インドネシア旅行に続いて、2024年6月にSFC修行の一環で行った東南アジア旅行記、Part1です。東南アジア旅行といっても、単にマレーシアとシンガポールの両方に行ったから東南アジアとしているだけで、前回に引き続きまあまあ弾丸旅行です。
ビジネスクラスでクアラルンプール
さて、今回はSFC修行ということでビジネスクラスでクアラルンプール国際空港に到着です。これまでのSFC修行の中ではクアラルンプール到着がビジネスクラス、というパターンがなかったので気が付きませんでしたが、ビジネスクラス以上だとサテライトターミナルからメインターミナルへの移動バスもかなり豪華になるんですね…分かりやすい違いで唸ってしまいました。
空港からマラッカへ
いつもなら空港からKLIAエクスプレスに乗りクアラルンプール市街へ向かうところなのですが、今回は空港からマレー半島南部の街、マラッカへと向かうことにしました。クアラルンプールはGWと前回の旅行とで直近それなりに滞在していますし、2019年に一度行ってはいますが日帰りでもう一度くらいマラッカに行くかと考えたのでした。空港併設のバスターミナルでバスのチケットを買った後は待合室にある喫茶店(コピティアム)でとりあえずテタレを飲んでバスが来るのを待ちました。
しばらく待っているとバスがやってきました。カンボジア旅行の際などと同じ、ゆったりとした1列-2列の3列配置のバスです。
クアラルンプールに早朝着だったこともあり、バスの中でも寝ようかな…と考えていたところに運転手さんセレクトの素敵なBGMが爆音で流れてなかなか寝にくい状況だったりはしたのですが、2時間ほどでマラッカセントラルバスターミナルに到着です。
マラッカセントラルバスターミナルの待合室はコロナ禍のソーシャルディスタンス対応の名残と思われるバツ印が椅子に貼ってあったりもしました。
スルタンパレス
バスターミナルでスーツケースを預けた後は、前回訪問時に見学しそこねたスルタンパレスへと向かいました。ちなみにスルタンパレスの手前にあるこの建物もスルタンが使っていそうな雰囲気がしますが、イギリス領時代にイギリス人の社交場として使われていた建物を改装した独立宣言記念館です。
そしてこちらがスルタンパレスです。こちらは実際にスルタンが住んでいた建物で…と言いたいところですが、この地にあったマラッカ王国の古い文献をもとにして1980年代に復元して建てた建物です。
内部は名前の通りマラッカ王国のスルタンの生活や、マラッカ王国で行われていた儀式、王族の服装などに関する展示がされています。ヨーロッパの王城の豪華絢爛さとはまた違いますが、これはこれで豪華な雰囲気です。
もちろん展示物自体も見ものなのですが、復元された建築とはいえ、建物自体もなかなか見事な建てっぷりだったりします。
また、スルタンパレスの前にはかなり広い庭園があり、様々な草花が植えられています。こちらもなかなかきれいに整えられた庭園です。
庭園の木陰ではネコちゃんがスヤスヤと寝ていたりもしました。風通しが良くて心地よいのでしょうか。
丘に上る
スルタンパレスを見学した後はセントポール教会跡へと続く丘へと向かいました。手前の朽ちているレンガ造りの建造物はマラッカがポルトガル領だった1512年ごろに建設された砦の一部です。
砦の裏手から階段を上っていきます。そんなに段数はないのですが、いかんせん暑いので体力を消耗します。
そんなに段数はない、と書きましたが、マラッカはそこまで高い建物が林立しているわけでもないので、上りきるとなかなかいい眺めです。これはどちらかというと海側、商業施設があるエリアを撮った写真です。
階段を上り切ったところにあるのがこちらのセントポール教会跡です。1521年にポルトガルによって建設された教会で、かの有名なフランシスコ・ザビエルも東洋への布教の旅の折、こちらの教会を拠点にマラッカの人々への布教活動を行っています。
そしてこちらの網で囲われた場所は、中国の上川島で死去したフランシスコ・ザビエルがインドのゴアに最終的に移送されるまでの途中、埋葬されていたといわれている場所です。IHSというのは彼の所属したイエズス会のことですね。
教会の前のちょっとした広場から写真を撮るとこんな感じです。中央右側に見えるのはマラッカタワーです。
そしてこの教会の前にはここにゆかりのあったフランシスコ・ザビエル像が建立されています。像の右手は落雷により落ちてしまったと言われています。
街歩きへ
