2枚目のピンクのビルの1階はAlibabaというゲームセンターでした。
その後はスーレー・パゴダのあたりから西に伸びるマハバンドゥーラ通りを中心に、時折そこから南北に延びる脇道を行ったり来たりしながらチャイナタウンの方へと向かって歩いていきました。この通り、ヤンゴンのダウンタウンのエリアは結構背の高い建物がずらっと並んでいます。2枚目の写真の混沌とした中に生活がある感じは非常に見ていて趣がありました。また、ダウンタウンはスーレー・パゴダの方から歩いていくと最初はインド系の雰囲気があり、しばらく歩くとチャイナタウンがあるというような感じでした。東南アジアの中では地理的にも歴史的にもインドに近いミャンマーならではの雰囲気だと思います。
これも定番ですが、ヤンゴンでも信号機を撮ってみました。ヤンゴンの歩行者信号はアニメーション付きでしたが、若干せわしない感じでした。
歩いていくとマーケットもあり、様々な柄のシャツやロンジーに使う布や日用品、果物などを売るお店が並んでいました。南国はどこも心なしかいろいろなものの色が鮮やかな気がします。
歩いているとウサギを売る屋台もありました。ペット用でしょうか。
また、ヤンゴン川に面したエリアにはずらっとコンテナが積んでありました。ヤンゴン市街地は海に面していないのですが、ヤンゴン川は幅も広く船が入ってこられるようになっているそうです。
毎度おなじみですが、道中では猫ちゃんにも遭遇しました。やはり東南アジアの猫ちゃんは細い…
ふらふら歩いてチャイナタウンまで来るとお昼になっていたこともあり、近場のレストランでビーフン炒めを食べてお昼ご飯にしました。もちろんビールも飲みました。
ちなみにここで店員さんに栓を開けてもらうときに「王冠の裏を見る?」というようなジェスチャーをされ、何のことやらと思ったのですが、どうやら王冠の裏に書かれているマークがクジになっているということのようでした。
観音古廟へ行く
お昼を食べた後はチャイナタウンの中華寺院である観音古廟にも行きました。ミャンマー式寺院の獅子像を見た後に中華風の獅子像を見るとこれはこれでかわいいなあという気がしてきます。
そこまで大きくない寺院ですが、ところどころに華僑・華人と思しき方の寄進の記録が書かれていて、ミャンマーに古くから華僑・華人が進出していたことを物語っていました。
ちなみにここの観音様も光背はLEDでした。LED光背の普及率、なかなかのものです。
電気街を調査する
観音古廟を出た後は再びスーレー・パゴダ付近へと向かい、ヤンゴンの電気街と言われるパンソーダン通りの調査に向かいました。今回はPCショップを中心に調査しましたが、写真に”TOSHIBA”のロゴが写り込んでいる通り、テレビ・洗濯機・冷蔵庫などの白物家電を中心に取り扱う家電店もそれなりにありました。
パンソーダン通りでまず最初に訪れたのはこちらのKMDです。こちらはスマートフォンやPCを中心に販売するPCショップです。写真右側に”AEON MICROFINANCE”の看板が写り込んでいますが、調べたところスマートフォンや家電などの分割払いサービスをイオンが提供しているということのようです。
LenovoやASUSのノートPC、デスクトップPCをはじめとして、PCとそのサプライ品を幅広く取り揃えていました。スマートフォンについては写真の通り入口に近い一番いいエリアに各社のショーケースが並んでいました。realmeなど元々はローエンドラインを担っていたようなスマートフォンブランドの取り扱いもありましたが、Huawei、Vivoなど比較的ハイエンドなスマートフォンの取り扱いもばっちりありました。
KMDのほかにも、Xiaomiの代理店や、そのほか様々な電子機器のブランドを掲げて営業している店舗がパンソーダン通り沿いに連なっていました。PCサプライ品については品揃えはなかなかのもので、ヤンゴンの人々は結構PCやスマホにお金を使っているのではないかと思いました。
また、パンソーダン通りに行く前、マハバンドゥーラ通りを西に歩いていく道中にも電気街らしきエリアを見かけました。こちらは23番通り(23rd Street)にあった電気店です。
店内には所狭しと特大のスピーカーが並んでいました。東南アジアあるあるのオーディオ関連機器を中心とした電気店でした。
23番通りとその隣のBo Ywe通りにはいくつか電気店が並んでいて、路上でもこんな風に金物と一緒にケーブルが売られたりしていました。
