SFC修行として2024年6月に行ったマレーシア・シンガポールの旅行記、今回はPart2ということで主にシンガポールでの滞在について書いていきたいと思います。この時のシンガポール滞在はかなり短めですが、未訪問だった場所にも行けたりとそれなりに充実した滞在でした。

まずは朝ごはん

Part1で書いた日帰りマラッカ旅行の翌日は午前中にシンガポールへと移動する予定でした。マラッカに行ったのならばそのままバスなりなんなりで南下してシンガポールに行けばよかったのでは?というツッコミが入りそうですが、どうしても今回は飛行機で行きたい理由があったのでした。

空港に行く前の腹ごしらえということで、ゴールデンウィークにも訪問したレストランでロティチャナイとテタレをオーダーして朝ごはんにしました。シンプルですが小麦とスパイスのおいしさがあるロティチャナイ、おすすめです。

いつもと違う空港へ

朝ごはんを食べた後はシンガポール行きのフライトに乗るべく空港へと向かいました。いつもならKLセントラル駅からKLIAエクスプレスで向かうのですが、今回はGrabタクシーでいつもと違う空港へとやってきました。

そう、今回はクアラルンプールにあるもう一つの空港、スバン空港1へやってきたのでした。ここは現在のクアラルンプール国際空港が開港するまでクアラルンプール国際空港を名乗っていた空港で、現在はマレーシア国内線とシンガポール行きの路線が何本か就航している空港となっています。マレーシアからシンガポールへ行くフライトを探していた時に、偶然このスバン空港発のフライトを発見しました。これは面白いということで、わざわざマラッカから戻ってきてでもクアラルンプールから空路でシンガポールへ向かうことにしたのでした。

先ほど書いたようにかなり古い空港ではあるのですが、きれいに整備されています。ターミナルビルは写真のように規模が小さく、コンビニやスターバックスなどが何軒か入っている感じで日本の地方空港のような雰囲気です。

なぜか青色のガラスで囲まれた中にあるチェックインカウンターでチェックイン手続きをしてから、搭乗ゲートへと向かいました。

出発便一覧がディスプレイに出ていましたが、国内線・国際線(といってもシンガポール便しかないですが)合わせて午前10時のから午後7時の分までディスプレイ2枚で出し切れてしまう程度の就航便数のようです。結構飛んでるような、飛んでないような…でも、クアラルンプール市街地から遠い現在のクアラルンプール国際空港へいちいち移動して、そこからマレーシアの各地に飛ぶより、ここからサッと各地に飛ぶ方が便利というのはあるかもしれませんね。

保安検査を通ってさあ出国…と思いきや、出国審査なしにいきなり待合室に出てしまいました。あれ!?と思ってゲートの方を見てみるとどうやら国内線の待合室に出てしまったようでした。小さい空港なので保安検査が国内線・国際線で共通なのですね。

慌てて保安検査の後の国内線・国際線が分岐するところまで戻って、出国審査を受けて国際線の待合室へと移動しました。国内線よりも就航本数が少ない(なんてったってシンガポール行きしかないですからね)ので、待合室もガラガラです。

搭乗までの待ち時間にゲートの近くへ行ってみましたが、ボーディングブリッジなんていうものは当然なく、窓の外に見える網がかかっているエリアをてくてく歩いて飛行機まで向かうシステムだったのでした。

ATRでシンガポールへ

先ほど書いたように、搭乗ゲートで搭乗券を見せ、そこから待合室の外の通路を歩いて飛行機へと向かいました。今回乗るのはATR 72というプロペラ機です。ATR 72は2017年にエストニアに行った時と2020年にミャンマーのヤンゴンからバガンに行った時にも乗ったことがあります。

後ろの搭乗口からぞろぞろと搭乗します。私はたまたまプロペラの真横の席でした。

クアラルンプールからシンガポールまでは320kmほどしか離れておらず、本当に離陸してすぐ着陸という感じの1時間のフライトです。こんな短時間のフライトですが、きちんとスナックが出るのでした。

そして着いたのがこちら、シンガポールはチャンギ国際空港…ではなくセレター空港です。発着ともにいつもと違う空港なのでした。セレター空港は元々軍用空港として開港され、その後第二次世界大戦前までは民用空港としても使用されていた空港です。2018年に改めて旅客ターミナルが整備され、2019年から私が乗ってきたスバン空港との間の定期路線が就航した、という経緯があります。こちらもスバン空港と同じくこぢんまりした空港ですが、さすがはシンガポールだけあって高級感がある空港でした。最近整備したこともあってか、自動化ゲートまで完備です。雰囲気を見るに、プライベートジェットなどチャンギ国際空港ではなくこちらに着陸するのではないかという気がします。

