2019年11月の深圳に続いて、12月に突如行くことになった深圳旅行&大回り帰国の旅行記です。まずはそもそもなぜ突如深圳に行くことになったのかから書いていきたいと思います。
ビール工場は突然に
さて、11月の旅行記の最後で書いたとおり、JGC修行を含め2019年の海外旅行は11月の深圳が最後のつもりでした。しかし11月頭の旅行が終わった後、スイッチサイエンスの高須さんから突如お誘いが来たのでした。
どんなお誘いだったかというと、私も行った深圳クラフトビールフェスティバルでクラフトビールを他社向けにOEM生産しているという工場を見つけて、アポを取ったので見学に行かないか?というものだったのでした。流石に深圳は行ったばかりだし、12月は仕事の関係で結構忙しかったりするのでどうしようかなあ…と悩んでいたのですが、ビールも工場見学も大好きな私としては断りきれず、結局11月末にLCCの香港エクスプレスで航空券を取り、行くことにしたのでした。ちなみにこの際の工場見学記は高須さんもDiamond Onlineで記事を執筆されていますので、併せてご覧ください。
そんなわけでビール工場見学に行くことにしたわけなのですが、やはり年末は忙しく、やっぱりちょっと早く帰ってきたほうがいいかな…と考え、元々は12月20日(金曜日)の夜に出発して、23日(月曜日)の夜に戻ってくる日程だったところを切り詰めるべく、直前も直前、出発1週間前に帰りの航空券だけ別に取り直したのでした。とはいえ、月曜日の早いうちに帰ってきても帰ってくるのに疲れてしまっては本末転倒なので、できるだけ無理なく帰ってくる旅程かつ、直前でも安い旅程を考えて航空券を取りました。実際の旅程はこの記事を読んでのお楽しみです。
夜行便で香港へ
というわけで12月も終りに近い20日の夜、退勤後にバックパックを背負って羽田空港にやってきました。
今回は香港エクスプレスでの香港行きなので、JGCプレミアの特典は使えず、ラウンジ飯はなしです。そんなわけで普通のフードコートでウォーミングアップ(?)のビールを買って飲んだのでした。
その後ほぼ真夜中になってから搭乗です。今回は3000円課金して当日アップグレードで非常口座席を取ってしまいました。羽田-香港間のフライトは約5時間と、LCCで機内食が出ないために乗ったらすぐ寝られることを勘案してもちょっと短めです。そんな中でも最大限寝るべく、今回は課金を選択したのでした。ちなみに香港エクスプレスの機体には香港にまつわる名前がつけられているのですが、今回の機体は「小龍」号でした。小籠包?と思いきや、ブルース・リーから取った機体名だそうです。
そして例によって朝早く、現地時間で4時半頃に香港国際空港に降り立ったのでした。先月も見たクリスマスツリーがお出迎えしてくれました。
今回は朝早すぎるために11月に使った深圳行きのフェリーがないため、香港に一度入境し、越境乗り合いタクシーであるSkyLimoで深圳/香港のボーダーである皇崗口岸へと向かいました。また、結局この時は使いませんでしたが、11月にうっかりなくしてしまった香港のSuica的存在であるオクトパスカード1をコンビニで購入しました。以前持っていたカードは普通のオクトパスカードだったのですが、今回は券面のイラストがかわいいカードを買うことができました。
WeChatで電車に乗る
さて、午前5時台ということもあり、乗客が4人しかいないガラガラのSkyLimoは同じくガラガラの道路を走っていき、なんと空港から皇崗口岸まで22分で着いてしまいました。普段なら30分以上はかかるので、驚きの好タイムです。皇崗口岸からはひとまずホテルのある華強北エリアを目指すべく、深圳地下鉄7号線に乗ることにしました。これまでは深圳の交通系ICカード2である深圳通にチャージして乗車するか、都度トークンを買って乗車するかだったのですが、この時はメッセージングアプリであるWeChatを使って地下鉄に乗ることができるようになっていました。WeChatに深圳地下鉄アプリ(ミニプログラム)を追加することで、WeChatの決済サービスであるWeChat Payの残高を使って電車に乗ることができるという仕組みです。これを使って乗車する際は券売機等に並ぶ必要はなく、スマホに表示させたQRコードを改札にかざせばゲートが開き、WeChat Payの残高に課金されるという仕組みになっていました。今回は実際に使ってみましたが、一瞬タイムラグがあったり、後ほど他の方が使っているのを見た感じだとQRコードを認識させるのにコツが必要そうだったりと、スムーズさではまだまだ交通系ICカードに軍配が上がりそう3な雰囲気でした。
