今回は2020年1月にMaker Faire Bangkokに合わせてバンコクへ行った際の旅行記です。実は2020年は1月1日から飛行機に乗り、ラスベガスで開催されるCESに出張で行っていたため、2020年の海外行きとしては2度目となります。

羽田からバンコクへ

さて、ラスベガスから帰ってきたその週の金曜日の夜にまたしても羽田空港にやってきました。

キャセイのラウンジは夕方には閉まってしまうため、まっすぐJALのラウンジへ行き、例によってビールとカレーで晩ごはんにしました。おやつは行き先を考慮して(?)たい焼きです。

日付が変わってから出発する深夜便のため、寝て起きてから機内食がサーブされました。機内食を食べてしばらくすると飛行機は高度を下げていき、早朝5時のバンコク・スワンナプーム空港に到着したのでした。

スワンナプーム空港の動く歩道はなかなか長くて見応えがあります。

まずは空港から市街地へ向かうべくARL(Airport Rail Link)乗り場を目指して移動しましたが、まだ5時半頃だったのでARLの始発が出るまで30分ほど時間がありました。そんなわけで唯一開いていたSubwayでサンドイッチを買い、時間を潰していたのでした。

ARLの始発に乗り、30分弱でマッカサン駅に到着です。ここで一度下車し、スーツケースをホテルに預けました。

ホテルにスーツケースを預けた後はMRTブルーラインに乗りました。まだ朝6時台ということもあって、主要なバンコクのアトラクションは開いていないだろうと考え、Googleで検索した結果を踏まえてまずはルンピニー公園へと向かいました。

ルンピニー公園へ行く

ルンピニー駅で下りてみると、出口案内板に”Wireless Road”という気になる表記がありました。携帯電話会社の本社でも近くにあるのだろうか?と思ったのですが、英語版Wikipediaによると通り沿いにタイで最初のラジオの送信局があったことに由来するそうです。

ちなみにルンピニー駅にはこんな看板もありました。右の絵くらい切羽詰まった時は言ってくれればトイレは貸すよ、ということなのでしょうか?

駅を出てちょっと歩くとルンピニー公園に到着です。朝7時過ぎでしたが、ランナーの方々が公園を元気に周回していました。

ルンピニー公園には屋台村があるということだったので、そこまで行って何度目かの朝ごはんにしました。定番のカオマンガイです。

ルンピニー公園の端には公園建設時の国王であるラーマ6世の像が建っています。

ちなみにルンピニー公園には猫ちゃんもワンちゃんもいました。おなじみの注意ですが狂犬病のリスクがあるのでワンちゃんには不用意に近づきすぎないようにしましょう。タイだとコンビニの前に居たりするのでなかなか難しいのですけどね…

フアランポーン駅へ行く

ルンピニー公園の中を歩いてラーマ6世の像のあたりまで行くと1駅分歩いたことになり、MRTブルーラインの最寄り駅はシーロム駅となります。そのシーロム駅から再びブルーラインに乗り、バンコクの長距離鉄道ターミナルであるフアランポーン駅へと向かいました。ブルーラインの車内表示にはいつの間にかスリに注意という旨の表示が出るようになっていました。日本語の表示もあります。

しばらくブルーラインに乗るとフアランポーン駅に到着です。ここに限りませんが、タイの公共施設では8時と18時に国歌が放送されます。この国歌が放送されている間はタイ国民は敬意を表して立ち止まることになっており、これを守らないと1不敬罪ということになります。この風景を見るべく、8時前にフアランポーン駅に着くように移動したのでした。外国人はこれを守らなかったことにより不敬罪に問われることはないという話ですが、郷に入っては郷に従え、という言葉もあるので自分も立ち止まって一緒にこの空気を味わったのでした。

