2019年1月のシンガポールの旅、2日目の記録です。この日はマレーシアにも行きました。

ブギスで朝食

前日の夜遅くにムスタファセンターまでブラブラと歩いていっていたこともあり、2日目は遅めの起床となりました。まずは朝ごはんということで、ホテルのそば、ブギスの中心地にあるショッピングモール・ブギスジャンクションの中のTOAST BOXで朝ごはんとしました。シンガポール・マレーシア名物のカヤトーストのセットに挑戦してみました。半熟卵2個とコピ(シンガポール式コーヒー)もセットになっています。カヤトーストはココナッツミルクを煮詰めて作ったカヤジャムとバターを塗ったトーストです。予想通り、食べるとバターとココナッツミルクの濃厚な甘みが口の中に広がり、癖になる味わいでした。コピもとても甘いコーヒーで、脳に一気にエネルギーが行きそうな朝食でした。

…とい言いつつ、流石にカヤトーストだけでは少々物足りなく、少し歩いた先のお店でシンガポールチキンライスを食べてしまいました。路上に出ているテーブルで外の風景を眺めながら食べるごはんっていいですよね。ベトナム・ハノイで1ヶ月間インターンをしていた時はよく路面にテーブルを出しているフォーのお店で朝食を食べていたので、個人的に懐かしく感じるのもあるのかもしれません。

さらにブギスをうろうろしていると、フレッシュオレンジジュースの自販機を発見しました。台北のココナッツジュース自動販売機に続き、懲りずにこちらも試してみることにしました。

ココナッツと違い、ドリルで穴を開けるような派手さはなく、力技で順次オレンジがプレスされるという仕掛けでした。ちょっとずれていますが、コップの上のフィルムも自動で貼られ、2シンガポールドル(だいたい150円)でオレンジジュースをゲットしました。キンキンに冷たかったりはしないのですが、おいしいオレンジジュースでした。

その後一旦ホテルに戻って、ぶらぶら歩き回るための荷物の準備をしました。上の写真はホテルに貼ってあったドリアン禁止のお知らせです。東南アジアあるあるですね。

ナショナルギャラリーへ行く

この日は午後にマレーシア・ジョホールバルへ行こうと決めていたので、午前中にサクッと回れそうなポイントを回る作戦で観光をしました。昨日の午前中に暑い中歩き回ったことで学習したので、この日は地下鉄でラッフルズ・プレイス周辺に移動しました。写真はシンガポール川に架かるカベナ橋です。イギリスっぽい雰囲気のある橋です。このあたりは川沿いに遊歩道が整備されていて、暑いですが散歩向きのエリアでした。

こちらの写真はラッフルズ・プレイス側からシンガポール川を渡ってすぐのところで撮ったものです。この像は現代のシンガポールの歴史の始まりである、イギリス領シンガポールを成立させたトーマス・ラッフルズ卿の像です。トーマス・ラッフルズは1819年にシンガポールの地に上陸し、当時シンガポール島を支配していたマレー半島のジョホール王国のスルタンからシンガポールを獲得しました。また、その後の植民地行政を通して、現代の発展の礎となる自由貿易港としてのシンガポールを築いたのでした。この像があるあたりがちょうど1819年にトーマス・ラッフルズが上陸した地点ということです。背景の金融機関多数入居する高層ビルが実に眩しいです。

ラッフルズ卿上陸地からブギス側へと歩いていくと、こちらのナショナルギャラリーにたどりつきます。手前側が旧最高裁判所、奥が旧市庁舎という2つの建物から構成されている美術館になります。ナショナルギャラリーは1日目に一緒にごはんを食べた田中さんにおすすめして頂いたため、訪問することにしたのでした。

最高裁判所と市庁舎の間のエリアは新造された屋根で覆われていて、写真中央に見える階段で地下に降りて入館することになります。なんとこの日はラッキーなことに入場無料の日でした。

