2024年の旧正月の東南アジア旅行に続いて行ったゴールデンウィークのアジア周遊旅行記、Part0です。今回はまだ海外に行かず国内パートだけなのでPart”0″にしてみました。
Maker Faire Kyotoに行こう
2024年のゴールデンウィークは2023年10月ベトナムの旅(ハノイ編)や2024年旧正月東南アジアの旅(Part1)でも言及した「香港からシンガポールまでのルートを一通り飛行機を使わずに移動してみる」を完成させるべく、上の地図に点線で記載した未走破区間の一つ、バターワース~クアラルンプール間を埋めるためにマレーシアに行く予定にしていました。南寧~ヴィエンチャンルートは未走破ですが、バターワース~クアラルンプールを埋めるとインドシナ半島をベトナム側で南下するルートを経由して、当初の目的が達成されることになります。
しかし航空券を取ってから、ゴールデンウィークの最初の週末で4月27日・28日にはMaker Faire Kyotoが開催されることに気が付きました。しまった、完全に忘れていた…と思ったのですが、マレーシア行きのスケジュールを改めて見てみると、成田空港から経由地の香港への出発は28日でした。ならば27日にMaker Faire Kyotoに行けばいいではないかと思い立ち、ややトリッキーな旅程を組んでMaker Faire Kyotoとマレーシア行きを両立させることにしました。
電車でMaker Faireへ向かう
というわけでゴールデンウィークの初日の朝、まずは新幹線に乗って京都駅へと向かいます。朝ごはんは定番のシウマイ弁当です。新幹線普通車のワゴン販売はなくなってしまったので、ホームでスジャータのアイスも買って乗車です。
2時間ほど新幹線に乗り、すんなり京都に到着です。京都駅はさすがにインバウンド観光客もいて大混雑といった雰囲気でした。この時期は中国も労働節連休なので、インバウンド需要も大きい観光地は輪をかけた混雑になりがちですね。新幹線を降りた後は早々に近鉄京都線に乗り換えてMaker Faire会場の最寄り駅、新祝園駅を目指しました。
急行電車に30分ほど揺られて新祝園駅に到着です。しかし関東人からすると「新祝園」は最初どう読めばいいか分からず戸惑いますね。ここに限らず、愛知以西の地名は関東ではあまり見ない読みだったり漢字だったりを使うことが多いような印象があります。それがまた西に来たなぁという感じがして個人的には好きだったりするのですが…
ちなみに新祝園駅のプラットホームには今では大分珍しくなったパタパタ式の列車案内が設置されていました。
新祝園駅からはバスに乗って会場のけいはんなオープンイノベーションセンターに向かうという手もあったのですが、オンラインでチケットを買っていたため、会場に着く前にセブンイレブンでチケットを受け取る必要がありました。Googleマップで確認したところ、会場までの道中にセブンイレブンがあることが分かったので歩いて会場に向かうことにしました。道中、果たしてこんなのどかな所にいきなりMaker Faireの会場が現れるのだろうか…道を間違えていないだろうか…とやや不安になりつつも、Googleマップを信じて歩いて行ったのでした。
Maker Faireを見学する
やや不安になりつつも30分ほど歩くと、無事にMaker Faire Kyotoの会場であるけいはんなオープンイノベーションセンターに到着しました。開場の12時のちょっと前に到着することができたので、歩いて行ってちょうどよかったのかなと思いました。
ちなみに外で入場を待っている時に音楽研究所の勝田さん(@Tetsuji_Katsuda)の着ぐるみロボットを目撃しました。
12時を過ぎて入場した後は、展示を見て回りました。ここからは見て回った展示の中のいくつかを紹介していきたいと思います。まずはオレンジのテーブルでおなじみのいしかわきょーすけさん(@qx5k_iskw)のペンプロッタの展示です。デルタ型のカッコよさもさることながら、スタックチャンブームにきちんと(?)乗って、スタックチャンが両手でイラストをカキカキするペンプロッタもあるのがいいですね!
