2020年2月のミャンマー・シンガポールの旅、出発&ヤンゴンDay1編に続いて世界遺産の街・バガン編です。バガンには日帰りの現地ツアーで行きました。

早朝にバガンへ

出発&ヤンゴンDay1編の最後にも書きましたが、バガンへはミャンマー国内といえど、そこそこ遠いこともあり飛行機で行くことになっていました。自前で航空券を取ることも考えたのですが、現地ツアーはどこも開始が朝早く、間に合うフライトを自前で取ったとしてもホテルから空港へ行く手段の確保がネックになると考え、航空券の手配と送迎も込みのツアーを予約しました。そんなわけでまだまだ暗い朝4時半にホテルの前に出て送迎を待ったのでした。ホテルの前のドアを開けるときに、寝ていた(寝ていていいのか!?)警備のおじさんを起こしてしまいました。おじさん、ごめんなさい…9

しばらく待っていると送迎のアルファードがやってきたので乗り込みました。運転手さんがエンジンをかけたところで「カードが挿入されていません」という日本でおなじみのETCの音声が流れて妙に脱力しつつも、もう一人の参加者の方をピックアップした後空港へと向かっていったのでした。結局この日のツアーは私ともう一人の方の2人だけが参加者だったのでした。

アルファードで飛ばしても結構遠いヤンゴン空港に2日ぶりにやってきて、事前にもらっていたバウチャーを持ってチェックインカウンターへ行き、搭乗券を受け取りました。ちなみに搭乗券はすでにプリントアウトされていて、名前を見て係員さんが束の中から私の分の搭乗券をピックアップして渡してくれるというシステムでした。なるほどこれは発券でなくて発見10だなあ…と思ったのでした。

搭乗券と併せてこんなシールも配られ、飛行機を降りるまでの間、胸に張り付けていました。

6時半のフライトということで空が徐々に明るくなっていく中、バスで飛行機のそばまで移動しました。

今回乗るのはATR社製のプロペラ機、ATR 72-600でした。ATR 72は2017年にエストニアへ行った際に乗ったことがありました。タラップもなく、階段を兼ねている飛行機のドアを上ってぞろぞろと搭乗しました。

そして1時間半ほどプロペラ機で飛ぶとこちら、バガン・ニャウンウー空港に到着です。ニャウンウーはこのあたりの地名なのですが、何回聞いても猫が困っているときの鳴き声にしか聞こえません。

朝の市場を行く

さて、空港でガイドさんと合流した後はクラウン11に乗ってまずは朝の市場を見学しました。野菜・果物が中心でしたが、魚介や肉類を扱うエリアもありました。

なかなか広い市場なのですが、所狭しと商品が並んでいるためすれ違いに難儀するような状況で、ガイドさんについていくのが大変でした。

ちなみにミャンマーにも豆腐があり、比較的メジャーな食べ物だそうです。

香辛料の類ももちろんあります。山盛りのパクチーはなかなかのインパクトです。

1枚目の木はミャンマー伝統の化粧品「タナカ」の原料の木です。この木に水をつけながら砥石で擦って出てくるペースト状のものがタナカになります。タナカはファンデーション兼日焼け止めとして使われていて、ヤンゴンでも顔に塗っている方をちらほら見かけました。2枚目の写真のお花屋さんのお姉さんたちも顔にタナカを塗っていますね。

こちらは市場のはずれにあったお店で、ガイドさん曰く宝くじ売り場とのことです。なかなか大々的な売り場です。

ごくわずかでしたが、インスタント製品などの加工食品を扱うお店もありました。パッケージがパキッとした色彩だったので思わず撮ってしまいました。

ミャンマーのワンちゃんは地方でも毛並みがよく元気そうなのでした。みんなにかわいがってもらっているんでしょうか。

この市場で一番ほほえましかったのはこのちびっ子でした。市場の中で親御さんが仕事をしているそばでおとなしくしているちびっ子をちらほら見かけたのですが、この子はプラスチックの椅子を頭の上に乗せて満足げにしていたのでした。周りの大人が頭の上に荷物を載せて歩いているのを真似しているんでしょうね。子供は大人の真似がしたいもんなんだなあ…とニコニコしてしまいました。

黄金のシュエジーゴン・パゴダ

市場を出て再びクラウンに乗り最初にやってきたのはこちら、シュエジーゴン・パゴダです。ちなみに「パゴダ」は仏塔を意味する英語で、ビルマ語では「チェーディー」12または「パヤー」と言います。

