2024年のゴールデンウィークのアジア周遊旅行記、今回はPart1、どちらも乗り継ぎのための滞在という感じで滞在が短かったのでまとめて香港&クアラルンプール編です。
香港に到着
Part0の最後に乗った大湾区航空の飛行機は派手に遅延し、午後10時前の到着の予定が午後11時過ぎに香港国際空港に到着しました。ちょっと運賃が高いですが、早くゆっくりしたかったこともあり、夜でも運行しているエアポートエクスプレスで市街地へと向かったのでした。
ホテルにチェックインした後は晩ごはん探しです。大湾区航空はLCCなので機内食はありません。成田のラウンジで食べたごはんが最後で、そこからは何も食べていなかったのでさすがにお腹が空いていました。というわけでホテルのそばを歩いて見つけた麺料理屋さんに入りました。この明朝体でビシッと書かれたお品書きがいかにも香港です。
やはり香港というか広東文化圏に来たら牛モツだろうということで、牛モツ煮込みががっつり入った牛肉麺をオーダーしました。しっかり煮込まれたモツを堪能しつつ、キンキンの香港ミルクティーでクールダウンしました。
晩ごはんを食べた後は、少し街をぶらぶらしてからホテルに戻りました。まだまだこういう路上の販売店があるのが香港のちょっと面白いところです。
ホテルに戻る前にコンビニにも寄りました。メロン風味の豆乳とVITAのケミカルな味のレモンティー、どちらも個人的な定番になっています。
ちなみにここまでホテルと書いていますが、香港で1泊しかしないときはだいたいごちゃっとした雑居ビルの中のいわゆる「ゲストハウス」っぽいところに泊まっています。何泊もするときはちょっとツラいかもしれませんが、安いし1交通の便もよかったりするのですよね。
散歩しながら朝ごはんを探す
翌朝は街の写真を撮りつつ朝ごはんを探しに出かけました。香港の看板は英語と繁体字が両方書いてあったり、おそらくイギリス領時代のデザインを引きずっていたりということもあってかなかなか独特の雰囲気があり、つい写真を撮りたくなってしまいます。
以前も書いていますが、香港も日本のJPN TAXIの姉妹車種がタクシーとして次第に導入されてきていています。街中で見かける頻度も増えてきました。
こちらはおそらく無許可…なんだと思うのですが、建物の壁にトイレなどのつまり解消の広告がペイント(!)されていました。ポスターを貼るよりもはるかに手間がかかるような気がしますが、なかなかの迫力で目につくので、広告効果はあるのかもしれませんね…(繰り返しですが無許可でやってるんでしょうけど…)
さらに歩いているとこちらの茶餐庁(カフェレストラン)を見つけました。ネオン看板とその下のSINCE 1978の文字に惹かれてここで朝ごはんにすることにしました。
入ってみるとSINCE 1978の文字の通り、ザ・香港レトロという感じの茶餐庁でした。緑色のテーブル席のソファがまぶしいです。
オーダーしたのは香港の茶餐庁ではおなじみの麺料理、車仔麺です。麺と具を自分で選べるラーメンのようなものです。今回はサテー味の牛肉、ハム、ソーセージを具にチョイスしました。毎回やっていますが、このサテー味の牛肉のソースをスープに溶かしつつ食べるのが結構好きなのでした。もちろんキンキンに冷えたレモンティーもセットです。
朝ごはんを食べた後も少し散歩をしました。ネイザンロード沿いだとまたしても無許可と思われる、ポスターがびっしり貼られている光景を目にすることがあります。こうやってびっしり貼るのはこれはこれでウォーホルの絵ではありませんが、迫力を感じます。そし「トレーディングカード」は広東語だと「集換式卡牌」になるんですね。なんとなく日本語でも意味が通じますね。
尖沙咀から旺角あたりまでのネイザンロード周辺は歩いているとみちみちに建てられたビルやずらっと並んだミニバスなどが醸し出す不思議な迫力があります。狭い土地を有効に活用しようとしたり、細い路地を縦横無尽に移動したいという需要から生まれたものだとは思うのですが、やはりこういうところに香港の独特のカラーというものがあると思います。
e-Channelに再チャレンジ
散歩の後は一休みしてからホテルをチェックアウトし、香港島側の湾仔にある入境事務所に向かいました。2023年のMFSZの際の香港滞在時にトライしたものの申し込みできなかった、香港を頻繁に訪問する外国人のためのe-Channelという制度に再度申し込もうというわけです。e-Channel(「e-道」とも)は香港に頻繁に滞在する外国人に限り、香港入境時に専用の自動化ゲートの利用を許可する制度です。
