2024年のゴールデンウィークのアジア周遊旅行記、Part2は未訪問だったマレー半島北部の都市、イポー訪問編その1になります。イポーは2泊したこともあり、2部構成でお送りする予定です。

割り切れなさそうなホテル

Part1の最後で到着したイポーのバスターミナルからGrabタクシーに乗ってやってきたホテルはこちらの”Pi Hotel”です。予約サイトでは「ホテル ピ」と表示されていて「ピ」って何だろう…と思っていたのですが、「パイ」でした。ネーミングの理由が気になるところです…

ちなみに客室は赤基調なこと以外はまあ普通のマレーシアのホテルといったところでした。Googleマップなどのレビューを見るに、どうやらこのホテルは開業時はLCCのエアアジア系列のホテルだったようです。おそらく、内装が赤基調なのはその時のものをそのまま引き継いでいるからなのでしょうね。

まずは晩ごはん

イポーにたどり着いた頃にはもうすでに夜になっていたので、ホテルで一息ついた後は晩ごはんを食べに出かけることにしました。イポーは美食の街としても知られていて、名物の一つにチキンがあります。そんなわけでホテルのそばで見つけたレストランに入り、チキンライスのセットを頼みました。東南アジアの華僑が多いエリアではよく見かける蒸し鶏ですが、まあ当然おいしかったのでした。おなじみの甘いミルクティーももちろんセットです。

夜のイポーを歩く

晩ごはんを食べた後はお酒が飲めるお店を探しがてら街をうろうろしてみました。先ほども少し触れましたが、イポーはマレーシアの中でも中華系の住民が昔から多い都市として知られています。街中を歩いていても写真のように漢字がメインで書かれた看板を数多く目にしました。クアラルンプールよりはちょっと香港っぽいテイストな気がします。

この「涼茶」というシンプルな看板も味があります。ちなみに涼茶というのは甘い漢方系の健康ドリンクです。

細かいタイルの施された柱に漢字で店名が書いてあるこのスタイルも、マカオなどで見たことがあるスタイルです。私は行ったことがありませんが、中国広東省の潮州市や汕頭市など、広東省沿岸部の古くから栄えていた街なんかにもこういうスタイルが残っていたりするのか、気になるところです。

ちなみにイポーはペラ州の州都ですが、この「ペラ(Perak)」はマレー語で「銀」という意味だそうです。ペラ州には古くから錫鉱山があったことからそういう名前が付いたとか、いくつか説があるようです。そんなこともあり、イポーの街を歩いていると「銀」と名前についているお店などをよく見かけました。

さらに歩いているとネコちゃんに遭遇しました。東南アジアの野良猫は細い子が多いですね…

その後はしばらく歩いて夜市にやってきてはみたものの、あまりお酒を扱うレストランは無さそうでした。また、9時を過ぎると大半のお店は閉まってしまうようで、営業しているのは路上の衣料品などを売る屋台などが主のようでした。雰囲気はあってとても良かったのですが…

ホテルに戻る道中、ギラギラ光るレストランがずらっと並ぶエリアも見かけたのですが、がっつりご飯を食べるつもりもなかったのでこういうところはちょっとなあと思い、お店の前のギラギラした雰囲気だけ味わって撤退したのでした。

ちなみにホテルのそばにはこちらのスーパーがありました。1階部分は扉がなく道路に面していて、そこからエスカレーターで上のフロアに上がっていくという構造がちょっと独特で面白かったです。日本でも駅とつながったビルなどではこういうタイプの構造も見るような気がしますが、単体で建っているビルでこうなっているのはなかなか珍しいのではないでしょうか。

結局この日はお店ではビールを飲まず、適当にコンビニでビールを買って飲むことにしたのでした。

暗いうちから朝ごはん

イポーへの到着日は早々に就寝してしまいましたが、翌朝は6時前に起きて朝ごはんを食べに出かけました。マレーシア(特に半島部)は経度から計算すると日本との時差は約2時間あるべきなのですが、歴史的経緯1により日本との時差は1時間しかありません。そんなわけで赤道にかなり近く一年中日照時間がほぼ変わらないマレーシアですが、朝6時半前でも真っ暗なのでした。

