2024年1月の東南アジア旅行に続いて、2024年2月の旧正月シーズンに行ったマレーシア・ベトナム旅行記を書いていきたいと思います。前回は長めの旅行だったので6分割になってしまいましたが、今回は弾丸旅行だったこともあり短めの2部構成の予定です。
うっかり旧正月に旅行
さて、今回はタイトルにも書いた通り、旧正月シーズンの旅行となりました。この旅行は最初から旧正月を狙って行くつもりだったわけではありません。2023年の8月に直前にダウンしてしまい一緒に旅行に行けなかった友人と飲んでいる時に、リベンジ(?)を提案して旅行に行こうじゃないかという話になったのですが、飲んでいたこともあり旧正月を全く考慮せずに航空券を取ってしまったのでした。そんなわけで、今回は以下のような旅程での旅行となりました。
日付 | 場所 |
2月7日 | 成田に前入り |
2月8日 | 成田発→クアラルンプール着 |
2月9日 | クアラルンプール発→ハノイ着(旧暦大晦日) |
2月10日 | ハノイ(旧暦1月1日) |
2月11日 | ハノイ発→成田着 |
旧暦大晦日から1月1日にドンピシャでかかる(そしてその後すぐ帰国)という、なかなかなスケジュールです。このスケジュールで旅行を組んでしまったのは本当にうっかりミスという感じでしたが、振り返ってみるとこれはこれで面白い旅行だったように思います。
まずはクアラルンプールへ
今回の旅行は成田を朝10時に出発するマレーシア航空便に搭乗する予定だったので、前泊して成田空港へ向かいました。なお、前泊地は昨年8月と同じく東横インだったりします。朝早いということもあり比較的空いていますが、2022年9月に久々に成田空港に来た時から比べると、これでもずいぶん人出が戻ったなぁという印象です。
フライトは20分ほど遅延したものの、他にはトラブルもなくマレーシア・クアラルンプール国際空港にたどり着いたのですが、問題はたどり着いた後の入国審査でした。クアラルンプール国際空港の入国審査は何度も通っていますが、見たことがないくらいの列ができていました。旧正月ということで旅行客が多かったのもあるのでしょうが、個人的には入国審査官がいつもより全然少なかったのが原因なんじゃないかという印象でした。この記事を書くにあたり調べてみたところ、マレーシアも旧正月は連休になるようなので、公務員の皆様もお休みだったのかもしれません。どうしてもイスラム教国というイメージが先行してしまうマレーシアですが、華人系の人口も多いので祝日になっているのでしょうね。
元々は空港からKLIAエクスプレスでKLセントラル駅に出て、そこから駅の近くの天后宮1の春節イルミネーションを見るつもりだったのですが、出足が遅れたために天后宮の見学時間が終わってしまいました。そんなわけでKLセントラル駅からは寄り道せずにホテルのあるブキッ・ビンタンへと移動しました。ここはいつ来ても賑わっています。今回はなぜかパンダの着ぐるみもいました。
朝早く出発して8時間ほど飛行機でうだうだ2していただけとはいえ、晩ごはんの時間でお腹も空いてきたのでホテルにチェックインした後はとりあえずLot10のフードコートでごはんを食べました。チャーシュー麺&ワンタンスープです。この茶色い甘めのタレはザ・マレーシア(クアラルンプール?)中華という感じがします。
定番のツインタワーへ
Lot10で腹ごしらえした後は、マレーシア初訪問の友人をここに案内しないわけにはいかない、ということで腹ごなしがてら徒歩でペトロナスツインタワーへと向かいました。ブキッ・ビンタンからだと意外と近いのですよね。マレーシア最高層ビルの座を同じくクアラルンプールのムルデカ118に譲ったとはいえ、バキバキのライトアップでCGのようにすら見えてくるこの光景はやはり見る価値ありだと思っています。
この時一緒に行っていた友人に指摘されて気が付いたのですが、尖塔部に何かの生き物が集まっているように見えました。一体何なのでしょうか…?答えを知っている方がいたら、ぜひ教えてください!