セントポール教会跡の丘から降りた後は、一旦オランダ広場へと向かいました。ここは上の写真に写っているマラッカキリスト教会のほか、この教会の向かって右側にあるオランダ領時代の総督邸であるスタダイスなど、オランダ統治時代の建物が多く残っています。
また、最初の写真にも映っていますが、この辺りを中心にマラッカの観光エリアではデコトラならぬデコトライショーを見かけます。ペナン旅行記にも書きましたが、マラッカのトライショーはペナンの渋いトライショーの対極のような存在です。今回は日帰り旅行だったので見ることができませんでしたが、夜はこれが光るのでした。バッテリーなんか載せたら重くてしょうがない気がするのですが…
ちなみにスタダイスの前にはこちらのかなりベタな記念撮影用オブジェがあります。ベタすぎるだろうと思わなくもないのですが、結構人気だったりするのが面白いところです。
オランダ広場からまずはマラッカ川沿いの遊歩道を歩いて行きました。この辺りの街並みはショップハウスではないですが、穏やかな川の雰囲気と周りのビビッドな色合いの住居が対照的な感じです。このあたりのカフェやバーも一度入ってみたいところです。
川沿いを歩いて向かったのはこちら、その名もずばりフランシスコ・ザビエル教会です。1856年の建築で、2019年に訪問した際は拝観時間外で外からしか見られなかったのですが、今回行ってみるとなんと改修工事中でした。明らかに建物が傾いているので、これはしょうがないですね…修繕が済んだ暁には内部も見学したいところです。
ちなみにフランシスコ・ザビエル教会の向かいの建物にはこんなアートが描かれています。中華系、マレー系、インド系というマレーシアの三大民族を象徴したアートなんでしょうね。
リトルインディア周辺
ザビエル教会の見学はできませんでしたが、せっかくなのでさらにうろうろと歩いて行きました。ザビエル教会のある通りをさらにまっすぐ行くとリトルインディアにさしかかります。この辺はインドに行った時に食べたドーサを出すお店があったりと、インド系住民がいるマレーシアならではの本格的な雰囲気がありました。
リトルインディアからさらに歩いて行くと今度は中華系のお店などの古い建物が並ぶエリアになります。中央大旅店に華麗裁剪所、組屋珈琲店(内有小食店という文字もいい…)と、どれも趣があります。ちなみに最後の組屋珈琲店のお品書き、上から2番目の「娘惹(ニョニャ)」はマレーシアなどに住み着いた中華系住民の子孫の女性を意味する言葉で、後ろの2文字と併せてニョニャラクサ、という意味です。
さらに歩くとショップハウスが連なるエリアもありました。ペナンなどでもそうですが、マレーシアなどでは結構こういうショップハウスなどにシレっとコンビニが入っていたりするんですよね。
その後も中華系とインド系の雰囲気が入り混じるエリアをしばらく歩き回りました。2枚目写真は日用品店なんでしょうけど、「新上海」っていうのがまたなんかいいですよね。
ペナン島でも見かけたような古いプロトン・サガをマラッカでも発見しました。ここまでの写真では他に見かけなかったあたり、本当に珍しくなったんですねえ。
カンポン・フル・モスク
リトルインディアからさらに歩いてやってきたのはこちらのカンポン・フル・モスクです。ここは実はマレーシアで一番古いモスクと言われています。
このモスクが建てられたのは1728年で、1892年にリノベーションを行って現在に至るという歴史ある建物です。セントポール教会などからすると大分時代が下ってからの建物ではありますが、こうして今でも使われているのはなかなかすごいことですよね。お清め用だと思うのですが、水場があるのも特徴的なポイントですね。
中華寺院
カンポン・フル・モスクからさらに少し歩くと、中華寺院がいくつか並ぶエリアにたどり着きます。上の写真は香林寺というお寺で、1985年の建立という比較的新しい寺院になります。
このエリアで最も有名な寺院はこちらの青雲亭です。こちらは仏教、儒教、道教混合の寺院で、1645年の創建と伝えられています。私が訪問した際も他にも参拝客の方がいて、お線香をお供えしていました。
お昼ごはんを食べる
青雲亭を出たころにはもうお昼時になっていたので、レストランを探すべくマラッカ随一の観光エリアであるジョンカーストリートの方に向かって歩いて行きました。ジョンカーストリートそのものは割と観光地感が強いですが、そこから1本入ると割とのんびりとした雰囲気の落ち着いた街並みが広がっていたりするのがマラッカの面白いところです。
