[お知らせ]NT金沢2022に出展します」で紹介した通り、2022年6月18日(土)・19日(日)に開催されたNT金沢2022に参加・出展してきました。

準備でバタバタ

仕事が忙しかったことと、録音&再生バージョンのボイスチェンジャーを急遽作ることにしたことにしたため、直前までバタバタと荷造りをしていました。17日(金曜日)に出発だったため、16日が最後の追い込みだったのですが途中で力尽きてしまい1、最低限の荷造り状態で金沢へと出発することになりました。

今回の目玉(?)展示であるところのボイスチェンジャーメガホンもバックパックに詰め込んで持って行ったのですが、驚くほどの空間効率の悪さに頭を抱えてしまいました。おかげで家を出るときにはもう二度と大物は作るまいと思ってしまったのですが、いざ持っていくと大変好評だったので、次の展示の機会にもおそらく空間効率に頭を抱えながら持っていくことになると思います。

金沢にGo!

金曜の夜に仕事を終えて荷物をピックアップし、21時過ぎの北陸新幹線「かがやき」の最終便に乗って金沢へと向かいました。新幹線を待っている間に偶然東北新幹線40周年記念の200系復刻塗装車を目撃できました。

 

東京駅から金沢駅までは約2時間半の旅です。シンカンセンスゴイカタイアイスがシンカンセンスゴイクリーミィアイスになってしまったというアクシデントはありましたが、前日の夜更かしと終点まで乗車する安心感からぐっすりと寝ることができました。

NT金沢の会場は金沢駅の目の前、駅のシンボルであるもてなしドームと鼓門の真下の地下広場です。かがやきの最終便で金沢駅に向かったため到着時には23時半を過ぎていて、地下広場は閉鎖されていました。

駅を後にして、ホテルにチェックインした後は、最後の追い込みということで持ち運び用のPCにESP32の開発環境をセットアップし、ボイスチェンジャーの微調整ができるように準備をしたり、展示作品の説明資料を作ったりしていました。気が付けば午前3時になっていたので、慌てて寝て翌日の本番1に備えることにしました。

いよいよ展示開始

翌朝起きてコンビニに作品説明の印刷と朝ごはんの調達に行き、一度ホテルに戻って朝ごはんを食べてから会場に向かいました。個人でイベントに出展するのは10年以上ぶり2でしたが、一応それっぽいブースを開場までに用意できたかなと思います。

また、今回はJLCPCBさんのご厚意によりプリント基板定規をブースで配布させていただきました。JLCPCBをご存じの方はかなり多かったですが、この定規をきっかけにJLCPCBのPCBAサービスの便利さ等々、参加者の皆さんと情報交換できたかなと思います。まだ100本ほど在庫があるので、またどこかのイベントで配布したいと思います。

展示は電子楽器系(FM音源/PCM音源)とボイスチェンジャー系(メガホン/録音&再生BOX)それぞれ好評でした。特にボイスチェンジャーメガホンは時折カワヅさんのように完璧に使いこなす方が現れるのが大変面白かったです。また、既製品のメガホンの単1電池x2本用のスペースにAnkerのモバイルバッテリーがぴったりフィットすることを面白がってくれる方が多かったのも個人的にはうれしかったポイントです。

その他、お子さんにも好評でした。お子さんは大体加減を知らずに過大入力(マイクの間近で大声!)を突っ込んでくるので、うるさくなりすぎないようにする工夫がいるな…と思ったのでした。「誰でも警察24時」と銘打った録音&再生バージョンのボイスチェンジャーも展示していたのですが、広い会場ではメガホンでしゃべってもらう方が聞き取りやすく好評でした。

FM音源に関しては特定のチップのエミュレーションかどうか、という質問と、ESP32でここまでできるのか、という感想が多かった印象です。意外とESP32を使った音モノ工作は事例が少ないという話も出ました。ソースの公開希望というコメントもあったので、GitHubかどこかにアップロードするよう準備中です。

ちなみに途中でFM音源のイヤフォンジャックがもげるというトラブルもあったのですが、Shigezoneの茂田さんとお隣のProtoPediaチームの皆さんのヘルプで無事修理をすることができました。この場を借りてお礼申し上げます!