しかし空が真っ暗な中でも通りにはいくつか明りの灯っているお店があります。これらは朝ごはんを提供するレストランです。イポーには6時台から開店している、朝ごはんと昼ごはん専門のレストランがいくつもあります。イポーは中華系住民が多いこともあり、昔ながらの点心を載せたカートが回ってくる伝統的なスタイルの飲茶文化が今でも残っているそうで、今回はそんなレストランで飲茶をするべく朝早くホテルを出たのでした。

しかし、飲茶のレストランへ向かって歩いている途中に、これまたイポーの名物であるカリーミーを出すレストランを偶然見つけてしまいました。

というわけで小さいサイズのカリーミーとミルクティーで一旦朝ごはんです。スープがなかなか汗が噴き出る辛さではあるのですが、ミルクティーで中和しながら食べるとなかなかおいしいのでした。アクセントのミントも辛さの中に爽やかさを演出するいい仕事をしていました。

カリーミーは食べたものの、飲茶もやっぱり楽しみたいということで、お目当てのレストランまで結局行ったのでした。上の写真はレストランを出た後に撮ったもので7時ごろの写真ですが、このくらいの時間になると一気に空が明るくなってきました。

そしていよいよお待ちかねの飲茶です。金属性の蒸し器に入ったシュウマイやワンタンなど、何皿か食べつつお茶を飲みました。まだ朝6時台だというのにそこそこ広いお店はほぼ満席で、なるほどイポーは夜より朝の街なんだなとここで納得したのでした。

ちなみに写真ではちょっとボケてしまっていますが、急須の後ろのピンクの皿に載っている、魚介のすり身を湯葉で巻いて揚げたものが魚介と湯葉の旨味が合わさって非常においしかったです。チャンスがあればまた食べてみたい点心の一つです。

以前から香港や深圳で食べて気に入っていた腸粉もあったのでいただきました。

そして〆はこちらのエッグタルトです。カスタードの部分の深さがびっくりするほど深く、濃厚な味わいでした。ちなみにイポーはカフェで売られているプリンも一つの名物だったりします。

飲茶をした後は腹ごなしに少しホテルのそばをうろうろ歩きました。こちらは薬局の横の壁ですが、コロナ禍中に描かれたのでしょうか、医療従事者への感謝の意を示すようなイラストが描かれていました。マレーシアは元々ストリートアートをよく見かける印象がありましたが、こういうテーマのイラストをコロナ禍後によく見かけるようになったのはちょっと興味深いポイントだと思います。

再開発の勢いが激しいクアラルンプールと違って、昔からのショップハウスなどが多数残っていることもあり、歩いているとビビッドな色合いの建物にたくさん出会います。

こちらの建物は漢字、ローマ字、ジャウィ文字2でそれぞれ名前が書かれていますが、一番下の漢字表記を見るとペラ州の「ペラ」を「霹靂」と表記しています。「青天の霹靂」以外でこの文字を見ることがあるとは…とちょっとびっくりしましたが、この後訪問したペラトン(霹靂洞)寺院など、各所でこの表記は使われているようでした。ちなみにこの建物は広東省梅州市の大埔県の同郷会の建物のようでした。やはり広東省系の方が多いのでしょうね。

郊外の観光地を巡る

ペラトン寺院

朝ごはんの後はイポー郊外の観光地を巡ることにしました。Part1でクアラルンプールからイポーに向かう道中、石灰岩でできた山が見えたと書いていましたが、ここイポーにも多数の石灰岩でできた山があり、そこにできた鍾乳洞などが寺院として整備されている場所がいくつもあります。最初に訪れたのはそのうちの一つ、ペラトン寺院です。先ほども書いたように、ペラトンというのは「霹靂洞」と書きます。こちらの門の上部にもそのように書かれていますね。

中はいわゆる中国寺院といった感じなのですが、結構広い空間が広がっています。真ん中に鎮座する大仏もさることながら、周囲の壁(というより岩肌?)に描かれた絵画も独特の雰囲気を醸し出していました。