そんなわけで皇崗口岸から深圳地下鉄7号線に乗車しましたが、6時は過ぎていたといっても休日ということもあってガラガラでした。
早朝の華強北を歩く
さて、皇崗口岸から華強北はそこまで離れていないので6時半前には華強北に着いてしまったのでした。実はホテルには一つ手前の華強南駅で下車したほうが近かったりするのですが、朝早くにホテルに真っすぐ行っても仕方ないですし、土地勘のある華強北でまずは朝ごはんを探そうと考え、華強北で下りたのでした。
華南地方ということもあり、日本の冬の6時半よりも深圳の6時半は更に暗いのでした。
そしてまず見つけたのがこちらの腸粉です。このおばちゃんの腸粉のお店は2019年3月など、何回か行っていたのですが、3月に訪問した際には移転告知の張り紙がしてあり、11月の深圳旅行の際には実際に移転してしまっていたようで、見つけられずじまいだったのでした。今回幸いにも移転先を発見し、朝から腸粉にありつくことができました。
腸粉だけではまだまだお腹が空いていたので、その後はケンタッキーフライドチキンでお粥のセットをオーダーし、ゆっくり食べて日が昇るのを待っていたのでした。今回はお粥と油条、豆乳だけでなく、チキンやエッグタルトなどもつけてしまいました。
KFCでしばらく粘った後、華強北の遊歩道をうろうろ歩いたりしていると徐々に空が明るくなってきました。
9時になったところで今回のホテル、”Maker Hotel”へ向かい、大きなバックパックを預けて最低限の荷物だけを持って再度華強北散策に出発しました。
Shenzhen ELEXCON 2019に行く
暇つぶしの少ない朝の華強北でなんとか時間を潰した後は深圳の中心部、福田区は会展中心へと向かいました。
今回訪問した12月21日は偶然にも深圳国際電子展・ELEXCONの会期中だったので、午後のビール工場見学の集合時間の前に行ってみることにしたのでした。日本で事前に登録していたので、すんなり入場することができました。
ELEXCONにはご覧の通り、HUAWEIような通信機器メーカーから、マイコンなどを製造する半導体・電子部品メーカーまで、多数のエレクトロニクス産業関連企業が集まっていました。会展中心の広いホールを2つ使っているそこそこ広い展示会でした。
会場には単にパネルが置いてあるだけのブースだけでなく、写真のような無人運転販売車の走行デモなどもありました。こちらは北京のスタートアップ、新石器の無人運転販売車です。2020年時点では限られたエリアですが、人間が歩いているような歩道に実際に投入されている例もあるようです。
ちょっと展示会のジャンルからは遠い気もしますが、マシニングセンタ3の展示もありました。
また、会場には自動運転向けLiDARなどを中心に扱うレーダー(雷達)専区や、CPU/SoC4の設計事例を展示するブースが並ぶRISC-V5専区といったコーナーがありました。このあたりはトレンドを反映したコーナーという感じがします。
その他、FPGAを使われる方には有名かもしれない、中国の評価ボードメーカーであるMYIR Techのブースや、激安USBシリアル変換ICのCH340で有名なNanjing Qinheng Microelectronics、深圳が拠点のオンライン電子部品通販サイトのLCSCなど、日本のMakerにも比較的有名と思われる企業のブースがいくつかありました。Qinheng Microelectronicsほか数社は、STマイクロのSTM32マイコンを意識した”xxx32/xx32″というような名前のマイコンをブースに展示していました。STマイクロもブースを出しているというのに、なかなか大胆です。