入口の大きな獅子像と寝ているワンちゃんを横目に進んでいくと、こちらの黄金の仏塔が見えてきます。シュエジーゴン・パゴダは11世紀、ここバガン13にあったバガン王朝の初代14の王、アノーヤターにより建設が開始された仏塔です。アノーヤターの死後、建設を中止した期間を経てチャンシッターの代の1090年に完成した歴史ある仏塔になります。その後16世紀の修復工事等を経て、現在もなお仏塔の中にお釈迦様の骨と歯が収められているといわれています。

ちなみにこのシュエジーゴン・パゴダには有名な水たまり(?)があり、水たまりに映る仏塔を撮るのが定番のアクティビティになっているとのことでした。オートフォーカスではうまく撮影できず、周囲にフォーカスが合ってしまいました。マニュアルフォーカスで挑戦すればよかったですね…

現在に至るまで修復工事を経ているものの、11世紀に建てられた施設ということでかなり古い建築物も残っています。3枚目の木製の扉は1089年に作られたものだそうです。奈良の法隆寺五重塔もそうですが、木製の構造物はかなり長い年月でもきちんと残るのだということを思い知らされます。

傘の王の寺院・ティーローミンロー寺院

シュエジーゴン・パゴダの次にやってきたのはこのティーローミンロー寺院です。ティーローミンローというのはバガン王朝第8代国王のナンダウンミャーを指す言葉です。第7代国王ナラパティシードゥーが後継者を選ぶ際、5人の候補を並ばせてその前に立てた傘が倒れた方向にいたナンダウンミャーを国王に選んだ、という故事に由来した「傘の王」という意味の言葉だそうです。私が訪問した際はちょうど修繕工事中でした。上部の尖塔のあたりの足場からロープを地上まで下ろし、ロープウェイの要領で資材をやり取りしていた光景がなかなか面白かったのでした。

ちなみに入口には日本ミャンマー協会からの寄付があったことを記す装飾がされていました。この後訪問したパゴダ群にも日本からの寄付により修復された旨の石碑がありました。

ティーローミンロー寺院の1階部分は回廊のようになっていて、東西南北の4か所にそれぞれ仏像が安置されています。タイや日本の仏像とはまた違う独特の顔立ちの仏像です。

ちなみに回廊の部分には寄進された小さい仏像も置いてありました。台座によると中国雲南省の省都・昆明の方の寄進のようです。ミャンマーは雲南省で中国と国境を接していることもあり、文化的な結びつきもあるのでしょうね。

ちなみにこの寺院の参道にはいくつか物産店があり、カヤン族、いわゆる首長族の方が手織りの生地を売っていました。

そのほか、境内には兄弟らしき猫ちゃんがいたり、タマリンド15の木が生えていたりしました。

赤い岩のパゴダ群

ティーローミンロー寺院を出た後は一面砂地のエリアへとやってきました。駐車エリアにはトゥクトゥクも停まっていました。ガイドさんに聞いたところ、2年ほど前からバガンでもトゥクトゥクが走るようになったとのことでした。当時から見て2年前だと世界遺産指定前の2018年なので、指定を見込んで観光インフラの整備も始まったというところでしょうか。

そしてこの砂地のエリアで見たのはこちらのパゴダ群です。ずらっと並んだパゴダ群はなかなか壮観でした。それぞれのパゴダの前に石碑のようなものが建っていたり、入口の上部に札がついているのが分かるかと思います。ミャンマーは地震が起きる国で、ここバガンも何度も震災に見舞われています。そのため倒壊してしまったパゴダも多いそうです。それらのパゴダの修復工事の際にすべてのパゴダに番号を付けて管理する体制になったとのことで、入口上の札にはその番号が書かれているとのことでした。一方、手前の石碑は修復に際して寄付をした人々の名前等が書かれているそうで、日本人からの寄付で修復された旨記載のある石碑もありました。

またパゴダの近くにはブーゲンビリアが咲いていました。個人的にはブーゲンビリアを見るのは初めてでした。

また、近くあった飲み物を売る屋台のそばの木には不思議な形のかご状の物体がぶら下がっていました。農具か何かかと思ったのですが、こちらは鳥の巣だそうです。

鳥の巣を眺めていたら目の前を馬車が通り過ぎていきました。馬車の雰囲気も味があり、風景とマッチしていました。

ガラガラのアーナンダ寺院

パゴダ群を出た後に向かったのはこちらのアーナンダ寺院です。白い外壁に上部の黄金の仏塔が映えます。こちらの寺院はシュエジーゴン・パゴダを完成させたバガン王朝第3代国王のチャンシッターが建立した寺院で、バガンの仏教施設群の中でも美しい寺院と言われているそうです。本来ならば春節ど真ん中、中国からの観光客の方々で大いに賑わうところだったのではないかと思うのですが、ご覧の通りガラガラでした。

