Maker Faire Shenzhen 2023の際の香港・深圳旅行記に続いて、その翌週(!)に行ったMaker Faire Taipei 2023見学を兼ねた台北旅行記、まずはDay1編です。ちなみにMaker Faire Taipeiそのものの見学記は「Maker Faire Taipei 2023に行ってきました」に書いていますので、そちらも併せてご覧ください。
きっかけはMaker Faire Shenzhen
「Maker Faire Taipei 2023に行ってきました」の方にも書いたのですが、Maker Faire Shenzhen 2023に参加された方の中には、そのまま深圳や周辺のマカオなどに滞在したりして翌週のMaker Faire Taipei 2023にハシゴされる方がいました。そんな方々から「え?鈴木さん来週(Maker Faire Taipei)も来ますよね?」と散々煽られた結果、まだ深圳に滞在している月曜日のうちにうっかり台北行きの航空券を確保してしまったのでした。しかし香港・深圳旅行の時点でがっつり休みを取っているわけなので、さらに突発で休みを取るというのは(サラリーマン的には)ナシだろうと考え、金曜日の22時に日本を出発して月曜の朝6時半に日本に戻ってくるという、弾丸も弾丸、1泊4日というめちゃくちゃなスケジュールを組んだのでした。
弾丸で台北へ向かう
今回は22時成田発のジェットスター便を取っていたので、会社を退勤してから成田エクスプレスで成田空港に向かいました。LCCのジェットスター便なので、8月の福岡行き、1週間前のフライト待ちの暇つぶしに続いての成田第3ターミナルです。
今回はLCCなので航空会社のラウンジが使えませんが、プライオリティパスを使って先週に続きぼてぢゅうで晩ごはんを食べました。成田第3ターミナルでのLCC旅行の時にこのサービスが使えるのは結構ありがたいですね。
この頃はまだコロナ禍の影響を少し引きずっていて、成田第3ターミナルから出る国際線が少なかったことと、そもそも夜遅いこともあり免税店はガラガラでした。
22時発の予定だったのですが、不運にも機材の都合ということで22時50分発に変更されてしまいました。成田空港の滑走路が使えるのは原則として23時までなので、門限ギリギリに変更されてしまったということになります。22時発のままだったら桃園国際空港に着いてからぎりぎり台北駅までの終バスに乗れたのではないかなぁと思いつつ飛行機に乗り込み、台北へと向かったのでした。
桃園国際空港に到着したのは台湾時間の午前2時前でした。50分遅れでの出発でしたが、20分ほどは遅延を挽回しての到着です。さすがにバスには間に合わないな…とだけこの時は思っていたのですが、飛行機を降りて入国審査の列までくるとこれがなかなかの長蛇の列だったのでした。深夜ということで空いている入国審査レーンが少ないところに、遅延もあってか他の近距離深夜国際線の乗客とかち合ってしまったようで、入国するまでに1時間半もかかってしまいました。ちなみに最終的に台湾在住者向けレーンに通されたのでした。先に在住者レーンが空くあたり、並んでいたい人の大半は外国人だったのでしょうね。
観光キャンペーンに当たる
冬にもかかわらず入国審査場のあたりが微妙に蒸し暑かったこともありヘロヘロになっていたのですが、なんとか到着ロビーにたどり着きました。2024年12月現在もまだ実施中ですが、この時は台湾観光署が観光振興キャンペーンとして、事前登録した個人旅行客に5000ニュー台湾ドル(5000NT$:約2万円)が当たるという抽選キャンペーンをやっていました。私も事前に登録していたので抽選に参加してみると、なんと見事に当選したのでした。もしかすると前の週に香港でHSBC本社ビルのライオンを触り、黄大仙にお参りをしたご利益かもしれません。私が抽選をしている間にも賞品を引き換えている人を見たので、単に当選確率が高いだけのような気もしますが、せっかくなのでパワースポットのご利益ということにしておきましょう。
賞品である5000NT$の受け取り方はいくつか選択肢があるのですが、一番便利そうなチャージ済み悠遊カードとして受け取りました。悠遊カードは日本のSuicaのような交通系ICカードで、買い物に使うこともできます。しかし1回の決済あたり1500NT$、1日あたり3000NT$までという使用金額上限があり、弾丸の期間内に使い切ろうと苦労することになったのでした。ちなみに最終的に使いきれず、Maker Faire Taipeiの後の夕食会で同席した台湾在住のぴんりゃんさん(@tenga_dj)さんに残りを買い取っていただいてしまったのでした。(ありがとうございました!)