日系メーカーもアルプスアルパイン、コーデンシやキーエンスなど、電子部品やFA機器メーカーを中心に何社か出展していました。
馬子禄で蘭州ラーメン
ELEXCONを出て会展中心から地下鉄2号線で華強路まで戻り、近くの馬子禄牛肉面へと行きました。馬子禄牛肉面は蘭州ラーメンの老舗で、日本にも東京に神保町店が1店舗だけあります。
というわけで蘭州ラーメンと涼菜(冷たいおかず)のセットをオーダーしました。蘭州ラーメンは言わずもがな、涼菜のきゅうりの和え物もピリ辛でとてもおいしかったです。
華強北を歩く
馬子禄で蘭州ラーメンを食べた後はビール工場見学の集合時間が迫ってきていたこともあり、集合場所の華強北周辺をぶらぶらしていました。上の写真は華強北の小さな電子部品店の店員がスタートアップを立ち上げる成長物語を映画にした「創客兄弟」の広告として置いてあったパネルです。ちなみにこの「創客兄弟」についても高須さんが記事にされているので、ぜひ併せてご覧ください。
華強北の遊歩道を歩いて最初に向かったのはこちら、遊歩道の北寄りにあるOppoのフラッグシップストアです。ちなみにこの店舗は2020年9月頃に閉店してしまいもう存在しないとのことです。できるのもなくなるのも深圳速度です。
当然Oppoの最新のスマートフォンの展示がされていて、上部が斜めにポップアップしてインカメラが出てくるスマートフォンに触ることができました。また、インテリアとしてウォークマンやPlayStation2のゲームソフトなど、日本の少し前のカルチャーを象徴するようなアイテムが飾られていたのが印象的でした。
次に訪れたのはXiaomiのエコシステムに参加しているパートナーであるSUNMI(商米)のショールームです。読んで字のごとく、SUNMIは小売店向けのPOSシステムを展開する企業ということで、ショールームも小売店風の雰囲気になっていました。
SUNMIの主力商品はこのようにAndroidスマホにレシートプリンタが合体したようなモバイルPOS端末です。こういう端末であれば通信もできますし、何よりAndroidなのでWeChat PayやAlipayなどのオンライン決済にも対応しやすいのでしょうね。Xiaomiのお店でも似たような端末でレジを通しているのを見かけたことがあります。
話題?の無人コンビニ
Oppoのフラッグシップストア、SUNMIショールームと華強北の遊歩道を南に向かって歩き、華強路駅前のHQ-Martまで来たところ、こちらの冷蔵庫が並んだコーナーを発見しました。上部のディスプレイには「重力感応無人售貨機」、要するに重さでどの商品が取られたか判別する自販機だということでした。
せっかくなので試しに私も使ってみることにしました。冷蔵庫の前面に貼り付けられているQRコードをスキャンすることで扉のロックが外れ、冷蔵庫の中にアクセスできるようになります。扉を開いて今回は上の写真の和其正という涼茶を取り、扉を閉めました。するとWeChat Payの残高から代金が引き落とされ、取引が完了するという流れでした。なんというかローテクという感じもするのですが、ハイテクを駆使しなくともこれで済んでしまうような用途もあるよなあと考えさせられたのでした。ちなみに和其正は至って普通の涼茶でした。
涼茶を飲んだあともまだ時間があったので、朝から歩いてばかりで疲れたこともあり、ケンタッキーフライドチキン(マクドナルドだったかも?)でソフトクリームを買い、食べながら集合時間まで待っていたのでした。
ビール工場へ向かう
さて、ソフトクリームを食べ終わり、華強北をうろうろしていたところ、集合時刻の14時の少し前に高須さんからWeChatで連絡が入りました。16時にはビール職人は帰ってしまうという連絡が入ったとのことでした。そんなわけで急いで今回の参加者である高須さん(深圳在住)、田中さん(インド・グルガオン在住)、椛澤さん(タイ・バンコク在住)と合流してビール工場のある深圳市の東部・坪山区へとDidiで向かったのでした。この時は日本人4人で集まったわけですが、みんな住んでいる国がバラバラという不思議なメンツでした。
