2023年4月のMaker Faire Rangsitの旅、今回は会期の前後に滞在したバンコク編です。当然ながらこのときはランシットがメインだったことと、翌月に再度バンコクを訪問する予定があったため、バンコクでの活動は電気街訪問が中心となりました。

ロフトベッドで寝る

クアラルンプールでのトランジットのあと、再び飛行機に乗りバンコク・スワンナプーム国際空港に到着しました。スワンナプーム空港といえばこの長い動く歩道ですよね。

Maker Faire Rangsitの会場があるランシットへの移動は到着日の翌日という計画にしていたので、この日は空港からの鉄道であるARLの駅に近いということと、何か必要になった時の買い出しに便利だろうということでフォーチュンタウンのそばの小さめのホテルに泊まりました。お部屋はおしゃれな雰囲気でよかったのですが、なんとベッドがロフトベッドでした。自宅で使っていたことがあるのでロフトベッド自体には慣れてはいたのですが、ドミトリーには泊まらないタイプの私にとっては旅行先でこの高さのベッドというのはちょっと新鮮でした。

ちなみに、このロフトベッドのはしごの角がかなり鋭利で、うっかり脚を擦ってしまいそこそこ派手な傷を作りました。この手の家具の角がきちんと丸まっていたりするのはある種の日本品質なので、海外でもその品質を期待してはいけませんね…

晩ごはんを求めて出かける

さて、バンコクのホテルに着いてから、「Maker Faire Rangsit 2023に出展しました」に書いた通り作品の修理にトライした後、晩ごはんを食べようと出かけました。まず向かったのは一つ隣の駅のそばにある「ザ・ワン ラチャダー」です。ここは以前は「タラートロットファイ・ラチャダー(ラチャダー鉄道市場)」という名前で営業していた屋台村でした。そこが2022年に改装の上リニューアルオープンしたのがザ・ワン ラチャダーです。

以前の屋台村時代は小さい区画の屋台が並んでいて、その屋台のビニール製の色とりどりの屋根が軒下のライトで照らされているのを上から(近くのショッピングモールの上層階、というのが定番でした)眺めるときれいだという話がありましたが、その時よりは大きい区画で仕切られて、より常設店舗っぽい設備になったような印象があります。とはいえ、写真の通りなかなかフォトジェニックな雰囲気であることには変わりありません。

もう一つ、おおっと思ったのは大麻関連製品のお店ができていたことです。ご存じの方も多いかもしれませんが、タイは2022年に医療目的の大麻が合法化されました(2024年に規制強化の方向に揺り戻しましたが…)。そのため、この訪問時はここを含め多数の大麻関連ショップを見かけました。法律が変わると街並みも変わるもんだなあと思いました。

2020年のMaker Faire会場に行ってみる

さて、ザ・ワン ラチャダーを見てみたものの、時間が遅すぎたこともあり今一つこれぞというものがなく、また別のところに行ってみようということで、数分歩いてザ・ストリート ラチャダーというショッピングモールに行きました。ここのショッピングモールの前の広場は2020年のMaker Faire Bangkokの会場となっていました。

今回の訪問時は広場は屋台村になっていました。ここもやはり時間が遅すぎて食べたいものがなく、結局この日はコンビニでサンドイッチとおにぎり(そう、おにぎりが売ってるのです!)を買って適当に晩ごはんを済ませたのでした。ここの屋台村のブースの中には、やや煙たくなっているなかでやけにリラックスされている方がいるところもあり、ちょっと衝撃的でした。

ちなみにザ・ストリート ラチャダーの中にはカラオケボックスのまねきねこがオープンしたという看板が飾ってありました。まねきねこは昨今東南アジアに積極的に展開しているという印象があります。

フォーチュンタウン前で弁当を買う

バンコク到着の翌日、Maker Faire Rangsitの会場に向かう前に朝ごはんを探しに出かけました。朝9時前でしたが、フォーチュンタウンの前にお弁当屋さんが出ていたのでそこでお弁当を買いました。お値段は安くともどちらも激ウマでした!

ちなみにこの訪問時はちょうどタイの国会議員選挙の期間中だったようで、路上には多数の投票を訴える看板が取り付けられていました。

さらに、ホテルをチェックアウトしてMaker Faire Rangsitの会場に向かおうとしたタイミングで、タイ式の選挙カーに遭遇しました。ピックアップトラックにホーンスピーカーとPA用の大型スピーカーを積んで爆音でメッセージを流すという力業です。国が違えばこういうところも変わってくるんですね…

ルンピニー公園で猫を眺める

ランシットから戻ってきた翌日も朝ごはんを探してうろうろとしました。まず最初に行ったのはルンピニー公園です。ルンピニー公園の端にはフードコートがあり、カオマンガイなどが売られています。が、しかしこの日は出かけるのが遅かったため、フードコートはほぼ閉店状態でした。仕方がないので、とりあえずルンピニー公園周辺にいるネコちゃんの写真を撮りました。最初は靴下が格好いい、風格のあるネコちゃんです。