ちなみにセレター空港は海上にあるチャンギ国際空港とは違い、かなりマレーシア寄りの立地です。そんなわけで、着陸前はマレーシアとシンガポールの国境のマレーシア側の街、ジョホールバルの風景を間近に見ることができました。

センバワン温泉公園へ行く

 

セレター空港からはシンガポールの中心部へと直行せず、空港の近くにあるセンバワン温泉公園へと行きました。

温泉「公園」というくらいなので、写真のマップの通りちょっとした緑地の中に温泉があるのでした。

入り口から温泉までは基本的に一本道なので、いかにもシンガポールという感じの南国感がありつつもきれいに整備された道を歩いて行きます。

道の途中にはこのセンバワン温泉公園の歴史を紹介する看板が立っていました。最初に発見されたのは1908年で、そこから飲料水の採水に使われたり、空軍基地の拡張に伴って閉鎖されたりといろいろあったようです。最終的には2018年から一帯を温泉公園として再開発することに決定し、2020年に開園して今に至るのでした。しかし途中の1942年から1944年のところには、しっかりと日本によるシンガポール占領期の歴史として、日本が士官向けに入浴施設を作ったと書いてあるのでした。台湾の北投温泉もそうですが、日本人の温泉への執着心はなかなかすさまじいものがありますね…

さらに歩くと温泉に到着です。温泉といっても現在は湯舟はなく、足湯があるのみなのでした。上から下へと流れていく間に少しずつ冷めて足を浸けられるくらいの温度になるという仕組みです。とはいえ、源泉の温度がそこそこ高いので、長く浸かっていると結構体がポカポカになりました。また、写真にもちょっと写っていますが、私以外にも足湯に浸かるお客さんが何人かいる程度の混み具合でした。ちなみにお湯はちょっとだけ硫黄の臭いがして、いかにも温泉!という感じでした。

足湯の周りにはなんと温泉卵を作るためのコーナーも用意されています。”EGG COOKING STATION”の看板がちょっとかわいいです。

白バクテーを食べる

センバワン温泉公園で温まった後、ホテルにチェックインしてからお昼ご飯を食べに向かいました。こちらは中央部の円状のオブジェが「富の泉」という噴水として有名なサンテックシティです。

サンテックシティはいわゆる国際会議場とショッピングモールが併設された場所で、スシローなど日本の外食チェーンも何軒か入居しています。

今回のお目当ては2022年9月にも訪問しているSONG FA bak kut tehです。せっかくシンガポールに来たのであれば、シンガポール式の比較的色の薄いスープのいわゆる白バクテーを食べねばと思っていたのでした。前回のシンガポール訪問時もバクテーを食べようと思っていたのですが、マルタバが思いのほか重く、バクテーに手が出なかったのでした。

フナンモールへ

バクテーを食べた後はシンガポールのおしゃれなデジタル系モール、フナンモールへとやってきました。ここは2022年に初めて訪問したショッピングモールです。以前は電気街という雰囲気のモールだったようですが、今はデジタルライフスタイルを意識した総合ショッピングモールという感じです。入り口にもSuperDryが看板を出しているくらいですし、ちょっと現在は電気街とは言い切れないかなと思っています。

以前と同様にうろうろ歩き回ってみました。以前も見ましたがここにはベスト電器があります。

さらになんとABCクッキングスタジオもあるのでした。こういうあたりがライフスタイル提案型モールというか、良くも悪くも電気街っぽくないんだよなあ(別に電気街っぽくないならないでいいのですが!)と思うのでした。

ちなみに何かの模様がバックグラウンドに表示されているところまではよかったものの、設定画面もばっちり見えてしまっているLEDディスプレイなんかがあったりするあたりにはシンガポールといえど東南アジアらしいユルさを感じてしまいました。

さらにぶらぶら歩いていると、フライトシミュレーターのお店とドライビングシミュレーターのブースを発見しました。後者はもしかすると何かのプロモーションのブースかもしれません。こういう趣味に振ったお店が多いのはフナンモールの特徴でしょうね。

その他にもオーディオテクニカのショールームがあったり、VRヘッドセットの体験施設などもありました。

電気街を覗く

5月にも訪問しているのでササっと見るだけにしましたが、定番の電気街ビル、シムリムタワーとシムリムスクエアも訪問しました。

シムリムタワーではなかなか古そうなラベルプリンターを置いているお店を見つけました。エプソンのテープカートリッジも日本では見かけない2珍しい商品かもしれませんね。

この時はオーディオコンポなどを置いているお店をちょっとゆっくり見てみたのでした。さりげないシャープのロゴが渋いです。

シムリムタワーを見た後はシムリムスクエアへと向かいました。しかし正面の機械は何の工事のための機械なのでしょうか…?