ちなみにこの訪問時にはこのフアランポーン駅からターミナル駅としての機能がより北にあるバーンスー駅に移るということが決定していたので、せっかくだからと駅構内の写真を撮っていくことにしました。フアランポーン駅は2014年に初めてバンコクに来た際に、ドンムアン空港から国鉄で市街地を目指した際に利用しているので思い出のある駅なのでした。

タイの鉄道路線はあまり電化されていないため、趣のあるディーゼルカーが多数見られました。朝8時にも関わらず、ターミナル駅ということもありかなりの人で賑わっていました。長距離路線のターミナル駅は人がガヤガヤ動いているのを見るだけでも不思議と楽しいものです。

同じく2014年に初めてバンコクに来た際に泊まった、フアランポーン駅そばのシークルンホテルも健在でした。外壁は青色に塗り直したようですね。

ヤワラートを歩く

さて、フアランポーン駅の写真を一通り撮った後はフアランポーン駅の西側にある世界最大の中華街1、ヤワラートへ行きました。実は2017年に訪問した時点には工事中であったブルーラインの延伸工事が完了し、バンコク三大寺院のある王宮エリアまでブルーラインで行けるようになってはいたのですが、時間もあるしヤワラートの雰囲気を味わおうとフアランポーン駅の一駅先のワットマンコン駅まで歩いて行ったのでした。写真の通り、ヤワラートは春節が近いこともあり、新年祝賀ムードでした。

道中、見事なハチワレ&くつした柄の猫ちゃんを見かけました。

10分少々歩くとワットマンコン駅に到着です。流石に新しいだけあり、きれいです。

中華街のヤワラートの中にある駅らしく、駅構内はネスカフェとコラボして中華風のラッピングがされていました。ここからは再びブルーラインに乗り、王宮エリアの最寄り駅であるサナームチャイ駅を目指しました。

ワット・ポーへ行く

タクシーだとヤワラートを抜けるための渋滞にはまって時間がかかる王宮エリアですが、ブルーラインに乗ってしまえばあっという間にサナームチャイ駅に到着です。

王宮エリアにはワット・ポー、ワット・プラケオ、ワット・アルンの3つの有名な寺院がありますが、まず最初に駅から最も近いワット・ポーへ行きました。ワット・ポーはタイ古式マッサージの講習所が古くからあったことでも有名な寺院です。写真のように境内にはマッサージのポーズをしている像が飾られています。

そしてワット・ポーで最も有名なものといえばこちらの涅槃仏像です。2014年の訪問時と同じく、今回もこのお堂の通路に置いてある鉢にお金を喜捨していく2活動もしました。今回はスマホの超広角モードを使うことで、なんとかほぼ全身を写真に収めることができました。こういう時は超広角モードがあると便利ですね。

船に乗ってワット・アルンへ

さて、ワット・ポーを拝観した後はワット・アルンへと向かいました。バンコク三大寺院のうち、ワット・アルンだけはバンコク市内を流れるチャオプラヤー川の西岸にあります。というわけでワット・ポーのすぐそばにある船着き場から渡し船に乗り、ワット・アルンを目指しました。乗り場からはすでにワット・アルンの大きい仏塔が見えていました。

西岸の船着き場で降りると、こんな注意喚起のポスターが張ってありました。「安全でない」、間違っちゃいないのですがなんというか味があります。

ワット・アルンとは「暁の寺」という意味で、三島由紀夫の小説の舞台ともなった寺院です。

ワット・アルンの名物は船着き場からも見えていたこの高い仏塔であります。私が2014年に訪問した際は仏塔の上まで上ることができたのですが、今回は途中にフェンスがあり、上までは行けないようになっていました。

一通り見学した後はワット・プラケオに行くために再び船着き場へ戻り、渡し船に乗りました。この渡し船はよく見ると東南アジアの名物、シンガポール発の塗り薬ブランドであるタイガーバームのヤードム(嗅ぎ薬)の広告になっていますね。