ちなみに大仏が置いてある中央の広間だけではなく、側部から入ることのできる回廊もあり、寺院としてだけでなく洞窟としてもなかなかの迫力でした。

サンポトン寺院

次に向かったのはこちらのサンポトン寺院です。こちらもペラトン寺院と同様に石灰岩の中の洞窟を寺院にした施設ですが、入り口の階段周辺がタイル張りになっていたりとかなり整備されている印象でした。

ちなみにこの寺院は洞窟だけでなく、立派なお堂もありました。手前の庭園もなかなかのものです。

洞窟の奥の仏壇はペラトン寺院に比べるとシンプルですが、これはこれで厳かな雰囲気でした。

ちなみにこのサンポトン寺院は洞窟を通って裏庭に出ることができる構造になっています。たまたま私が訪れたタイミングでは裏庭にはだれもいませんでした。周囲の山の切り立った崖に囲まれた中にある静かな庭園と建物という組み合わせがなかなか神秘的で、1月にカンボジアのアンコール遺跡群を訪れたの時のように、なんだか「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターになったような気分になりました。

ちなみにこちらの裏庭には亀が飼われている池がありました。なんというか、亀が「落ちている」というような雰囲気でしたが…

南天洞

サンポトン寺院の隣には南天洞という寺院もありました。観光ガイドなどではあまり紹介されていないようですが、せっかくならばとこちらも寄ってみました

こちらも鍾乳洞の中に作られた寺院ですが、こちらは仏教寺院ではなく道教寺院なので仏像ではなく、道教の神様の像が祀られています。洞窟内の照明や岩をそのまま利用して彫られたと思われる龍の彫刻など、サンポトン寺院とはまた違ったテイストがありました。

ちなみに南天洞の敷地内には何匹かワンちゃんがいました。奥のお土産物屋さんの中でもワンちゃんが寝ていたのですが、この子とそちらにいたワンちゃんはこの後じゃれあっていたのか喧嘩していたのか、しきりに吠えていました。

極楽洞

南天洞の次に訪れたのが今回の洞窟観光シリーズ(?)の最後を飾る極楽洞です。こちらはなかなか規模が大きく、洞窟の手前にそこそこの規模の駐車場まで完備されています。看板だったり、洞窟と人のサイズの対比で大きさをお分かりいただけるでしょうか。

これまでの洞窟も石灰岩が浸食されてできた洞窟ではあったのですが、こちらはザ・鍾乳洞という感じの鍾乳石や、岩の表面がいくつも線状に浸食されて花のつぼみか何かの手のようになっているものなどが多数あり、鍾乳洞としてもなかなかの見応えでした。

ちなみにここもサンポトン寺院と同様に洞窟を通って反対側の庭園に出ることができるようになっています。ここの庭園はサンポトン寺院と違ってかなり広く、遊歩道が整備されていて自転車の貸し出しもあるようでした。徒歩でもそれなりに回れたので、サイクリングにはちょっと狭いような気もしますが…

ちなみに遊歩道のそばにはガチョウが歩いていました。なかなかのどかです。近くに湖もあるので、ガチョウにとってもいい環境なのでしょうね。

お寺なだけあって裏には二はいわゆる十八羅漢3の像がありました。こちらの像は坐鹿羅漢という羅漢の像です。出家後、しばらくしてから国王にも出家を勧めるために鹿に乗って王宮に現れたという伝説からこのような名前が付いているそうです。Part0で書いたように奈良で鹿を見た後だったので、マレーシアでも鹿、というのは面白いと思い写真に収めたのでした。

極楽洞の裏庭をぐるっと回って戻ってくる頃にはさすがにのどが渇いていました。極楽洞の入り口に自販機があったので飲み物を買ったのですが、こちらの自販機はどうやら日本の自販機を改造したもののようでした。売り切れ表示の説明がシールで貼ってあるのはちょっと面白いですね。