ルンピニー公園は犬が少ないせいか、街中よりもネコが多い気がします。フードコートの近くだとおこぼれがもらえるというのもあるのかもしれませんが。

小さめのネコも歩いていました。人を警戒はしているものの、そんなにササッと逃げるわけでもないという雰囲気でした。

心なしかタイのネコはきりっとした顔立ちの子が多い気がします。さすがはシャムネコの国といったところでしょうか。

マハナコンへ行く

ルンピニー公園でネコちゃんを眺めた後は、気を取り直してBTSチョンノンシー駅前のマハナコンタワーに行きました。マハナコンタワーの入り口には頭が三つあるゾウのオブジェ(象の像、って書くとややこしいですね)があります。こちらはインド神話に出てくるエラワンという神様の乗り物のゾウだそうです。

さて、ご存じの方も多いかもしれませんがマハナコンタワーは写真の通り、建物の一部がボクセル状に崩れたような、なかなかサイバーパンクな見た目をしていることで有名な建物です。2016年の開業当初から話は聞いていたのですが、チャンスを逃し続けてこのときが初めての訪問となったのでした。

最上階の展望台に行こうかとも思ったのですが、朝だというのにそこそこ並んでいたことと、この日は帰国日だったため他に時間を割こうと考えパスしました。ちなみにマハナコンタワーは314mで、アイコンサイアムというショッピングモールのタワーが開業するまでの間、タイで最も高いビルの座にありました。

サイアムへ行く

マハナコンタワーの低層階のフードコートは今度は時間が早すぎて開いておらず、さらに移動してバンコクの買い物エリアのド定番、サイアム駅周辺にやってきました。とりあえずサイアムパラゴンのフードコートに行けばなにかあるだろうということで、そそくさとフードコートのフロアへと向かいました。

何にしようかと悩んだのですが、この旅行中にまだ食べていなかったパッタイ(タイ風ビーフン炒め)をチョイスしました。別にこういうおしゃれなパッタイでなくてもよいのですが、きちんとエビが入っているパッタイはおいしいですね。家で作ると手抜きしてエビは入れないことが多いので…

飲み物としてマンゴーシェイクを頼んだところ、どう考えてもカップの蓋の使い方が間違った状態でサーブされてちょっと驚きました。たくさん入っているのはいいのですが…

腹ごしらえのあとはお土産を買いに行くべく、サイアムパラゴンから少し歩いてタイではおなじみのスーパー、Big Cに行きました。バラマキ系のお土産を買うならアクセスもいいですし、ここのBig Cはおすすめです。

タイに行くとなぜかコアラのマーチのファミリーパックをよく見かけるのですが、ここのBig Cにはトゥクトゥクに乗ったコアラが飾ってありました。日本・タイ・オーストラリアの奇跡のコラボ?です。

ちなみにシンガポールベトナムに続いて、ここでも食器を…ということでコップを買いました。タイの定番のニワトリ柄のマグカップです。500ml入る大きいマグカップなので結構便利です。(ちょっと洗いにくいですが…)

そしてBig Cで見かけて思わず買ってしまったのがこちら、キッコーマンのメロン豆乳です。色合いは同じですがパッケージはタイ仕様になっているので、スーパー側が勝手に輸入しているわけではなさそうです。持ち帰って帰国後に飲んでみましたが、心なしか日本仕様品より味が薄いような気がしました。

バンモーを調査する

一度ホテルに戻ってBig Cで買ったお土産の類をパッキングしてからは電気街の調査をしました。まず向かったのはバンコクの電子部品街、バンモーです。2019年にMRTブルーラインの延伸部が開業したため、従来はフアランポーン駅から延々と歩いていくか、バス・タクシー・トゥクトゥクなどに乗って向かうしかなかったバンモーにも容易に行けるようになりました。MRTでバンモーに行く場合は、サムヨード駅で降りて向かいます。道中にあるこのオールドサイアムショッピングプラザは2020年の訪問時はかなりにぎわっていたのですが、この訪問時はだいぶ空きテナントが目立ち寂しい感じになっていました。

オールドサイアムショッピングプラザを通り抜けると、バンモーに到着します。このキラキラ具合を見て、コロナ禍を耐えてバンモーが生き残っている!とうれしくなりました。

道路沿いに個別にお店を構えているところだけでなく、小さい部品店の集合体であるバンモープラザも健在でした。

しかし、バンモープラザの2階より上のフロアはシャッター街と化していました。2024年の訪問の際の張り紙で判明したのですが、店舗数が減ってきたために1階に店舗を集約したようでした。残念ながら、コロナ禍の影響は多少あったということでしょうね。

