さて、2019年1月シンガポールの旅もいよいよ最終日、Day3です。最終日といえど、フライトが夜遅くということもあり駆け足ではありますが色々と観光することができました。

朝の散歩をする

3日目は早く起きることが出来たので、日が高くならないうちに散歩に行くことにしました。

とはいえ、なにはともあれ朝ごはんです。ホーカーセンターで麺料理を食べた後、またふらふら歩いてインド系のお店でテ・タレ(Teh Tarik)を飲みました。”Teh”はマレー語でお茶、”Tarik”は引っ張るという意味です。2個のカップを使い、カップからカップへとお茶を何度も行き来させてお茶とコンデンスミルク、砂糖を泡立たせながら混ぜるという動きがお茶を「引っ張って」いるように見えるのでTeh Tarikと呼ぶのだそうです。

朝ごはんの後は国際会議場兼ショッピングモールであるSuntec Cityにも行ってみました。朝早かったのでほとんどのお店は開いていませんでしたが、”Otaku House”というお店のガシャポンコーナーを発見しました。日本だとショッピングモールだったらどこにでもありますが、海外だとまだまだ日本のオタクカルチャーの一面という感じなんでしょうね。「おたくのうち」という看板の文字がちょっと笑いを誘います。

こちらは同じくSuntec City内にある「富の泉」です。中華系住民が多いシンガポールらしく風水のエッセンスを取り入れた、金運に効くという噂のパワースポットとして有名な噴水です。

富の泉を見た後はまたしても懲りずにムスタファセンターへ行き、チェックアウト前最後のお土産購入をしました。この時はスーツケースも持って来ていたので、チェックアウト前にスーツケースに詰め込めるタイプのお土産は詰めておきたかったのでした。

バクテーを食べる

ムスタファセンターから戻り、急ぎスーツケースに荷物を詰めてホテルをチェックアウトすると、もうお昼前になっていました。早起きできたからといってウロウロしすぎました。お昼は前日に食べることが出来なかったバクテーを食べるべく、ブギスの近くにあったこちらのFounder Bak Kut Tehに来ました。なぜそれほどまでにバクテーにこだわるかというと、シンガポール土産でもらったバクテーの素で作った自家製バクテーがおいしかったので、いつか本場で食べてみたかった、という理由があったりします。

オーソドックスなバクテー、ライス、油条1のセットをオーダーしました。一応説明しておくと、バクテーは「肉骨茶」と書き、骨付きのスペアリブなどの豚肉を薬膳と醤油ベースのスープで煮込んだ料理です。にんにくがとても効いていてごはんが進みます。ちなみにスープはおかわり可です。骨付き肉は食べにくいのではないかと思われがちですが、よく煮込んであるためホロッと骨から肉が外れます。また油条はスープを良く吸い込んで大変おいしいので非常におすすめです。

Habitat by Honestbeeへ行く

さて、バクテーで腹ごしらえしたところで観光を再開、ということで、同じくブギスにあるアラブ・ストリートのサルタン・モスクに向かったのですが、午前の見学時間は終了していたので外観の写真を撮るだけにして、行き先をHabitat by Honestbeeに変更しました。Habitatはナショナルギャラリーと同じく、シンガポール在住の田中さんが紹介してくれたスポットです。Habitatを簡単に説明すると、買い物代行・出前サービスであるHonestbeeが運営する、ハイテクを導入したリテールストアのコンセプトショップ兼スーパーマーケット型倉庫、といったところでしょうか。キャッシュレス決済など様々なテクノロジーが導入されていて面白い、ということだったので、事前にスマホにHonestbeeのアプリを入れ、クレジットカードの登録などを済ませた上で行くことにしました。

Habitatはシンガポールの中でもリゾート地であるセントーサ島のそばにあります。最寄り駅からシャトルバスが出ているとのことでしたが、旅行最終日ということで時間の節約を兼ねてGrabで向かいました。駐車場でマスコットの蜂がお出迎えしてくれました。

いよいよHabitatへ入店です。まず最初にスマホに入れてあるHonestbeeアプリで表示したQRコードを、入り口の改札でスキャンして入場します。

中に入ると、春節に絡めて豚年(日本でいういのしし年)のかわいい飾りがディスプレイされていました。

さらに進んでいくと売り場が見えてきました。ここも春節のデコレーションがしてありますが、それよりもよく見てもらいたいのは写真の中央を真横に通っている梁からレールのようなものがぶら下がっている点です。先ほど説明したようにHonestbeeは買い物代行サービスの会社です。当然このHabitatの中で売っている商品も購入できる、ということなのですが、スタッフが売り場で集めてかごに入れた商品はこのレールを経由してパッキングと配送を行うエリアまで搬送されていくというシステムになっていたのでした。普通の倉庫であれば必要ないシステムではありますが、ちょっと未来な感じがしたのでした。