渡し船を降りると、ちょっとしたバンコク名物であるところの赤バスを目撃しました。この暑いバンコクにあってこの赤バスはなんとエアコンのないバスなのでした。今までは乗ったことがなかったのですが、今回の旅行中、夜にMaker Faire会場からホテルに戻るのに初めて乗ってみました。風がいい感じに入ってきて意外と涼しいのでした。

ワット・プラケオに行く

赤バスを横目に歩いて、ワット・ポーのお隣、王宮の中に建つワット・プラケオへと行きました。ワット・プラケオは1782年、ラーマ1世が現在のチャクリー王朝を確立し、チャオプラヤー川対岸のトンブリーから現在のバンコクに首都を移した際に建てられた寺院です。現在も王室の仏教儀式の場所として使われています。

さすがに王室の寺院だけあって、装飾もほかの寺院に比べて豪華ですし、規模も大きいです。

王宮なので、当然ながら宮殿もあります。こちらの宮殿は和洋折衷ならぬ泰洋折衷の様式の宮殿です。こちらもスマホの超広角モードで1枚のフレームに収めてみました。

ちなみにワット・プラケオにはこんな看板もありました。頑張って漢字を書いたのね…!という感じがします。これもおもてなしですね。

パッタイを食べて爆睡

さて、ワット・プラケオまで一通り回るともうお昼になっていたので、Grabでホテルへと向かい、チェックインしました。その後、近くのデパートへ行きフードコートでお昼を食べました。お昼は定番のパッタイです。

お昼を食べてデパートの中を軽く散策した後はホテルに戻りました。朝5時にバンコクに到着だったり、直前のラスベガス出張の時差ボケを引きずっていたこともあり、なかなか眠かったので仮眠を取ろうと寝たのが運の尽き、起きたら時刻は21時近くなっていて、当然ながらお目当てであるところのMaker Faire Bangkokにもこの日は行けずでした。トホホ…

そんなわけで晩御飯はふらふらと歩いていって見つけたビアバーでハンバーガーを食べながらチャーンビールを飲んでおしまいにしたのでした。

サイアム駅周辺をぶらつく

2日目は朝起きてからBTS3サイアム駅へと向かいました。写真はサイアム駅からサイアムスクエア方面に向かったところにいたワンちゃんズです。バンコクの犬は人慣れしていて堂々としています。

さて、今日の最初の目的地はこちら、チュラロンコン大学のブックセンターです。1日目のお昼ごろ、日本からMaker Faire Bangkokに参加している方々のチャットでどこかIT系の本が置いてある本屋はないかという話が出たので、現地の友人4に聞いてみたところ、サイアムにあるタイの有名私立大学であるチュラロンコン大学のブックセンターがいいのでは?と提案してくれたのでした。爆睡事件もあり、私は1日目には訪問できなかったので、2日目の朝に訪問してみたのでした。電子工作系の本はあまりありませんでしたが、情報系の本はそこそこ取り揃えていました。

その後は近くのカオマンガイ屋さんで朝ごはんにしました。やはり東南アジアで食べる鶏肉はうまいのでした。

帰るときにレジでもらったショップカードを見てみると、”暹羅中心”という文字が書いてありました。中国語でサイアムスクエアはこう書く5んですね…

その後は10時も過ぎたので駅の反対側にあるデパート群も開店するだろうと思い、いったん駅へと戻りました。上の写真は駅にあったカフェの写真です。なにをかむのでしょうか…

というわけで10時に開店してすぐサイアムパラゴンへと行きました。サイアムのあたりでは1、2を争う高級デパートということもあり、内装もきれいです。そして相変わらずタイの商業施設の中は空調がガンガンに効いているのでした。

電気街へ行く

サイアムパラゴンをぶらぶらした後は、駅とは反対側にさらに歩いていき、バンコクのITモールの1つであるパンティップ・プラザへと向かいました。途中まっすぐサイアムパラゴンの裏側に出れず、回り道をしていたらこちらのスヤスヤ寝ているワンちゃんに遭遇しました。

