2018年秋のシベリア鉄道の旅、まずは北京編です。全体旅程はDay0編をご覧ください。

羽田から深夜便に乗る

さて、今回はまず羽田空港から深夜便で北京・首都国際空港を目指すことになります。私が乗る海南航空便は9月22日の午前2時に羽田空港を出発する便だったので、9月21日に仕事を終えてから急いで家に戻り、支度をして羽田空港へ向かいました。国際線の場合、空港へは3時間前を目安に到着することを推奨、となっていますが、終電間際でバタバタするのも嫌だったのでそれよりも早めに移動しました。そんなわけでチェックインカウンターが開くまで国際線の展望デッキで時間を潰していました。

その後チェックインカウンターが開いて、ややこしい乗り継ぎでカウンターの方を混乱させながらも無事チェックインを済ませ、制限エリアに移動しました。写真は実際に私が乗った海南航空機(737-800)です。この当時から経営状態に関してあまり良いニュースを聞かなかった海南航空ですが、2020年2月についに政府の管理下に置かれてしまったようですね…。

制限エリアでも十分に時間があったのでビールを飲んだりつけ麺を食べたりしていました。シャルル・ド・ゴール空港ほどではありませんが、羽田の国際線ターミナル12のフードコートはなかなか充実していますよね。

さて、つつがなく搭乗を完了し飛行機は北京へと向かいました。所要時間約3時間半の深夜便フライトで眠いところですが、国際線なのでしっかりと機内食が出るのでした。朝食みかんヨーグルトはちょっとめずらしいかもしれません。

さて、夜だか朝だかよくわからない時間に無事飛行機は北京・首都国際空港第3ターミナルに到着しました。私は肌が弱く手が荒れがちなので、中国に限らずイミグレでの指紋採取がうまくいかないことが多いのですが、ここでは特にひどく、10回近く指紋を取られ、延々とたらい回しにされて30分近く入国審査ブース周辺をさまよう羽目になりました。いやー、今回は経由地とはいえ1日中空港の制限エリアで待って乗り継ぎをしろ!と言われたらどうしようかと一瞬真剣に悩んでしまいました。今回は朝早い到着だったのでこれによって観光にかけられる時間が激減したということもなかったのが不幸中の幸いでした。

最終的には無事入国することができ、写真の通り預け荷物受け取りエリアでミッフィーちゃんにお出迎えしてもらいました。

中国語だとミッフィーは「米菲」と書くんですね。しかしなぜミッフィーちゃんコラボなのかは謎のままでした。

今回は日中に北京市内を観光し、宿泊はせずに空港に戻ってきてウラジオストク行きの便に乗る予定だったので、最低限の観光用の荷物をリュックサックに詰め、それ以外の荷物を詰めたスーツケースは空港に預けておくことにしました。

そんなわけで荷物預けカウンターを探してロビーをうろうろしていたところ、ロボットショップを発見しました。流行りもあるんでしょうが、空港でこんな大きいロボットたちを買う人は居るんでしょうか…?

その後、荷物預けカウンターが開くのを小一時間待ってから荷物を預け、北京市内の観光へと出発しました。空港を出る前にのどが渇いたので飲み物を…と思い、コンビニで王老吉13を探したものの見つからず、結局伊藤園のノンシュガーな烏龍茶を買いました。

北京で鉄道に乗る

さて、北京首都国際空港から北京市内へ向かうためにまずはエアポートエクスプレスに乗りました。さて、エアポートエクスプレスのチケットを券売機で買うぞ…というところで見知らぬ方に声をかけられました。何かと思ったらエアポートエクスプレスの券売機は現金のみ受付だが、現金の手持ちがなくWeChatPayの残高しかないので代わりに買ってほしい、お金はWeChatPayで返すので…ということでした。全部が全部キャッシュレスになったわけではないにせよ、そういう人も居るのは時代だなあと思いながら快諾し、WeChatPayでお金を受け取りました。

その後無事エアポートエクスプレスに乗車し、まずは天安門広場を見学すべく終点の東直門駅に向かいました。2008年に開通したのでちょうど10周年だったようです。

無事東直門駅に到着し、北京地下鉄2号線に乗り換えました。「東四十条」という駅名に、首都圏在住の私としては「東十条」の四倍じゃん!とちょっと笑ってしまいました。こちらは「東四・十条」という区切りのようですけどね。