さて、このナショナルギャラリー、ギャラリーというくらいなので美術館なのですが、旧最高裁判所や旧市庁舎を活用していることもあり、旧最高裁判所側は現代シンガポールの歴史などの展示や、一時収監するための部屋など、元々の施設の役割を解説するような展示も多くされていました。個人的にはイギリス海峡植民地がイギリスから独立し、マラヤ連邦となった際の宣言書や、マレーシアからシンガポールが独立する際の宣言書などが展示してあった点がなかなかポイント高かったです。

イギリス1風のおしゃれな内装はかなりきれいに保存されていて、空いていたこともありどこを撮っても写真映えする素敵なギャラリーでした。

正直なところ、美術館の展示品である肝心のモダンアートは私はあまり詳しくない分野ではあるのですが、企画展として開催されていたミニマリズム展に展示されていたアニッシュ・カプーア氏の作品がとても印象的でした。アニッシュ・カプーア氏はインド出身の芸術家で、光を吸収したり反射したりする素材を使った彫刻作品が有名な方です。2ご覧の通り、こちらは光を吸収する素材を使った彫刻作品です。現場で見ても本当に吸い込まれるような黒でした。

一通り展示をさらっと見た後、旧市庁舎側の上部フロアに行ってみました。元の建物の上部を増築した屋根とフロアで保護するような構造になっていて、市庁舎として使われていた当時は近くで見ることが出来なかったであろう建物の外観を観察することができるようになっていました。

ジョホールバルへ行く

さて、ナショナルギャラリーを一通り見学したところでお昼を過ぎたので、そろそろジョホールバルへ行くか、とブギス周辺のシンガポール-ジョホールバルを結ぶ乗り合いタクシーターミナルへと向かい、タクシーでマレーシアはジョホール州・ジョホールバルへと向かうことにしました。ジョホールバルへ行ってみようと思ったのは、単に陸路入出国が面白そうだと思った、というのもあるのですが、この年のGWにシンガポールからマレーシア・クアラルンプールまで、マラッカを経由して陸路で移動する計画を立てていたため、かなり混むといわれているシンガポール-マレーシア国境の移動を予習しておこうと思ったことも理由の一つでした。12時半に乗り合いタクシーは出発し、ひたすらシンガポール・マレーシア国境であるウッドランズ・チェックポイントへと向かっていきました。

ちなみに上の写真はシンガポール側から国境へと向かっていく際に見かけた標識です。マレーシアは産油国であるため、シンガポールに比べてガソリンが安く、マレーシア側で給油するほうがかなりお得、という背景があるようです。マレーシア側でたくさん給油されてしまうと、シンガポール政府としては本来入るはずのガソリン税を取りそびれてしまうことになるため、「出国時に3/4以上燃料が残っていない車には500シンガポールドルの罰金を徴収する」というルールがあるとのことでした。さすがは”Fine3 City”、シンガポールです。

インド系、中華系、マレー系、日本人の私、多分西洋の方…とルーツがバラバラな運転手含めた5人を乗せたタクシーはひたすら走り、ウッドランズ・チェックポイントまでやってきました。この日は土曜日ということで、週末をマレーシアで過ごす方も多いのか、かなりの渋滞に巻き込まれてしまいました。この写真はまだシンガポール側ですが、この時点で乗車から約1時間半が経過していました。チェックポイントの入り口にはここはベトナムか!?と思うくらいのおびただしい数のバイクもいました。バイクで国境越えというのもなかなかすごいですが、それだけマレーシア・ジョホール州とシンガポールの経済が密接にリンクしている証拠ともいえそうです。

