2018年2月EUの旅,ケルンから移動しついにドイツを出てベルギーは首都・ブリュッセル編です.ブリュッセルは2月22日から23日の2日間,1泊の滞在でしたが,コンパクトな街であることと,2月22日は午後3時前にはブリュッセルについていたこともあり,ブリュッセルの観光は22日を中心に済ませ,23日の午前中~昼過ぎはブルージュを観光していました.
ブリュッセルへたどり着く
午後2時半過ぎにThalysはブリュッセル南駅に到着しました.今回はブリュッセルに到着した時点でチェックイン可能な時間になっていたので,ブリュッセル南駅から在来線に乗り継ぎ,一駅先のブリュッセル中央駅へ向かいました.ベルギーでは地域によりフランス語・フラマン語(オランダ語ベルギー方言)・ドイツ語が使用されており,ブリュッセルではフランス語とフラマン語が使用されています.早速,ブリュッセル南駅からブリュッセル中央駅へ行くきっぷを買う際に,フランス語もフラマン語もわからない私は苦労してしまいました.なんとなく中央っぽそうな”Midi”がフランス語では南という意味だったり,そもそも行き先の駅名を検索する際にブリュッセルのフランス語やフラマン語での正しい綴りが出てこなかったりと,このあとのフランス・パリと合わせてきっぷの購入で苦労した記憶がある数少ない旅行となりました.
きっぷを買い一駅の在来線でブリュッセル中央駅へ向かい,まずはホテルへ…と駅前広場を通ると,なんと中国風の飾りが.ドイツではあまり意識しませんでしたが,旅行の時期がちょうど春節だったため,ブリュッセルやこの後のパリでは中国風の飾りを数多く見ました.旅行としてはなかなかおもしろいタイミングだったのだと思います.
ホテルは予算重視の安いホテルだったこともあり,建物にエレベーターがなくスーツケースを持って上がるのがちょっと大変でした.また,写真のようにベッドが部屋の3/4くらいを占領しているという,ワイルドな部屋でした.フロントの顔ぶれを見るに経営がインド系らしき方々だったのと,部屋の狭さで香港の尖沙咀の安ホテルを思い出しました.でも泊まるだけですし,尖沙咀と違ってシャワーが便器の直上に付いているような設計ではないので,なんにも問題ないよなあ,と思いました.ケルンのサービスアパートがたまたま広かったので,落差は激しかったですが…
世界一美しい広場・グラン=プラス
さて,ブリュッセルの最大の観光名所といえば世界遺産であり,「世界一美しい広場」と称されるグラン=プラス(Grand-Palace)です.一応,旅行先の選定や旅行先での予定を立てる上で少し調べたりはしたのですが,文字で読んだだけでは「世界一美しい広場」と言われても正直ピンときていませんでした.しかし実際に行ってみるとどちらを向いても美しい建物に囲まれていて,なるほどこれは百聞は一見にしかずだなあと感じました.本記事執筆中に写真を見返してみると,周囲に高層建築がなく,背景が基本的に空になっていることも,この広場の美しさを引き立てているのではないかと思いました.
また,写真にあるようにグランプラスでも春節の装飾がされていました.なかなかこの組み合わせを見られるのはレアではないでしょうか.
そしてグラン=プラスの広場内には馬車が!ミーハー丸出しですが,絵に描いたようなヨーロッパの世界という感じがして思わず写真を撮ってしまいました.
こちらはグラン=プラスの端にある英雄セルクラースの像です.彼の右手に触れると幸運が訪れるということで,ご覧の通り右手の部分はくっきりと銅の色が出ています.もちろん私も触れてきました.
また,パリへ移動する日には夜景を撮るべく,Thalysに乗るためにブリュッセル南駅に行く前にグランプラスに写真を撮りに行きました.昼もきれいな広場でしたが,夜のライトアップも大変綺麗な広場でした.また,おそらく春節の装飾とセットで置かれていたのであろうアトミウムのミニチュアもおしゃれに光っていました.
世界三大がっかり・小便小僧
さて,ブリュッセル「最大の」観光名所のグラン=プラスを最初に紹介しましたが,ブリュッセル「最小の」観光名所として世界にその名を轟かせているものといえば,「世界三大がっかり」とまで称されてしまう小便小僧の像でしょう.
小便小僧の像の由来は他のWebサイトに譲るとして,いくら「世界三大がっかり」と言われているとはいえ,世界各地に複製があるくらいに有名だししっかりした観光スポットなのだろう…と思いながらグランプラスから路地に入って歩いていきました.
さすがはベルギー,ワッフルとチョコレートの甘い香りが立ち込めている路地を進んでいくと,ちょっとした人だかりがありました.よくよく見てみると集まっている人々の目線の先には…
ありました!小便小僧です.なるほど確かにこれはこぢんまりとしていますね…甘い香りに気を取られていたらスルーしてしまいそうです.確かにこれはおおかたの人の想像より小柄なんでしょうね…よく考えるとかなり昔の像(1619年製作:ただし現在設置されているのはレプリカ)なのでそんなに大きいわけもないですよね.
ちなみに,グラン=プラスにある「王の家」と呼ばれる建物がブリュッセル市立博物館となっていて,その中にはもともとの小便小僧の像や,過去に小便小僧が着ていたコスチュームが展示されています.ご覧の通り,桃太郎のコスプレもしている多才な小便小僧なのでした.