回り道も含めて15分ほど歩いてパンティップ・プラザに到着しました。ここでスイッチサイエンスの高須さんと合流し、2人で電気街調査を開始したのでした。

しかし入口を入るといきなり靴売り場が広がっていました。周囲の広告はIT系のものですが、以前は各社のPCを展示するブースで賑わっていた1階部分がこうなっているあたり、パンティップ・プラザのITモールとしての衰退を感じざるを得ませんでした。ちなみに2017年に訪問した時点でも、上層階の一部がリフォーム中だったり、1階の周辺部に化粧品店が入っていたりして兆候はあったのでした。

さらに上層階へ行ってみると、シャッター通りと化しているエリアがあったり、まったく店舗が入っておらず、カウンターすら置いていないだだっ広いエリアがあったりと、さらなるダメ押しを食らったのでした。思わず悲しいなあ…と言ってしまいました。

一方で上層階のちょっと怪しい、一昔前の秋葉原のような細かいPCサプライ品を売っているお店や、最上階のIT CITYという量販店形式のPC販売店は健在でした。

その他、”TAMASHII ERA”というフィギュアを扱うかなり大きいショップ1ができていたり、フードコートにSYNERGYというメイカースペース兼コワーキングスペースができていたりという大きな変化点もありました。ちなみにこの時はまだ知らなかったのですが、2020年10月にバンコク在住の椛澤さんから、パンティップ・プラザはITモールとしての幕を閉じ、輸入製品等の卸売り拠点としてリニューアルされるという発表があったことを教えてもらいました。この時はすでに方向性を模索していたのではないかと思うのですが、この後にやってきたCOVID-19の騒動が追い打ちをかけたのでしょうね。いつまでもあると思うな電気街、という感じです…

その後は高須さんとGrabで移動し、電子パーツ街であるバンモーまで移動しました。こちらは2014年、2017年の訪問時と変わらずの賑わいでした。LEDも昼からビカビカです。

東南アジアにありがちなスピーカーの山や、バンモー名物の路上修理屋台も健在でした。高層ビルもガンガン建つバンコクですが、一方でこういう街並みが残っているのは結構すごいことという気もします。

壁に引き出しがびっしりあるようなベタな電子パーツ店もしっかりと生き残っていました。日本以外の電子パーツ街だと、リアル店舗では古い部品しか扱っていない、ということがよくあるのですが、バンコクの電子パーツ店が偉いのはRaspberry PiやArduinoなど、そこそこ今どきの開発ボードもきちんと置いていることです。

また、電子パーツ店がいくつも入居する雑居ビルであるバンモープラザもこの通り、相変わらずのゴチャゴチャ具合でした。中でワンちゃんがだらけているあたりもなんともタイらしいです。

ちなみにバンモーのすぐそばには中国寺院があります。今回はせっかくなので高須さんと一緒にお参りしてきたのでした。

その後は近くのヤワラートを散策していた他の日本からのMaker Faire Bangkok参加者のみなさんとも合流し、近くのThe Old Siam Shopping Plazaのフードコートでお昼ご飯にしました。この時もカオマンガイを食べたと記憶しています。ごはんを食べた後はみんなでMRTブルーラインに乗り、会場のそばのタイ文化センター駅を目指しました。ちなみにMRTは車内の画面でニュースが流れたりするのですが、この時ちょうどCOVID-19の影響で、中国・武漢の市場は閉鎖して消毒をしているというニュースが流れ、他の参加者の方と「中国は大変そうですねえ~」と話していたのを今でもよく覚えています。

Maker Faire会場でお買い物

さて、ブルーラインでタイ文化センター駅までやってきて、少し歩くとMaker Faire Bangkokの会場、The Street Rachadaというショッピングモールにたどり着きます。このショッピングモールは2015年開業ということで、内装も今風できれいでした。1枚目の写真のように屋内にもワークショップ会場などが設置されてはいるのですが、メインの会場はこのショッピングモールの前の広場になります。今回はまずMaker Faireに行く前に、このショッピングモールにある大型スーパー、BigCでお土産を買うことにしました。