台北駅へ
さて、飛行機の到着が遅れ、入国審査が長引いたおかげで当然台北駅への終バスは逃してしまったのですが、逆に小一時間待てば台北駅行きの始発バスが来る時間帯になっていました。
眠らないようにうろうろ歩き回りながらバスを待っていると、出発時間を過ぎてからようやく始発の台北駅行きバスがやってきました。
無事バスに乗り込んだ後は1時間ほど揺られて台北駅に到着です。この時すでに5時半になっていました。
あまりに突発的に決めた旅行なのでほぼノープランです。とりあえず早朝でも開いているファミリーマートで茶葉蛋を買って食べました。
早朝からビブグルマン
茶葉蛋を食べ終わってさあどうしようかとスマホで検索してみると、台湾の朝ごはんの定番・豆漿でミシュランのビブグルマンに認定されたことのあるレストランがあり、朝早くから待ち行列ができるという情報をゲットしました。こんな時間に他にできることはないし、何より豆漿は私の好物です。というわけでそのお店に歩いて向かうことにしました。
道中の歩道橋にはへのへのもへじ風の何かが書いてありました。「へのへのモへじy”ウ」、という感じでしょうか…?
Googleマップに従って歩き、お店のあるフードコートのそばまでやってきました。台湾まではるばるやってきて最初に向かった先でしまむらに遭遇してしまい、私の中で台北埼玉説が浮かんできたのは秘密です。1
しまむらのある建物の隣の建物がビブグルマンに認定されたお店のあるフードコートなのですが、ご覧の通りしまむら側まで列が伸びています。おそらくお目当てのお店のための行列だろうとは思いつつ、あまりに長いので並んでいる人にこの列はそのお店の待ち行列ですよね?と聞いてから並んだのでした。
しばらく並んで、行列が折れ曲がるところまでやってきたのですが、たまたまそこにフォックスコンの会長の郭台銘氏の顔写真がラッピングされたタクシーが停まっていたのでした。氏はこの時台湾総統選への立候補を表明していたので、選挙広告の一つとしてこういうラッピングタクシーが走っていたようです。
どんどん外が明るくなっていく中さらに並び、ようやくフードコートの屋内までやってきました。
今回訪問したお店「阜杭豆漿」は厨房がガラス張りになっていて、職人さんが手際よく中華パンを焼いていく様子を見ることができました。
注文カウンターで「なんにしますか?」と日本語でいきなり聞かれてうろたえたりもしましたが、豆漿と薄焼きパンに卵と中華揚げパンを挟んだものをオーダーし無事朝ごはんとして食べることができました。確かに豆漿も薄焼きパンもなかなかの美味でした。しかしいかんせん並びすぎますね…朝ごはんを食べ終わると、もう午前7時半になっていました。
華山1914を訪ねる
朝ごはんを食べた阜杭豆漿は実は過去にMaker Faire Taipeiが開かれていた華山1914文創園区にかなり近いところにあります。そんなわけで、ファミリーマートで買ったお茶を飲んでから、華山1914文創園区を覗いてみることにしました。公園であれば朝でもなにしら見ることができるだろうという魂胆です。
ちなみに台湾のファミリーマートは写真の阿里山高山茶以外にも、いろいろなこだわりのお茶が売られています。茶葉が中に入っているペットボトルのお茶なんかもあったりして、かなり本格的です。台湾訪問時はファミリーマートのお茶をぜひチェックしてみてください。
華山1914文創園区に行ってみると、なんと入り口の広場で秋田県観光物産展の準備が進んでいました。まさか台北まで来て秋田の物産展を見ることになるとは思っていませんでした。