MFSZの際はJALのフリークエントフライヤープログラムであるJALグローバルクラブの会員資格で申し込みに挑戦しましたが、英語での会員資格証明ができず撃沈したのでした。しかしそうこうしているうちに、2023年5月、2023年11月、2024年1月と、直近1年以内に3回香港国際空港に空路で到着していて、申込時が4回目以降の到着である、という最もストレートな申し込み条件を満たしてしまったのでした。
実は今回のマレーシア旅行を香港経由にしたのは、ゴールデンウィークで高くなりがちな直行便を回避するためというのが最大の理由でしたが、経由時に香港国際空港を2回(成田→香港、クアラルンプール→香港)使うことでe-Channelの申し込み条件を満たすことも理由の一つでした。この旅行の航空券を確保したのは2023年の11月だったので、マレーシアから香港に戻ってくるタイミングで申し込み条件を満たす想定でいたのですが、2024年1月に飛行機の遅延で予想外の香港滞在が入ったのでした。そんなわけでワンテンポ早く申し込み条件を満たしたので、早々にe-Channelの申し込みをしたのでした。
今回は特にこちらから申し込み資格を証明する書類を追加で出す必要はなく、パスポートを出すと入境記録から資格を判定して手続きを進めてくれました。いくつかの書類にサインしたりした後、パスポートにe-Channelのラベルが貼られて返却され、無事e-Channelの利用資格をゲットすることができました。
空港へ戻る
香港到着が前日の夜中だったので半日も滞在していませんが、クアラルンプール行きのフライトが午後1時前の出発だったので、e-Channelの申請をした後は空港へと向かいました。香港島側にいるのでおとなしく香港駅からエアポートエクスプレスに乗ればよかったのですが、せっかくだしスターフェリーにも乗りたいということでまずは尖沙咀までスターフェリーで移動しました。
この日は月曜日ということもあり、スターフェリーはガラガラでした。
結局尖沙咀のフェリーターミナルからバスに乗り、九龍駅まで行ってエアポートエクスプレスで空港へと戻りました。
香港とクアラルンプールの間の往復はキャセイパシフィック航空のフライトなので、ラウンジを使うことができました。香港国際空港はキャセイパシフィックのラウンジが山のようにありますが、今回行ったThe Pierが一番スペースやフードなど、いろいろと充実しているような気がします。
その後飛行機に乗り込みクアラルンプールへと向かいました。機内食にはなんと串に刺さったサテーがドカッと入っていました。こういうの、アリなんですね。びっくりしました。
クアラルンプールに到着
飛行機に搭乗してすぐ結構寝てしまったので、機内エンタメ端末で見ていた「ミッション・インポッシブル デッドレコニング PART1」の最後の10分だけ見ることができず着陸するという悲劇2もありましたが、4時間ほどのフライトでクアラルンプールに到着です。降りた途端に襲ってくる熱気にビビりつつも、KLIAエクスプレスとGrabタクシーを乗り継いでブキッ・ビンタンに到着です。今回はウサギの着ぐるみがいました。本当にここはいつも賑わっています。
香港もここまでに紹介したようにストリートアートがあったり、もちろん百貨店もあるのですが、クアラルンプールのそれらは香港とはまたちょっと違ったギラギラ感があるような気がします。
ホテルにチェックインした後はここまでに着ていた服を洗濯するべく、コインランドリーに行って洗濯機を回しました。その場で待っていても暑いし暇なので、近くのファミリーマートへとやってきました。”Express Counter (No Oden)”という表記がちょっと面白いです。
ファミリーマートでは日本でもおなじみのファミマル印の緑茶とマレーシア地場ブランドのスポーツドリンク、100PLUSを買いました。100PLUSは炭酸が入っているのが特徴だったりします。ポカリスエットなどのイメージで飲むと炭酸が入っていてびっくりしがちなんですよね…
ジャラン・アローへ
洗濯が終わったころを見計らってコインランドリーに戻り、洗濯物を乾燥機に移し替えた後は晩ごはんを食べに出かけました。旧正月にも来たブキッ・ビンタンの飲み屋街、ジャラン・アローです。
今回も通り沿いの適当なレストランのテーブルに陣取り、タイガービールを飲みながら晩ごはんを食べました。幅広ビーフンと牛肉の炒め物は香港でも食べられるような気はしますが、まあどこで食べてもおいしいので気にしないでおきましょう。そして前回当たりだったサテーもいただきました。この辺のレストランのサテーは焼きたてなのでなかなジューシーでいいですね。
晩ごはんを食べた後はコインランドリーから洗濯物を回収し、ホテルに戻ってから整理してバックパックに詰め直し就寝したのでした。