天安門広場周辺を観光する

東直門駅で地下鉄2号線に乗り換えた後、建国門駅で1号線に乗り換えて天安門東駅で下車し、天安門広場に到着しました。

何はともあれこの構図ですよね。ニュースで見る中国・北京といえばこれです。想像以上に本物の天安門は大きく、フレームに収めるためのポジショニングに苦労しました。

また、訪問が9月末ということもあり、10月1日の国慶節を祝う花飾りが広場に展示されていました。手前の人との比較でスケール感を分かっていただけますでしょうか。いちいちスケールが大きいです。

さて、天安門広場の周りにはいろいろな施設が建っています。こちらの洋風な建物は中国鉄道博物館の正陽門館です。この建物は1900年代初頭に京奉(北京-奉天:現瀋陽)鉄道の駅として英国により建てられたものだそうです。そう聞くと洋風なのも納得です。

こちらは人民大会堂です。日本の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)の会場として有名ですね。

こちらは天安門から天安門広場を下っていった南端にある正陽門です。前門とも呼ばれるようです。

毛主席紀念堂

そしてこちらが正陽門の前にある毛主席紀念堂です。毛主席というのは毛沢東のことであります。どう紀念しているのかというと、この建物の中にエンバーミング(防腐加工)を施された毛沢東の遺体が安置されているというわけです。この後に行ったロシア・モスクワにはレーニン廟が、2013年と2016年に訪問しているハノイにはホー・チ・ミン廟があるように、社会主義国の革命指導者を紀念する上ではよくあるスタイルのようです。この毛主席紀念堂、並べば(建物手前のガイドポールが行列の長さを物語っていますね…)外国人でも見学可能なので、荷物を預けてから行列に並びました14。朝早くにもかかわらずそこそこ長く、折れ曲がっている行列を見てどのくらいかかるのだろうか…と思ったのですが、施設の中で立ち止まることが禁止されており、順序よく人が流れていくこともあって、意外にも30分程度で見学まで終わらせることができました。施設の中には静かな空間のガラスケースの中に共産党旗をまとった毛沢東が横たわっていましたが、処理やライティングの都合なのか、蝋人形みたいだなあ…と思ってしまったのが正直な感想です。検索すると同じ感想の方は多数いるようですね…

紫禁城

さて天安門広場、天安門広場と言いますが、何の門なのかといえば言うまでもなく明・清の時代の王宮である紫禁城の門であります。現在の紫禁城は故宮博物院として有料で見学できるようになっています。というわけで天安門をくぐって中に入っていきました。(券は天安門をくぐった後に購入します。)

天安門広場の冒頭の写真でもよく見ると分かりますが、この時は天安門は修繕工事中でした。

紫禁城の中は門・広場・門・広場…と連なった構造になっていて、王の居所である内廷にたどり着くまでの道のりが実に長い造りになっていました。ヨーロッパのお城・宮殿のように、建物の周りに自然と共存するように整備された庭を配置するスタイルではなく、石造りの広場を一体とした城として整備している当たりは西洋と東洋の違いといったところでしょうか。ちなみに写真にあるようにそこそこの混雑でしたが、途中で政府要人らしき方の訪問があったのか、多くの人々をせき止めてそちらの方の見学が優先されるシーンもありました。遠くてよく見えませんでしたが、あれは一体誰だったのでしょう…

紫禁城の奥の方へ行くと「故宮VR体験館」なる施設がありました。外の説明書きを見た感じだと多面スクリーンによるVRアトラクションのようでした。時間の都合もあり体験しませんでしたが、紫禁城にまでVRの波が迫っているのだな…と感心してしまいました。

景山公園

一度紫禁城・故宮博物院を離れ、後述の王府井・中関村を回った後に紫禁城の北側にある景山公園に行きました。紫禁城の裏・真北に位置する人工の山が公園になったもので、頂上からは写真の通り紫禁城および北京の街並みを一望することができます。そこまで高い山ではないですが、ここにたどり着くまでにすでに3万歩は歩いていたのでなかなかしんどかったのを覚えています。

こちらは景山公園から降りて紫禁城の堀から内側に向けて撮影した写真です。もうこの時点で夕方になっていました。

王府井に行く

さて、紫禁城の見学を終えるとお昼が近づいていました。北京と聞いて思いつく中華料理といえばやはり北京ダック、というわけで、北京ダックの名店・全聚徳15に行くべく北京の繁華街である王府井へと向かいました。紫禁城の裏手は近くに地下鉄の駅がなく、歩くのもちょっと疲れたなあと思っていたところ、レトロな観光用バスが出ていたので、とりあえず方向があってればいいか!と適当に乗車し、少しだけバスでの移動を楽しみました。昔だったら適当にバスに乗るというのはなかなか覚悟が要りましたが、だいぶ海外に慣れた16のと、リアルタイムで地図が見られるようになったことでこのような行動も大分ハードルが下がったのではないかと思います。いい時代になりましたね…17

