2023年の5月、GW東南アジアの旅から帰ってくるなり1週間後にまたまた出かけた香港&深圳の旅行記になります。まずは香港編です。

なお、後述する通りこの時は深圳に入るために特区旅游ビザというビザを取得しました。香港深圳間の行き来の顛末記は「特区旅游ビザで深圳に行ってみた」にすでに書いています。これを書いている時点(2024年11月22日)ではまだ日本人の中国入国にはビザが必要ですが…と書いていたら、ちょうど11月30日からのビザの免除再開が発表されましたね。もはやビザの取得方法自体は参考になりませんが、ご興味のある方はこちらもご覧ください。

今回の旅程

さて、今回はGW直後ということもあって以下の通り短期決戦な旅程としました。

日付 場所(それぞれの場所の記事へのリンクになっています)
5月12日 羽田空港に移動
5月13日 羽田→香港
5月14日 香港→深圳
5月15日 深圳→香港→羽田

今回はとにもかくにもコロナ禍の後の深圳をどうにかして見てみよう、というのが第一の目的です。また、深圳に入る手段として特区旅游ビザを申請し、このビザの使い方を確認してみようというのも目的です。詳細は前述の記事を読んでいただきたいのですが、特区旅游ビザというのは簡単に言ってしまえば香港から深圳に入るときに通る入出境審査場で取得できるビザです。つまり、これを使えば事前に申請をしてビザを取るといった作業をせずに深圳に行けるということになります。

しかしこの特区旅游ビザは審査場で取得するという性質上、審査場の係員さんがいる時間帯でないと取れないとか、係員さんがいる時間帯でも早く閉まってしまう、あるいは非常に並ぶといった情報が流れていました。そのため、香港で1泊して翌日の朝イチで入出境審査場に向かう計画としました。

久々の香港エクスプレス

今回は短期決戦ということもあり、行きは時間を有効活用できる空飛ぶ深夜高速バス(勝手にそう呼んでいます)こと香港エクスプレスをチョイスしました。日付が変わる前に羽田空港に移動し、2時20分発のフライトで香港へ向かいました。この紫色のシートも久々です。

2時20分羽田発のフライトだと、6時ごろに香港空港に到着します。すでに市街地行きのエアポートエクスプレスは動いているので、これに乗って九龍駅まで行き下車しました。この看板を見るのも久々です。

九龍駅は香港の九龍半島側にある駅なのですが、微妙に不便なところにあり、ホテルまではここからさらに何かしらの手段で移動する必要がありました。安直にGoogle Mapに頼ったところ、ミニバスに乗るよう案内が出たので、それに従いました。人生初の香港ミニバスです。香港のミニバスは市街地をきめ細やかに走っていていかにも便利そうではあるのですが、一つ問題があります。写真を見て分かるかもしれないですが、下車用のボタンがないのです。なんとかGoogleで「次のバス停で降ります!」という広東語を調べて元気よく発声し、無事にホテルの前のバス停で降りることができました。いや、なかなか難しいですね。

とりあえず茶餐庁へ

ミニバスを降りて九龍半島の目抜き通り、ネイザンロード沿いのホテルに荷物を預け、街歩きに出発しました。ちなみにこれはホテルの前の写真なのですが、端っこに普通の路線バスのバス停がありますね。時間もあったし空港からゆっくりバスで向かうのが正解だったかもしれません…

ネイザンロードを尖沙咀の方にうろうろ歩いている道中で見つけたカフェレストラン、いわゆる茶餐庁(チャーチャンティン)で朝ごはんにしました。香港は住宅が非常に狭いという背景から、朝ごはんも外食するのが普通という文化があります。そのため、カフェレストランも朝から開いていて朝ごはんメニューを提供しています。まずは香港定番のしっかり煮出した紅茶で作ったミルクティーで一息つきました。

そして朝ごはんメニューはクロワッサン、ハム、チーズにラーメンです。日本人からするとごく薄味のインスタント麺に、サテー風の味が付いた牛肉を溶かしつつ食べるのが個人的には「香港の味」という感じで好きなのでした。

朝ごはんを食べた後に歩いていたらフィリピン発祥のファーストフードチェーン、ジョリビーがありました。ジョリビーは日本でこそ見ませんが、ものすごい勢いでワールドワイドに展開しています。このなんともいえないキャラクターの顔がいいですよね。