タイのばらまき系お土産といえば定番のポッキーも買いました。タイ限定の味もさることながら、パッケージがかわいいのもポイント高いです。

これは確か参加者の湯村さんに教えていただいたのだったと思うのですが、BigCの手前にある通路で売っているイチゴがおいしいということで買ってみました。梅っぽいフレーバーのついた砂糖と塩がかかっていて、イチゴの甘みが引き立てられていました。

そしてそのあとはうっかりアイスクリーム専門店のSWENSEN’Sでパフェを食べてしまいました。屋内なので涼しいし体力も回復しました。

Maker Faire Bangkokを見学する

さて、かなりもったいぶった感じになってしまいましたが、いよいよMaker Faire Bangkokの会場へと入っていきました。1枚目の写真の通り、ショッピングモールの建物を出てすぐのところがメイン会場になっています。

会場にはMaker FaireのマスコットキャラクターであるMakey君と、タイっぽい雰囲気のMaker Faire Bangkokのマスコットキャラクターの着ぐるみがいました。なかなか気合がはいっていることがお分かりいただけるかと思います。

また、会場内には給水所も何か所か設置されていました。この辺りは暑い東南アジアのMaker Faireならではという感じがします。

会場にはMaker Faire Shenzhenにも出展していた深圳の開発キットメーカーであるM5Stackや、タイ最大の携帯電話会社AISの展示コーナーなどもありました。1枚目、中央奥に白いシャツの後ろ姿で写っているのはM5StackのCEO、Jimmyさんですね。

もちろん企業ブースだけでなく、個人ブースもたくさんあります。タイのMakerはファンシー系なロボットものが好きなのかなーとちょっと思いました。

もちろん日本からのMakerも多数出展しています。1枚目手前の白いロボットは榊原さんの遠隔操作ロボット”Project DALEK“、奥はインドにも一緒に行ったカレーマスター(?)でもある一瀬さんのボール型ロボット”omicro”、そしてさらに後ろと2枚目はこちらも毎度おなじみの鈴木さんによる前骨格です。鈴木さんがダースベイダーのマスクをかぶっているのは後ほど紹介する高垣さんによるJedi Traningというスターウォーズをフィーチャーした展示があったためです。

このタッチ操作できるギター風の楽器は実際に触らせてもらいました。なかなかの重量感で作り込みがしっかりしていました。

そして個人的なイチオシはこちらの全自動卵割り機ならぬ全自動卵焼き機です。多分小学生くらいの子がロボットキットのMakeblockとロボットアームのDobot、市販の卵焼き機1を組み合わせて全自動で持ち手付きの卵焼きを作ってくれるというシステムを構築していました。卵液をカップに入れてスタートすると、Makeblockで作られたアームが回転して卵焼き機に卵液を注ぎます。次にDobotで割り箸をそこに刺してしばらく待機します。卵焼き機は卵焼きができると卵焼きをポップアップするので、それを卵焼き機に取り付けた位置センサで検知して、再度Dobotで卵焼きをピックアップする、というシステムです。一生懸命説明してくれたので、25バーツ払って卵焼きを買ってしまいました。高須さんも後ほど購入していて、その時に実際に一連の動作全部を見せてもらったところ、途中で止まったりしててんやわんやしていましたが、小さいころからここまでチャレンジするのは大したものだと感心してしまったのでした。タイのMaker界はなかなか裾野が広いです。

ちなみにMaker Faire Bangkokのもう一つの醍醐味は夜間の開催です。タイの日中は暑いこともあり、14時開場、20時閉場と夜型な開催時間の設定になっています。そんなわけで光り物がとてもよく映えるのでした。真ん中に見えているライトセーバーは先ほども紹介した高垣さんのJedi Trainingで使うものです。Jedi Trainingは前方から飛んでくるボールをこのライトセーバーで打ち返していくゲームです。このライトセーバーは基板から完全自作ということで、なかなか凝った作りでした。スターウォーズ好きな方も多いのか、Jedi Trainingのブースは終始大盛況でした。