そしてこちらにも獅子像がいました。後ろ足が広がっていてぷっくりした感じになっています。なかなかかわいいです。

こちらの寺院の仏像はちょっと珍しい立像でした。さらに回廊やお堂の左右にも小さいくぼみがあり、そこにも仏像が置かれていました。仏像の下部の布の描写はなかなか秀逸でした。

ジャガイモがうまいミャンマー

アーナンダ寺院の見学の後は川沿いのレストランでお昼ごはんとなりました。この川はエーヤワディー川という川で、ヒマラヤ山脈を源流としてアンダマン海に流れていく川だそうです。

料理はどれもおいしかったのですが、特にミャンマー風チキンカレーはジャガイモが入っていて、日本人の口にかなり合う風味でした。ここに限らず、ミャンマー滞在中にはジャガイモを使った料理を何回か食べました。東南アジアではなかなかジャガイモを見かけないのですが、ミャンマーでは特別な野菜というよりは普通に使われているように見えたので、これはどうしてだろうかとちょっと気になりました。タイ在住の椛澤さんによると、ジャガイモはある程度涼しくないと生産できないらしく、東南アジアにありつつ比較的緯度の高いエリアも多いミャンマー等でないと十分に流通するほどの量が作れないということのようでした。旅行をしていると思わぬタイミングで地理の勉強をすることになりますね。

ちなみにここでもミャンマービールを飲みました。カレーとビールがまたばっちりな組み合わせだったのでした。

狭いお堂のマヌーハ寺院

お昼ごはんの後に訪問したのはこちらのマヌーハ寺院です。入り口からは全体が見えないほどの狭いお堂に仏像が置いてあります。この寺院の名前の由来となっているモン族の国王マヌーハはアノーヤター王に捕えられ、長い間捕虜生活を送っていました。捕虜生活から解放された後、アノーヤター王の許しを得てこの寺院を建てたそうです。狭いお堂は捕虜生活の苦しさの表現ともいわれているそうです。

ちなみにこのお堂にはワンちゃんが入ってきていました。外は暑いんでしょうね…

マヌーハ寺院にはこのような大きなお鈴も置いてあり、横の階段を上って上からのぞき込むような形でお参りできるようになっていました。階段を上る人々でサイズ感が分かるかと思います。

こちらの寺院には涅槃仏像もあります。仏像自体が大きいのもありますが、こちらもお堂が狭く、かなりの圧迫感と迫力でした。

ぐるっと見学して外に出てみるとワンちゃんに続いて猫ちゃんもいました。白い猫ちゃんはエビフライのようなポーズですね!

バガンで最も高いタビニュ寺院

次に訪れたのはこちらのタビニュ寺院です。この寺院は1140年建立で、バガンの寺院群の中で最も背の高い寺院だそうです。確かに堂々たる風格を感じます。

ティーローミンロー寺院のところでも書きましたが、バガンの仏像は顔立ちが我々のイメージする仏像とは違って独特です。2枚目の写真の仏像はちょっとビリケンさん風だなあ…と思ったのでした。

お堂の中の仏像だけでなく、壁面の彫刻もなかなか見事でした。

お堂を出たところにはこの通り崩れてしまって修復中のパゴダがありました。このパゴダはよく見ると胴体部分が少し外に膨らんでからすぼまっていて、石積みの器用さに感心してしまいます。

そしてこちらにもワンちゃんが寝っ転がっていました。白と黒のワンちゃんのセットでした。

贖罪の寺院・ダマヤンジー寺院

牛柄のワンちゃんを横目に次に見学したのはこちらのダマヤンジー寺院です。こちらの寺院はバガン王朝第5代のナラトゥーの代に建設が始まった寺院です。ナラトゥーは父と兄を殺して王位に就いたため、その贖罪として建設したのがこの寺院だそうです。なおナラトゥーも建設途中に暗殺されてしまったため、この寺院は未完となっています。