ジャラン・アローでビールを飲む
ツインタワーからのGrabタクシーに乗ってブキッ・ビンタンへと戻り、ごはんの次はビールだ!ということでジャラン・アローへと向かいました。さすがの観光地、ここも旅行客でごった返していました。
通りを一度ぐるっと回ってから、適当なレストランに入ってまずはビールです。マレーシアなので大定番のタイガービールです。同じイスラム教国でもインドネシアにはビンタンビールというビールのナショナルブランドがあるわけですが、マレーシアにはナショナルブランドのビールがなく、お店でよく出てくるのは隣国3・シンガポールのナショナルブランドであるタイガービールや、マレーシア国内でライセンス生産しているデンマークのカールスバーグだったりします。
おつまみの方は牡蠣オムレツにサテー、そしてビーフン炒めです。あまじょっぱい系でビールを流し込もうという魂胆です。どれもおいしかったのですが、マトンのサテーは私も友人もこれは大当たり!と頷くおいしさでした。
ひとしきりビールを飲んだ後、次はどうするかとメニューを見ていたところ、これまたマレーシアでは定番の麦芽飲料・ミロがあったのでオーダーしてみました。私は小さいころよくミロを飲んでいたのですが、ジョッキでがっつり飲むのはさすがにこれが初めてでした。
慌ててハノイへ
まさにつまみ食いといったレベルのマレーシア滞在でしたが、翌朝早々にベトナムへと向かいました。成田~クアラルンプールと同じくマレーシア航空便だったのですが、午前9時半発ということで午前5時半にホテルをチェックアウトして向かいましょう!と私から友人に提案したのにもかかわらず、私が寝過ごすという大失態を演じてしまいました。友人がフロントのスタッフさんに相談し部屋に電話してくれたため、なんとか最小限の遅れでホテルをチェックアウトすることができました。前日に通ったルートを逆にたどって空港へと戻り、3時間半のフライトの末ハノイ・ノイバイ国際空港へと到着しました。
案の定ですが、ただでさえ待つハノイの入国審査もさすがの長蛇の列でした。空調の効きが今一つなのと早起き(私は寝坊したわけですが)したこともあり、なかなか体力を消耗しました。
ベトナムに入国したあとは例によってGrabタクシーを呼び、ホテルへと向かいました。さすがに旧暦大晦日ということもあり、ハノイ旧市街は閉まっている店が結構多かったのでした。
ひとまずフォーを食べる
お昼の12時半には空港に着いていたのですが、入国審査に本当に時間がかかり、ホテルにチェックインしたのは午後3時頃でした。そんなわけでホテルを荷物に置いたらばまずはお昼ごはん探しです。先ほど書いたように閉まっているお店も多かったのですが、海外からの観光客も結構いるエリアだけあって、いくらかは営業しているお店がありました。路上におなじみのプラスチック製テーブルとイスが出ているお店を見つけて、フォーとビールでお昼ご飯にしました。友人にはこの路上のプラスチック製テーブルとイスでごはん、というのはぜひ体験してもらいたかったポイントだったので、旧正月でお休みのお店が多い中とはいえどベトナムの雰囲気を堪能する最低ラインは達成できたかな…と思っています。
大晦日の街を歩く
腹ごしらえの後は旧市街を散策です。旧市街の中でも飲み屋街であるターヒエン通りは明るいうちからそれなりにお店が開いていましたが、それ以外の通りはお店は閉まっていて、春節の雰囲気を味わっている国内外の観光客が主という雰囲気でした。ちなみに私の一押しベトナム料理であるブンチャーの名店、ダックキムとブンチャーフォンリエンも一応覗いてみましたが、当然ながらいずれもお休みでした。
そんなお休みムードの旧市街ですが、ハノイ名物の激安ビールであるビアホイのお店は開いていて、地元の人も観光客もみんなプラスチックの椅子に座って明るいうちから酒盛りをしていたのでした。
その他にも、旧正月に関係するようなインテリアのお店は営業していました。書き入れ時なんでしょうね。
そして圧巻だったのがハノイの中央市場・ドンスアン市場からちょっと南に行ったところのHang Ma通りのテトマーケットです。電動カート(これはこれで初めて見ましたが)に隠れてしまっていますが、左奥に黄色いポールが立っているのが分かるでしょうか。ここがHang Ma通りの起点で、この先にずらっとテト関連用品を売る屋台が出ていました。このあたりだけはびっくりするぐらいの混雑でした。
日本でも中華料理屋さんなどで中華風のおめでたい飾りを見ることがあると思いますが、それと似たような飾りや、お年玉用のポチ袋(これも中華風で赤い色でした)などを売るお店が所狭しとひしめいていました。こういうところを見ると、ベトナムも中国文化の影響を大いに受けているということがよく分かります。飾りにベトナム語で”Chúc mừng năm mới”、「あけましておめでとうございます」と書いてあるのはベトナムの旧正月ならではのポイントですね。
人が多いところだからか、この通りのそばには屋台も出ていました。手前の巻貝がなかなかの迫力です。
旧正月でも見学できそうな場所ということで、ハノイ大教会にも行きました。こちらも新年だからかアオザイ姿で記念写真を撮る方を見かけました。