そのほか夜になってから見つけたのはこちら、ロボットアームに線香を持たせてお祈りをさせるという展示です。タイでもトップクラスの理工系大学であるKMUTT1の学生さんのようでした。この技術を斜め上な方向性で使う感じ、そしてタイらしいテーマ、なかなか面白かったです。

鈴木さんの前骨格もイルミネーション仕様なので夜のMaker Faireではさらに映えるのでした。

屋外のワークショップゾーンもこの通り夜にはギラギラに光っていました。昼前に行ったバンモーもLEDでギラギラしていましたが、ああいうところで売っている照明用LEDはこういうところに使うための需要があるってことなんでしょうね。

フォーチュンタウンの火事に遭遇

さて、お昼に一通りMaker Faire Bangkokを見学した後は買ったお土産も持っていたので、隣のラーマ9世駅にあるITモール、フォーチュンタウンを覗いてから一旦ホテルに戻ろうとしました。フォーチュンタウンはラーマ9世駅の出口を出るとすぐのところにあるのですが、地上に上がってみるとびっくり、建物からは煙が出ていて、入り口には規制線が張られていたのでした。近くで見ていた方によると、やはり火事とのことでした。後で聞いたところ、地下のお店のグリルから火が出たそうで、他のフロアは無事とのことでした。なんとも大変な所に遭遇してしまいました。

ホテルに荷物を置いて一息ついた後は再度Maker Faireの会場に戻りました。会場のそばではドリアンが売られていたり、屋台村があったりしました。屋台村ではグリーンカレーに茹でたビーフンを入れた料理を食べました。ビーフンとグリーンカレーの組み合わせもなかなかおいしいのでした。

そしてコンビニでは定番のタイ版本家レッドブルも買いました。日本でよく見るレッドブルと違いさらに甘ったるく炭酸が入っていませんが、これはこれで結構好きなのでした。

鉄道市場で飲み会

さて、Maker Faireが閉場した後は日本からの出展者の皆さんと飲み会ということで、会場の近くにあるエスプラネードというショッピングモールの裏にある、タラートロットファイ・ラチャダーへ行きました。タラートロットファイは「鉄道市場」という意味で、元々は2014年に行ったチャトゥチャック・ウィークエンドマーケットに近いところで営業していたらしい、タイ国鉄用地で開かれていたマーケットに由来する名前だそうです。ここ、ラチャダーの鉄道市場は2015年のオープンということで、巨大な屋台村の割にはきれいで、しっかりとした構えのレストランも多数ありました。ただし小さい屋台が密集しているゾーンは大混雑していたので、そこは要注意かもしれません。

というわけで出展者の皆さんとタイ料理を食べながら、チャーンビールのビールタワーで乾杯しました。パッタイもガイヤーンも空心菜炒めもどれもおいしく、ワイワイと楽しめました。

朝のバンコクを歩く

最終日は朝起きてまずコインランドリーに行きました。直前まで出張に行っていた都合もあり、あまり服を持ってきておらず、翌日の空港からの直出勤に備えて洗濯しようというわけです。使い方自体は至って普通のコインランドリーなのですが、説明の4番目、「ボタン おす。push わり!」に笑ってしまいました。しかしこんな街中のコインランドリーでも日本語の記載があるのはありがたい1ですね。

洗濯乾燥中は暇だったので近くをふらふらと散歩していました。するとまだ6時台でしたが軒先におかずを並べている大衆食堂を発見しました。そんなわけで目玉焼き付きのガパオライスで朝ごはんとしました。こういう食堂のごはんがこれまたおいしかったりするのですよね。