こちらはけしかんさん(@keshinomi_88pro)のセグメントLED時計です。私もけしかんさんの7セグメントLEDフォントを使って作ったゲーミング7セグメントLEDをMaker Faire Shenzhen 2023に出展したりしましたが、かわいいデザインもさることながら、丁寧な造りはさすがと思いました。
「分解のススメ」本を一緒に書いた秋田先生(@akita11)は4ビットCPU ASICの展示をしていました。「CPUの創りかた」という本で実装されているTD4というCPUをASIC化したものです。さりげなく置いてあるM5StickC Plusの7セグメント表示もいいですね。
こちらはRegYMM(レジム)さん(@regymm0)の自作FPGAボード群です。BGAの実装もこなされていてなかなかのクオリティでした。中国で出回っているジャンクのFPGAボードのマニアックな話もできてなかなか楽しかったです。
よくニュースサイトの記事にもなっているカズヤシバタさん(@seevua)も出展されていました。Xやニュースサイトで見たことのある発明品の数々が生で見られるということもあり、さすがの人だかりでした。
ずらっと並んだハンドベルは京都橘大学 杉浦研究室(@sugiLab_2024)のハンドベル自動演奏システムです。手動演奏(?)でもなかなかこれだけのハンドベルが並んでいる姿は見かけないような気がします。アルミフレームの中にハンドベルがきれいに収められている姿はなかなかの迫力です。こちらの展示をはじめ、京都での開催ということもあってか、Maker Faire Tokyoよりも関西圏の教育機関の展示がたくさんあったような気がします。
こちらはウェアラブル音楽ガジェット”Synthevery“の展示です。実は2月に訪問した新潟県長岡市で開催された「メイカーズながおかまつり」でも実機を見ていたりします。ケーブルのつながっている直方体のデバイスが本体で、内蔵されている加速度センサで動きを検知して音が鳴るという仕組みです。ちなみにケースの製造用の射出成形機も自前で設計しているとのことで、お土産にテストで打ったプラスチック製のコインをいただきました。
その他、Maker Faire Tokyoに比べて、スポンサー・企業ブースがゆったりした配置になっていて、3Dプリンタや工作機械類などの実物が多数展示されていたのが印象的でした。
今回がMaker Faire Kyotoは初めての参加でしたが、思っていたよりもMaker Faire Tokyoとの出展者の重複が少なく、日本のMakerシーンの層の厚さを感じることができたMaker Faireでした。
鹿を見学する
Maker Faire Kyotoの会場のけいはんなオープンイノベーションセンターは京都府と奈良県の県境にあるため、出展者の方を含め京都ではなく奈良駅周辺に泊まる方が多いと聞いていました。私もその情報に従い奈良駅周辺にホテルを取ったので、Maker Faireを見学した後は再び近鉄奈良線に乗って奈良駅へと向かいました。奈良駅では有名なマスコットキャラクターであるせんとくんのお出迎えもありました。
ホテルに荷物を置いた後はカメラを持って奈良公園へと出かけました。もう午後5時を過ぎていたのでお寺などの拝観時間は終わってしまっていましたが、年中無休1の鹿さんは見ることができるだろうという魂胆です。奈良公園を訪れるのは中学校の修学旅行以来でした。
中学校の修学旅行で訪れた時も鹿がいっぱいいるなあと思った記憶があるのですが、改めて本当にいっぱいいるなあと思ったのでした。修学旅行の時は鹿せんべいを持っていたらぞろぞろと鹿が寄ってきた記憶があるのですが、もう夕方だったからかお腹いっぱいだったようで、周りの鹿せんべいを持っている人を見てもそんなに鹿が集まってきたりはしていないようでした。
角がちょろっとだけ伸びている鹿さんもいました。冬に向けて徐々に角が伸びていき、3月に取れてまた4月から生え始めるというサイクルを繰り返すそうです。
本当に公園のいたるところに鹿がいます。こちらの鹿さんは休憩所のようなところの柱の陰から様子を窺っていました。
奈良国立博物館の前のこちらの鹿さんは木陰にどっしりと座っていました。話しかけると何か有益なヒントだったりアイテムがもらえるタイプのゲームのキャラクターのような雰囲気です。
ちなみに公園にはこのような注意喚起のポスターも貼られていました。そりゃあこれだけいたら気が立っている鹿さんがいる時もありますよね・・・
ホテルに戻る道中にベルギーチョコレートのレオニダスのお店がありました。レオニダスは2018年にベルギーを訪れた時にお店に行ったことがありますが、日本ではあまりお店を見かけたことがなかったのでちょっとびっくりしました。
ちなみに翌朝もかなり早起きして、関東に戻る前に奈良公園へ行きました。鹿は夜は木の周りなどに集まって寝るそうで、朝早く行くとまだ鹿が一か所に集まっていたりすると聞いたので行ってみたのでした。ご覧の通り確かに一か所に集まっている鹿さんたちを撮ることができました。ちょっとQueenの”Boheminan Rhapsody”のMVのような構図です2。
