2018年2月EUの旅、フランスに入っていきなり地方都市ロシュフォールの記事になっていましたが、今回はロシュフォールに行った翌日、2月25日にフランス・パリ近郊のベタな観光地、ベルサイユ宮殿&オルセー美術館を見学した記録になります!
…と言いつつ、2月25日には凱旋門にもエッフェル塔にも行ってしまっていたりするので、この2つの観光地に行った記録もまとめて書きたいと思います。
早起きしてベルサイユ宮殿ツアーへ
さて、フランスのベタな観光地として大変有名なベルサイユ宮殿ですが、実はフランスの首都圏であるイル=ド=フランス地域圏にはあるものの、パリの南西22キロの場所にあり、パリの他の観光地とは違って公共交通手段だけで行こうとすると時間がかかり若干面倒です。そんなわけでこの旅行ではベルサイユ宮殿行きだけはオプショナルツアーを申し込んでいたのでした。ベルサイユ宮殿に行ってからマルシェにも行くというツアーなので、朝は早く、7時50分にツアー会社のオフィスに集合となっていました。
というわけで、日曜日も朝早くからガラガラのメトロに乗りツアー会社を目指しました。パリ到着時におしゃれだ!と思ったパリメトロでしたが、歴史も長いため古い車両はかなーり古く、暗くてどんよりした印象を受けることもありました。それだけ昔から公共交通手段としての地下鉄が発展していた証拠なんですけどね…
ツアー会社のオフィスの目の前まで来ると、ガラス張りのオフィス内が見えたのですが、見る限り女性ばかりで、間違って女性限定ツアーに申し込んでしまったのではないか1、どうしよう…と焦りましたがそんなことはなく、入ってみると男性陣も外から見えない奥の方にいただけで一安心でした。その後バスに乗り、ツアーガイドさんによるベルサイユ宮殿についてのレクチャーを受けながら一行はベルサイユ宮殿へと向かっていったのでした。
バスで1時間弱揺られて無事ベルサイユ宮殿に到着しました。この写真は門の手前から撮影したものですが、まず駐車場から門までが遠かったです。
そして門に到着。金ピカであります。ここまで来ると一周回って上品に見えてきますね。さすがは世界遺産。この日も写真の通り天気に恵まれ快晴でした。
金ピカなだけでなく彫刻も見事な作りっぷりでありました。この時点ではまだ門の中にすら入っていないわけですが、それでも圧倒的であり、ルイ14世の治世の栄華を物語っていました。
そしていよいよ門の中へ。左右対称な見た目も迫力を増すのに一役買っているように感じました。
中に入ってからは自由行動でしたが、まずは建物の中を順路通り見学していくことになります。上の写真は入ってすぐの「王の礼拝堂」です。光の入り方といい、非常に荘厳な雰囲気でした。この旅行中に見た礼拝堂の中では当然ながら小さい方に入りますが、それでも金色に輝くパイプオルガンであったり、アーチと柱の組み合わせだったりと単純な部屋の大小とは違った迫力を感じさせ、この威容で当時の貴族に対して権力を誇示していたのだな…としみじみと思ったのでした。
さらに進んでいった先の広間の天井画です。天井画、洋の東西を問わず昔の建物で見ますが、当時はまじまじと鑑賞する用のものだったのでしょうか…描くのも大変だけど眺めるのも首が大変だなあと素人としては思ってしまいます。空間を広く見せる効果はありそうですけどね。
更に先の玉座があったといわれる「アポロンの間」には教科書にも載っていたルイ14世の肖像画が飾ってありました。記事執筆時に調べたところ本物はルーブル美術館に収蔵されているとのことでした。また、この肖像画はルイ14世から見て孫のスペイン国王フェリペ5世への贈り物として注文された肖像画だそうです。写真を送るようなノリだったのでしょうか…?
