2018年はEU、珠江デルタと旅行していきましたが、その後お盆を過ぎて秋口の9月末から10月にかけて、シベリア鉄道を中心に旅行をした際の旅行記を書いていきたいと思います。今回は全体説明が長くなりそうなので、まずDay0編として書きたいと思います。
なぜ行くのか・なぜ乗るのか
「そこにシベリア鉄道があるからさ!」とでも言わんばかりの見出しですが、落ち着いて考えると2016年に深圳から南寧経由でハノイまで行ったバス移動が思いの外楽しく、時間をかけて長距離を移動するのは面白いな…と感じたことが一番の理由だといえます。小説「深夜特急」1のようにバスで延々と移動するのも面白いのですが、延々とひたすら移動するという意味ではやはりシベリア鉄道はある種のトップではないかと思ったのと、そもそも2016年はバスでの長距離移動をやったので今度は鉄道での長距離移動をやってみたい、と思ったのがシベリア鉄道をチョイスした主な理由です。そんなわけで、2018年4月に会社に入り、プロジェクトベースの新人研修が一通り終わったタイミングを見計らって長い休みを取り、シベリア鉄道を中心とした中国・ロシアの旅に出ることにしたのでした。
今回の旅程
今回の旅行は「シベリア鉄道紀行」と銘打っていますが、どうせ長く休むなら安くて変なルートで行ってやろうと思い、そういうポリシーのもとで航空券を検索した結果、以下の旅程となりました。
日付 | 場所(それぞれの場所の記事へのリンクになっています) |
9月22日 | 羽田→北京 |
9月23日 | 北京→ウラジオストク |
9月24日 | ウラジオストク |
9月24日-9月30日 | シベリア鉄道(ウラジオストク-モスクワ通し乗車:ロシア号) |
9月30日-10月3日 | モスクワ:街歩き編 / 赤の広場編 / 電気街巡り編 / 最終日・帰国編 |
10月4日 | モスクワ→イルクーツク→成田 |
鉄道移動の部分に関しては今回はシベリア鉄道の1番列車、「ロシア号」に始発・ウラジオストクから乗車し、終点・モスクワ(ヤスロラフスキー駅)で下車というコースです。下の図は私が乗車した際の主要停車駅をプロットした地図になります。(2020/08/02追加)
シベリア鉄道による大陸横断旅行のモデルケースだと、だいたいは中間地点のイルクーツクで途中下車しバイカル湖観光を挟むのではないかと思います。しかし、ウラジオストク~モスクワ間を通しで運行するロシア号が隔日運行であることを踏まえると、イルクーツクで途中下車して次のロシア号に乗る場合、イルクーツクに2泊する必要が生じます。そこまでの休みを取れなかった2ので、このような旅程になりました。
なお、羽田-北京および北京-ウラジオストクはそれぞれ約3時間半・2時間という短距離便かつ深夜便での移動であり、(2日連続のろくに寝られない)機内泊という強行軍な日程と引き換えに北京での丸一日の自由行動を実現しています。
もろもろの準備
さて、シベリア鉄道を含めロシアというこれまでに行ったことがない国に行くということで、何回か行っている中国に行くのとは違い、今回は比較的きちんと準備をして臨みました。
ビザ
ロシアはその他の近隣諸国と異なり、日本人のビザなし入国を認めていないため、あらかじめビザを取得しておく必要があります。本来であればホテルなどから招待状の発行を受け、それと旅程を合わせてロシア大使館へ持っていき申請する必要がありますが、即日発行でないこともあり代行業者(ロシアビザセンター)を使って申請をしました。必要事項を記入した書類と写真、パスポートを送るとすんなりビザが取得できました。
十徳ナイフ
シベリア鉄道・ロシア号には食堂車が連結されているとはいえ、毎食食堂車で食べるというのも現実的ではないだろうというのも分かっていたので、ある程度食料品を持ち込んで自炊(?)することを前提にスプーン・フォーク・ナイフを備えた十徳ナイフを購入しました。これはシベリア鉄道生活だけでなく、その後の旅行でも活躍しているので大変良い買い物でした。ナイフが付いているので預け荷物があるときにしか持っていけないのが難点ですが…
食料品
もちろん現地で食料を調達したり、食堂車に行く前提ではありますが、そうはいっても長時間停車しない区間や、現地のご飯が口に合わない・買えない3可能性もあるということでいくつか食料品を日本から持ち込みました。持ち込んだのは
- カップヌードル・リフィル(+調理用の専用カップ)
- インスタント味噌汁
- おーいお茶のティーバッグ
の3つです。カップヌードル・リフィルは他の方のシベリア鉄道乗車レポでおすすめされていたため購入しました。他2つはハノイでの経験から、日本人的にはあると落ち着くよね…ということで用意したものです。多すぎるかな?と思いましたが、途中で乗り合わせた方にあげたりもしたので多すぎると思うくらいでちょうどよかったのではないかと思います。
ウエットティッシュ・タオル類
いつもであればホテルのタオルを使うところですが、ホテルというわけではないですし、そもそも本格的なお風呂の設備は無く、トイレの洗面台で頭を洗うことになる4と分かっていたので、それなりに多めのタオルを持っていきました。更に食べた後の手を拭いたりする用のアルコール除菌ウエットティッシュと、汗拭き用のボディシートを持っていきました。
本
シベリア鉄道はつねにネット環境が確保できるというわけではなく、通信ができないエリアも長いということで、スマホに頼らない暇つぶしを用意する必要があると考え、ここぞとばかりに積ん読を数冊、さらにKindle Paperwhiteに数冊ダウンロードした状態で旅行に臨みました。個人的には読書には本当にいい環境だったと思います。その他、ついつい絵柄が楽しげで買ってしまう「旅の指差し会話帳」のロシア語版も持っていきました。
モバイルバッテリー
コンセントがまともに使えるかどうかも正直良く分からなかったため、モバイルバッテリーは多めに持っていきました。しかし実際はコンセントが(4人で1つとはいえ)使えたため、車内での出番はあまりありませんでした。
列車の予約
当然ですが日本でロシア号のきっぷの予約はあらかじめしていきました。予約にはRussianRailways.comを使い、2等客室(4人部屋)の下段を選択しました。下段の方が少し高いのですが、せっかくなので寝ていても窓にアクセスできる下段にしたのでした。ウラジオストクからモスクワまで通しでしめて39454ルーブル、当時のレートでだいたい7万円弱でした。この価格から分かるように、価格面でシベリア鉄道を選ぶメリットはまったくありません。果たしてそんな鉄道を誰が利用しているのか、私と同じく好き者の旅行客ばかりが乗っているのか…と考えていましたが、これについては乗車中になんとなく自分の中で回答を見いだせたと思っています。
ひとまずDay0編はこのくらいにしておき、まずはロシアへ行く前に1日だけ立ち寄った北京編から書いていきたいと思います。お楽しみに!