観光客向けという雰囲気でしたが、外に置いてあるメニューを見ていたら店員さんが出てきたのでこのレストランに入りました。エアコンがなかなか効いていて暑い中を長いこと歩いた後にはありがたかったです。
ゴールデンウィークにイポーで何度かカリーミーを食べていましたが、このお店にはドライカリーミーなるものがあるということで頼んでみることにしました。カレー風味のスープの中に麺が入っているわけではなく、カレーソースで炒めた麺なのでドライカリーミー、ということのようでした。麺もおいしかったですが、手前に写っているカレーと一緒に煮込まれたチキンがなかなかおいしかったです。しかし同時に結構な辛さなので右側に写っているテタレはマストアイテムだったのでした。
さらにイポー滞在時に友人の高須さん(@tks)から勧められていたものの食べられていなかったマレーシア風ぜんざいのチェンドルがあるということでこちらも食べました。かき氷にココナッツミルクとシロップをかけて粒あんと米粉ゼリー(緑のやつです)をトッピングしたものです。ベトナムのチェーなんかと同じような方向性のひんやりしたスイーツですが、あんことココナッツミルクの相性が意外といいことをここで初めて知りました。
街歩きふたたび
お腹いっぱいになったところで街歩き再会です。こちらのショップハウスはファサードの装飾がなかなか凝っています。ここまで色を使い分けている例はちょっと珍しいんじゃないでしょうか。
こちらはなんだかRPGのお店のような雰囲気のある水の売店です。ここはちょっと観光客向けにかなり雰囲気を作りこんでいるような感じがします…
ジョンカーストリートをオランダ広場方面に歩いて行くと現在の福建省周辺の地域の出身者の集会場である福建会館などもありました。マレーシア含め、東南アジアの各地でこのような建物を見かけますが、やはり海沿いの福建省や広東省のエリアの地名を多く見かけるあたり、昔の中国沿岸部と東南アジアはやはり海路でのつながりが主だったのだろうなあと感じます。
さらに歩くとマラッカ川を通ってオランダ広場に到着です。しかしスタダイスは2019年の訪問時にも見ているし、次はどこへ行こう…と考えていたのですが、そういえばマラッカの有名なオブジェを見ていないじゃないかと気が付き、慌ててジョンカーストリートへと戻って行ったのでした。
オランダ広場からジョンカーストリートをまっすぐ歩いて行くと右側に見える、小さな公園の中にあるこちらのマッチョのおじさんの像を見ていなかったのでした。マラッカ出身のボディビルの有名なチャンピオンであるGan Boon Leongさんを顕彰する像なのですが、その笑顔とマッチョぶりのおかげかなかなかの観光地と化しているのでした。心なしか2019年の訪問時よりも輝きが増していました。
電子部品店を調査する
マッチョのおじさん像を見たところで、ジョンカーストリートもだいたい歩いたなと考え、電子部品店の調査に出かけることにしました。2019年の時にも調べたのですが残念ながらマラッカには電気「街」というようなエリアは無く、今回改めて調べたところ電子部品店を見つけたのでそこに行ってみることにしたというわけです。Grabタクシーに少し乗ってやってきたこちら、”Leader Electronic & Electrical Trading”がそのお店です。お店の前のすだれに書かれているブランド名がまたいい感じです。
中に入ってみると、東南アジアあるあるのオーディオ機器などを中心としたお店のように見えました。お店の中央部を占める大量のショーケース兼カウンターが圧巻です。
しかしオーディオ機器だけかと思いきや、カウンターの奥にはICなどの半導体部品が入っている小さな引き出しの壁がありました。こういうこまごましたものをしっかり販売しているお店がローカルにあるのはいいですね。東南アジアだと、マレーシアには結構こういうお店が多いような気がします。
ショッピングモールへ
電子部品店を調査した後は帰る前に一息つきたかったのと、2019年に服を買ったアウトレットショップにもう一度行きたかったということで、海に近いエリアのショッピングモールへと行きました。フードコートを歩いていると”Squid Boy”というお店があり、アニメ調のマスコットキャラクターが描かれていました。なんかこういう侵略(?)してきそうなイカのキャラクターって、いませんでしたっけ…
服屋さんにも再訪した後、カフェで一休みするかとレストランエリアをうろうろしていたところ、なんと日本のファミレスではかなりおなじみとなりつつあるネコちゃんロボットに遭遇しました。マレーシアでもご活躍なんですね!