ハノイは何度か来ているものの、ハノイ大教会は最初にして最長滞在期間だった2013年には訪問できず4、2016年の訪問時に見に来たのが最初で、中に入るのはこれが2度目でした。サイゴン大教会とはまた違った雰囲気ですが、こちらもステンドグラスが美しい教会です。
そして街を歩いているとワンちゃんたちにも遭遇しました。2匹とも、なんとも言えないポージングです。ベトナムはコンビニの前でだらーんとしていがちなタイの犬とはまた違うキャラクターのワンちゃんが多いような気がします。
ハノイといえばここも外すわけにはいくまいということで、ホアンキエム湖にももちろん行きました。新年を祝うイルミネーションが各所に設置されていて、皆さん記念写真を撮られていました。
そしてホアンキエム湖に来たならばということで、ホアンキエム湖の北側のロータリーそばにあるハイランズコーヒーに入り、ベトナムコーヒーを飲んで一息ついたのでした。
冷麺を食べる
コーヒーを飲んで休憩した後は晩ごはんを食べに行きました。普通ならフォーなり生春巻きなり食べるところですが、友人氏のたってのリクエストで今回はこちら、”Nha Hang Koryo”つまり「高麗レストラン」にやってきました。もう見出しで分かる人は分かってしまうと思うのですが、こちらは北朝鮮政府直営という噂のレストラン、いわゆる「北朝鮮レストラン5」です。
ベトナムを含め、共産圏など北朝鮮と比較的関係が良好な国にはこのようなレストランが以前は多数ありました。多くはコロナ禍前後に閉店してしまい、以前にはハノイにも2店舗あったのですが今はこちらの店舗のみのようです。ちなみに私は2013年にハノイのもう一個のお店に、そして2023年にラオスのヴィエンチャンのお店に訪問しているため、ここで3軒目の北朝鮮レストランとなります。以前はバンコクなどにもあったようですが、先ほど書いたように閉店してしまったため、日本から比較的行きやすい北朝鮮レストランとなるとこちらになるのではないかと思います。
最初は英語でオーダーしようとしましたが、あっさり日本人であることがバレてしまったのでした。その後、おそらく本国から来ているであろう店員さんに勧められた焼肉冷麺をオーダーしたのでした。ちなみに北朝鮮のビールである大同江ビールはありませんか?と聞いてみたのですが、今ないです、との回答でした。各種経済制裁の関係で関係者がハンドキャリーで持ち込む分しか輸出入できていないという噂も聞くので、これは仕方ないということで諦めたのでした。
そして「おいしいですよ~」と勧められたキムチマンドゥ6もオーダーしました。確かに美味でした。
このお店は1階部分にファミレスのようなテーブル席が何卓か並んでいるスタイルのお店でした。2階部分の道路側が半屋外のキッチンになっているようで、外に出ると洗い物や炒め物をしている音が聞こえました。レストラン入り口の看板を見るに、2階は個室、3階は宴会場もあるようです。ちなみに旧正月だからなのか、流行っていないのかは分かりませんが、お客さんは我々ともう一組だけのようで、特に歌謡ショーなどもなく淡々と料理がサーブされるだけのお店でした。
ちょっとビビってしまいお店でトイレを借りるのは気が引けたので、ご飯を食べた後トイレを借りるために旧正月でも開いている他のお店を探して少しウロウロした後7、Grabタクシーを呼んで旧市街へと戻りました。道中、LEDでギラギラのビルを目撃しました。深圳などではよく見ますが、ベトナムも発展に伴ってビルが光るようになってきたんですね。
ターヒエン通りでビールを飲む
北朝鮮レストランから戻ってきた後は旧市街の飲み屋街であるターヒエン通りでビールを飲むことにしました。明るいうちもそこそこの人通りでしたが、さすがに暗くなると旧正月でも大混雑です。
例によって通り沿いの適当なお店に陣取りビールをオーダーしました。北朝鮮レストランで結構しっかり食べていたので、ここではおつまみなしでビールのみのオーダーです。今回私がチョイスしたのはいずれもハノイのビール、チュックバックビールとハノイビールプレミアムです。
ターヒエン通りでビールを飲んだ後は、写真を撮りつつホテルへと帰りました。ターヒエン通りを外れても、ビアホイを出すようなローカル居酒屋は元気に営業しているのでした。
バインミーの屋台も人通りの多い通りには出ていたので、旧正月の夜でもお店が開いていなくて何も食べられない、という風にはならなそうです。ホテルのフロントのお兄さん曰く、以前は旧正月シーズンは本当にお店が開いていなかったが、大分開くようになったんだよね、とのことでした。
ホテルのそばではストリートアートも見かけました。マレーシアでは比較的よく見かける印象ですが、間口の狭い建物が密集して建っているハノイの旧市街ではこういうタイプのストリートアートは珍しいような気もします。
先ほども書いたように、朝早く起きてマレーシアからベトナムに移動し、入国審査で体力を消耗したり旧市街を歩き回ったりしたために、ホテルに戻った後私は爆睡してしまったのでした。事前に新年を祝う花火が打ち上げられる場所なども調べていたのですが、私は旧暦新年になる瞬間もしっかり寝ていたので全く気が付きませんでした。周囲で焚かれた爆竹の音もすさまじかったようで、あんなにうるさかったのによく寝てられましたねと後から友人に言われたのでした。
以上、2024年旧正月の東南アジア旅行記、Part1でした。次回・Part2は残りのハノイ滞在について書く予定です。お楽しみに!