ちなみにさらに奥にはGoogle Pixelの体験ブースが出ていました。華山1914は結構ちょくちょくこういう大きなポップアップストアが建つようです。
白菜を見に行く
華山1914を軽く覗いた後は、空港でもらった悠遊カードが使えるところ、ということで紫禁城に置いてあった清朝などの宝物を展示している故宮博物院へ行くことにしました。ここのもっとも有名な展示物であるヒスイでできた白菜の彫刻「翠玉白菜」を見に行こうというわけです。故宮博物院へは夜市でも有名な台北メトロ・士林駅からバスで行くことになるのですが、士林駅にはド直球の白菜をモチーフにしたマスコットキャラクターが立っていました。ちなみに故宮博物院自体もかなりの白菜推しで、ミュージアムショップには白菜柄のハンカチ、白菜を作れるブロック玩具など、あらゆるグッズを白菜と組み合わせお土産が売られていました。世界広しといえど、こんなに白菜をフィーチャーしたお土産が売れるのはここだけでしょうね…
というわけで台北メトロとバスを乗り継ぎ、故宮博物院へとやってきました。中華風の王城のような雰囲気ですが、意外とこぢんまりとした博物館です。
早速中に入り、悠遊カードを使ってチケットを購入しました。チケットまで白菜推しです。
ちなみに中には中華民国の国父であり革命家である孫文の像が飾られていました。
さて、ここからはいくつか故宮博物院の展示を紹介したいと思います。こちらは翠玉白菜と並んで有名な収蔵品の一つ、「雕象牙透花人物套球」です。一つの象牙を器用に加工して18層の球が入れ子になった構造を削り出しています。球の最外層の彫刻もさることながら、内層の球にも緻密な模様が彫られています。皇帝への貢物とはいえ、ここまで緻密に作り上げるのは驚異としか言いようがありません。しかしこういう作品を見ていると、お上からの命令という以前に、自分が楽しくて凝ったものを作るのだというマニアックな人々は太古の昔から一定数いたんじゃないかとちょっと思ってしまいます。
その他、個人的に目を引いたのは宮廷で使われていた食器群です。東南アジアのプラナカン食器にも通ずる2ビビッドな色使いが素敵です。
展示を見て歩いていると、チームラボの作品のようなインタラクティブなメディアアートの展示などもありました。
そして故宮博物院の3階に上ると、いよいよ「翠玉白菜」の登場です。さすがにこの展示の周囲だけは人混みの規模が違いました。色の混ざり具合の絶妙さといい彫刻の細やかさといい、傑作と評されるのも納得でした。
ちなみにもう一つの有名な食べ物系彫刻(?)である東坡肉を模した肉形石は南部の嘉義県にある故宮博物院・南院に貸し出し中とのことでした。いつか肉形石の方も見てみたいと思っています。
北投温泉へ行く
故宮博物院を見た後はさらにもうすこし郊外へと台北メトロに乗って移動し、北投駅で支線に乗り換えて北投温泉を目指しました。単純に行ったことがなかったので行ってみたかったのと、会社を退勤してそのまま台北に来たこともあり、お風呂に入りたかったという理由で行ってみることにしたのでした。なお、写真に写っているちょっとちんまりした車両で運行される支線は北投駅から新北投駅までの1駅の区間のみの運行となります。
新北投駅の周辺はもう温泉街なので、この支線の乗客の多くは観光客です。そんなわけで、車両はばっちり観光仕様になっています。ちなみに台湾にもタイワンツキノワグマという熊が生息しているようで、台湾の各地で写真のような熊のキャラクターを見かけます。
新北投駅で下車した後は、日帰り温泉の「瀧乃湯温泉」を目指しました。道中、足湯ならぬ手湯があり、温泉街の雰囲気が出てきました。
