2023年GWの東南アジア旅行記、ハノイ編の次はヴィエンチャン編・Day1です。ヴィエンチャンは初の訪問となります。

飛行機でヴィエンチャンへ

朝9時台のフライトでヴィエンチャンへ向かう予定だったので、ホテルを早々にチェックアウトして空港へと向かいました。空港に着いたところでそういえば今回はベトナムの定番コーヒーチェーン、ハイランズコーヒーに行っていなかったなと思いだしたので、空港のハイランズコーヒーでコーヒーを飲みました。

ラウンジで朝ごはんを食べた後、飛行機に乗るも離陸が1時間ほど遅れるといったトラブルはありましたが、なんとか離陸してヴィエンチャンへと向かいました。機内で配られた入出国カードには英語と中国語でヴィエンチャン市内の経済特区への投資を案内する広告が入っていました。ヴィエンチャンは中国語で「万象」と書くんですね。

のんびりとしたワットタイ国際空港

飛んでしまえば1時間強のあっという間のフライトでラオス・ヴィエンチャンのワットタイ国際空港に到着です。そんなに大きい空港ではなく、大きな工芸品が飾ってあったりするところも含めて、なんというか日本の地方空港のような雰囲気です。

空港を出ると東南アジアあるあるですが一気にむわっとした熱気が迫ってきます。ラオスは内陸国で海風がないこと、ヴィエンチャンは山岳部でなく海抜も大してないので暑くなりやすいんでしょうね…

空港を出たところには中国の高級酒、茅台酒の広告が出ていました。この後に訪問したエリアも含めて、ヴィエンチャンは東南アジアの中でも特に現代中国の影響が色濃いエリアだと感じました。もちろん、ラオスは中国と陸続きであるという背景もあるのだとは思いますが、経済情勢なども含めた力関係が垣間見えるようでした。

ちなみに空港からホテルまでの移動にはラオスの配車サービス”Loca”を使いました。他の東南アジア各国と異なり、ラオスではGrabがサービスを行っていないため、このLocaというサービスを使うことになります。Locaでは電気自動車のBYDとコラボを行っているようで、この時を含めLocaで配車依頼をするとそこそこの頻度でBYDのEVがやってきました。

街歩きをはじめる

ホテルにチェックインした後、早速街歩きを始めました。するとバンコクでも行ったスーパー、Big Cのコンビニ版、”mini Big C”がありました。ミニなのかビッグなのかどっちなんだい!という感じのネーミングですが、だれも突っ込まなかったのでしょうか。ちなみにヴィエンチャンにはこのmini Big Cがいっぱいあり、滞在中かなりお世話になりました。

ちなみにmini Big Cの前にはなぜかこのスーツを着た獅子像が飾ってありました。あなた誰…?

暑いなぁと思いながらさらに歩いていると観光スポットその1、タートダムに到着です。タートダムはご覧の通り、街中のロータリーの中心部に単体で建てられた仏塔です。実際には仏塔が先でロータリーが後のような気もしますが。ヴィエンチャンのランドマークの一つということで地図を見ながら向かったのですが、手前に門があったりするわけでもなく、歩いているといきなり現れるのでびっくりしました。

また、仏教文化といっても大乗仏教が主のベトナム北部からヴィエンチャンにやってきて、バンコクやヤンゴンで見たようなタイプの仏塔が現れると、ここはインドからミャンマーやタイを通って伝来された上座部仏教の文化の国なんだなぁと感じたのでした。各国がのカルチャーに似ているところと違うところがそれぞれあるのが東南アジアの面白いポイントの一つだと思っています。

タラートサオへ行く

タートダムからさらに歩いてヴィエンチャンの目抜き通り、ラーンサーン通りに出ると大きい建物が見えてきます。

ここはヴィエンチャンの中央市場、タラートサオです。英語名も書いてありますが、タラートサオというのは「朝市」という意味だそうです。

タラートサオの前の駐輪場にはスクーターの山ができていました。ラオスでも市民の足はスクーターのようです。

タラートサオの入り口にはメイソウがありました。メイソウの前でドリアン販売という取り合わせがやや不思議です。

さらに中に入っていくと、よくある雑然とした市場でした。ハノイのドンスアン市場やホーチミンシティのベンタイン市場に比べると建物がきれいで、売っている商品もスーツケースなどもう少しカテゴリが広い印象です。雰囲気が近かったのはヤンゴンのニュー・ボージョーマーケットでしょうか。

2階に上がると見えてくるのは赤の背景にきらめく金製品です。いわゆる金行がずらっと並んでいます。バンコクのヤワラートでもよく見かけますね。こういう金製品の需要があるのはタイのカルチャーに近い気がします。タイの中でも特にタイ華僑が金製品を好むので、これももしかすると華僑のカルチャーかもしれません。

