2023年10月のベトナム統一鉄道の旅に続いて行ったMaker Faire Shenzhen 2023の際の香港・深圳旅行記、まずは香港編からです。Maker Faire Shenzhen 2023自体の様子については「Maker Faire Shenzhen 2023に出展してきました」に書いていますので、そちらもぜひご覧ください。

荷造りが終わらない

タイトルの通りなのですが、今回はMaker Faire Shenzhenに見学だけでなく出展という形で参加するため、展示品を持っていくためにパッキングする必要がありました。しかし前日遅くまでデバッグしていたり、いざ展示品をスーツケースに入れてみたら長すぎて入らず急遽改修が必要になったりとバタバタしていました。

まだフライトに間に合うだろう…と粘っていたら、時すでに遅し、羽田空港に着いた時には「人間だけは急げば乗れるが、預け荷物はもう飛行機に搭載してしまって追加で預かることはできない」という状態になっていました。展示品はサイズの観点からどうやっても機内持ち込みできないので、これでは意味がありません。仕方がないので朝の羽田発香港行きに乗るのは諦めることにしました。その後いろいろあり、当日夕方発の成田発香港行の航空券をゲットしたので、羽田からリムジンバスで成田へと向かったのでした。人生初の飛行機乗り逃しです…

しかし、朝10時前の羽田から成田に向かうのはそれなりに時間がかかるとはいえ1時間半ほどで着いてしまいます。航空券をゲットした成田発便は18時20分発ですから、チェックインが始まるまで数時間ありました。時間をつぶすために久々に成田空港の展望デッキに行ったりもしました。

とにかく時間があるので、8月の韓国旅行記・福岡&プサン編でも行った成田空港第3ターミナルに行って、プライオリティパスの特典でお昼ご飯にステーキを食べたりして時間をつぶしました。こういう時プライオリティパスはチェックイン前の一般エリアで使える特典があったりするので便利ですね。こんな事情でお世話になることはもうない方がいいですが…

ご飯を食べたりしてしばらく時間をつぶしているとチェックイン開始時間になったので、チェックインして出国し、航空会社のラウンジへと移動しました。まずはビールです。ちなみに成田便はJALだったのでワンワールドのキャセイパシフィックラウンジ→JALサクララウンジとハシゴしたのですが、サクララウンジでは思いがけず明治大学の宮下先生(@HomeiMiyashita)に遭遇1したりというハプニングもありました。宮下先生はイグノーベル賞の授賞式に出発するところだったそうです。

その後ようやく搭乗が始まり、当初計画から半日近く遅れましたが香港に向かうことができたのでした。

夜の香港を歩く

機内エンタメの画面がおかしくなっているといったアクシデントはありましたが、深夜0時前くらいには香港の市街地に到着し、ホテルにチェックインすることができました。

一息ついたところでとりあえず晩ごはんです。香港のネイザンロード沿い、佐敦から旺角のあたりまでは深夜も営業している茶餐庁(チャーチャンティン:カフェレストラン)が結構あるので、こういう時は助かりますね。

というわけで香港ミルクティーと牛肉ビーフン炒めで晩ごはんです。ガツンとした渋さと甘さの香港ミルクティーは何度飲んでもおいしいです。

ご飯を食べた後は街中をぶらぶらしました。香港でもだいぶ減ってきてはいますが、探せばまだまだネオン看板が残っています。LED看板への交換でネオン看板が減っていくのと、換装ついでに道への飛び出し量が控えめになったりしがちなのが寂しいところです。

ホテルに戻る前にコンビニに寄り、香港の定番のVITAの紙パックレモンティーを買いました。茶餐庁で飲むレモンティーと違って、正直めちゃくちゃケミカルな味がするのですが、これはこれでなんとなくクセになる味です。

e-道の取得にトライ

翌朝は朝起きて尖沙咀の方へ行きました。この時は油麻地駅周辺に泊まっていたので、地下鉄には乗らず、散歩がてら徒歩で向かいました。

これまた定番の重慶大廈、ペニンシュラホテル、1881ヘリテイジの三点セットを眺めつつ、フェリーターミナルへと移動しました。いつもなら中環行きのフェリーに乗るのですが、今回は湾仔の入境事務所に用があったため、湾仔行きのフェリーに乗りました。

