2017年11月の珠江デルタの旅,深センに滞在した3日目と,帰国のために香港国際空港へ向かった4日目の記事です.
蘭州拉麺店で炒飯を食べる
なにはともあれ,朝起きたら朝ごはんです.宿の入っている建物のすぐそば(同じ建物の1階だったかも?)に最近日本でも話題の蘭州拉麺店があったので入ってみましたが,朝だしそろそろ米も食べたいぞということで炒飯をオーダーしました.なんとなく薄味という気もしましたが,牛肉が入っているので日本人にとってはちょっと豪華な炒飯でした.
ちなみに,このお店の支払はWeChat Payでしてみました.慣れてないとどうも払った気がしなくて変な気分です.Suicaをはじめて使った時もこんな感覚だったのでしょうか?あまり記憶がありません…
Maker Faire Shenzhenへ行く
腹ごしらえをすませ,軽くお仕事をした(実は宿のネット回線が中国本土の電話番号を要求してくるため使えずかなり困ったのですが…)後に,今回の本題であるMaker Faire Shenzhenに行きました.
Maker Faire Shenzhen 2017は深セン地下鉄5号線の留仙洞駅そばの深セン職業技術学院で開催されていました.地下鉄の駅のそばなので,もちろん華強北エリアからも乗り継いでいけば地下鉄だけで行けたのですが,お仕事もあったので時間短縮のために中国版Uber1であるdidi(滴滴出行)を使って行きました.渡航直前に中国国外発行のクレジットカードでも決済ができるようになったという話を聞いていたので,あらかじめアプリをインストールしておいたのでした.また,LAに旅行した際Uberが便利だったという経験もあり,これは使ってみなければ,と思ったのも理由の一つです.
会場である深セン職業技術学院はとても広く,入り口にも随分と大きい看板が設置されていたため,うまくフレームインさせるのが難しく,なんだか雑に撮ったような写真になってしまいました.
また,上の写真の右側を見てもらうと何となく分かるように,大規模イベントであるためか,簡単な荷物検査が行われているようでしたが,全員が検査対象というわけではないようでした.
ゲートから中へと進んでいくとご覧のようにかなり開けたキャンパスになっています.私はMaker Faireはこれまで東京開催のものしか行ったことがないのですが,なんというか何もかもデカいことに圧倒されてしまいました.
学校なのでグラウンドがあり,そこに展示ブースのテントが設置されていました.この他にも通路や屋内にももちろんブースがありました.また,グラウンドの一部がドローン用エリアになっていたりと,広いキャンパスをなかなか活用している印象を受けました.
また,写真の通り1つのブースに割り当てられている場所がかなり広く,最近のMaker Faire Tokyoに比べると大きめのものの展示をしているブースが多いように感じました.Maker Faire Tokyoの前身であるMake: Tokyo Meetingがいろいろな教育機関を借りて開催されていた頃2のゴツいものまで何でもありの雰囲気を感じ,ちょっと懐かしいなあと思いました.
一方で,これはMaker Faire Tokyoでもそれなりにいるにはいると思うのですが,こちらでもエレキ・メカ・情報系だけでなく,アート系やデザイン系の学生さんっぽい展示がそれなりにあり,その方向にもそれなりの層の厚さがあるのだなあと感じました.
上の写真はMaker Faire Tokyoにも来ていたMakerhartのDIYピアノキットです.実物見ちゃうと欲しくなりますね!
日本からもFutuRocketの美谷さんの燕三条で作られた箸”sutto“や子供向けロボットのPETS,日本Geek中文学会の中国語学習支援ロボなど,さまざまなジャンルのものが出展されていました.
本来ならギークなガジェットに個人的MVPをあげたいところなのですが,数日前に熊本で本物を見たくまモンに深センでまた遭遇してしまったので個人的MVPはこのくまモンにあげたいと思います(?).ちなみに本物に比べて脚が割と動かしやすいデザインのようで,本物が見たら多分ドン引きするレベルの全力疾走を見せてくれました.こういう手芸系もいろいろある層の厚さはよいことです.
会場の端の方には屋台コーナーがあり,こちらでトルネードポテトを食べました.はじめて食べたのですが,これって本当に食べにくいんですね.普通のフライドポテトがいいなあという感想でした…
蘭州拉麺店再び
さて,一通りぐるっと見て回った後はまたお仕事(実は帰国直後がリリース日でした)のためにdidiで宿まで戻り,またしても蘭州拉麺店に行きました.