華強北のある福田区から坪山区の工場までは直線距離で約30kmほどですが、写真の通りかなり自然の残るエリアで、山や自然公園を避けて通っている高速道路を走っていく必要があるため、1時間半ほどのドライブとなりました。
ビール工場はこちらの規則的に同じデザインの建物が並ぶ工業団地の中にありました。
ひとつ上の写真にも写っていますが、工場の入口には「精醸啤酒(クラフトビール)」の看板が掲げられていました。
というわけで、今回の目的地はこちらの工場の1階にある、深圳市愛醸生物技術有限公司です。
中に入っていくと、社長の王さんが出てきて、そばの応接テーブルへ案内されました。さすがに一番最初はお茶をいただいたのですが、その後は自社製品のビールを次から次へと紹介していただき、試飲させてもらったのでした。
クラフトビールというだけあって、ピルスナーやスタウトなど、普通のフレーバーのビールに加えて、チェリービールや桂花3IPAビールなど、かなり個性的なビールも醸造していました。個人的には桂花IPAは名前だけ聞いて最初身構えてしまったのですが、飲んでみるとIPAのホップのガツンとした風味が来た後にふわっとキンモクセイの香りが広がり、とてもおいしかったのでした。
ちなみにこの記事の冒頭にも書いたように、このビール工場はOEMを中心としたクラフトビール工場なので、写真にあるようなビールは小売店には流通させておらず、求めに応じて顧客専用のラベルを貼り、深圳市内の飲食店などの業者に卸しているとのことでした。また、大口であれば3顧客の要求に合わせたオリジナルフレーバーでの醸造も可能とのことでした。
一通り試飲させて頂いた後は工場を見学させていただきました。酵母を扱うだけあり、試験管が並ぶ実験室もあれば、ずらりと並んだ窯、樽にビールを充填する冷蔵エリアなど、当たり前ではありますがビール工場としての一通りの設備が揃っていました。3枚目の写真を見ると分かると思いますが、樽の形状や書かれているロゴもまちまちで、瓶だけではなく飲食店に樽詰めの形で卸したりもしているとのことでした。これまでに日本のキリン、サントリー、シンガポールのタイガービール(2019年4月)のビール工場を見学したことがあったのですが、いずれもかなり大規模な工場だったので、こういう樽詰めの光景などの舞台裏感のあるところを間近で見たのはこれが初めてでした。
一通り工場見学をさせていただき、記念撮影をした後はお礼を言って工場を出ました。工場の近くにはこんな感じの川が通っていて、深圳=ハイテク都市のイメージの方にはなかなか想像できなさそうな雰囲気でした。
ちなみに工業団地のそばには工場を改装したであろう幼稚園もありました。深圳は他地域からの出稼ぎ労働者が中心の都市ではありますが、一大工業地帯となってからかなり年数が経っていることもあり、深圳でも子育て需要が出てきているということなのではないか、と話しながら歩いていきました。
試飲でかなり飲んだこともあり、深圳市中心部に戻る前に一旦休憩ということで、軽くごはんを食べ、4人で感想を話し合いました。
羅湖で晩ごはん
帰りも1時間半ほどかけて深セン市中心部に戻ってきましたが、戻るともう19時ということで、そのままDidiで晩ごはんへと向かったのでした。今回は高須さんのおすすめで福田区の東、昔からの深圳・香港ボーダーである羅湖口岸もある羅湖区の砂鍋粥のお店に行きました。砂鍋粥は11月の訪問時も食べているので、これが2回目になります。ちなみに1枚目の写真はお店に向かう道中に通った生鮮市場です。肉・魚とかなりの規模でした。
そしてこちらが砂鍋粥です。エビもたっぷり入っていて、魚介の旨味が染み込んだ充実のお粥でした。
他のおかずもなかなかおいしかったです。れんこんのはさみ焼き風の料理は中国にもあったのか、というちょっとした発見もありました。