ロティ・チャナイを食べる
翌朝もまた朝ごはんを求めてまずは街歩きからスタートです。写真の真ん中に写っているビルは2019年に完成したThe Exchange 106です。上部の装飾が特徴的なマレーシアで4番目(ペトロナスツインタワーを全部で1つとカウントすると3番目)に高いビルになります。
そして入ったのはホテルのそばのレストランです。スープっぽいカレーに薄焼きのパンを浸して食べる料理です。インド系のルーツがある料理ではありますが、マレーシアの名物料理の一つです。シンプルですが小麦の甘さとカレーのスパイスがおいしい朝ごはんでした。
電気街を調査する
朝ごはんを食べた後は電気街の調査へと向かいました。まずは電子部品店が連なるJalan Pasarのemartから見ていきました。入口にラマダン明け(ハリラヤ)を祝う装飾がしてあるのがなんともマレーシアっぽいです。
ここは以前から賑わってもいなければ閑散としてもいないという感じで、今回も変わらずでした。ここはどちらかというと業務用の無線機や防犯カメラなど、業者向けの色が強いのでそう感じるのかもしれません。
ちなみにemartのエントランスのあたりからプドゥ駅の方を見ると、大きなビルを建てているのが見えました。クアラルンプールはこの辺りに限らず、結構なスピードで再開発が進んでいる印象です。電気街が再開発に飲み込まれてなくならずに、何らかの形で生き残ってくれるといいのですが…
ちなみにちょっとウェットマーケット側に入っていったところにあるこちらの建物は相変わらず廃墟なようで、シャッターが閉まっていて中に入れないようになっていました。こういうのを見るとやっぱり再開発待ちなんだろうかと勘繰ってしまいます。
Jalan Pasarの通りの向こう側には先ほどのThe Exchange 106が見えます。このビルが大きいから近く見えるというのもあるのですが、やはりこの周辺のすぐそばまで再開発の波が来ているってことだよなぁと思わされます。
その他、Jalan Pasar周辺の電子部品店や家電修理屋さんは元気に営業中でした。2枚目の写真のお店は右端にスライダック3が置いてありますね。
スンガイワンプラザでお昼休憩
Jalan Pasar周辺を見てブキッ・ビンタンへと戻ってくるともうお昼ごろになっていたので、周辺のショッピングモールの中でも最も庶民的(と私が勝手に思っている)スンガイワンプラザへ行き、屋上のホーカーセンターでお昼ご飯にしました。
何にしようかなと見ていたらインド系のお兄さんの営業攻撃にあったので、そのお店のナシカンダー(カレーなどをワンプレートに持った定食風料理)とミルクティーでお昼ごはんにしました。写真の手前の丸いコロッケのようなものはコロッケと同じくジャガイモをつぶしたものを固めて揚げ焼きにしたものなのですが、これがなかなかホクホクとしてカレーに合う味でした。ビニール袋にドカッと入ったミルクティーもおいしかったのは言うまでもありません。
ちなみにこの時に気が付いたのですが、スンガイワンプラザの上のフロアには日本の古着販売店であるセカンドストリートが入居していました。この手の小売り店は近頃日本から東南アジアに進出しているのをよく見る気がします。
お昼ごはんを食べた後は、この時かなり伸びてしまっていた髪の毛を切るべく、スンガイワンプラザの中の美容室に飛び込みで入りカットしてもらいました。2019年にもスンガイワンプラザの中の美容室で髪を切ってもらったことがあるのですが、その時ほどいかにも「マレーシアで切りました!」という感じにはなりませんでした。
髪を切ってから近くのLot10というショッピングモールに移動したあたりでトイレに行きたくなったのでモール内のトイレに向かうと、入り口でお金(50セン:約17円)を取られたのでした。昔(といっても10年位前からしか知りませんが)からそうですが、マレーシアのショッピングモールやバスターミナルなどの施設のトイレは有料な場合があります。お金を払うとLot10はご丁寧にこんなチケットまでくれるのでした。
Lot10は伊勢丹が入っていたりしてちょっと高級路線のような雰囲気があるのですが、一方で最近はドン・キホーテが入っていたりもするのでした。
電気街調査ふたたび
Lot10をぶらぶらしたあとはブキッ・ビンタン周辺の電気街調査です。まずはこのあたりの電気街ビルとしては地味な方であるPlaza Imbiからチェックしました。
一時期はシャッターが下りているお店が多かった印象のあるPlaza Imbiですが、地上階(1階)は平日のみ営業のお店が多いのか、以前休日に訪問した時より盛り返しているような印象を受けました。2階は以前から相変わらず暗い感じではあるのですが、まったくお店がないわけでもなく、営業している店もそれなりにありました。