広々とした会場

さて、前にも言及した通りNT金沢の会場は金沢駅前の地下広場です。NT金沢の訪問は今回が初めてだったのですが、このアクセスの良さと会場の広さは圧倒的な魅力だと感じました。今回はコロナ対策でブース数が60ブースに制限されていることも理由の一つなのだとは思いますが、ゆったりとした展示空間になっていて、ロボット系の動く展示や、ヒゲキタさんの恐竜「シロ」などが走り回るスペースが十分ありました。

さらに、駅前の広場ということもあり、たまたま通りかかった人や子供連れの方がフラッと覗いていくというようなシーンも多く見られました。客層も含め、コンベンションセンターでの有償イベントであるMaker Faire Tokyoとはまたちょっと違う面白さがあるという印象でした。

他のブースを見てみる

一人でイベントに出展すると、そもそも自分も参加者として他のブースを見に行きたいのに展示の説明をしないといけないのでなかなか見に行けないという問題にハマりがちです。NT金沢は幸いきちんと不在時用の作品説明を用意しておけば、ちょっとブースを離れて他の展示を見に行くことができるような雰囲気だったので、今回はいろいろな展示を見て回ることができました。今回は見て回った展示の中からいくつかピックアップして紹介したいと思います。

necobitさん

まずは各地のMakerFaireでもおなじみのnecobitさんブースです。今回は電子楽器であるインスタコードと連動してパチパチクラッピーなどのMIDI化されたガジェットが動く展示が目玉でした。会期中にどこからともなく機材が持ち寄られてどんどん装備が増えていくのも面白いポイントでした。

一瀬さん/Omicro

お次はまたまた各国のMakerFaireでおなじみの一瀬さんです。球形ロボット”Omicro”の展示ですが、今回はデジタル空間とリアル空間の連動を試みられていました。先ほども言及したようにNT金沢は会場に十分なスペースがあり、Omicroを含めた様々なロボットが自由に走り回っていたのが印象的でした。

カサネタリウム・堀さん

光るキツネ面のカサネタリウム・堀さんにも久々にお会いできました。おなじみのキツネ面の他、光り物としては内部にLEDを内蔵して絵文字が出せるようになっているマスクの展示もありました。また、「ミエナイトデンワ」の展示もありました。これは「糸がない糸電話」で、東京と金沢のように遠く離れていても会話ができる糸電話です。糸電話の紙コップにはGPSが内蔵されていて、糸電話で話す時のように向かい合った時だけ会話ができるようになっています。会場では一方のコップを壁に、もう一方のコップは回転テーブルの上に固定していました。この回転テーブルを使って紙コップ同士の向きを合わせたり、ずらしたりすることによって、見学者が紙コップを触らなくても作品を体験できるような工夫がされていました。

前骨格の鈴木さん


MakerFaire Bangkokのメイカーパレード等でも目を引いている前骨格の鈴木さんも参加していました。毎回着実にバージョンアップしている前骨格ですが、今回はスペシウム光線のポーズをするとシャボン玉が発射できるようなギミックが搭載されていました。ヒゲキタさんのシロとともに会場を練り歩いていてお子さんたちに大好評でした。心なしか、2日目の方がLEDが明るかったような気がします。久々のリアル展示ということで1日目は体力(とLEDの輝度)をセーブしていたとか…?