その後、ジョホール海峡をせき止めるように作られたコーズウェイを渡り、マレーシアはジョホール州へと向かっていきました。

そして乗り合いタクシーの下車地点であるジョホール州・ラーキンバスターミナルに到着した頃には時刻はすでに2時40分、実に2時間以上かけて移動したことになります。

ジョホールバルの電気街を歩く

正直なところ、ジョホールバルに来たのは移動のパートの冒頭に書いたとおり、ほぼほぼ移動が目的だったので観光のターゲットをさほど真剣には考えていませんでした。と、いうわけで、いきなりですがGoogle Mapで事前に電気店らしきお店が何店舗か確認できたセントサ通り(Jalan Sentosa)へ行くことにしました。とはいえ、電気店だけがズラッと並んでいるわけではなく、通りに何店舗かあるだけでしたが…

上の写真は最初に見つけた”WOW Gadgets Store”です。スマホケースなど、スマホのアクセサリーが中心のお店でした。

お次は家電量販店であるDarson Electronicsです。Darson Electronicsはクアラルンプールの電気街であるJalan Pasarにある店舗に訪問したことがあります。テレビやオーディオ製品などを中心に取り扱っています。

そして上の2軒から歩いて数分のところにあるこちらのHITECTRONSは今回マレーシアで訪問した中では唯一の電子部品店でした。

店の前のから見えるショーケースにはちょっと古さを感じますが工具や部品がずらりと並んでいました。

店内にも引き出しがずらりと並び、いかにもな電子部品店という感じです。クアラルンプールのJalan Pasarにもこんな感じの雰囲気のお店がありましたね。取り扱い品目もよくある電子部品店という感じで、モーターや電子工作キットなども豊富に取り扱っていました。せっかくなので、安く売っていた電子サイレン基板を買おうとカウンターに持っていったところ、どれどれ…と試しに現場で通電してテストしてくれました。が、通電した途端にパチンと音を立てて部品が煙を吹いてしまいました。そんなわけで別の基板でもう一度テストをし、動くのを確認してから購入したのでした。またHITECTRONSの一番上の写真を見ると分かるかと思いますが、この建物の2階は電子回路スクールになっているようでした。家電修理なんかの講座を開いているのでしょうか?

また、この近くにはショッピングセンターもあり、そこにはMR.DIYというマレーシアのちょっとしたホームセンター的なお店も入居していました。あまり品揃えは面白くありませんでしたが…

その後はぶらぶらとジョホールバルを散策し、JBCC(ジョホールバル・シティ・センター)のあたりまで移動してきました。ショッピングモールを軽く冷やかした後は、シンガポールに戻る前のシメとして、次に書くガラス寺院に向かいました。ちなみに、マレーシアに来ると写真のような”~jaya”という名前をよく目にします。マレー語で”Jaya”は「繁栄の」というような意味だそうです。三軒茶屋という地名を聞くといつもこの話を思い出してしまうのは私だけでしょうか…

ガラス寺院に行く

さて、さしたる目的もなく来たジョホールバルですが、サッと見に行けてかつちょっとマニアックなスポットとして、このアルルミグ・スリ・ラジャ・カリアマン寺院、通称ガラス寺院には行ってみようと思っていました。ここはJBCCから少し行ったところにあり、Grabで向かったのですが寺院の目の前までは行けず、幹線道路の端から砂利道をまっすぐ歩いていったら着くよ!という運転手さんの説明を信じて砂利道をちょっと(といっても1,2分ですが…)歩いて向かいました。この寺院のポイントはこの案内板にも書いてある通り、内装および外装にガラスが多用されている点にあります。

通常のヒンドゥー教寺院と同じような門構えではあるのですが、通常はモルタルやレンガ、コンクリートで出来ている装飾の外側にびっしりとキラキラ光るガラスが取り付けられています。この日はそこまで晴れていなかったですし、日も落ちてきていましたが、それでもキラキラしているのがお分かりいただけるかと思います。

寺院の中に入ってみるとこちらも期待を裏切らないギラギラ加減でありました。あまり外からの光が入らず、中の照明(照明自体もシャンデリア風でギラギラですが…)からの光が反射して、暗い部分と明るい部分のコントラストが激しい空間でした。置いてある像は普通のヒンドゥー教寺院にあるような普通の像でギラギラしておらず、かえって不思議な雰囲気になっていました。