晩ごはんを食べた後、華強北に戻るべく地下鉄に乗ろうとしたところ、こちらの「I♡羅湖」という広告を兼ねた電飾を見たのでした。LEDで光るビルが多い深圳とはいえ、さすがにこの広告はなかなかインパクトがあったのでした。
華強北で朝ごはん
翌日はいよいよ深圳を離れる日ということで、朝早く起きて朝ごはんを探しに出かけました。華強北の遊歩道を歩いていると、ピアノが置いてあることに気が付きました。ここだけでなく何台か置いてあるはずです。こういうストリートピアノは深圳に限らず、世界の各地で見かけますが、筐体のペイント具合でいうとかなり上位に入りそうなストリートピアノでした。
ぶらぶら歩いて今回はこちらの「家楽縁」という快餐店へ行きました。快餐店というのは日本の学食のように、カウンターに盛り付けられているさまざまな料理を店員さんにお願いして皿に盛り付けてもらい、レジでまとめて精算するタイプのお店です。次々目移りしてしまいあれもこれも…と取っていたら結構盛りだくさんになってしまいました。
その後はコンビニで王老吉とオレンジジュースを買って一旦ホテルに戻りました。オレンジジュースは”NFC”と書いてありますが、スマホでタッチしても当然(?)何も起きませんでした。ロゴの下に書いてあるように”Not From Concentrate”の略のようです。濃縮還元ではないというのが売りというわけです。
ホテルをチェックアウトした後はまだまだ朝早いですが、最後に華強北のあたりをブラブラとしていたのでした。先ほどの家楽縁の写真をTwitterにアップロードしたところ、深圳在住の村谷さんに近くに大きい家楽縁もあると教えてもらったので、ちょろっと覗いてみました。こちらのお店のほうが学食感が少なく、食べられる料理もより本格的なようでした。
大回り帰国スタート
さて、華強北の散策をほどほどにした後はいよいよ帰国です。この記事の冒頭に書いたように、翌・月曜日に出社して仕事をする時間を確保しながら、安くかつそこそこ休みながら帰れるルートを編み出したため、今回は大回りでの帰国となりました。
鉄道駅でなくバスターミナルの方に出てしまったこともあり、結果的に駅への到着がギリギリになりチケットの受け取りと乗車のために爆走したりもしましたが、なんとか出発に間に合い、深圳駅から広州行きの中国版新幹線・和諧号に乗りました。ちょっと詳しい方は深圳から広州に行くのであれば中心部の福田駅か深圳北駅から高鉄またはG列車6と呼ばれる停車駅の少ない列車に乗るのが定番では?と思われるかもしれません。しかし今回は広州は滞在せず、広州白雲空港からのフライトに乗るために移動していたため、広州の停車駅が空港から遠い広州南駅となるG列車ではなく、地下鉄が空港まで直通している広州東駅に停車する、深圳駅発のC列車7に乗車したのでした。
深圳駅には上海行きの特急列車も停まっていました。この手の緑皮車と呼ばれる列車もいつか乗ってみたいと思っています。
C列車も車内は新幹線仕様なので、広々とした椅子が備え付けられています。何駅か停車しながら、1時間弱かけて列車は広州東駅に到着したのでした。
広州東駅で地下鉄に乗り換える際、こちらの電車の絵本の広告を見かけました。電車の絵本というのは万国共通で子供を惹きつけるんでしょうね。
地下鉄にも40分ほど乗ると広州白雲空港に到着しました。ここから乗るのはワンワールド加盟社ではないベトナム航空だったので、チェックインも並ぶことになるかと思ったのですが、タイミングが良かったのか大して混んでおらずスイスイとチェックインを済ませることができました。これなら早く出国すればプライオリティ・パスでラウンジに入れるかな?と思ったのですが、広州白雲空港定番のかなり待つ出国審査に阻まれ、ラウンジはお預けとなりました。
ベトナム航空に乗る
さて、長い出国審査を抜けると割とすぐに搭乗となりました。直前にチケットを購入したこともあってなんと飛行機の一番後ろの列でした。ある意味貴重な経験です。
ベトナム航空が運行する機体に乗るのはこれが初めてでした。背もたれのカバーにはビア・ハノイで有名なハノイ・ビア・アルコール飲料総公社(HABECO)のロゴが入っていました。