毎度おなじみスターフェリーに乗る

街歩きの途中で地下鉄に乗り、大幅にショートカットして尖沙咀までやってきました。

ビクトリアハーバーの手前のそごうを横目に見つつ、香港島と九龍半島を結ぶ渡し船のスターフェリーに乗りに来ました。

私の泊まっていた油麻地のあたりからはずっと地下鉄に乗っていればそのまま香港島側に行けるのですが、この10分ほどのお手軽な船旅が好きなのでわざわざ地下鉄を降りてスターフェリーに乗るのでした。インテリアがまた味があっていいですよね。

こちらはスターフェリーで香港島側の中環にたどり着いた後に見かけた看板です。香港の標識に描かれている人のピクトグラムはなんとなく躍動感があって好きです。水上タクシーという表現もいいですよね。

添好運にも行く

香港島側で再びぶらぶらしていたら、添好運(ティムホーワン)を見つけました。添好運は香港の点心レストランチェーンで、旺角にある本店はミシュランの一つ星を獲得したこともある、味に定評のあるお店です。朝はもう茶餐庁で食べていたところではあるのですが、いつも混んでるイメージの添好運に並ばずに入れそうだったので、ちょっと点心を食べていくことにしました。

こちらは中華揚げパンの油条入り腸粉です。腸粉は米粉を溶いたものを蒸してシート状にしたもので、これはそれで揚げパンを包んでタレをかけてあるというわけです。揚げパンや海鮮、豚肉などを具にしたものが広東料理の定番になっています。どれも結構おいしいのですが、日本だとあんまり見ません。もっと流行ってくれるといいのですが…

ちょっとのつもりでしたが焼売とピータン粥も食べてしまいました。どちらもおいしかったです。中華粥はうま味があって、日本のお粥のイメージとは全く違いますね。

湾仔電脳城へ行く

さて、中環から地下鉄に乗り湾仔駅そばにある湾仔電脳城にやってきました。ここは駅から本当に近いので、観光のついででも立ち寄りやすいと思います。

最初に訪問した時はまだ10時過ぎだったこともあり、開いていないお店も多かったのですが、次に書くトラムに乗ってうろうろした後に再度訪問したところ、かなりにぎわっていました。ここはコロナ禍の前からのごちゃごちゃした感じを相変わらず留めているという印象です。

トラムから街中を眺める

最初に湾仔電脳城に行ったらまだお店があまり開いていなかったので、もう一度街をぶらぶらして時間をつぶすことにしました。タクシースタンドにずらっと並ぶ香港の赤いタクシーは壮観です。奥の方に何台かいますが、香港もセダンタイプのタクシーだけでなく、日本のJPN TAXIの姉妹車種のトールワゴンがタクシーに導入されるようになりました。

街を歩いていて、トラムの2階に乗って写真を撮っていればいい時間つぶしになるのでは?と思ったので、ターミナル駅までのんびりと乗ってみました。ターミナル駅にはループ線があり、そこでぐるっと回って上り線と下り線の間を行き来するんですね。

ちょっとレトロな雰囲気のある車両ですが、結構窓が大きいので開放感があります。

ターミナル駅から2階の先頭に乗って香港島の街並みを撮っていました。道にぎっちり並んだビルと、せわしなく歩く人々が香港の持ち味という感じがします。

ちなみにトラム自体もラッピング車両がかなりたくさん走っています。これはこれてなかなかフォトジェニックです。

トラムに乗って中環駅のあたりに差し掛かったところで不思議な形のビルが見えてきました。いや、そもそもこの辺は右側の中国銀行香港ビル、中央後ろのリッポーセンターをはじめとして変わった形のオフィスビルのオンパレードではあるのですが、手前の建設中のビルが気になったのでした。やけに有機的な、中段で一度細くなってからまた膨らむという形状をしています。一体このビルは何だろう、と調べてみたらこれはザハ・ハディドアーキテクツの設計による”The Henderson”というビルでした。後ろのカクカクのリッポーセンターとの対比が面白いです。

ロケ地を訪ねる

さて、トラムからの風景を眺めてもう一度湾仔電脳城に行った後は、尖沙咀に戻ってこちらの永安廣場というショッピングモールに行きました。

もしかすると名前でピンとくる方やこの吹き抜けの写真を見て気が付く方もいるかもしれません。そう、ここはジャッキー・チェンの「ポリス・ストーリー」のクライマックスに出てくるあの百貨店です。下のフロアに逃げたマフィアのボス・チューを追い詰めるために、吹き抜けの上から電飾のポールを伝ってジャッキー演じるチャン警部が降りてきて…と映画を振り返りつつ写真を撮ったのでした。