ガパオが辛かったのでコインランドリーに戻る道中で「いちたん」の緑茶を買いました。以前は謎の男性(ミスター・イチタンらしい)がパッケージ背面に印刷されていたのですが、いつの間にかなくなっていました。当然ながら緑茶とはいえ東南アジア仕様なのではちみつレモンの甘いフレーバー付きです。

Gravitechの見学に行く

さて、この日は高須さんの旗振りで開催された、バンコクから北上したパトゥムターニー県にあるGravitechの工場見学ツアーに参加させていただきました。今回は日本からのMakerに加え、M5Stackの方々、マレーシアの電子キット販売企業であるCytronのChooさんも参加していました。Gravitechはタイの地場Maker企業で、電子工作関連製品の販売や電子機器の製造を行っている会社です。前日に行けなかったフォーチュンタウンの中にもHome of Makerという店舗を構えています。

まずは会議室に案内していただき、社長のPanさん自ら会社紹介をしていただきました。元々は社長のPanさんが学位を取得したアメリカで起業した会社で、後にタイに戻ってきて、こちらでも会社を立ち上げたとのことです。

一通り説明いただいた後には工場見学に出発です。広い工場のスペースの中にさらにプレハブを建てていて、製造ラインなど高いクリーン度が要求されるエリアはそれ以外の場所と分離されていました。

工場内にはレーザーカッターも置いてありました。trotecのSpeedy 400 flexxなのでかなり上位モデルです。

製造ラインの入り口にはエアシャワーも用意されていて、ライン側のドアの先には靴の裏のホコリを取るための粘着マットまできちんと用意されていました。半導体製造用のクリーンルームほどではありませんが、かなりしっかりした設備になっていると感じました。

そしてこちらがGravitechのSMT6ラインです。部品実装ラインとして稼働していたのは右側のラインで、左側手前はラインを新設中でした。左側の奥は手作業での組み立てをするためのエリアです。部品実装ラインの機材は比較的新しく、最小でJIS規格の0402(0.4mm x 0.2mm)サイズの部品まで実装できるとのことでした。最近ではさらに小さい0201(0.2mm x0.1mm)サイズの部品も出てきていますが、0402サイズの電子部品はスマートフォンなど、サイズが重要な精密電子機器で使われるような部品であり、それを実装できるというのは設備がかなり充実しているという証拠だと思います。

製造ラインを出た後は商品を保管しておく倉庫も見学させていただいたのですが、なんとここで以前分解したファービーもどきと感動の再会を果たしたのでした。後日こちらの機体も高須さんに購入していただき、分解したうえで分解のススメというオンラインイベントでレポートしました。

ちなみに会議室にはトランジスタやダイオードなど、電子部品にちなんだ名前が付けられていました。なかなかおしゃれです。

フォーチュンタウンにリベンジ

工場見学の後は工場の近くのレストランでお昼ごはんを食べ、再びバンコク市内へと向かったのでした。前日に火事が起きていたフォーチュンタウンが今日は営業していると聞いたため、フォーチュンタウンを目的地にして移動しました。

フォーチュンタウンITモールエリアは2フロア構成で、スマホやガジェットが中心で明るい雰囲気のフロアと、カメラやPCパーツなどが中心でもうちょっと怪しい雰囲気のフロアに分かれています。ここは以前の訪問時とあまり雰囲気が変わっておらず賑わっていました。

そしてGravitechが運営するHome of Makerにも無事訪問することができました。ここはRaspberry PiやM5Stackも扱っています。

その他、ちょっと怪しい雰囲気の方のフロアでぺらっぺらのパッケージを店頭に並べてソフトを売っているお店も健在でした。健在でいいのかという話はあるかもしれませんが…

フォーチュンタウンはITモールというだけでなく、こんな感じのレトロゲーム・アニメグッズを扱うお店もあり、若干中野ブロードウェイ周辺のような雰囲気もありました。

フードコートで軽くごはん

残りの滞在時間も少なくなってきていたので、フォーチュンタウンをぶらぶらした後はサイアムスクエア周辺のデパートで最後のお土産購入&散策をしていました。上の写真は携帯電話会社であるtruemoveの5Gに関する広告がラッピングされたBTSの車両です。なぜかペッパー君が出ていました。