一方、スマートフォン販売店が多く並んでいるとWeb上に書いてあったラサ通りのあたりは、行ったタイミングが悪かったのか日中にもかかわらず閉まっているお店が多く、いくつかスマートフォン販売店が並んではいたもののそこまで賑わってはいませんでした。
パンソーダン通りを調査した後は近くのケーキ屋さん併設のカフェでカフェオレを飲んで休憩しました。のんびりした雰囲気のカフェでした。
ちなみに近くのゲームセンター(確か先ほど書いた”Alibaba”だったと思います)の外壁には日本からそのまま持ってきたと思われる広告が張り付けられていました。ヤンゴンの方々は箱根がどこか知っているのでしょうか…(そもそも漢字が読めるのかという話もありますが)
岐阜まで行ける?ヤンゴン中央駅
パンソーダン通りの電気街の調査とコーヒーブレイクを済ませた後は、ヤンゴン中央駅へと行くべくそのままパンソーダン通りを北に向かって歩いていきました。写真は道中見かけた花です。ルイラソウ属の花のようです。
パンソーダン通りを歩いていくと駅の手前の道路のところから陸橋になっていて、そのまま進むとプラットフォームに下りていく階段につながっていました。駅の近くなのでタクシーが多いという事情もあるとは思うのですが、ご覧のとおりプロボックスとADバンがかなりの台数走っています。
さらに陸橋を進んでいくと列車とプラットフォーム、そして駅舎が見えてきました。
一旦反対側の路地まで出て、駅舎の全景を撮ってみました。ここもプロボックスだらけです。何かの営業所のような気さえしてきそうです。
駅舎に入ってみるとこじんまりとはしていますが、なかなか大きいランプがぶら下がっていたりと重厚な作りです。
その後はホームにも降りてみました。こちらは機関車が牽引する長距離列車のようです。ホームの雰囲気はちょっとインドと似ていて、アグラ・カント駅を思い出しました。
さて、ヤンゴン周辺を走るヤンゴン環状線ではなんとこちらのJR東海からの払い下げ車両、キハ11形気動車が活躍しているのでした。2019年のGWにインドネシアで見たJR東日本の205系電車に続き、日本の車両が海外で活躍しているのを見ることができたのでした。この車両の先頭の行先表示には「松阪-鳥羽」とありました。
ちなみにこの車両の側面にはミャンマービールの特別ラッピングがされていました。
座席はつるんとした樹脂製のものに置き換えられ、本来あったのでしょうけどこの南国では必要ない床下のヒーターは取り外されていますが、それ以外ほぼ本来の姿のままという感じでした。消えかかっていますが「ワンマン列車の乗降案内」という文字も見えます。
車内を撮った方の車両は特に広告ラッピングもされておらず、元々のJR東海風の塗装が残ったままになっていて、車両番号も確認することができました。また、優先席のシールもそのままになっていました。
こちらの列車は「岐阜-多治見(美濃太田経由)」とありました。写真を撮ろうとカメラを構えたら、奥からワンちゃんが出てきたな!と思いきや、よく見るとヤギでした。さすがにこれは予想外でした。
ヤギは何匹かいて、プラットフォームの上でのんびりしていました。世界広しといえどヤギとJRの車両のツーショットが撮れるのはミャンマーだけでしょうね。
もちろんワンちゃんもいました。ミャンマーのワンちゃんはほっそりしていましたが、どの子も毛並みはよいのでした。結構おこぼれのごはんとかもらってるんでしょうね。
ちなみに岐阜-多治見と書いてある車両の反対側は回送表示になっていたのでした。通路部に置いてある椅子は一体どういう意味があるのか…謎です。
そうこうしているとディーゼル機関車が目の前を走ってきました。先頭に付いているホーンがいい味を出しています。
電子部品店を探す
ヤンゴン中央駅からヤンゴン環状線に乗ってみようかとも思ったのですが、次の列車が来るのがかなり先ということで、ヤンゴン滞在が約2日しかない私は泣く泣く断念したのでした。そんなわけで、駅を出た後はGrabを手配して、Google Mapでヒットした電子部品店を目指して移動したのでした。ご覧の通り、この時の車もワンセグ付きの日本のカーナビが取り付けられたままでした。
しかしヒットした中の1軒目の場所に行ってみるとご覧の通りの雰囲気で、民家しかありませんでした。路地の入口には”AC”とか”DC”と書いてある看板もあったので、何かあったのかもしれませんが、看板に書いてあった他のビルマ文字が読めないこともあり残念ながら撤退となりました。
気を取り直して2軒目の住所の近くまで行ってみましたが、こちらはこちらで住宅街とローカルのマーケット、という雰囲気で、こちらも空振りか…?を思ったのでした。