ちなみにジャッキー・チェンの映画のロケ地だと、この他に「プロジェクトA」の水上警察署に行ったり、「ポリス・ストーリー3」の終盤に出てくるクアラルンプール駅に行ったりもしています。

先達廣場へ行く

ロケ地探訪のあとは再び電気街探訪です。旺角駅まで移動して先達廣場に行きました。ここは新品・中古のスマートフォンが多数売られていることで有名です。

以前からという気もしますが、上層階がややさびれていたりするものの、入ってすぐのところを含め、1階はスマホの買取・販売の店がずらりと並んでいて、今もなお見ごたえのある電気街ビルでした。

シャムスイポーを調査する

さて、先達廣場を後にしてさらに北上し、今度はシャムスイポーにやってきました。香港の電気街といえばシャムスイポーは外せません。

鴨寮街

シャムスイポーのC2出口を出たところにある鴨寮街が電気街としてのメインの通りになります。ここはこの記事の中でこれまでに紹介してきた電気街と違い、ビルの中が電気街になっているわけではなく、通りに電子機器を扱うお店が連なっているタイプの電気街です。

先達廣場と違って、スマートフォンに関しては中古の売買、修理が主という印象です。その他オーディオ機器や電子部品、テレビ関係の品物など、比較的取り扱い製品のカテゴリが広いのが鴨寮街の特徴だと思います。もちろん、それだけ規模が大きいということでもあります。

ちなみに鴨寮街は道の左右のお店だけでなく、路上にも電子機器を売る屋台が連なっています。USBハンディ扇風機やLED関連機器などを売る店が並んでいました。

黄金電脳商場

鴨寮街を離れて、地下鉄の駅のコンコースを経由して反対側のD出口周辺にもまた電気街が広がっています。こちら側にはいくつか電気街ビルがあります。この黄金電脳商場もそんな電気街の一つです。

ここはその名に「電脳」とある通り、主要な取扱品目はパソコンやネットワーク機器などのPC関連製品です。狭い通路の左右にぎゅうぎゅうに店舗がひしめいているスタイルは相変わらずでした。

ちなみにゲームを扱うお店もそれなりにあるので建物の外にゲームの広告が出ていたりもします。繁体字でゼルダの伝説ってこう書くんですね!

深の都購物商場

深の都購物商場もシャムスイポー駅のD出口そばにある電気街ビルです。「の」ってなんだよ!と日本人としてはついつい突っ込みを入れたくなってしまいます。ここでは2018年にSJCAMのアクションカムを買ったりしています。

しかし行ってみると休日の午後5時前というまだまだ賑わっていそうな時間にもかかわらず、半分くらいの小間はシャッターが下りており、テナント募集の張り紙がされていました。テレビを売っているお店やガジェットを売っているお店は依然あるのですが、コロナ禍の影響なのかだいぶ衰退してしまった印象です。ここに関しては、前からそこまで賑わっていたかというと怪しいところではありますが…

晩ごはんを食べる

さて、電気街をぐるりと回ったら朝早くから起きていたこともあり疲れてしまい、ホテルで少し寝ていました。起きてからは晩ごはんを食べるべく、ネイザンロードを歩いて茶餐庁を探して入りました。

カオマンガイ系の(オムライスの中身じゃない方の)チキンライスがあったのでオーダーしました。トマトが載っていたりと、タイやシンガポールで食べるのとはちょっと趣が違いますが、まあ鶏肉ですからおいしいですよね。

そしてここでもアイスミルクティーです。コップがまた味があっていいですね。ちょっと手で持つときに冷たかったりしますが…

香港のクラフトビールを飲む

晩ごはんからの帰りにコンビニに寄ったところ、見たことのないビールが売っているのを発見しました。調べてみるとこの「YAU(友)」は2017年創業の香港のローカルクラフトビールブランドとのことでした。香港はあまりビールを飲まないカルチャーだと思っていたのですが、最近はクラフトビールが流行しているようです。これは面白いということでラガーとペールエールを買い、ホテルに戻って飲みつつ、翌日の深圳行きに向けての準備をして就寝したのでした。

以上、2023年5月の香港&深圳旅行記、香港編でした。次回は深圳編です。お楽しみに!

公開日:2024/11/24 最終更新日:2024/11/25