そしてこちらは有名な「鏡の回廊」であります。ベタもベタ、ど真ん中のゴージャスなフランスの宮廷の世界のイメージそのままです。
こちらは王の寝室のベッド。天蓋付きで暗くなるので気にならないのかもしれませんが、周りがゴージャスすぎてかえって落ち着かないのではないかと思ってしまいます。
宮殿の中では金色に彩られた調度品や内装に目を奪われてしまいがちですが、大理石の使い方も工夫が凝らされていて興味深いものでした。白や黒の大理石にアクセントで別の色の大理石が入っていたり、というのは割とよく見かけると思うのですが、アクセントに限らず積極的にカラーリングと模様を活かす目的で様々なタイプの大理石が使われていました。また、色のついた大理石で作られた石像も何点か飾られていました。
立入禁止の回廊は遠くまで見渡せることもありより広さが強調されて感じられました。彫刻が置いてあることもあり、展示室のような趣でした。
ぐるっと見学した後は建物の裏側に出ました。正面に比べるとシンプルではありますが、ずらっと規則正しく並んだ窓と装飾が壮観でした。
そしてこちらが庭園であります。広いので見て回るためにはかなり時間が必要、と聞いて覚悟はしていましたが、その覚悟を上回るなんてものではないレベルの広さでした。時間内に戻ってこれないんじゃないかという恐怖心(こういうときビビリなんですよね…)もあり、林のようになっているところの手前までしか行きませんでした。本当に広いです。ルイ14世の治世の当時、庭園は市民も入ることができ、見学のための指南書をルイ14世自身が執筆していたというエピソードがあるようですが、たしかにこれはガイドブックがあってもおかしくない規模でした。
マルシェをぶらつく
私が申し込んだバスツアーはベルサイユ宮殿見学の後に近くで開催されているマルシェに立ち寄るスケジュールになっていました。前日に訪問したロシュフォールでもマルシェを見学しましたが、市場っていいですよねえ。その土地の人々の暮らしが見えてきますし、活気にあふれていてワクワクしてきます。
さすがはフランス…!と思ったのはマカロンのお店が出ていたことです。観光客も多く来るマルシェだからなのかもしれませんが、なんともお国柄が出ているお店です。
こちらはチーズのお店。塊チーズ、一種のロマンですよね…!
さすがにチーズは持ち帰ってお土産にするのは難しいし…ということで、ガイドさんがこのマルシェの中でイチオシ、と言っていたフォアグラパテと塩キャラメルを購入しました。フォアグラパテはその場で試食もさせてもらい、あまりの旨さに即購入してしまいました。このフォアグラパテでレバーペーストの美味しさに目覚めてしまい、帰国後に数回鶏レバーのペーストを自分で作ったりもしていました。
オペラ・ガルニエを眺める
マルシェの後は再びバスに乗り、パリの中心部、オペラ・ガルニエ(オペラ座)のそばでツアーは解散となりました。写真右側がオペラ座です。
せっかくなので正面に回ってみました。なお、現在はオペラの上演では1989年にできた新しいオペラ座が主力となっているようです。
オペラ座を少し眺めた後、オルセー美術館を目指して移動するべくパリメトロに乗ろうとしたところ、思いがけずBOOK-OFFの広告に遭遇しました。日本と変わらないカラーリングとロゴ、そして漫画つきの広告だったのでつい写真を撮ってしまいました。
美術館の前にお昼ごはん
さて、オペラ座に着いたところですでに時間は13時を回っていました。ということでオルセー美術館行く前にお昼ごはんを食べました。はい、昼から鴨ステーキです。肉は肉でもドイツで散々食べた塩!肉!という感じではなく、鴨の濃厚な旨味と甘いソースが絶妙なバランスを醸し出していました。いやー、世界三大料理の一つであるフランス料理、流石であります…
こちらのクレームブリュレはオルセー美術館を見学した後、おやつタイムということで入ったカフェで食べたものです。カプチーノを飲みながらクレームブリュレをつつけば気分はもうパリジャンです。2
オルセー美術館へ行く
お昼ごはんを食べた後は予定通りオルセー美術館に行きました。オルセー美術館といえば収蔵されている美術品もさることながら、元々はパリ・オルレアン鉄道の駅舎であった建物も見どころの一つといえます。また、ベトナム・ホーチミン市のサイゴン中央郵便局の設計はオルセー美術館の設計に影響を受けていると言われています。
中に入ると駅舎時代の名残である大時計が見えてきます。アーチ状の細長い空間があるのはやはり旧駅舎ならではといったところでしょうか。確かにサイゴン中央郵便局と雰囲気が少し似ているかな…という印象は受けましたが、思ったほど似てはいないな…というのが正直な感想でした。確かにサイゴン中央郵便局は郵便局にしてはアーチ状の開放的な空間が広く確保されていて珍しい建物であるとは思うので、そのあたりはオルセー美術館の建物に影響を受けているということなのだと思います。
この彫刻は入ってすぐのところにあった彫刻です。石を削って布のシワの表現ができるというのは本当にすさまじいですよね…
そして絵画の収蔵品は教科書に載っている、私も知っているような作品のオンパレードでした。上の写真はミレーの「落穂拾い」です。
上の2枚はどちらもゴッホの「ローヌ川の星月夜」「自画像」です。本当に教科書で見るような名作ですよね…!