ケリーズキャッスル

さて、朝から洞窟を4つ回りましたが、最後にイポー郊外のメジャーな観光スポットのうち、市街地から一番遠いこちらの建物を見に来ました。1枚目の写真にも名前を示すオブジェが写っていますが、こちらはケリーズキャッスルという建物です。

この建物は1910年、イギリス領マラヤ時代にこの地でゴムのプランテーションを行っていたケリー・スミスの邸宅として建設が始まりました。建設途中にインドから連れてきた労働者の間でスペイン風邪が流行し、疫病を鎮めるために寺院を建立したりもしながら建設が進められていました。しかし1926年、ケリーは旅行先のポルトガルでこの建物の完成を待たずして客死してしまいます。ケリーの家族もこれをきっかけにスコットランドに戻ってしまったため、この建物は建設途中の姿のまま長い間放置されてしまっている…というストーリーがあります。

ケリーズキャッスルは今では観光地として整備されているため、建物の中に入ることができます。調度品などを設置して実際にここに居住していたらこうなっていたであろう、という様子を紹介しているリビングルーム以外は建設途中の状態をそのまま保存しているという感じでした。

大きな洋館だけあって、半地下のワインセラーなどもあります。こういうところはヨーロッパの文化をそのままマレーシアに持ち込もうとしたという感じがありますね。

1階部分は漆喰が塗られておらず、レンガがむき出しになっていますが、外周のアーチ構造や各部屋の通気を確保するための小窓付きの壁など、造りからしておよそ100年前の東南アジアの建築としてはかなり豪華であっただろうということが伝わってくる建物でした。

2階部分はある程度漆喰が塗られ、白い壁、白い天井になっています。実際はイギリス人の邸宅として建てられた建物ですが、こうしてみると「キャッスル」と言われるのも納得できます。

ちなみに2階部分にはケリーの子供たちのための部屋が用意されていますが、これらの部屋には1枚目の写真のように非常時に外に逃げられるように非常階段が用意されていました。2枚目の写真のように、1階部分に小さく出口が用意されています。

非常階段があったかと思えば、一部の部屋どうしは細い通路でメインの廊下に出ずに行き来できるような造りになっていたりもしました。

ケリーズキャッスルは各部屋にきちんと解説のパネルが付いているのですが、よく読んでいくとケリーの娘の幽霊が出るというようなことが書いてあり、ちょっとびっくりしてしまったのでした。多数ある隠し通路や非常口なども含めて、なんともミステリアスな建物です。

ちなみにこの建物は小高い丘に建っていることもありなかなか見晴らしがよく、ケリーが当初設置しようとしていたエレベーター(完成すればマレーシア初のエレベーターだったそうです)用のシャフトを経由して屋上に上がることもできるようになっています。2枚目の写真の通り全く柵がないのがちょっと怖いですが、一面に広がるパームヤシはなかなか壮観です。

激ウマもやしを食べる

ケリーズキャッスルを見学した後は、ちょうどお昼になっていたのでイポーの中心部へと戻ってお昼ご飯にすることにしました。向かったのは初日に行った夜市のエリアです。

最初の方でイポーの名物はチキンと書きましたが、チキンとセットでよく食べられるもう一つのイポー名物としてもやしがあります。どの観光ガイドにもイポーといえばもやし、と書いてあり、果たしてもやしがそんなに名物になるものなのだろうか?と思いつつも、有名なこちらのお店にチキンともやしを食べに来たのでした。

ちょっと並んで店内に入り、オーダーしてからしばらくしてやってきたのがこちらのチキンライスともやしのセット。もやしは日本のもやしより少し太く短い感じで、タレとネギ、コショウがかけられていました。肝心の味ですが、「人類はご飯が進むもやしという概念に到達していたのか…」というくらい感動的においしかったです。味が濃いのもありますが、もやしだけでご飯を食べきれてしまうのではないかというレベルのおいしさです。みんなもやしが名物だと言うだけのことはあります。もちろんチキンも美味でした。

ちなみにイポーは午前中に見た通り石灰岩が多い地質になっていて、この石灰岩が水をろ過してくれるため、きれいな水でおいしいもやしが育つのだそうです。本当にイポーのもやしはおいしいので、ぜひ皆様もイポーに行ったら忘れずにもやしを食べてください!