今度はきちんと蘭州拉麺をオーダーしました.実は中国全土に展開している蘭州拉麺店の大半は蘭州市のある甘粛省のお隣,青海省出身者を中心に運営されているらしく,蘭州市ではよく見られるらしいラー油のようなものがかかっていない状態で提供されることが多いそうです.今回のお店もどうやら青海省系のお店のようです.1
とはいえ,お店のキッチンで手延べで伸ばしていた麺は美味しく,日本のラーメンに比べるとあっさりとしたスープに香菜と牛肉が入っていてフォーと同じような方向性の味わいでした.
地下街も電気街な深セン
きりの良いところで作業を切り上げて,この日の夜に企画されていたJapanese Meetupの前に買い物に出かけようと地下鉄の駅へ向かいました.宿から華強路駅まではすぐなのですが,そこまでの短い地下通路が「華強地鉄商場」という地下電気街になっていました.単に地下にある電気街なのですが,スマホから取り外したと思われるICが売っていたり,基板の取り外し・分別作業を通路でやっていたりとなんとなく別の意味でも地下感のある地下街でした.
お茶を買う
地下鉄1号線で国貿駅周辺まで行き,お茶を買うべく茗茶名酒城という建物へ向かいました.前回の深セン来訪時は羅湖の茶葉世界に行ったのですが,「名酒」とも書いてあったので何かあるのでは,と期待してこちらへ行ってみました.
しかしながら時間が遅かったせいもあってか閉店しているお店が多く,暗い雰囲気で今ひとつ買い物する気になれず,結局近くのデパートで小分けパックの鉄観音茶を買いました.帰国後飲んだところこれはこれで美味しかったのでまあよしとしましょう.
その他にも,帰国後は寒いことが予想されたので,日本到着後に着るための長袖スウェットを調達したりしました.
Japanese Meetupに参加する
買い物を済ませた後一瞬だけ宿へ戻り,荷物を置いた後にJapanese Meetupへ向かいました.実際には,会場が白石洲駅周辺の白石洲美食城というところだったのでまず隣の高新園駅まで向かい,Mi Storeでおつかい(ガジェットを探してくるように頼まれたのでした)をしてから白石洲美食城へ向かいました.Mi Storeで茂田さんを含め複数のJapanese Meetup参加者と合流したので,何人かでdidiをシェアして白石州美食街へ向かいました.皆さんWeChat Payに興味があるクラスタの方だったので,didiの料金は後ほどWeChat Payで割り勘しました.こういうところはICカードベースの決済システムに比べて便利な点だなあと感じました.
白石洲美食城はこんな感じのオープンエアと屋内が混合した形態のフードコートです.シンガポールやマレーシアにあるホーカーセンターと雰囲気が近いのではないかと思います.11月の日本では気温が気温なのでなかなか厳しいスタイルですが,11月の深センはまだまだ夜でも暖かいので,屋外でも全然問題ありませんでした.
Japanese Meetupとは銘打っていますが,特に参加申し込みが必要なわけでもなく,適当に集まって飲んで帰ろう,というスタイルだったので,Maker Faire参加者を中心にかなりの人数が集まっていました.
美「食」城なのでもちろん食べ物もあるのですが,昨日のクラフトビアフェスティバルにも出展していたPEKO BreweryやBionic Brewの店舗があり,料理と一緒にクラフトビールも楽しめました.
食べ物も様々で,焼き牡蠣のような中華風の料理もあれば,焼きたてのアメリカンなハンバーガーもあるという具合で,中華料理ばかりで飽きてしまうということはありませんでした.PEKO BreweryやBionic Brewもそうですが,深セン在住の外国人が各国の料理を提供していたりするため,中華一辺倒になっていないだけでなく,中華料理以外もなかなかのクオリティでした.
ちなみにMeetupではニコ技深セン観察会の主宰の高須さんによる紹介タイムがあったり,深センのメイカー女子として有名なSexyCyborgさんがバリバリのイルミネーション(光るつけまつげにウェアラブルプロジェクターまで!)で登場して周りを巻き込んで謎の盛り上がりを見せたりと,Maker Faire本体に負けず劣らずの活気でした.
ちなみにこの美食城に限らないですが,深センの屋外ご飯スポットでは割と犬を見かけました.夜で眠いからなのか,食うに困らないからなのかなんだかやる気なさげでした.1
その後適宜解散し,白石洲駅から地下鉄に乗って宿に戻りました.
朝の華強北
さて,Day4,11月12日は帰国日だったので,荷物を軽く整理してからまず朝ごはんの買い出しでもしようかと外に出ました.