湾仔行きのスターフェリーに乗るのは初めてでしたが、こちらもまったりとした風情のある船旅であることには変わりありません。ちなみに尖沙咀のフェリーターミナルの待合室から写真を撮るといい感じにスターフェリーと背後の香港島の写真が撮れるのでお勧めです。

湾仔のフェリーターミナルで船を降りて、入境事務所へと向かいます。入境事務所での用事というのは、香港の自動化ゲートである”e-道(e-Channel)”への申し込みです。外国や中国大陸、マカオなどから香港に入る場合、外国人である我々は通常有人の入境審査場を通る必要があります。混雑しているとここが結構並ぶのですが、香港政府は頻繁に香港を訪問する外国人向けに審査を迅速に行う自動化ゲートであるe-道を用意しています。

e-道の申し込み条件として最も有名なものは「直近一年間の香港国際空港からの入境が3回以上」というものです。つまり1年以内に3回すでに入境していて、4回目の入境の際に申し込むことができるというわけです。これはこれで頑張れば満たすことができるような気がするのですが、実は他にもe-道プログラムに参加している航空会社のフリークエントフライヤー制度の会員資格を持っていれば、入境回数の条件を満たさずともe-道を申し込めるという仕組みになっています。私はプログラムに参加しているJALグローバルクラブの会員資格を持っていたので、これを使ってe-道に申し込もうとしました。

e-道は空港の入境審査エリアにも申し込みを受け付けるカウンターがあるのですが、フライト乗り逃しにより夜中の到着となったため、カウンターはすでに閉まっていました。そんなわけで翌朝、本丸の湾仔にある入境事務所へ来たというわけです。いそいそと申し込みカウンターへと向かうと、平日朝だからか特に待ち行列もできておらず、すぐに申し込み手続きを進めてもらうことができました。しかし、ここでトラブルです。JALグローバルクラブの会員資格は確かにあるのですが、この時は会員カードが電子化されていました。この手続きではカードの提示または英語での会員資格の確認が必要ということだったのですが、電子化された会員カードアプリでは英語での表示ができず、会員資格の証明ができませんでした。そんなわけで、この時はe-道の申し込みを断念しました。ちなみにこの数か月後、e-道の申し込み資格対象からJALグローバルクラブ会員は外され、当年または前年にステイタスを達成した会員のみ申し込み対象となるように制度が改正されました。

香港島で朝ごはん

e-道の申し込みには失敗してしまいましたが、気を取り直して朝ごはんを食べることにしました。せっかくスターフェリーに乗って香港島側に来たので、湾仔周辺で朝ごはんを探しました。

というわけで定番の出前一丁で朝食です。香港ではインスタント麺の出前一丁にランチョンミートなどの具を入れたものを朝食として提供する茶餐庁が多数あります。シンプルですが、ランチョンミートなどの味もスープに染み出していいダシになったりして、これがなかなかおいしいのでした。

パワースポットを巡る

腹ごしらえが済んだ後はちょっと趣向を変えてパワースポット巡りでもしてみようかと考えました。先ほど書いた通り、私は飛行機を乗り逃してしまいましたし(自業自得ですけどね!)、この時は一緒に出展予定だった球体型ロボットの一瀬さん(@tichise)さんがご家族の都合で急遽0泊で帰国(この顛末記は一瀬さんがMediumに書かれています)となったりと、いろいろドタバタしていたので縁起を担ごうと考えたのでした。そんなわけで、まずはトラムで中環へと移動しました。

ちなみにトラムは以前から香港の交通系ICカードであるオクトパスカードが使えましたが、いつの間にか端末がアップグレードされていて、QRコード決済やクレジットカードのタッチ決済が使えるようになっていました。

HSBC本社ビル

中環の銀行街停留所でトラムを降りて向かったのはこちら、2018年のGWにも訪れた香港上海銀行(HSBC)香港本社ビルです。ここの玄関には写真の一対のライオン像があり、これに触れると金運が上がるという噂があります。金運が今回の旅行に役に立つかはさておき、縁起を担いで2匹とも撫でておきました。ちなみに口を開けている方がステファン、閉じている方がスティットです。