建物の中はなかなか暗い雰囲気で、天井にはびっしりコウモリがぶら下がっていました。2枚目の写真は珍しい双子の仏像です。

フレスコ画が残るスラマニ寺院

さて、ダマヤンジー寺院を出た後、ふて寝しているワンちゃんを眺めつつやってきたのがこちらのスラマニ寺院です。この寺院はティーローミンロー寺院を建立したナンダウンミャーの父、第7代ナラパティシードゥーの代の1183年に建立された寺院です。

こちらの寺院は仏像の個性がなかなか強いです。4体それぞれ、黄金の仏像、白色の仏像、天蓋のある仏像、そして顔だけ金色の仏像となっています。黄金の仏像が一番顔立ちが穏やかでした。

そしてこの寺院には立派なフレスコ画が残っています。2枚目はお釈迦様の涅槃を描いた図だと思うのですが、なかなかデフォルメが効いていると思ったのは私だけでしょうか…

バガンビューイングタワーへ行く

さて、ツアーもいよいよ最後、フライトの時間が迫っている中向かったのがこちら、バガンビューイングタワーです。こちらのタワーは軍政下でのバガン観光振興策の一環として建設された展望台になります。

約60mの高さの展望台ということで、景観を損ねるという声もあるようですが、さすがに展望台からの眺望は見事なもので、これは確かに夕景や朝焼けもきれいで名物と言われるだけのことはある16なあ…と思ったのでした。ちなみにかなり余談ですが、この記事を書いている時点のRaspberry Pi OSのデフォルト壁紙になっている寺院はバガンの寺院だそうです。

ヤンゴンへ帰る

バガンビューイングタワーから再度車に乗り、ニャウンウーの空港へと戻ってきました。地方空港なので実にあっさりした建物です。写真左奥に見える白いカウンターがチェックインカウンターであります。

チェックインカウンターで搭乗券を受け取るとなんと座席番号が書いてありませんでした。いったいどういうことだろう…と思ったのですが乗ってみて納得、帰りはなんと自由席だから好きな所に座れ!とのことでした。自由席の飛行機というのはなかなか新鮮です。もちろん定員は守っているので椅子取りゲームにはなりませんでした。

ガイドさんに別れを告げて、行きと同じくプロペラ機に乗ってヤンゴンへと向かいました。

ちなみに機内では軽食の菓子パンがサーブされました。とはいえ1時間半ほどのフライトなので離陸してこの菓子パンを食べるとあっという間に着陸だったのでした。

ヤンゴン空港に戻ってきてからは再度運転手さんにピックアップしてもらい、ホテルまで送ってもらったのでした。道中車での移動だったとはいえ、早朝の出発でしたし、なかなか疲れたのでこの日はそのまま寝てしまったのでした。

以上、2020年2月のミャンマー・シンガポール旅行記、バガン編でした。仏教寺院というとタイやカンボジアの寺院が観光地としてメジャーですが、バガンもなかなかの見ごたえでした。もしチャンスがあれば次回は朝焼けか夕景も見てみたいところです。次回はヤンゴンDay2編です。お楽しみに!

 

  1. にこやかな笑顔でNo problem!と言ってくださいましたが…
  2. サンドウィッチマンのコントにそういうのがあるのです。
  3. そう、参加者が2人だったので、移動はクラウン(もちろん日本仕様)だったのです。
  4. タイ語でもチェーディーで仏塔です。
  5. シュエジーゴン・パゴダは厳密には隣のニャウンウーにあります。
  6. 伝説の上ではさらに前に王がいるそうですが、アノーヤターが最初の実在の王といわれているそうです。
  7. 果実が食用になるマメ科の植物。東南アジアやインドでは調味料として使われます。
  8. バガン1泊ツアープランだと大体朝焼けか夕景観光が入っています。
  9. にこやかな笑顔でNo problem!と言ってくださいましたが…
  10. サンドウィッチマンのコントにそういうのがあるのです。
  11. そう、参加者が2人だったので、移動はクラウン(もちろん日本仕様)だったのです。
  12. タイ語でもチェーディーで仏塔です。
  13. シュエジーゴン・パゴダは厳密には隣のニャウンウーにあります。
  14. 伝説の上ではさらに前に王がいるそうですが、アノーヤターが最初の実在の王といわれているそうです。
  15. 果実が食用になるマメ科の植物。東南アジアやインドでは調味料として使われます。
  16. バガン1泊ツアープランだと大体朝焼けか夕景観光が入っています。
公開日:2021/01/05