3階は布地やオーダーメイドの服などを扱うお店が並んでいました。中央の吹き抜けにはOppoとVivoの広告が貼ってありました。実際にこれらのメーカーのスマートフォンを扱うお店も1階に並んでいました。

ちなみにタラートサオの駐車場側の壁にはこのようにびっしりと室外機が並んでいます。ここまでずらっと並ぶと壮観ですね。

駐車場側を歩いていたらこの虎毛がかっこいいワンちゃんに出会いました。人馴れしているようで何か用ですか?という顔でこちらを見てきていました。

ヴィエンチャンの凱旋門へ行く

タラートサオをぐるっと回った後は、ラーンサーン通りを歩いてヴィエンチャンの凱旋門、パトゥーサイへと向かいました。このパトゥーサイは内戦終結を記念して1960年代に建設が開始された凱旋門です。ラオスもまたフランス領だった時代があるため、目抜き通りに凱旋門というのはシャンゼリゼ大通りに建つパリのエトワール凱旋門を意識しているともいわれています。

門の中に入って天井を見上げるとなかなか精緻な装飾が施されていました。

パトゥーサイから次の目的地に向かおうとLocaでタクシーを呼ぼうとしたら、なんとスマートフォンの温度上昇アラートが出ました。この手の表示を見たのは何年ぶりだろうか…と思いつつ、スマートフォンだけでなく人間も温度上昇で危ない状況になりかねなかったので、早々に来たタクシーに乗って移動しました。

ラオスの黄金の仏塔・タートルアン

灼熱のパトゥーサイを出て次に向かったのはこれまたラオスのランドマーク的存在、黄金の仏塔がまぶしいタートルアンです。ここはラオスの国章にも描かれている仏塔になります。

仏塔を取り囲む回廊には仏像が展示されています。顔の周りに金箔が残っているのは果たして後から金箔が貼られたのか(徳を積むために仏像に金箔を張る文化がある国もあります)、元から貼られていたものがはがれてきてこうなったのか気になるところです。なんにせよ、実に穏やかな表情の仏像です。

こちらの両手を前に出している仏像は親戚間の争いを止めている姿を表しているものだそうです。まあまあ、ちょっと待ってくださいよ…という声が聞こえてきそうな仏像です。

タートルアンの隣にある寺院も、外観だけですがちょっと見学しました。この赤っぽい色合いを使った寺院はミャンマーやタイでも見たことがあります。東南アジアの上座部仏教国の特徴という印象があります。

さすがに南国なので、花もいろいろと咲いています。こちらはサルスベリでしょうか?

寺院を出るとバイク一体型の屋台が通り過ぎていくのが見えました。こういう乗り物はそれぞれの国の事情に合わせたカスタム品になっていて、見ていて面白いです。

パークソンを覗いてみる

タートルアンを見ていたらお昼をとうに過ぎていたので、そろそろお昼ごはんを食べようと中心部に戻ってデパートのパークソンに行きました。パークソンはホーチミンシティでも行きましたが、元々はマレーシアで創業した百貨店グループです。

なんとこのパークソンにはスターバックスもあります。ラオスにも進出しているとはおそるべし、スターバックスです。さすがに現地基準ではめちゃくちゃ高いコーヒー、ということになるようですが…

ちなみにトヨタの販売店もあります。なんとなくわかるかと思いますが、ヴィエンチャンの街中とは全く違う、高級感のある造りの建物です。

こちらのパークソンは2019年末にオープンしたようなのですが、直後からのコロナ禍のせいか、上層階はご覧の通りガラガラでした。一部のフロアは家具類の展示販売会をやったような痕跡があったのですが、基本的にガラガラでシャッターが下りている感じでした。

…と、思いきや、翌日の再調査で最上階まで行くとなぜかそこにはお子様用のプレイグラウンドがあり、こちらはきちんと営業しているのでした。ここの配置だけ先に決まっちゃったとか、何か理由があるのでしょうか…

この日は調査はほどほどにして地下フロアのフードコートでガパオライスを食べました。ラオスのガパオはタイのガパオよりも具がごろごろとしていました。

ちなみに地下フロアはそれなりににぎわっていて、スーパーマーケットがあったりシャオミのショップがあったりしました。

三江マーケットへ行く

パークソンでお昼ご飯を食べ、ホテルに戻って休憩してから向かったのはこちらの「三江(サンジャン)マーケット」です。この周辺は中国アジアITライターの山谷剛史さん(@YamayaT)の記事でも取り上げられたラオスの中のガチ中華街になっています。記事にも書かれている通り、このエリアは中国の企業が運営権を得て開発をしているために、中国本土と見紛う光景が広がっているとのことだったので、実際に行ってみたのでした。この看板からしてなかなか中国っぽいですが…