激ウマのもやしを堪能した後は市街地散策を再開しました。マレーシアの通りの看板は結構都市によってデザインが違う気がします。州ごとのデザインなのでしょうか?

やはり街中を歩いているとカラフルなショップハウスが目に入ります。カラーリングもさることながら、クラシカルな洋風の窓もまた味があります。

日差しを避けて騎楼4の下を歩いていると「餅」というシンプルな看板に遭遇しました。初日に見かけた「涼茶」といい、シンプルながらビシッと書かれた文字がなかなかかっこいいです。

さらに歩いていると橋にさしかかりました。橋のたもとにはステンドグラスが取り付けられた塔が建っていました。なんだかお城の入り口の橋のような雰囲気です。

こちらも街中の看板シリーズです。駆風油というのは樟脳やミント、ユーカリ油などを混ぜた、薬として使われるアロマオイルの一種だそうです。「常備良薬 居家旅行」というキャッチフレーズがいいですね。

おやつにカリーミーふたたび

街をしばらくぶらぶらしていると、午後3時前になりました。そろそろおやつの時間ということで、飲茶のところでも書いたイポーの名物の一つであるプリンを探してこちらのカフェにやってきました。残念ながらプリンは売り切れとのことでしたが、街をぶらぶら歩いてちょっと暑くなってきていたこともあり一旦こちらで休憩することにしました。

どれだけ食べるんだ、というツッコミを受けそうですが、ホワイトコーヒー(こちらもイポーの名物です)に加えてカリーミーがあったのでカリーミーもオーダーしてしまいました。こちらもミントが載っています。そしておいしいもやし付きです。なかなか辛いカリーミーでやっぱり汗ダラダラになったのですが、これもまたおいしいカリーミーでした。

正直なところイポーはもっと観光客で混みあっているのではないかと思っていたのですが、ペナンよりも観光客を見なかったように思います。(世界遺産と比べるのも酷な話ですが…)クアラルンプールからのアクセスも悪くないので、もう少し流行ってもよさそうな気もします。とはいえ、それなりに観光地化はされていて、カラフルなショップハウス以外にも、道の上に装飾がされていたり、ストリートアートがあったりとなかなかフォトジェニックな通りなどがちらほらあるのでした。

スコールを避けて一休み

さらにしばらく歩きまわっていると、東南アジアではおなじみのスコールが降ってきました。なかなかの勢いです。これは傘なしでやり過ごすのは厳しいということで、近くにあった小さいホーカーセンター(フードコート)に駆け込んだのでした。

さすがにカリーミーを食べた後だったので、そんなにがっつりしたものは食べられませんが、この旅行中まだ食べていない中華粥のお店があったので中華粥とホワイトコーヒーを味わいながらスコールが止むのを待ったのでした。日本ではどうしても病人食のイメージの強いお粥ですが、中華粥はなかなか味わいがあっておいしいのでした。

益豊購物中心を調査する

スコールが止んだ後は、事前に友人の高須さん(@tks)から電気街っぽい雰囲気があると聞いていた益豊購物中心(Yik Foong Complex)を調査しに向かいました。

建物の外周にもPC修理サービスの看板が出ており、確かに期待できそうな雰囲気です。

中に入ってみると、確かにOppoやVivoなどのスマートフォンブランドのロゴを掲げたお店がいくつも営業していました。

おお、これは電気街っぽいぞ!と思ったのですが、通路を歩きまわってみると靴屋が並んでいるエリア、美容室が並んでいるエリアなどもありました。どうやら普通のショッピングモールとしての性格も持っているようです。