この時初めて気が付いたのですが、エレベーターの横にトッピングアウトセレモニー、つまり建物の主要構造が完成したことを祝うセレモニーについての記述があることに気が付きました。そしてここは五洋建設が建てたんですね。こちらも初めて知りました。

一応上の方のフロアまでだだだっと回ってみましたが、まあ前回の訪問から1か月経っていないので、そう変化はなかったのでした。

晩ごはんを食べに行く

さて、今回は一人旅ではあったのですが、偶然知人が何人かシンガポールに来ているということで、晩ごはんを一緒に食べる約束をしていたのでした。シムリムスクエアを出るとレストランにゆっくり向かえばちょうどいいくらいの時間になっていたため、バスでレストランに向かうことにしました。しかしシンガポールのバス停の名称の略し方は思い切りがいいです。写真の”Ch of Our Lady of Lourdes”の”Ch”は”Church”の略です。このほかにも”Opp (Opposite)”, “Aft (After)”, “Bef (Before)”, “Blk (Block)”など、様々な略語があります。Aft, Opp, Befあたりは頻出なのですが、最初はなんだか分からなかったのをよく覚えています。

バスを待っていたら前をこの車が通って行きました。「新鮮食材 上等服務」というキャッチコピーがいいですね。

しばらくバスに揺られてティオンバルエリアのレストランへ行きました。屋外の席でしたが雨には特に降られず、のんびり過ごせました。複数人でレストランに行くと写真のロブスターのような大物にも挑戦できるのが本当にありがたいところです。

知人と別れたあとはトイレを探しがてらちょっとだけティオンバルマーケットを覗いてから、Grabタクシーに乗ったのでした。

カジノへ行く

ティオンバルマーケットからは、一応せっかくシンガポールに来たのだから行っておこうということでマリーナベイサンズのカジノへと向かったのでした。前回訪問時は無かったような気がするのですが、この時は入り口の端末で登録をしないと入場できないシステムに変わっていました。

ムスタファセンターを覗く

ちょろっとだけカジノの雰囲気を味わった後は、こちらも定番、リトルインディアの巨大スーパー、ムスタファセンターへと向かったのでした。SFC修行開始のところでも書きましたが、この時すでにカナダへの赴任の話が持ち上がっていて、この後しばらくはシンガポールには来られないだろうと思っていました。そんなわけで、赴任までに消費できそうな分量のインスタントラクサなどを買って帰ったのでした。ちなみに結局盛大に余らせてしまい、友人にあげたりしたのは秘密です。

さんざん晩ごはんは食べたのですが、ムスタファセンターそばのパキスタン系レストランのパラクパニールもどうしても食べておきたく、マンゴーラッシーまで付けて堪能してしまったのでした。

ムスタファセンターからホテルまでは十数分でたどり着く距離だったので、ちょっとだけ写真を撮りつつ歩いて帰りました。

ちなみにホテルのそばのコンビニにも寄り、マレーシアでも飲んだミロをここでも購入して飲んだのでした。

チャンギ国際空港へ

シンガポール到着の翌日はもはや毎回のことですが日本への帰国日です。前回のシンガポール訪問時より1時間遅い便で戻る予定だったので、前回ほど朝早く起きる必要はありませんでした。行きとは違いチャンギ国際空港からの帰路スタートです。前回は気が付かなかったのですが、辰年なのでタツノオトシゴの飾りが出発ロビーに飾られていました。

時間に余裕があったので、前回は朝早くにラウンジに行くべく訪問したJEWELにも行ってみました。ここの庭園は資生堂の名前を冠しているんですね。

前回きちんと見ていなかった庭園をもう一度よく見るという目的のほかに、ここの中央上部から滝のように水が流れ落ちる風景を見たかったこともあってJEWELに行ったのですが、この時も残念ながら水は流れていませんでした。