Habitatの取り扱い品目はいわゆるスーパーの食品フロアにあるような生鮮食品類、それもちょっと高級感のあるものが中心ということもあり、飲み物を1本買うだけ買って退散することにしました。しかし面白いのはここからなのでした。会計はレジに並ぶ必要はなく、Honestbeeアプリで出したQRコードをスキャンしてからカートをこのゲートの中に突っ込めば裏で会計と袋詰めをやってくれる、というシステムなのです。中は特に自動化されているわけではなく、手動でレジ打ちと袋詰めをやっているようなので時間はかかるのですが、受け取りまでの間待つスペースにはコーヒーショップがあったりと、レジ待ちの時間を顧客の満足度を高める体験をさせるために割く事ができるようになる、というコンセプトのようでした。

さて、袋詰めが終わるとスマホのSMSに通知が飛んできます。受け取りスペースは写真のような自動で動く棚ロボットが多数並んでいます。ここでもアプリのQRコードをスキャンすると自動でゲートの前まで棚ロボットが移動してくるので、SMSに書いてあるロボット内の棚番号に従って商品をピックアップするとお買い物が完了する、という仕組みです。人間が棚に寄っていくのではなく、棚が人間に寄ってくるというのは面白い体験でした。

確かにこのような仕掛けにしておくと、ロボットが動くエリアと人間が出入りするエリアを分離できるため、ロボット側に求められる危険回避などの認識能力も一段落とせると思うので、うまいやり方だなと感じました。また、支払いは事前に登録したクレジットカードにチャージされるため、スマホだけで買い物が完了するというわけです。なかなかおもしろい体験だったので、帰国後に報告資料を作って会社で共有したところ「君は自腹で視察に行ったの?」と聞かれてしまいました。本人は割と純粋に楽しんでるだけなんですけどね…

大陸アジアの先頭さ?セントーサ島へ行く

冒頭からいきなりしょうもないダジャレで申し訳ないのですが、Habitatを出た後はせっかく近くまで来たからとセントーサ島へ行くことにしました。セントーサ島の”セントーサ(Sentosa)”というのは”静穏”という意味だそうです。セントーサ島へは上の写真のセントーサ・エクスプレスというモノレールで行くことが出来ます。

セントーサ島はシンガポールの中でもリゾートとしての開発が盛んなエリアで、高級ホテル1やユニバーサル・スタジオ・シンガポールなどが有名ですが、サクッと見に行けるシンボルと言えばこちら、マーライオンタワーであります。マーライオンパークにあるマーライオンよりも遥かに大きい、お徳用マーライオンという感じのこのマーライオンタワー、有料ですが中に入って上まで行くことができます。この時は混んでいたのと高かったのとで展望台には行きませんでした。が、しかし、なんとこのマーライオンタワー、セントーサ島の再開発事業により2019年末で閉鎖されてしまったとのことです。上まで行かなかったことをちょっとだけ後悔しています…1

さて、お次はセントーサ島の西側、パラワンビーチの先にあるパラワン島に行きました。看板の謳い文句によればこの地点はアジアの大陸部分から陸続きで行ける最も南(赤道から136km)の地点とのことです。1マレー半島から橋でつながっているシンガポール島からさらに橋でつながっているセントーサ島からさらに橋でつながっているパラワン島、大陸部と言い張るにはなかなか際どいところではありますが、面白い謳い文句だということで橋を渡って行ってみることにしました。

で、その橋というのがこの吊り橋です。これは帰りに撮った写真でそこまで人がいませんが、行きはかなりの人が渡っていてぐわんぐわん揺れていて、水面から大して高くないもののなかなかのスリルでした。