当たり前(?)ですが、鹿には人間が勝手に作った交通ルールは通用しません。そんなわけで奈良公園の中を通る道路などでは鹿が最優先になっています。たまたま分かりやすいシーンに遭遇したので、つい動画を撮ってしまいました。
ちなみにMaker Faire Kyoto・1日目の夜は出展者さんたちの飲み会に混ぜていただきました。それぞれ出展・見学しての感想などをシェアしたりしながらなかなか盛り上がりました。
近鉄で難波へ
翌朝、早朝に奈良公園の鹿を再び見に行った後はホテルのレストランで朝食を食べてから次の目的地へと向かいました。ベーカリーが運営するホテルということで朝食はトーストです。小倉あんも載せて、なかなかおいしい朝ごはんでした。
行きは京都経由で奈良へとやってきましたが、帰りはまずは近鉄で大阪・難波を目指しました。
関西の私鉄の車両は関東の私鉄の車両とはまたちょっと違った雰囲気があっていいですよね。この「ゆびにごちゅうい」という表示も、最近は関東ではあまり見ない気がします。
そんなこんなで40分ほど大阪・難波駅に到着です。大阪まで来たならば日本橋のでんでんタウンなどに寄り道したいところですが、まだ午前8時半でどこも営業していないですし、関東へ戻るべくグッと我慢して電車の乗り換え先へと向かいました。
南海電車に乗る
近鉄・難波駅から少し歩いてやってきたのは南海電鉄のなんば駅です。そう、ここから特急ラピートに乗って関西国際空港へ向かい、マレーシア行きの飛行機が出る成田空港に直接向かってしまおうという作戦です。ゴールデンウイークということもあり、新幹線もかなり混雑するであろうということと、東海道新幹線で2時間ちょっとかけて東京駅まで戻り、そこからさらに成田エクスプレスに乗るのもしんどかろうということで、LCCでサクッと成田へ行くという、成田トランジット作戦を取ることにしたのでした。ちなみに成田でのトランジットは2019年にもやっていたりします。結構安く航空券を買うことができたので、なかなかナイスな作戦だったのではないかと思います。
南海電鉄のラピートは写真のような独特のフォルムで有名で、昔から乗ってみたかった電車の一つでした。トリッキーなルートを組んだ副作用とはいえ、乗るチャンスがやってきてちょっと嬉しかったのでした。
成田でトランジット
ラピートで関空にやってきた後は早々にチェックインを済ませ、セキュリティチェックを通って制限エリアへとやってきました。WHILLの電動車いすによる移動サービスが提供されていたので、体験してみました。以前も羽田空港で体験したことがあったのですが、ちょっと周りの目線が気にはなるものの、快適な移動でした。
成田空港へのフライトはお昼ごろの出発だったので、その前にお昼ごはんを食べてしまおうということでプライオリティパスの使えるぼてぢゅうにやってきました。飲んでばかりですが、昼から飲むビールはおいしいですね。
ぼてぢゅうでお昼ご飯を食べた後はジェットスター便に乗って成田空港へ移動です。関空~成田の移動なのであっという間でした。例によって成田ではLCCは第3ターミナルに着くので、とぼとぼ歩いて次のフライトが出る第2ターミナルへと移動しました。
第2ターミナルはさすがにコロナ禍直後よりは混雑していました。ただ、ゴールデンウイークなのでもっと混んでいるかなと思っていたので、まだまだ需要が回復しきっていないのだろうかと感じました。今回は香港の新興航空会社、大湾区航空に乗る予定だったので優先チェックインなども使えず列に並びましたが、中国語で「香港行ですか?」と聞かれたりはしたものの、そこまで待たされませんでした。
先ほども書いたようにワンワールド加盟でない大湾区航空のフライトだったので、JALグローバルクラブの会員でもワンワールド加盟航空会社のラウンジは使えません。そんなわけでプライオリティパスで入れるラウンジ”KoCoo”へ行ってみたのですが、航空会社ラウンジにはさすがに負けるものの、なかなか落ち着いた空間でフードもあり、快適でした。以前は成田空港のプライオリティパスで使えるラウンジはセキュリティチェック前にしかなく、飲み物のみの提供というシステムだったのですが、セキュリティチェック後にもラウンジができるとなると結構ありがたいかもしれません3。ちなみに私がラウンジに入った時は特に待たずに入れたのですが、出るときには写真にも映りこんでいるように長蛇の列ができていました。
ラウンジでゆっくりした後はいよいよ大湾区航空の飛行機に搭乗です。機内はまあよくある普通のLCCといった感じでした。機内エンタメもないので、朝早くから起きていたこともあり機内では寝て過ごし、次の目的地・香港へと向かったのでした。
以上、2024年GWのアジア周遊旅行記、Part0でした。なかなか駆け足でしたが、Maker Faire Kyotoに初めて訪問することができたり、鹿さんを観察したりラピートに乗れたりと、個人的には盛りだくさんの国内移動編となりました。次回はPart1・香港&クアラルンプール編の予定です。お楽しみに!