しばらく庭園をうろうろしていると、ターミナル間を結ぶシャトルがやってきました。こういう森林風の中を走るちょっと近未来的なフォルムの車両という組み合わせがなんともSF映画チックなのでした。

JEWELからターミナル2に戻ってきてもしばらく時間があったのでさらに周辺をぶらぶらしていました。すると出発ロビーから階段を上がったところに、大量のパタパタ式表示器を並べたアート作品が飾られているのを発見しました。手前に端末があり、そこで指定した何種類かのパターンを表示できるという展示なのですが、動き出すとすごい音でかなりの迫力です。写真はガーデンズ・バイ・ザ・ベイをモチーフにした表示ですね。表示に使われている文字がモチーフに関連した内容になっていたりと、なかなか芸が細かいです。

2019年にタイガービールの工場見学に行った際飲んでおいしかったArchipelago Breweryが間もなく閉業するというニュースを友人の田中さん(@yosuke__)に聞いていたので、空港のArchipelago Barを覗いてみました。しかし!なんと酒販ライセンスの関係でBarなのにお酒は出せないという状況とのことでした。Barなのに!というのと、最後の最後に飲み逃してしまった!という気持ちとでちょっとがっかりしてしまいました。

しかたがない(?)ので、出国後はラウンジでラクサを食べつつタイガービールを飲んで出発を待ちました。

しばらくしてから搭乗ゲートへと向かってみると、私の乗る便の待ち行列にお揃いのローブを着たイスラム教徒と思しき方々が多数並んでいました。もしかして…と聞いてみると、やはりクアラルンプール経由でメッカに巡礼に行く方々でした。この日は6月9日でしたが、2024年のイスラム暦の巡礼月は6月14日に始まるということで、ちょうど大巡礼のシーズン開始のタイミングだったのでした。

シンガポールからメッカの近隣のジッダの空港までの直行便はありませんが、イスラム教国であるマレーシアの首都クアラルンプールからは直行便が出ています(何度か空港の行先表示で目にしたことがありました)。思わぬところでマレー半島の複雑な文化の一端を目撃した瞬間でした。

クアラルンプールで乗り継ぐ

スバン空港からセレター空港までのフライトと同様、あっという間のフライトでクアラルンプール国際空港へと戻ってきました。乗り継ぎの待ち時間は出国するほどの時間はないので、前回覗いてみようとしたらメンテナンス中だった空港内の庭園、”KLIA JUNGLE BOARDWALK”へ行ってみることにしました。当初の予定通り5月22日で無事にメンテナンスが終わったようです。

空港のターミナルとは独立した施設になっているシンガポールのJEWELとは比べるまでもなく小さいですが、それでも中に滝もあり、東南アジアのジャングルという雰囲気がよく出ていました。

庭園を覗いた後はまっすぐラウンジには行かず、寄り道して空港内のバーガーキングに行ってみました。前の週にジョグジャカルタを訪問した際にバーガーキングに行ったのですが、どうもイマイチな気がしたのでした。そこでふと、東南アジアではやっぱり牛肉ではなくやっぱり鶏肉を食べるべきなのでは?と思ったのでした。そんなわけでバーガーキングで鶏肉メニューを頼んで食べてみましたが、これがなかなかおいしく、私の中での東南アジア鶏肉全力投球説(?)の説得力が増したのでした。牛肉や豚肉が文化的に敬遠されたりしないエリア(例:ベトナムやフィリピン)も含めて、なぜか東南アジアはどこで鶏肉を食べてもすごくおいしいのですよね…

ちなみにバーガーキングの呼び出し用画面の下にはアクティベートを促す表示が出ていたりと、バーガーパティ以外のものが炎上しないか心配な一幕もありました。

バーガーキングでしっかりご飯を食べてしまったのでその後に行ったラウンジではタイガービールを飲むだけにしておいたのでした。しばらくラウンジで待った後、再び飛行機に乗り、羽田空港へと戻ったのでした。

以上、2024年6月の東南アジア旅行記でした。シンガポールは滞在が短かったですが、ちょっとマニアックなセンバワン温泉公園に行ったり、知人と合流して一人ごはんでは食べにくい料理を食べたりと、なかなか楽しい滞在になりました。次回はいよいよSFC修行最後の旅行・再びのクアラルンプール旅行記の予定です。お楽しみに!

  1. 正式名称はスルタン・アブドゥル・アジズ・シャー空港
  2. 日本ではテプラPROシリーズがエプソンのOEMになっているため、中身としては同じものを見たことがある人は多いと思います
公開日:2025/01/31