全聚徳で一人北京ダック

さて、12時前に無事全聚徳・王府井店に到着し、すんなり入店することができました。やはり脂モノである北京ダックは夜に食べる人が多いのでしょうか?着席したらまずは水分補給の燕京・純生ビールです。

そしてお待ちかねの北京ダックであります。テーブルの前で店員さんがきれいに切り分けてくれます。ちなみに北京ダックは半身単位での注文になるので、一人で行く際はそれなりの覚悟が必要です。

1つ目の写真のように皮や野菜と甜麺醤を薄い皮に包んで味わうのが定番の食べ方ですが、肉の部分も味わうことができます。深圳で北京ダックを食べて以来およそ2年ぶりの北京ダックでしたが、本当に脂の旨味が引き立つ美味しい料理ですね。

調子にのって辣子鶏(鶏肉と唐辛子の炒めもの)までオーダーしてしまいましたが、完全に蛇足でしたね…北京ダックの脂も相まってお腹いっぱいになっていました。

夕方の王府井を歩く

北京ダックを堪能した後、一度北京の電気街・中関村に行き、その後北京市中心部に戻ってきて景山公園を見学してから王府井再度行き、夕方に散策してみました。なかなかおしゃれな歩行者天国の通りです。

Apple Storeもありました。このときはiPhone XSの発売直後だったのですね。

王府井の歩行者天国になっているメインの通りから生えている路地の一つに「王府井小吃街」という通りがありました。路地は屋台街になっていて、食べ歩きができるような雰囲気でした。人によっては台湾の夜市のような雰囲気です、という方が伝わりやすいかもしれません。(ややこしい…)

最も混んでいて屋台がひしめいているエリアを抜けると座席のある少し落ち着いた雰囲気のレストランが並ぶエリアに出ます。なかなかいい雰囲気でした。

食べ歩きの前に少し喉が渇いたので深圳に続き「茶π」を買ってみました。よく見ると「茶π」という名前だけでなく、後ろの桃(?)から足が生えている背景も大分謎ですね…味はいいのですけど…

その後、シャリッとしているタイプのメロンの串を買いました。結構甘かったです。食べ物系に手が出なかったのは北京ダックでお腹がいっぱいだったためです。

そして王府井を去る直前に食べたのがこちら!サソリの素揚げです。何店舗かこの手のゲテモノ串を売るお店が連なっていました。店頭には生きたサソリの展示もあり、なかなかおどろおどろしい雰囲気でした。みなさん気になるところの味ですが、カリッとした小エビのような味わいでした。見た目を考えると納得の味ですね。ちなみにこれを買ったお店ではタランチュラなども販売していましたが、タランチュラはやたらと高かったので購入せず、サソリにしておきました。きっとタランチュラは東南アジア方面でまた食べる機会があるでしょう…18

北京の電気街・中関村へ行く

王府井で北京ダックを堪能した後は、北京の電気街である中関村へ行きました。中関村は王府井から地下鉄に乗り約1時間程度の郊外にあります。中関村のそばには北京大や清華大などもあるため、パソコンがまだかなり高価だった時代には安価な自前組み立てのPCを販売するお店などが中関村にひしめき、電気街・電脳街を形成していたようです。この後乗ったシベリア鉄道の車中で読んだ丸川知雄・東京大教授の「現代中国の産業(2007年刊)」の中でも上の写真の海龍大厦への言及がありました。

しかしながら、中関村は深圳の電子部品街と違い、eコマース全盛となるにつれ勢いを失ってしまいました。そこに2010年代半ばからの政府による「大衆創業、万衆創新(大衆による創業、万人によるイノベーション)」19というスローガンのもと進められたハイテク起業奨励政策が重なり、中関村は電気街としての役割ではなくイノベーションの基地となるインキュベーター20としての役割を担うことになりました。

そのような事情から、この海龍大厦も「智能硬件創新中心(インテリジェントハードウェアイノベーションセンター、といったところでしょうか。長い!)」として生まれ変わるべく売り場を閉鎖し改装工事を行っている旨の張り紙がされていて、中に入ることはできませんでした。