もう一つの雑居ビルであるバンモースクエアについても、1階部分は営業しているものの、2階部分には足場が組まれていて、フロアも閉鎖されているようでした。

一方で、これらの雑居ビルの中には電子部品だけでなく空圧機器などを売っているお店も相変わらずあったりと、お店のジャンルの幅広さは健在でした。

また、バンモーの名物といえばこの分解屋台です。扇風機のモーターから銅線を回収しているようでした。これが健在だったのも分解ファン(?)にとっては嬉しいポイントです。

パンティッププラザの現在を調査する

バンモーを後にして向かったのはこちらのAECトレードセンターです。そう、見出しに書いてしまいましたがここは以前はパンティッププラザという名前でした。2010年代にバンコクでパソコンやスマートフォンを買うといえばまずはここの名前が挙がるレベルの電気街ビルでしたが、徐々に空きテナントが目立つようになり、コロナ禍突入後の2020年末にAECトレードセンターとしてリニューアルオープンしました。トレードセンターの名前の通り、中国などとの貿易向けの拠点としてリニューアルするということだったので、電気街ビルとしての役割を終えたのだと思い、いったい現状はどうなっているのかとこのとき見に行くことにしたのでした。

さて、入ってみるといきなり中央の吹き抜け部にはスマートフォンのアクセサリなどのガジェットを売るお店が見えてきます。周辺にびっしりあったお店は無くなっていることから、かなり規模が縮小されているのは間違いないのですが、あれ?話が違うな?とちょっと思いました。

そしてさらに3階と5階にはIT関係のお店があるというような看板もありました。

ガジェットのお店を通り過ぎて吹き抜けの奥に進むと、上層階に”HARDWARE” “SOLUTION”と看板が出ているのが見えてきました。一方で1階には”COOKING CLASS”という看板もあり、ITモールから何かしらの転換を図ったのはまあ間違いないのだろうなということはわかってきました。

2階に上がるとご覧の通りのガラガラの光景が広がっていました。以前来た時はAECトレードセンターへの改装よりさらに前の改装中で、床のタイルが剥がされてコンクリートがむき出しになっているようなエリアもありました。今回はそのような様子はなく、きれいに整っているものの、何も入っていないという状態でした。コンベンションセンターのようなところでやる展示会のブースのような骨組みだけ用意されていましたが、これは単にテナントが入らなかっただけなのか、定期的に入れ替えてイベントをやるスペースが、入れ替え期間で空いていたのかは不明です。前者のような気がしますが…

ガラガラの光景にがっくりしながら3階の”HARDWARE”と書いてあるゾーンに上がっていくと、なんと大き目のPCショップが営業していました。JIBはランシットでも見かけましたが、PCなどの販売を行うチェーン店のようです。

歩いていくと以前からあったのではないかという雰囲気のごちゃあっとした小さいPCショップもありました。個人的な想像ですが、最後まで立ち退きを粘った結果、このエリアだけ残ったのかな…?というような印象を受けました。

さらに上がって4階に行くと、フードコートはきれいに片付けられていました。しかしまあ几帳面に什器を並べましたね…たしかフードコートエリアの向かいにはコワーキングスペースがあったのですが、当然ながらなくなっていました。

5階に行くと、メインのエリアには何もありませんでしたが、看板の通り端の方にOA機器などを扱う店や修理センターなどが何店舗か並んでいました。この辺りも以前のようなごちゃごちゃさを感じさせる風景が残っていました。

5階にあったフロアマップにパンティッププラザという名前が残っていました。色褪せ具合からして昔のものが貼りっぱなしなだけだとは思いますが、これによるとここ以外にンガームウォンワーン、バンカピ、チェンマイの3か所にパンティッププラザがあるようです。

各フロアをぐるっと見た後、1階に戻って外に出ようとしたところで、買い物に来たと思しきおばちゃんにACアダプタの類を売っている店はあるかしら?と声をかけられました。私と同じく、昔のITモールのイメージで来てみたらガラガラになっていたので困惑しているようでした。3階と5階に多少お店があるので、もしかしたら売ってるかもね、とお伝えしてその場を去りました。

ここまでに見ていただいた通り、パンティッププラザ改めAECトレードセンターは往時の勢いを失い(ここまでには書いていませんでしたが、怪しい海賊版売りのおじさんも当然いませんでした)、海外との貿易向け卸売センターに改装したものの今一つ流行っていなさそうな雰囲気でした。パンティッププラザはバンコクの中心部にあることはあるのですが、鉄道でのアクセスが悪いために集客力でも不利というところが苦戦を強いられている要因の一つかもしれません。

AECトレードセンターの現状を見てからホテルに預けていた荷物を回収して、スワンナプーム空港へと戻り、クアラルンプールで飛行機を乗り継いで日本へと帰ったのでした。

以上、2023年4月・Maker Faire Rangsitの旅、バンコク編でした。次回はMaker Faire Rangsit以外のランシットでの観光編になります。お楽しみに!

公開日:2024/11/16 最終更新日:2024/11/19