自動車の下からニュッと生えているワンちゃんもいれば、スヤスヤと寝ているワンちゃんもいる中、地図を頼りに進んでいきました。
そしてたどり着いたのがこちらの建物です。この写真だと白く飛んでしまっていますが、3階3に”Green Electronic Store”という看板が出ていました。というわけでいそいそと階段を上って行き、訪問したのでした。
中に入ってみると店員さんは先にいたお客さんの対応中だったので、対応が終わるのを待って話を聞いてみました。ここは基本的に倉庫兼作業スペースで、Webショップのカタログをベースに注文すればここで受け取れるということでした。その他、Wanhaoというブランドの3Dプリンタのショールームも兼ねているようで、何台か実機が置いてありました。せっかくなので私もその場でWebカタログ(事前に存在は調べていました)を見て、バックパックで来ているというのにメカナムホイール1を買って帰ったのでした。
シャン料理を食べる
電子部品店の調査を終えるともう夕方になっていたので、ミャンマーの少数民族であるシャン族の料理が食べられるレストランへ行きました。シャン族はタイ・ラオス北部や中国のシーサンパンナ・タイ族自治州に接するシャン州に住むタイ系の少数民族です。今回はチキンカレーと炒め物(ともちろんビール!)をオーダーしたのですが、チキンカレーはカレーというよりはトムヤムクンのような味わいでした。タイ系の民族ということが関係していたりするのでしょうか…?
夜のシュエタゴン・パゴダに行く
晩ごはんの後は外が暗くなってきたので、ライトアップされた夜景を撮るべく、再びシュエタゴン・パゴダへと向かいました。ご覧の通り、ライトアップされることでより黄金の仏塔が輝き、朝の訪問時よりもさらに神々しい雰囲気になっていたのでした。
夜の方が涼しいということもあってか、朝の訪問時と同じか多いくらいの方々が参拝に来ていました。
そしてLED光背を備えた仏像も、夜になるとさらにそのカラフルな光背が映えて独特の雰囲気になっていたのでした。
中に入れるマハウィザヤ・パゴダ
夜のシュエタゴン・パゴダを拝観した後は、その高台のふもとにあるマハウィザヤ・パゴダにも行ってみました。こちらも黄金に輝く仏塔がライトアップされ、さらに輝いていました。ちなみに上部の傘はミャンマーの元大統領であるネ・ウィン氏の寄贈によるものだそうです。
ちなみにこのマハウィザヤ・パゴダは仏塔の中に入ることができます。内部はこのような星座をイメージした天井になっています。
ちなみにマハウィザヤ・パゴダの周辺では猫ちゃんたちが集まって井戸端会議をしていました。仏塔の中に入ったりはしないのでしょうか?
マハウィザヤ・パゴダからは再びGrabで車を手配してホテルに戻りました。翌日の目的地であるバガンへは飛行機で行ったのですが、なんと朝6時半のフライトということで、午前4時半に送迎のバンが来ることになっていました。そんなわけで、アラームだけは万全の体制にして早々に寝たのでした。
番外編:ヤンゴンの車たち
この旅行記の最後に、ヤンゴンで見た車を簡単に紹介したいと思います。Grabでタクシーを呼ぶとプロボックスが来ることからも分かるように、ヤンゴンでは日本の中古車を大量に見かけました。上のトラックは車庫証明シールまで貼ったままでした。
こちらはホテルの前に停まっていた鈴木燃料店のトラックです。ちなみに調べたところ、福島県の燃料店のようです。
こちらはスマホを覗き込む若者とオープンエアの風に乗るらしいタウンエースのトラックです。確かにトラックの荷台はオープンエアの風に乗れそうです。
こちらは上の「オープンエアの風に乗る」のさらに先を行くトラックでした。ウラジオストク訪問時にも見かけましたが、日本語の塗装があると状態が良い日本車に見え、中古価格が上がるからなのか、それっぽいけれどもちょっと変な塗装がされている車も時折を見かけました。こちらの車はいかにもそれっぽい「株式会社西原商会1」という記載はあるものの、その隣に「真山石材店」という文字もあり、その上には「城自県車部品」という謎の文言が書かれています。さらに普通のトラックなのに危険物マークもあり、ダメ押しで車両背面に「毎週抽せん!」と書いてありました。西原商会だけだったらそれっぽかったのに、中途半端に化けるのがうまい狸を見ているようなヘンテコ具合でした。
以上、2020年2月のミャンマー・シンガポール旅行記、出発&ヤンゴンDay1編でした。次回は世界遺産の街、バガン編です。お楽しみに!