こちらはマネの「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」です。これもよく見かけますよね。
エッフェル塔へ行く
オルセー美術館を出ておやつを食べた後はエッフェル塔へと向かいました。写真下側に少し見えている通り、入場時の安全検査の列は大混雑していました。そしてここでちょっとしたアクシデント発生です。ベルサイユ宮殿そばのマルシェで買ったフォアグラパテの瓶が液体扱いとされ、入場不可となってしまいました…うっかりミスです。というわけでこのときは入場せず、下からの写真を撮ってセーヌ川の周辺を散歩していました。
エッフェル塔のすぐそばのイエナ橋のふもとにはカルーセルがありました。遊園地にあるようなものに比べれば小ぶりですが、味わいがあっていいなあと思いました。
エッフェル塔に着いた頃には18時前になっていたので、もう日が落ち始めていました。一通り下から写真を撮り終わった後、お土産等々の荷物を置くためホテルに一旦戻りました。
凱旋門へ行く
ホテルに一旦戻った後はルートの都合もあり先に凱旋門へと向かいました。凱旋門もアーチの上部まで階段で上ることができるため、このときまでにケルン大聖堂・ブルージュの鐘楼と階段を上ってきた私は懲りずにここでも上部まで行くことにしたのでした。
これは凱旋門の上からシャンゼリゼ大通りの方面を撮った写真です。この記事を書くために調べて気がついたのですが、中央に映っているコンコルド広場の大観覧車は例年クリスマスシーズン限定で設置される観覧車だそうです。2017-18年シーズンを最後にコンコルド広場への設置が許可されなくなったため、2018年5月の解体までの間は期間を例年より延長して稼働していたということのようです。
こちらはエッフェル塔方面を撮った写真です。シャンゼリゼ大通りの写真もそうですが、超高層ビルがほとんど無く、空が開けていますね。
こちらは凱旋門から降りてきてシャンゼリゼ大通り方面を撮影した写真です。上って降りて来る間に日が落ちてしまいました。
エッフェル塔にリベンジ
さて、凱旋門の後はエッフェル塔にリベンジです。今度は保安検査もすんなり通り、ゴンドラで展望台へと上がりました。写真の通り夜はイルミネーションもあるのだとこのとき知りました。
せっかくなのでと最上部の展望台まで行きましたが、エッフェル塔の最上部の展望台はオープンエアなので、2月の夜ということもあり風が大変冷たかったです。
パリでタルタルステーキ
エッフェル塔から降りてくると23時前と、いい時間になっていたので急いでレストランに入り晩御飯を食べました。ドイツで食べたメットが美味しかったので調子に乗ってタルタルステーキを食べてしまいました。そしてフランスに来たのにまだ飲んでいなかったな、とワインも飲んでしまいました。時間も時間だったので、ご飯を食べた後は急いでメトロに乗りホテルへと戻りました。
以上、2018年2月EUの旅、ベルサイユ宮殿&オルセー美術館編でした。名前に反してエッフェル塔と凱旋門も行ってますけどね…次はいよいよ最終回、パリ最終日編2です。お楽しみに!