日中の瓶なので機内でお昼ごはんです。機内食は牛肉の赤ワイン煮込みでした。フルーツにドラゴンフルーツが入っているあたり、南方を飛ぶ飛行機という感じがありますね。ちゃっかりワインも飲んでしまいました。
そんなわけで機内食を食べながら、のんびりと外を眺めていたのでした。
シンチャオ!怒涛のトランジット
さて、3時間ほどのフライトで次の目的地に到着しました。なんと機体後部にもタラップが取り付けられたため、すぐに降りることができました。
はい、というわけで9月にきてから3ヶ月ぶりにホーチミン市へとやってきました。「あれ、ベトナム航空って広州-東京線なんて飛ばしていたっけ?」と思ったそこのあなた、鋭いです。旅行の滞在時間を最大化しつつ、体力も回復したいということで、
- そこそこ寝られるように比較的フライト時間が長いこと
- 極端な深夜・早朝発着ではないこと
を条件にいろいろとルートを探したところ、ベトナム航空の広州-ハノイ便 or 広州-ホーチミン市便と両都市からの成田行きの便を組み合わせるプランが直前にも関わらず格安で残っていることが判明したのでした。おとなしく香港エクスプレスで帰るという手も最初は検討したのですが、LCCなのでダイナミックプライシング3での価格の振れ幅が大きく、かなり高価だったことと、香港からまっすぐ東京に戻る便は4時間ちょっとのフライトなので、機内であまり寝られず、旅行の滞在時間を最大化できる夜行便だと出発か到着のどちらかの時間が極端な時間になってしまうという欠点があり、ボツとなったのでした。いずれも7時間程度の乗り継ぎ時間があり、観光は十分にできそうだったため、ハノイかホーチミン市かというところは最後まで悩んだのですが、経験上ホーチミン市の方が空港から市街地まで素早くアクセスできるということでホーチミン市を再訪するプランとしたのでした。
ベトナム名物の今一つやる気の感じられない入国審査を抜けた後はバックパックを荷物預かり所に預け、小さいナップザックだけを持って観光に出発しました。道中では統一会堂や4人乗りのバイクの姿を眺めたり、突然の路肩走行など、否が応でもベトナムに来たと感じさせられるイベントもありながら、Grabで市の中心部へと向かいました。日曜日の夕方のホーチミン市内は相変わらずの大渋滞でした。
深圳でもビール・サイゴンでもビール
さて、市街地にたどり着いて最初に行ったのはこちら、ホーチミン市随一の雑貨系おみやげストリートとしても有名なパスツール通りにあるクラフトビールレストラン、”Pasteur Street Brewing Co.”です。一緒に工場見学に行った3人にホーチミン市へ行くことを伝えたところ、じゃあここに行くしかないでしょうと教えてもらったのでした。
こちらのお店も写真の通り、パッションフルーツやドラゴンフルーツを使ったエールなど、なかなか特徴のあるビールを醸造していました。
1杯目はViet Witというホワイトビールをいただきました。スッキリした味わいでした。
通常メニューの他にこのような期間限定メニューも置いてあり、一緒にビール工場見学に行った3人にも是非レビューを!と言われたので、両方ともチャレンジしてみました。
まずは一番上に記載の”GOD WATER”です。魚醤と胡椒、そして海が綺麗だということでリゾート地としても有名なフーコックの黒胡椒と一緒に醸造したビールです。後味が少しピリッとする感じのあるビールでした。
お次は”KENTUCKY COMMON”です。こちらは名前の通り、1800年代後半~禁酒法施行までの時期にアメリカのケンタッキー州のエリアで盛んに作られていたスタイルのエールビールだそうです。一般的な大麦の麦芽だけでなく、発芽していない大麦をローストしたものや、とうもろこしなど、バーボンウイスキーのような原料で作られるという特徴があるとのことでした。ちょっと黒ビール風の見た目と香りでしたが、飲んでみると酸味とウイスキーのような味わいがグッと来る不思議なビールでした。
もう晩ごはんの時間になっていたので、ちゃっかりハンバーガーも食べたのでした。こちらも激うまでした。隣で飲んでいた方に「それおいしい?」と聞かれたので思わずサムズアップしてしまいました。