シンガポールに戻る

さて、ガラス寺院からJBCCに戻った後はそのままJBセントラル駅の隣のチェックポイントへ行きました。わざわざラーキンバスターミナルまで戻って乗り合いタクシーというのも面倒なので、帰りはコーズウェイを渡る国際バス路線(短いですが…!)であるCW1バスを使うことにしました。チェックポイントで出国手続きをしてからバスに乗り、シンガポールを目指しました。乗車が18時半、バスの終点、ウッドランズ・チェックポイントにほど近い地下鉄のクランジ駅に到着したのが19時と、実に30分でイミグレを通過して地下鉄に乗ることが出来ました。クランジ駅からシンガポール市街中心部まで移動するのに時間がかかるのも事実ですが、渋滞の有無で待たされ具合がかなり変わるなあ、というのが正直な感想でした。

クランジ駅に着いた時点で晩ごはんにちょうどよい時間になっていたのですが、晩ごはんはシンガポール名物のバクテーを食べようと考え、クランジ駅から地下鉄で行けるThe Centrepointの中にあるSong Fa Bak Kut Tehへと向かいました。しかし、行ってみるとちょうど晩ごはん時ということもあって、お店は大混雑だったので諦め、近くのレストランに入ってクリームパスタを食べて晩ごはんにしました。

夜景を撮りに行く

晩ごはんのあとは一旦ホテルに戻り、一息ついたところで夜景を撮りにクラークキーの方まで出かけました。この次の日の夜にシンガポールを発つ予定だったので、今日が最後のチャンスというわけです。

午前中にも行ったラッフルズ卿上陸地のそばではプロジェクションマッピングも行われていて、賑わっていました。

初日に写真を撮った、旧郵便局であるザ・フラートンホテルもご覧の通りのライトアップです。手前の提灯は春節のお祝いということなんでしょうね。

そしてお待ちかね、シンガポールの金融センター街のライトアップを撮ってみました。ラッフルズ・プレイスのあたりにギュッと高層ビルが密集していて大変きらびやかでした。ただ、正直なところ100万ドルの夜景と称される香港のビル街には勝てないかなあ…という感想でした。あちらはすぐガスってしまうので、こちらのほうが撮りやすい気はしますけどね。

その後はジュビリー・ブリッジを歩きながら写真を撮りました。遊歩道もなかなかおしゃれです。

マーライオンパークまで歩いてきて、夜も元気に吐いているマーライオンの背後にビル街を入れてみました。マーライオンのライトアップもバリバリです。

こちらは変わってマリーナ・ベイ・サンズとシンガポール・リバー・クルーズの船です。暗いですが写真左側に写っているギザギザの建物はアートサイエンス・ミュージアムです。

しかし夜も暑いなあ…ということで、赤道直下の南国まで来たのにも関わらず写真を一通り撮り終わったところで北海道メロンソフトクリームを食べて涼んだのでした。暑いところで食べるソフトクリームは格別です。

このあと懲りずにまたムスタファセンターに行き、飲み物と自分へのお土産用にインスタントラクサラーメンを買ってホテルに戻ったのでした。

以上、2019年1月のシンガポールの旅・Day2編でした。マレーシア・ジョホールバルに行くのに日中の時間をかなり使ってしまいましたが、移動は移動で面白かったというのが記憶に残っています。次回はDay3、いよいよ帰国日の旅行記になります。お楽しみに!

  1. 行ったことないですが…
  2. 2016年に当時「世界で最も黒い物質」であったベンタブラックを芸術作品に独占的に使用する権利を購入し、物議を醸したりもしていました。
  3. 良いという意味のFineと罰金という意味のFineをかけています
公開日:2020/11/03