ぶらぶらした後はサイアムパラゴンのフードコートで軽く晩ごはんです。合掌しているドナルドでおなじみのタイのマクドナルドに行ってみるというのも手だったのですが、そういえば今回まだ食べてないなとタイ風牡蠣オムレツのホイトートと、ココナッツミルクで炊いた甘いもち米とマンゴーのセットであるカオニャオマムアンを食べました。カオニャオマムアンは晩ごはんというよりはおやつ系ですね。

日本に戻る

サイアムパラゴンで軽く晩ごはんを食べた後はホテルで荷物を回収し、ARLでスワンナプーム空港へと向かいました。春節直前ということもあり、スワンナプーム空港にも中華風の飾りが置かれていました。

そして例によってラウンジ飯です。スワンナプーム空港にはJALのラウンジだけでなく、キャセイパシフィック航空のラウンジもあるので、まずはそちらを覗いてみました。羽田のラウンジと同じく担々麺の提供があるだけでなくこちらではパッタイの提供もありました。さすがはタイです。しっかりビールも飲みました。

キャセイのラウンジを出た後はJALラウンジにも行きました。JALラウンジはビーフカレーでなくグリーンカレーが提供されていました。こちらもさすがはタイという感じです。ビールも当然飲みましたが、甘くない緑茶が置いてあったのも個人的にはGoodでした。ただちょっとうるさいおじさま方が多いなあ…とも思ったのでした。ラウンジで大声でSiriを使うのはやめてほしいです…

その後、22時過ぎに搭乗し、帰りは少し短い5時間半ほどのフライトで羽田空港に戻ってきたのでした。検疫所の手前には中国・武漢で原因不明の肺炎が発生したという注意喚起の掲示がされていました。この時はまだ「新型コロナウイルス」という呼び方すらなかったのでした。こんな掲示を横目に、朝5時半に到着した羽田空港からまたまた直接会社へと向かっていったのでした。

最後に余談ですが、今回のお土産の中で一番ウケがよかったのはこちらのキャンディでした。実は最初にこのキャンディを見かけたのは9月のインド滞在中だったりするのですが、ちょうど一緒にいた椛澤さんにタイの製品だと教えてもらったのでその時は買わず、今回満を持して買って帰ったのでした。さて、中央の文字は何と読むでしょう?「ムエポヨ ラタイナ7」と読む人が多数でしたが、これは実は”Lime Salt”と書いてあるのでした。日本語風だけど実際はアルファベットなので日本人は読めないフォント、というのは話には聞いたことがありますが、実際商品に使われているのを見るとなかなか混乱してしまいます。ちなみに味は結構きちんと塩ライムキャンディーとしておいしく、そういう意味でも好評なお土産だったのでした。

以上、2020年1月のバンコク旅行記でした。次回は2020年2月のミャンマー・シンガポール旅行記です。お楽しみに!

  1. もちろん、運転中など立ち止まると危険な場合は免除されます。
  2. いくらか寄付すると108枚のサタン硬貨が入った入れ物を渡されるので、その硬貨108個の鉢に1枚ずつ順に喜捨していくことで煩悩がなくなると言われています。
  3. Bangkok Mass Transit Systemの略。BMTSでない理由は謎です…
  4. 以前、留学生として日本にやってきていた友人です。2014年に私がバンコクを訪問するきっかけとなった張本人であります。
  5. Wikipediaだと”暹羅広場”になっていました。
  6. Surface Mount Technology。表面実装を指します。
  7. 1行目の1文字目と2行目の3文字目は同じ字形なのに違う字を当てる人が多数でした。不思議!
公開日:2021/01/03