一方でゲームを売るお店やネットワーク機器、PCを売るお店などもそれなりの規模で確かに集積していて、そのエリアは確かに電気街だといえる雰囲気でした。

端の方まで歩いて行くと、日本でいうところのラウンドワン・スポッチャのようなアミューズメント施設が現れました。Complexの名に恥じぬなんでもあり度合いです。

さらに3階部分はどうやらフロアをすべて使って屋内ゴーカート場として営業されているようでした。

一通りぐるっと回ってみて、電気街、普通の日用品を売るモール、そしてアミューズメント施設がひとかたまりになっているところってどこかの国で見たことがあるような気がするんだよな…とちょっと考えてしまいました。しばらく正解に気が付かなかったのですが、ここはMaker Faire Rangsitの際に訪問したZeer RangsitとThe Hub Rangsitに雰囲気が似ているのだと思います。こちらの方が規模がちょっと小さいですが、方向性は結構近いものがあると思います。これに同意してもらえる両方訪問したことのある方はなかなか少なそうですが…

益豊購物中心からホテルに戻る道中、朝に飲茶を食べたレストランの前を通ったところ、何かの儀式で大量の線香を焚いていました。この記事を書くにあたり「法聚舎」という看板に気が付いたので調べてみたところ、どうやらこのレストランの上(!)が仏教寺院のようでした。そこの儀式だったんでしょうね。ここのレストランは午後2時には閉店してしまうので、店の前を使っても問題ないということなのだと思います(道路を占拠していいのかはさておき…)

駅周辺へ

翌日の朝10時台の電車でバターワースに向かう予定だったので、すぐにまた来ることにはなる場所ではあったのですが、夕日の時間帯に訪問できるのはこの日だけだということでイポー駅の周辺にも行きました。イポー駅の駅舎はマレー鉄道の駅舎の中でもかなり豪華な部類に入るそうで、白く美しい駅舎は「イポーのタージマハル」とも称されているそうです。

駅舎のほかにも、この周辺にはイギリス領時代のどっしりとした建物が多数残っています。駅の目の前のタウンホールは修繕工事中でしたが、こちらのOCBCの入る建物は錫の貿易会社が1907年に建てたビルだそうです。

駅のすぐそばということもあってかこの辺は観光地としてもそこそこ整備されていて、写真を撮ってくれと言わんばかりのオブジェなどが並んでいる通りもありました。

スノービールを体験する

駅の周辺の観光を済ませるともう晩ごはんの時間になっていました。さすがにこの日は道中あれこれ食べていたので、さらにいろいろ食べる気にはならなかったのですが、もう一つ体験しておきたかったイポー名物として「スノービール」が残っていました。というわけで、スノービールを提供しているこちらのレストランにやってきました。

スノービールは上の動画のように、過冷却したビールをジョッキに注ぐとその振動でビールが凍り、ジョッキの中でシャーベット状になるというものです。言ってしまえばそれだけなのですが、ぬるい空気の中飲むキンキンのビールというのはなかなかいいものです。

せっかくなのでおつまみと晩ごはんを兼ねて焼きそばもオーダーしました。日本のソース焼きそばとは違う味付けですが、マレーシアで食べるこういう茶色い中華はハズレだったことがないので安心して食べることができます。

スノービールのレストランはイポー駅とホテルの中間あたりにあったので、そこからは歩いてホテルへと戻りました。古い町並みの雰囲気を生かしながらデコレーションをしようとするとどうしても似たようなテイストになるのか、ペナンのストリートアートと同じようなテイストの装飾もいくつか見かけました。

軽トラ屋台などの写真を撮りつつホテルに戻り、朝も早ければ夜も早いイポーということで、翌朝の飲茶に備えて(備える価値があるくらいにはおいしかったですよ!)早々に就寝したのでした。

以上、2024年のゴールデンウィークに行ったアジア周遊旅行記、Part2でした。終日滞在した2日目は郊外と市街地と両方観光しましたが、どこもそこまで混みあっていなくてのんびりした雰囲気があり、大都会・クアラルンプールにプラスしてちょっと行ってみるというのもアリなのではないかと思いました。次回・Part3はイポー滞在最終日、バターワースに向かうまでを書いていこうと思います。お楽しみに!

  1. 諸説あるようです
  2. マレー語などを記述するためのアラビア文字系の文字
  3. 18人の悟りを得た聖者
  4. 2階部分を歩道にはみ出させることによって歩道に日陰を作っている建物
公開日:2025/01/20