今回何度も通っていた地下道の広告をよく見てみると,スマホ修理員養成スクールらしき広告が貼ってありました.私のダメダメな中国語スキルで読んでいる限りでの感想ですが,日本の諸々の養成教室の広告とそんなに宣伝文句は変わらなそうだなあという印象でした.
さすがに日曜日の朝7時半となると華強北も人通りがまばらです.
そんな中でもしっかりオープンしている賽格広場ビルのセブンイレブンで飲み物を調達しました.食べ物も買いたかったのですが食べ物は今ひとつ食べたいと思うものがありませんでした…
最終日も蘭州拉麺
そんなわけで,またしても蘭州拉麺を食べました.今回は平打ち麺にしてもらいました.これを食べているときに,多分ですが食レポを撮影しているYouTuber的なおじさんがいました.やっぱりテンションを上げて撮影しないとつまらないんだろうなあというくらいにテンションが高く,私は眺めているだけでしたがちょっとおもしろい経験でした.
Skylimoで香港国際空港へ向かう
その後宿へ戻り仕事をした後,10時半ごろチェックアウトしてもう一度最後に華強北を散策し,うっかり時間が遅くなってしまったので慌ててdidiで竹子林駅そばの福田バスターミナルへ向かいました.福田バスターミナルは2016年来訪時に広西チワン族自治区の南寧市まで行くバスに乗るために来ているため,2度目になります.
福田バスターミナルは上に書いたように長距離路線バスの発着拠点でもあるのですが,その他にSkylimoと呼ばれる,香港国際空港までの乗り合いタクシーサービスの出発拠点にもなっています.Skylimoは空港までまっすぐ行くのでスピーディーだという評判を聞いていたのと,2017年11月当時は車に乗ったまま深セン-香港間の入出境手続きが可能だった1ことから体験してみようと思い,今回はSkylimoで香港国際空港まで戻ることにしたのでした.
バスターミナルに到着したのは12時頃で,すぐに出発ロビー近辺の窓口で150元でチケットを購入しました.
その後,窓口のお姉さんの案内で待合室まで移動したのですが,出発ロビーと違い,階段を降りていくとバックヤード感満載の駐車場があり,そこには電気自動車バスの充電ステーションがあったりしました.ちなみに深セン市は市内の路線バスの完全電気自動車化を達成しています.
駐車場をずっと歩いていくと,とりあえず床を張ってソファーと机を置きました,という感じの待合室に着きました.が,ここでは4,5分しか待ちませんでした.
その後すぐに上の写真の左側の黒いバンに乗せられたかと思いきや,その後に来た別の車に乗り換えさせられてから出発しました.この時点では車には運転手さんと私の2人だけでした.
その後,深セン湾口岸の深セン側の駐車場で別の出発地から来たらしいSkylimoへと乗り換え,深セン湾口岸の車両用入出境検査ゲートを通りました.本当に車を降りる必要はありませんでした.出国カードとパスポートを運転手さんに預けると,料金所のようなところでパスポートと出国カードが出国審査官に渡され,それをもとに出欠確認のように名前が呼ばれるので,名前が呼ばれたら顔を審査官に見せる,という流れで出国審査が行われました.
その後は香港国際空港まで,ただただバンが走っていくだけでした.窓に持ち込み禁止物品(正確には大量に持ち込むのがNGな物品っぽいですが)のお知らせが貼ってありました.禁止物品の一番最初に粉ミルク(奶粉)が書いてあるのが気になりました.結構前に日本の粉ミルクが中国ですごく売れている,みたいな話は聞いたことがありますが,今も香港から持ち込む人が多いのでしょうか.
その後,バンは無事香港国際空港に到着しました.福田バスターミナルを出たのが12時20分ごろ,空港に着いたのが13時50分ごろだったので,1時間半で深センの市街地から香港国際空港まで移動できると考えると確かに便利だと思います.
12時に深センを出たので,完全にお昼を食べるタイミングを逃してしまったため,空港でエビワンタン麺を食べたのですが,うーん,いまいちでした.
その後,空港のお土産店を冷やかして飛行機に搭乗,帰りは急きょ取った便だったので成田着でした.その後リムジンバスで帰宅しました.リムジンバスもSkylimo並に(?)スピーディーに横浜駅まで到着して驚きました.
以上,2017年11月の珠江デルタ旅行記でした.お仕事の都合で日程を削ったりしたため不完全燃焼感が残った旅行だったので,また近いうちに行きたいところです.
次は2017年12月の上海・バンコク旅行記になるかと思います.お楽しみに!