また,先程書いたように,グランプラス周辺の路地は観光客向けなのか,ワッフルとチョコレートのお店がたくさん並んでいて甘い香りが立ち込めています.私も例に漏れず釣られてワッフルを食べましたが,焼きたてのワッフルはサクッとしていて,その上のチョコレートと相まって大変美味しかったです.「ワッフルってこんなにおいしい食べ物だったのか…!」と思うレベルなので,本場のワッフル,食べてみることをおすすめします.(2日とも食べてしまいました.)
味の変化に感動
さて,ドイツからベルギーに入って最も大きく変化を感じたのは食事であります.ドイツの内陸部から随分と海に近い方に移動してきたこともあり,塩!肉!という雰囲気ではない,海産物を使った料理を食べられるようになりました.写真のパエリアはちょっと高かったですがロブスター入りでした.ブリュッセル到着時には完全に塩味に飽きていたので,食文化においても違う国に来たんだなあ…としみじみしてしまいました.
ご覧の通り,山盛りのムール貝を食べたりもしました.日本で食べようとするとムール貝はどこにでもあるわけではないので,ここぞとばかりに食べてしまいました.
そして塩!肉!ではなくなった食事ですが,ムール貝の横にも添えられているように,芋との向き合い方はドイツとさほど変わらないようでした.そしてケチャップだけでなくマヨネーズがトッピングされたのが印象的でした.トリュフ入りマヨネーズというものもスーパーで売っていたくらいなので,マヨネーズが好きな国民性なのでしょうか…
また,味の変化はビールにも現れていました.ビール純粋令の時代から原料に厳しいルールが定められているドイツビールと違い,ベルギービールはフルーツやスパイスなどの副原料を使った多彩な味わいが特徴的でした.またベルギーに行く機会があればもう少ししっかりと飲み比べをしてみてもいいのかな…と思いました.
街を散策する
ギャルリー・サンテュベール
グラン=プラスをはじめとして観光名所がぎっしりと密集しているブリュッセルの買い物スポット&観光名所である「ギャルリー・サンテュベール」にももちろん行きました.グラン=プラスから本当に近いアーケード街ですが,ここにはゴディバ・ノイハウス・レオニダスなどベルギーチョコレートのお店が数多く存在します.私もここでチョコレートのお土産を買いました.ここも春節仕様の提灯がぶらさがっていました.私が自分が食べるお土産を選んでいる横で「実はガールフレンドにプレゼントしたいのだけれど,どれがいいかな…」と店員さんに相談しているお兄さんがいたりと,チョコレートショップも人間模様があるもんだなあ…とクラっと(?)きました.
芸術の丘
ブリュッセル中央駅を挟んでグラン=プラスの反対側の坂道を上っていくと,芸術の丘と呼ばれるエリアにたどり着きます.このあたりには美術館がいくつも点在していました.楽器ミュージアムに心惹かれたのですが,今回は残念ながら時間の都合もあり断念.実はケルン・ブルージュと階段をスニーカーでない靴でかなりの段数上り下りしたこともあって,もうヘトヘトだったというのもあります.
また,芸術の丘からさらに少し奥へ行くと,ブリュッセル王宮があります.2月は公開の時期ではありません1でしたが,外からその威容を見学することができました.ちょうど道路を挟んで向かい側から王宮を見ていたら,厳重な護衛付きの車が出てきていたので,もしかすると王族の方とニアミスしたのかも…!とちょっとワクワクしました.
サン・ミッシェル大聖堂
芸術の丘からぐっと北上したところにあるのがサン・ミッシェル大聖堂です.各国で教会やモスクを見てその建築の迫力を感じていたこともあり,ブリュッセルでも回ろうとやってきたのでした.
内部に入ると荘厳なパイプオルガンが備え付けられていました.こんなことを言うと怒られそうですが,長短異なるパイプが並ぶパイプオルガンって族車のマフラーと紙一重ですよね…1
ノートルダム・デュ・サブロン教会
ノートルダム・デュ・サブロン教会はサン・ミッシェル大聖堂とは反対側,芸術の丘にほど近いエリアにある教会です.
こちらの教会は教会で美しく,荘厳なステンドグラスが見ものでした.コンパクトなパイプオルガンはパイプオルガンでよいアクセントになりますね.
駅ナカビールを飲んでパリへ
2日目の夕方は暗くなるのを待ち,グランプラスにライトアップした状態の写真を撮りに行き,戻ってきてからThalysが来るまで…とビールを飲んでいました.駅を行き交う人を見ながらビールを飲めるのはちょっと面白い体験でした.
…とこんなことをしていたら時間がなくなり,慌ててホームへ行くもすでにThalysは到着済み.予約票を係員さんに見せるもその車両は遠いからとにかく乗れ,乗って適当な席に座って検札が来たら事情を話しなさい,と言われ慌てて乗車しました.パリまでは途中停車駅がないため結局検札も来ず,そのまま列車は夜のパリ北駅に到着してしまったのでした.
以上,2018年2月EUの旅・ブリュッセル編でした.最後にパリへと移動してしますが,最初に書いたように2日目の午前中~昼過ぎは日帰りでブルージュへ行っていました.そのため次はブルージュ編です.お楽しみに!