さらに歩くとなんと道後温泉をモチーフにした張り子のオブジェが現れました。台北市も愛媛県松山市も温泉があり、松山空港がある…ということなどから友好都市協定を結んでいるらしいです。過去には(愛媛)松山空港発・(台北)松山空港着のチャーター便まで飛ばしたこともあるそうです。
台湾の日本統治時代に発展した温泉街であることもあり、雰囲気が北関東あたりの温泉街によく似ています。どこかの日本の温泉街の写真です、と言ってこの写真を見せてもバレない気がします。
そしてしばらく歩くとこちらの瀧乃湯温泉に到着です。瀧乃湯温泉は日帰り専門のシンプルな温泉施設です。青硫黄泉と呼ばれる泉質のお湯で、かなりの強酸性で浸かっていると結構肌がヌメヌメしてきます。
瀧乃湯温泉を出た後は再び駅に向かいました。駅までの道中にあったこちらは以前は公共浴場で、現在は北投温泉博物館として営業している建物です。提灯のぶら下がる2階部分がどことなく道後温泉を思い起こさせます。
しかし、北投温泉博物館のある公園から眺める光景も、やっぱり北関東の温泉街っぽいのでした。
珈琲食堂で昼ごはん
北投温泉を出た後は台北中心部、中山駅周辺へと戻ってきました。この辺にはコメダ珈琲店もありました。台北は日系企業のお店に思いがけず出会うことが多く驚かされます。
とはいえ、せっかく台湾に来たのだからとコメダはスルーして、飲茶のレストランを目指しました。しかしお店の前にたどり着くともうお昼はとうに過ぎたというのにかなり並んでいます。ちょっと疲れているし並ぶのはなあ…と思っていると、お隣にちょっとローカルな雰囲気の「河田珈琲食堂」なるお店があるのを発見しました。珈琲「食堂」ならばカフェっぽい雰囲気でもご飯もあるだろうと考え、こちらに入ったのでした。
漢字を見てもどういう料理かわからなかったのですが、エイヤと頼んだところ鶏の薬膳スープのような定食がやってきました。薬膳スープはちょっと不思議な味でしたが、副菜のトマト玉子なども含めて台湾ローカルの味を楽しめました。
珈琲食堂、ですがセットのドリンクはミルクティーを頼みました。香港とかのミルクティーというよりは、日本のミルクティーに近い雰囲気でした。
デザートのアイスもセットで付いてきました。アイスクリームというよりは氷菓という感じのアイスでした。パッケージのローカル感がまたいいですよね。
珈琲食堂で遅めのお昼ご飯を食べた後は一度ホテルにチェックインして、それからMaker Faire Taipeiの見学に行きました。この年は以前の華山1914文創園区から会場が変わり、南港駅近くの瓶蓋工廠台北製造所(POPOP Taipei)という会場になっていたので、会場周辺はこれまで行ったことのないエリアでした。
出展チームの高須さん(@tks)と長船さん(@s_osafune)が軽くご飯に行くということだったので、近くの商店街の食堂で麺料理をいただきました。シンプルなんですがこれがなかなか美味でした。
夜市で晩ごはん
Maker Faire会場で麺料理を食べたものの、せっかく台湾に来たのだからと夜市にも行きました。
夜市ではジャージャー麺と台北風のルーローハン3を食べました。夜市はミニサイズのご飯があったりするので助かります。
せっかく台湾に来たのだから…シリーズその2ということで、マンゴーかき氷も食べてしまったのでした。でもやっぱりこれは外せないですよね。弾丸で来てほぼ徹夜、早朝から動きっぱなしではあったものの、夜もしっかり台湾の味を堪能してホテルへと戻ったのでした。
以上、2023年11月、Maker Faire Taipei 2023見学の際の台北旅行記、Day1編でした。次回はDay2編です。お楽しみに!