橋を渡るとこんな申し訳程度の看板が掲げてありました。

パラワン島側には展望台になっているやぐらがあり、最上部から写真を撮ってみました。青い海といい、ヤシの木といい、ザ・南国の風景です。

その後セントーサ島に戻ったところ、こんな看板を発見しました。あまり上品ではないですが”Unloading Zone”とはうまいことを言いますね。

サルタン・モスクへ行く

セントーサ島から再びシンガポール島へ戻った後は、午前中に行ったら見学時間が終わっていたサルタン・モスクへと再び行きました。

今度は無事見学させていただくことができました。歴史あるモスクということでピカピカ、という感じではありませんが、イスラム様式の装飾が美しいモスクでした。

イスラム教国であるマレーシアの国立モスクであるマスジド・ネガラほどではありませんが、広々とした空間になっていました。

アラビア文字が読めないので内容はわかりませんが、照明にもアラビア文字が書かれていました。派手さはないものの、中心部の模様も合わさって美しい照明でした。

一通りサルタン・モスクを見学した後は少しアラブ・ストリートを散策しました。この時は比較的晴れていて、道の両脇を固めるヤシの木と青空がいかにも南国という雰囲気を醸し出していました。

カトン地区へ行く

いよいよ旅行も終盤ということで、撮りそびれている写真撮影スポットへ行こうということでカトンのショップハウスを撮りに行きました。ショップハウスは1日目にも撮影していますし、シンガポールの中心部の様々なところで見ることができますが、ここカトンはシンガポールでも少し下町なエリアということもあり色とりどりのショップハウスが残されていることから定番の写真撮影スポットとなっています。タイミング悪く空が曇ってしまったのは残念でした。

写真撮影のあとはそんな下町・カトン周辺で食べられる珍しい料理であるカエル粥に挑戦しました。タレがかかってオレンジに見えているのがカエル肉です。「田鶏」と書かれていることが多いカエル、文字の通りに鶏肉のような味わいでした。しかし食べにくいのでわざわざこれを好んで食べるかというと…もういいかなというのが正直なところです。いい話のネタにはなったと思います。

マリーナ・ベイ・サンズの船に乗る

ここへきて一気にベタな観光スポットですが、せっかくだからとマリーナ・ベイ・サンズへと再び行きカジノでちょっと勝負してから、最上部の船のようになっているエリアにも行ってみました。メディアでよく取り上げられている、縁が見えないインフィニティプールは様々なところで紹介されている通り、マリーナ・ベイ・サンズ宿泊客しか入れません。しかしSGD20の事前チャージ(飲み物の購入に充当可能です)を払えば、インフィニティプールのすぐ隣のバー”CÉ LA VI “には宿泊客でなくても入ることができるのです。そんなわけで、SGD20を払って絶景を眺めつつお酒を飲むことにしました。カトンに引き続きあいにくの曇りではありましたが、流石の高層ビル、遠くまで見渡すことが出来ました。

せっかくなので飲み物はシンガポール生まれのカクテルであるシンガポール・スリングにしました。ストローが2つ刺さってますが、一人で飲みました!

チャンギ空港へ

マリーナ・ベイ・サンズの絶景を楽しんだ後はホテルに戻って荷物を回収し、再びGrabで空港へと向かいました。

空港に着いた頃にはもう晩ごはんの時間になっていたので、空港のTOAST BOXでまたしてもラクサを食べたのでした。この時のセットの飲み物は確かミロだった気がします。

空港も春節仕様の飾り付けです。

こちらは空港の「お客様の声」入力マシン、といったところだと思うのですが、青色に光る”Feedback”の文字が字体も相まって”Facebook”のように見えてしまい、思わず二度見してしまいました。

そして帰りもプレミアムエコノミークラス利用のため、チャンギ空港のラウンジを使うことが出来ました。この時は帰国後そのまま出社の予定だったため、シャワールームを借りてシャワーを浴び、着替えることが出来たのは大変助かりました。また、ラクサを食べたのにも関わらず懲りずにラウンジ飯も食べたのですが、日本式のチキンカレーは鶏肉がしっかりと煮込まれていて大変おいしかったです。東南アジアで食べる鶏肉はなぜかすごくおいしいのですよね…

そしてラウンジ飯とセットで地元シンガポールのタイガービールをいただきました。東南アジアのビールの中では比較的しっかりした味わいのラガービールであります。

その後、無事搭乗し、またしても隣のいない座席でぐっすりと眠り、翌朝羽田空港から直接会社へと向かったのでした。約10時間の長い通勤(?)でした。

以上で2019年1月のシンガポールの旅は完結となります。次回は2019年3月の広州・深圳の旅の予定です。お楽しみに!

  1. 中華揚げパン
公開日:2020/11/03