ホーおじさん像を見る
ビールを飲んだ後はせっかくだから夜景でも眺めるかということで、パスツール通りから歩いてすぐのホーチミン市人民委員会庁舎へ行きました。この建物は日中に見ても堂々たる威容で見応えがあるのですが、夜のライトアップも合わさると更に見応えがあります。
そしてこの時はついに庁舎前のホー・チ・ミン像を目にすることができたのでした。前回、前々回の訪問時はそれぞれ修繕中、坐像から立像への建て直し中だったためこの光景を見るのは初めてなのでした。
そしてさらに北東に歩いていくとオペラハウスとヴィンコムセンターが見えてきます。今回は時間もないのでヴィンコムセンターには寄らずでした。
オペラハウスに突き当たったところからはドンコイ通りを北西に歩いていき、コンサーパリスのサイゴン大聖堂・サイゴン中央郵便局の写真を撮りました。サイゴン大聖堂は9月訪問時と同様、修繕工事中でしたが、きっちりクリスマスイルミネーションはやっていたのでした。
ブイビエン再び
コンサーパリスからはGrabBikeを拾ってブイビエンまで行き、せっかくだからと前回訪問時と同様、路上でビールを飲んだのでした。
その後、さすがにベトナムに来て1杯も食べずに帰るのもなんだなと思い、近くのレストランに入り牛肉のフォーを食べながら追いビール(?)を飲み、空港へと戻ったのでした。
今度こそ東京へ
空港へ戻ってからは荷物を回収して早々に出国し、バインミーを買って出発を待っていました。
安い航空券を買っておきながら若干矛盾している感じもあるのですが、体力の温存を狙い、ここでも少しだけ課金して非常口前の座席を確保しました。
深夜便ということで機内食は朝食が出ました。ベトナム発なのにひじきがあってびっくりでした。
ガッツリビールを飲んでいたこともあり、機内ではぐっすり寝ることができ、機内食を食べた後も着陸直前まで再度寝ていたのでした。そして月曜日の午前8時前に飛行機は成田空港に到着したのでした。午前半休で出社する計画だったのでできるだけ急ごうと思い、税関検査に並んでいる途中で新しく開いたカウンターに素早く向かった所、ちょっと怪しかったのか珍しく係員さんに質問されてしまいました。
係員さん「荷物それだけですか?」私「(お、珍しく質問された…)はい、そうです」
係員さん「ベトナムだけ行かれました?」私「あっ、中国も行きました」
係員さん「何日間ですか?」私「中国とベトナム1日ずつです…」
係員さん「あっなかなかの弾丸なんですね(にっこり)おつかれさまです!」
最後のコメントはやかましいわ!と思いつつ、係員さんもお仕事なのでしょうがないよな…と思いながら空港を後にし、空港でシャワーを借りて着替えて会社へと向かったのでした。今回は預け荷物もないので早々に空港を出ることができ、11時前には会社に着いたと記憶しています。なかなかの弾丸旅行&エクストリーム出勤となりました。
以上、2019年12月の深圳&大回り帰国の旅行記でした。我ながらホーチミン市でのトランジットはなかなか充実した行動ができたのではないかと思います。次回は2020年1月のバンコク旅行記です。お楽しみに!
- と言いつつ、オクトパスカードはSuicaでも採用されているICカード規格であるFelicaを最初に採用したシステムなので、実際は日本のオクトパス的存在がSuica、という方が正しい気もします。
- 要するに深圳のSuica的存在(しつこい!)
- オンライン決済とオフライン決済なので、比べるものでもないかもしれませんが…
- System on Chip:CPUやその他周辺回路を一つのチップに集積したLSI。
- RISC-V Foundationを始めとするさまざまな団体が標準化を進めている、CPUが実行できる命令の仕様のこと。この仕様はオープンになっているので、誰でも自由にRISC-V仕様に基づいてCPUを設計することができます。
- 高速(Gāo-sù)動車組列車の略。
- 城際(Chéng-jì)動車組列車の略