マーケットのエリアに入っていくと確かに中国のごちゃごちゃした街並みそのもの、という雰囲気です。ラオ語も書いてあったりはしますが、看板で一番目に付くのは漢字、それも中国大陸で使われている簡体字です。写真右側の建物が三江マーケットのビルで、この中に商店がひしめき合っています。

マーケットの中では電動スクーター、日用品、衣服、おもちゃなど様々なものが売られていました。売り場が布で囲われているのは、この時訪問が午後5時を過ぎていたため、店じまいが始まっていたからです。

1階の広場ではなぜか車も売っています。ちなみにマーケットの外では中国からそのまま陸送してきたであろう、中国ナンバーの車が走っているのも見かけました。

PC関連のお店は見かけませんでしたが、スマートフォンのアクセサリ類を取り扱うお店は1階にいくつかありました。

マーケットの周辺には、以前上海で行ったことのある中国の軽食チェーン、沙県小吃までありました。恐るべしガチ中華街…

ビールを飲みに出かける

一通り三江マーケットを見てホテルに戻ってくると夕方になっていたので、ビールを飲みつつ晩ごはんにしようと考えました。そんなわけでホテルを出て歩いているとLocaのロゴの入ったEVチャージャーを発見しました。先ほども書いたように、LocaはBYDとのコラボでEVを導入しているようなので、充電設備も導入しているということなのだと思います。

試しに充電プラグを見てみましたが、BYD車が主流という状況なので当然ながら中国規格の急速充電プラグでした。ラオスは中国と国境を接していますし、輸出もしやすいのでしょうね。

さらにふらふら歩いているとちょっとかわいいトゥクトゥクを見かけたので写真を撮りました。フロントにASEAN加盟10か国の国旗が描かれています。

メコン川沿いのナイトマーケットを超えてさらに土手沿いに行くと、対岸の建物の光が見えます。対岸はタイ領です。ここまでくると、携帯電話もタイ側の電波をつかんだりします。日本にはない、川沿いの国境です。

土手沿いにはこんな感じのレストランがいくつかありましたが、どれもガラガラでした。平日だったからでしょうか…?

土手沿いのエリアの端に行くと、屋台村のようなエリアがあったのでここで晩ごはんにすることにしました。こういうところの方が一人で入るには気楽な感じがします。

屋台村といってもしっかりビールは冷えて出てきます。ラオスの数少ないローカル製品であるビアラオを飲みました。ここまでにはっきりとは書いていませんでしたが、ラオスのローカル製品というのは非常に少ないと感じました。コンビニはタイ系のmini Big Cですし、店内で売っている製品もタイから輸入してきていそうなものが多数でした。さらに一番よく見かけるガソリンスタンドはベトナム国営のペトロベトナム(実はベトナムは産油国なのです)と、ASEAN唯一の内陸国ということもあり、自国の製品というものをあまり確立できていない様子が旅行者でも感じ取れるな、というのが正直な印象です。しかしこのビアラオはドイツから技術導入をしてこそいるものの、れっきとしたローカル製品です。そしてすっきり系の多い東南アジアのビールにあって、結構しっかり飲みごたえのあるビールです。東南アジアのビールでいうとミャンマービールも結構しっかりしていて好きですが、ビアラオもなかなかのものだと思います。

おつまみは豚肉のから揚げ風です。これがまたなかなか味が染みていて、日本人が好きかつお酒が進む味でした。横のチリソースをちょっとつけての味変も(辛いですが)またよかったです。

屋台村も人がまばらになってきて店じまいの雰囲気を感じたのと、さすがに豚から揚げだけではちょっと物足りなかったので、屋台村を出てからホテルの近くにあったレストラン、”Sticky Finger”へと行きました。

こちらは欧米からの観光客御用達という雰囲気の洋風でおしゃれなバーレストランでした。ビアラオは何種類かあるので、今度はダークラガーに挑戦しました。黒ビールも苦みがしっかりあって、ビアラオのポテンシャルの高さを感じました。日本でもエスニック居酒屋とかでもっと広まってもいいかも…と思いました。

そして本日のスペシャルとなっていたのでスコッチエッグをオーダーしました。おそらくこれが私の初めて食べたスコッチエッグです。ビールを飲みつスコッチエッグを食べつつでほどほどに出来上がったところで、レストランを出てホテルへと戻ったのでした。

以上、2023年GWの東南アジア旅行記、ヴィエンチャン編Day1でした。初のラオス訪問でしたが、このときはとにかく暑かった…という印象でした。次回はヴィエンチャン編Day2です。お楽しみに!

 

公開日:2024/11/18