北陸大学ものづくりLabさん

お隣で目を引くがっちりとしたテーブルゲーム筐体を展示していたのは北陸大学ものづくりLabさんです。聞けば筐体の土台部分から自作し、中で動くインベーダーゲーム風のゲームもUnityで自作したとのことでした。きちんとコイン投入口も本物が取り付けられていて、なかなかの作りこみでした。作りこみすぎて赤字ということだったので応援も兼ねて100円で1プレイさせていただきました。大学にFabスペースがあると大人数で協力して大きな作品を作るような活動もやりやすくていいなあと思ったのでした。

@FaTShtmcさん

@FatShtmcさんは自作CPU基板を何種類か展示されていました。圧巻だったのは制作中の8bitCPUです。3Dプリンタを使って制作した支柱に、小さめの基板をスタックしていく形式でCPUを作られていました。遠目から見ると配線がスパコンやデータセンターのようにも見えるなあ…と思いました。よく考えると「マイクロプロセッサ」になる前のCPUや周辺回路はこんな感じで筐体内の基板の塊として実現されていたわけなので、スパコンやデータセンターのように見えるのも納得です。

観光いろいろ

金沢21世紀美術館

今回のNT金沢参加が初の金沢訪問だったということもあり、金沢の観光地も密を回避しながら見学しました。金沢21世紀美術館は金曜・土曜だけ夜間の開館があるので、土曜日の展示時間が終わってから見学に行きました。写真の「スイミング・プール」が有名ですが、個人的には「ブルー・プラネット・スカイ」がとても印象深かったです。

兼六園&金沢城公園

ベタ中のベタですがNT金沢の翌日、月曜日に兼六園と金沢城公園にも行きました。日が出ていてがっつり日焼けしてしまいました。実は4月に岡山後楽園に行っていたので、これで日本三大庭園のうち2つを見学したことになります。

ひがし茶屋街

昔ながらの景観が保存されているひがし茶屋街にも行きました。思いのほか小規模なエリアでしたが、雰囲気は抜群でした。ツバメが巣を作っているところを偶然発見できたのはちょっとラッキーでした。

グルメいろいろ

金沢といえば寿司、ということで、滞在中は何回かお寿司を食べました。どのネタもおいしかったですがのどぐろが感動的なおいしさでした…

金沢に来た人は必ず食べているんじゃないか(?)と思う金箔ソフトも食べました。ソフトクリームの甘さがすぐに舌に来るので、甘いシートを食べているような感覚でした。

こちらはカサネタリウム・堀さんに教えていただいた金沢B級グルメであるグリルオーツカの「ハントンライス」です。ハンガリー風の「ハン」、フランス語でツナの意味の「トン」で「ハントン」らしいです。オムライスの上にエビフライと白身魚フライが載っています。お昼が遅かった日の晩御飯として食べたので大中小の小でオーダーしたのですが、それでもなかなかのボリュームでした。オムライスもフライもおいしく、また行きたい味です。

マルツ金沢西インター店

せっかくなので、ということで月曜日にはバスに延々乗って金沢の電子部品店であるマルツ金沢西インター店にも行きました。マルツ自体は秋葉原にもありますが、地方の営業所を兼ねた店舗ということもあり、秋葉原店よりもかなり広々とした店舗になっていました。M5Stack製品などもかなり陳列されていて、実物を見ながらM5Stack製品を購入できる貴重な店舗ではないかと思いました。

さいごに

駆け足でしたがNT金沢直前の準備から展示の様子、その後の観光までを紹介してみました。2021年は新型コロナウイルスの影響でMaker Faire Tokyoがオンライン開催となったこともあり、多くの人にとって久々のオフライン開催なMaker系イベントだったのだと思います。久々に会う方・初めて会う方それぞれと楽しく会話することが出来て、やはりオフラインのイベントの良さというのもあるよなあ…としみじみ感じたのでした。来年もNT金沢にはぜひ出展しようと思っていますので、また参加者の皆様とお会いできることを楽しみにしています!

  1. 気が付いたらノギスを抱えて寝ていました…
  2. 2009年のニコニコ技術文化祭@東工大ぶりなはず…?実に13年前!
公開日:2022/06/29