黄大仙

次に訪れたのは九龍半島の北東にある黄大仙(ウォンタイシン)です。ここは1915年に創建、1921年に現在の場所に移転した道教寺院です。香港地下鉄の観塘線の黄大仙駅を降りてすぐのところに立地しています。

ここは香港でも有名な道教寺院で、私がお参りした時もたくさんの参拝客が訪れていました。私もぐるっと回りつつ、今回の旅行と出展が無事に終わることをお祈りしたのでした。

皿の壁を見に行く

黄大仙に行った後はさらに香港地下鉄・観塘線に乗り、九龍湾駅にやってきました。地図や他の方の書いたBlogなどを見つつショッピングモールの中を通り、10分ほど歩いてやってきたのがこの「粤東磁廠」です。こちらは香港で長く営業する窯元で、以前はペニンシュラホテルに手塗りのティーセットを納めていたそうです。今でも以前のペニンシュラホテルのティーセットと同じ柄の食器が買えるとあり、日本人に人気のある食器店です。私が行った時も日本人と思しきお客さんが複数いました。

2022年のシンガポールのジュロンの窯元の訪問に引き続き、何枚か食器を買おうと考え訪問し、小皿を中心に何枚かペニンシュラ柄の食器をゲットしました。ご覧の通りの皿の壁がひたすら続いているお店なので、ジュロンの窯元に引き続き割ってしまわないかヒヤヒヤでしたが、いい買い物ができたと思っています。

飲茶をする

粤東磁廠からネイザンロード沿いまで戻るともう12時を過ぎていたので、お昼ご飯を食べることにしました。この日はMaker Faire出展者であるうこさん(@ukokq)やらてさん(@cofelatte_latte)と14時頃のバスで深圳に向かう予定だったので、今回の旅行では最後の香港でのごはんでした。というわけで、一人ごはんですが飲茶のお店に行きました。まずはエビ餃子からです。

腸粉も食べました。深圳でよく食べている腸粉よりも、ここの点心の腸粉はライスペーパーが厚めでプリッとした食感です。

〆にちゃっかりマンゴープリンまで食べてしまいました。

バスで深圳へ

飲茶を堪能した後はホテルに荷物を取りに行き、うこさん・らてさんとの待ち合わせ場所である太子の深圳行きバス乗り場へと向かいました。バスに乗ってからの流れは「特区旅游ビザで深圳に行ってみた」に書いたものとビザの有無を除いて2同じです。

せっかくなので今回は太子駅から深圳行きのバス乗り場までの行き方を紹介しておきます。旺角や油麻地周辺に宿泊している方であればここは結構便利だと思います。太子駅のC1出口を出てネイザンロードの南側を見ると上の写真の恒生銀行が見えます。

この建物の横、ネイザンロードをまっすぐ南に進んでいきます。道の反対側に派手なカラーリングのビルが見えますが、その手前の交差点を右に曲がります。

交差点を曲がるとすぐに「皇崗口岸」と書かれたバス停の看板が見えます。オクトパスカードでも乗れますし、近くのカウンターでチケットを買って乗車することもできます。

その後うこさん・らてさんとも合流し、バスに乗って香港・深圳のボーダーである皇崗口岸へと無事に到着することができました。

以上、2023年11月の香港・深圳旅行記、香港編でした。いろいろあったせいで短い滞在でしたが、黄大仙や粤東磁廠など、新たなスポットを訪問することもできた旅行でした。次回は深圳編です。お楽しみに!

  1. 筆者は宮下先生がいらっしゃる明治大学・総合数理学部でアルバイトをしていたことがあるため、面識があります
  2. 今回はMaker Faire Shenzhenの運営から招聘状を出してもらい、ビジネスビザを日本であらかじめ取得済です。最初は交流ビザで申請しようとしたのですが、申請書の提出後に電話がかかってきて「招聘状があるのでビジネスビザにしておきますね」と言われてびっくりするという一幕もありました。
公開日:2024/12/31