オランダ広場周辺を歩く
ショッピングモールで一息ついた後もまだ少し時間があったので、直接バスターミナルには戻らず一旦オランダ広場に戻ってきました。ここで、前回も今回も未訪問のオランウータンハウスの存在を思い出したので、マラッカ川沿いを歩いて行ってみることにしました。上の写真がオランウータンハウスです。そのまんまなのですが、壁に大きなオランウータンの絵が描いてある建物で、ギャラリーを兼ねています。中ではこのオランウータンの絵をフィーチャーしたグッズが売られていて、マラッカ土産としてそこそこ有名なのでした。
オランウータンハウスのそばではちょうど壁に絵を描いている現場にも遭遇しました。なかなかワイルドな作業環境です。書いているのはどうやら着物のお姉さんのようですね。
弾丸旅行ですしクアラルンプールにはまたすぐ来るということもあり、一応ジョンカーストリートでお土産物を見てみたりはしたのですが結局買わずじまいでした。土日を頻繁に旅行に費やしていると、食べ物系のお土産を自分用に買ってもあんまり消費が進まないんですよね…
ちなみにこの建物は2019年に来た時はH&Mが入っていたと思うのですが、観光客狙いの土産物屋に変わっていました。結構中は広いのですが、こういうところを土産物屋にするくらいに観光客も増えているんでしょうね。
クアラルンプールへ戻る
駆け足ではありましたが、定番スポットはだいたい押さえたところでマラッカセントラルバスターミナルへと戻ってきました。
バスターミナルにはファミリーマートがあったので、車内で飲むようにファミマル印の緑茶と、これまたマレーシアの定番であるミロを買いました。ミロ、甘ったるいんですけどたまに飲むとおいしいですよね。
バスターミナルの待合室のベンチに座っていると、ネコちゃんに遭遇しました。どこから入ってきたのでしょう…?
しばらく待っていると私の乗るバスがやってきたので乗り込みました。このバスはマラッカ発クアラルンプール経由イポー行きのようです。イポーまで乗ると4,5時間コースなので、なかなかの長旅です。
道中の高速道路ではスイカを満載したトラックとも遭遇しました。これで何キロ分くらいあるんでしょう…?
そして帰りは渋滞にハマり結構時間がかかり、午後8時前にクアラルンプールのTBSターミナル1に到着です。
TBSの中には2023年にバターワースからの列車旅で通過したハートヤイ行のバスの広告も目にしました。1日に6本バスが運行されているあたりを見ると、結構需要があるんですね。
ジャラン・アローで晩ごはん
TBSからはまたGrabタクシーに乗り、ブキッ・ビンタンに取ってあったホテルにチェックインしました。
ホテルで荷物を整理したりしていると夜10時前になっていました。そんなわけでともかく晩ごはんを食べようということで定番のジャラン・アローへとやってきました。ジャラン・アローは夜遅くまで営業しているお店が多くて助かります。
今回はミーゴレンをチョイスしました。これもマレーシアの茶色い中華なので当然おいしい…のですが、タイガービールがぬるかったのがなかなかツラいところでした。タイガービールは冷やして飲みたい派です…
ぬるいビールで少ししょんぼりした後は、クアラルンプールに来たらば見に行かねばなるまいということでこれまた毎度おなじみのペトロナスツインタワーまで徒歩で向かいました。途中にあったこちらのビルの看板はなかなか色鮮やかな凝ったネオンサインでした。
しばらく歩くとKLCCに到着です。まあこここそしょっちゅう来ても代わり映えしないのですが、まあなんとなくこの風景を眺めるとクアラルンプールに来たなあと思わされるのでついつい行ってしまうのでした。
以上、2024年6月の東南アジア旅行記、Part1・マラッカ編でした。正直なところ2019年にも訪問した場所の再訪が大半でしたが、クアラルンプールとはまた違う街の雰囲気を改めて味わえた楽しい日帰り旅行でした。次回、Part2はシンガポール編です。お楽しみに!