ちなみに以前は地下フロアもあったのですが、次に書くように地下はカラオケ店に業態が変わりました。そのため1階のフロア内からは直接アクセスできないよう、エスカレーターの入り口が壁で囲われていました。
1階のフロア内からは入れないカラオケ店ですが、Plaza Imbiのフードコートがある側にこのような入り口があって、そこからアプローチするようになっていました。
階段を降りるとこんな感じです。海外でカラオケと聞くといわゆる日本のキャバクラのようなお店を想像される方も多いかと思いますが、こちらは内装こそ派手なものの日本と同じ、歌を歌うのがメインのカラオケのようでした。
Plaza Imbiをチェックした後は大本命のPlaza Low Yatへとやってきました。こちらはどちらかというとコンシューマー向けの色が強いこともあり、この時は比較的空いていましたが、相変わらずきれいな内装で閉まっている店舗も少ないあたり、そこそこ好調なのだろうなと感じました。
従来からの小さいお店もまだまだあるのですが、深圳のスマートフォンアクセサリブランドのhoco(ここのモバイルバッテリーをランシットで買って愛用しています)やこだわりのデザインで有名なNothingのお店など、ちょっと広めのブランドショップが増えたような印象を受けました。
ちょっと面白かったのはこちらのお店です。お店の前に花飾りが置いてあるあたりからするとまだ開店して間もなかったのではないかと思いますが、”GuangZhou|ShenZhen”の名前を看板に掲げた携帯電話の修理部品ショップです。たしかに今までは携帯電話の修理業者はPlaza Low Yatにあったのですが、こういう修理部品を売る店はなかったように思います。
電車を逃す
Plaza Low Yatを見た後は、クアラルンプールからバターワースまでの道のりの間にあるマレーシア第三の都市・イポーへ鉄道で向かう予定だったのですが、スコールに降られてGrabタクシーを捕まえ損ねたりしている間に電車の時間を過ぎてしまいました。ぎりぎり間に合うかと思いクアラルンプール駅までは行ったのですが、残念ながら間に合わず、気を取り直してイポー行きのバスが多数出ているTBS、Terminal Bersepadu Selatan(日本語に訳すと南総合ターミナルといったところでしょうか)へと向かいました。
イポーへ行く高速バスはそこそこ本数があり、それこそイポーだけでなくそのままさらに走ってバターワースまで行くバスが大半のようでした。とりあえずバスターミナルのコンビニで車中で飲む用のミルクティーを買い、自分の乗るバスが来るのを待ちました。
結構頻繁に発着場にやってくるバスをしばらく眺めて待った後、ようやく自分の乗るバスが来たので乗り込みました。年始のカンボジア旅行と同じく、1列-2列の3列配置の広々としたバスです。今回は最後尾でした。
ターミナルを出た後は高速道路に乗り、バスはひたすら南へと走っていきました。途中、車窓からはこういう切り立った山を見かけました。この後向かったイポーでも多数見ましたが、クアラルンプール周辺はこういう石灰岩の山が多いようです。
バスから外を見ていてもう一つ興味深かったのは、どうも看板を見るにスコールの時のための待避所が存在するようだったことです。日本でもゲリラ豪雨が問題になって久しいですが、東南アジアのスコールもひどい時は本当にすさまじいものがあります。走っているバイクを見るに確かに急にひどいスコールが降ってきたら困るし、落ち着くまで待ったりレインコートを着たりする場所が必要だろうなあと一人納得したのでした。
道中、”Tanjung Rambutan”という看板が見えて、ん?ランブータン?と調べてみると、どうもランブータンが沢山採れたエリアがあり、そこに「ランブータン岬」という地名を付けたようです。クアラルンプールにはブキッ・ナナスという地名がありますが、こちらは「パイナップルが丘」という意味です。マレーシアはなかなかフルーティーな(?)地名にあふれているなあ…と考えながらバスに乗っていると、あともう少しでイポーというところでトイレ休憩が入りました。
トイレ休憩後さらに少し走って、バスはイポーのターミナルへと到着しました。ここからさらにGrabタクシーを拾って移動し、ホテルに着くと夜9時前になっていました。
以上、2024年GWのアジア周遊旅行記、Part1・香港&クアラルンプール編でした。香港もクアラルンプールもアジアの世界都市という感じがしますが、こうしてみるとそれぞれ違った個性があるのが面白いところです。次回Part2はイポー観光編の予定です。お楽しみに!