一方、海龍大厦の向かいの中関村科貿電子城は1階部分が工事中で寂れていたものの、2階より上のフロアはある程度営業していました。

雰囲気としては深圳のスマホ関連の個人商店が近いように感じました。

こちらも自作PCに絡んだ展示もいくつかありました。

こちらは5階の写真です。ご覧の通り新品風のコピー機もあれば、中古のように見えるコピー機もあり、コピー機の墓場のような雰囲気でした。後ほど見たフロアガイドには「華北地区複印機集散中心」とあったので、やはり複写機中心のフロアだったようです。

周辺をウロウロしていると「国家科技金融創新中心」と書いてある新しそうなモニュメントもありました。やはり政策としてイノベーションの前線基地としての役割を期待されているのだなと感じました。

中関村から一駅離れた海淀黄庄駅そばの知春電子城周辺にも行ってみましたが、こちらも残念ながら改装中で中に入ることができませんでした。中関村は寂れて電気街からイノベーションの拠点へと変貌を遂げようとしている、という話は事実だったということですね。21一通り海淀黄庄駅周辺も回った後、これだけ大規模な電気街の「抜け殻」というのも珍しい存在なのではないか…と考えながら、再び地下鉄に乗り景山公園を目指したのでした。

上の写真は景山公園へ戻る道中に見た謎の「池田寿司」です。池田って一体誰なんでしょう…

空港で暇つぶし

さて、次のフライトは翌23日の2時50分と、真夜中に空港に戻ってきても余裕で間に合う時間ではありましたが、王府井でサソリを食べた後は機内泊でろくに寝れなかったことと、4万歩以上歩いたことでヘトヘトになっていたためそそくさと空港へと戻ってきました。空港に戻ってきてまたうろついていたら1日で5万歩を達成してしまいました。日中フルタイムで観光しているにもかかわらずホテルがあるわけではないので一時退却もせず歩き回っていたからでしょうね…

なお写真は空港内の「上島珈琲」です。でもUCCじゃなくてUBCでした。おしい!

その後誘惑に負けてコンビニでハーゲンダッツ22とクレープを買ってしまいました。

しばらくは空港ロビーで時間を潰し、チェックインカウンターが開き次第チェックインして制限エリアに入り、眠ったら乗り逃してしまう…と睡魔と戦いながら過ごし、搭乗してよし寝るぞ!とすぐに寝てしまいました。ちなみに寝る前は時差の計算を間違えていて、6時間程度のフライトだと思っていたのですが寝て起きたらばまもなく着陸という、2時間強のフライトだったという悲劇がありました。そんなわけで、寝不足のままウラジオストク国際空港へと向かっていくのでした。

以上、2018年秋のシベリア鉄道の旅、北京編でした。次はいよいよロシア・ウラジオストク編です。お楽しみに!

  1. 現・第3ターミナル
  2. ワンラオジー。涼茶と呼ばれる薬膳茶の一種。深圳でよく飲んでいました。
  3. ちなみに翌日と翌々日は休業だったらしく、グッドタイミングでした!
  4. 日本にも支店があります。
  5. とはいえ油断は禁物ですが!
  6. そしてこの後リアルタイムで地図が見られないシベリア鉄道の世界に突入するわけです…
  7. 別に食べなくてもいいのですが…
  8. 上の張り紙にも書いてありますね。
  9. 元々は孵化器という意味。転じて鳥が卵から孵化するように、新規事業が生まれるように支援する環境のことを指します。
  10. 別に疑っていたわけでもないですが…
  11. 海外のハーゲンダッツは蓋の裏にスプーンが入っているのでその場で食べられるのです!
  12. 現・第3ターミナル
  13. ワンラオジー。涼茶と呼ばれる薬膳茶の一種。深圳でよく飲んでいました。
  14. ちなみに翌日と翌々日は休業だったらしく、グッドタイミングでした!
  15. 日本にも支店があります。
  16. とはいえ油断は禁物ですが!
  17. そしてこの後リアルタイムで地図が見られないシベリア鉄道の世界に突入するわけです…
  18. 別に食べなくてもいいのですが…
  19. 上の張り紙にも書いてありますね。
  20. 元々は孵化器という意味。転じて鳥が卵から孵化するように、新規事業が生まれるように支援する環境のことを指します。
  21. 別に疑っていたわけでもないですが…
  22. 海外のハーゲンダッツは蓋の裏にスプーンが入っているのでその場で食べられるのです!
公開日:2020/07/26 最終更新日:2020/08/02