2023年GWの東南アジア旅行記、ヴィエンチャン編に続いてバンコク編です。弾丸旅行すぎたのか、バンコク到着後にダウンしてしまったため、ほぼ電気街調査のみです。

バンコクに到着

ヴィエンチャン編Day2の最後で乗ったバンコク行きの寝台列車はひたすら南に向かって走り続け、午前5時を過ぎたあたりで車掌さんがベッドの片付けに回ってきました。なかなかの早起きを強いられますが、この列車は午前6時前にバンコクに着く列車なので仕方ありません。車掌さんが素早くベッドリネン類を回収し、写真のように上段のベッドを跳ね上げた状態にしてくれました。

そして6時前、ついに終着駅のバンコク・クルンテープ・アピワット中央駅に到着です。ノーンカーイの駅とは比較にならないきれいなホームです。それぞれの車両から降りていく人の流れに沿ってコンコースへと向かいます。

従来、長距離列車はフアランポーン駅を終着駅としていましたが、2023年に新たなターミナル駅として整備されたクルンテープ・アピワット中央駅に終着駅が変更になりました。写真のように駅舎には”BANG SUE GRAND STATION”と書いてありますが、これはもともとここにあった駅がバーンスー駅という駅だったからです。この駅自体もバーンスー中央駅として開業したのですが、のちに国王が新たにクルンテープ・アピワット中央駅と命名したため、このような表記違いがちらほらと残っているというわけです。

Cafe Amazonで時間をつぶす

クルンテープ・アピワット中央駅はバンコクと言っても都心部からはかなり北の場所にあるので、MRTとBTSを乗り継いでまずはホテルに荷物を預けに向かいました。

さて、今回泊まるのはこちらのアジアホテルバンコクです。ランシットのZeer Rangsitの上にあったアジアエアポートホテルの系列ホテルです。BTSラーチャテーウィー駅直結という便利さの割にかなり安かったのでチョイスしました。そこそこ古いホテルですが、客室はきれいに整備されていましたし、悪くなかったので8月にも再度利用しました。ラーチャテーウィー駅自体がそもそも微妙な立地というのはさておき、BTSの駅から雨にぬれずにホテルに移動できるのは雨期には結構ありがたいような気がします。

さて、ホテルに荷物を預けてもまだ7時過ぎということで、再びBTSに乗って朝ごはんを探しに出かけました。まず最初にサイアム駅のそばのFood+Plusという屋台街にも行ってみました。しかし、あまりお店が開いていなかったのかピンとこなかったのかちょっと記憶が怪しいですが、そこでは結局ご飯を食べませんでした。そんなわけで、朝から開いていたコーヒーチェーンのCafe Amazonで涼みながら作戦を立て直しつつ時間をつぶしました。振り返るとこの時もうすでに暑くてヘロヘロになっていたのですが、その後完全にダウンしてしまう予兆だったんでしょうね…

ちなみにCafe Amazonの外には狛犬よろしく白いワンちゃんが2匹いました。私は警戒されちゃいましたが、よくこのお店の前を通っていそうな配達のお兄さんには懐いていました。

久々にサイアム駅から少し西に歩いて、バンコクの庶民派ショッピングモール(と私が勝手に呼んでいる)MBKセンターの前にも行ってみました。外壁がずいぶんときれいになってしまったな…とびっくりしたのでした。

まだ営業時間前だったので中には入れませんでしたが、ペデストリアンデッキを歩いていると謎のマスコットキャラクターがいました。ややよみうりランドのマスコットキャラクターの親戚感があると思うのは私だけでしょうか…(また背中に何色か色が入っていてそれがまた雰囲気を近づけていました…)

ルンピニー公園にリベンジ

さて、Cafe Amazonで涼みながら次のアクションを考えた結果、前回お店が閉まっていてごはんを食べそびれたルンピニー公園のフードコートにリベンジすることにしました。公園に入ってからはネコちゃんの写真も撮りつつ移動しました。

排水溝のコンクリの蓋の上に陣取っているこの子はなにかきっとこだわりがあるんでしょうね。

こちらの子はぐっすり寝ていてかわいいのですが、柄といい寝姿といい、なかなかホワイトタイガーっぽい雰囲気があります。

ネコちゃんたちを眺めながらたどり着いたフードコートでは結局ド定番のカオマンガイをオーダーしました。なんだかんだおいしいですからね。揚げ鶏と蒸し鶏のセットにしました。申し訳程度に野菜です!と添えられているキュウリですが、これがなかなかどうしてさっぱりしていいのですよね。

フアランポーン駅へ行く

さて、ルンピニー公園で朝ごはんを食べてもまだ9時頃ということでショッピングモールなどが開くまでには時間がありました。というわけで向かったのは以前のバンコクの中央駅、フアランポーン駅です。フアランポーン駅は特に改札があるわけでもないので、自由にホームに入れます。ヨーロッパの大きい駅舎のようなアーチ形の駅舎がおしゃれです。

駅名標の周りが実にトロピカルだったりと、ターミナル駅としての中心的な役割を引退したからなのか、観光要素がちりばめられているように見えました。

ターミナル駅としての役割をクルンテープ・アピワット中央駅に譲ったとはいえ、近郊路線などはいくらかフアランポーン駅から出ているものもあるようで、この時も客車が停まっていました。

駅舎から伸びるホームを歩いていると、なんとJR北海道で活躍した183系気動車に遭遇しました!タイ国鉄は以前は日本で廃車になったブルートレインの車両を寝台列車として運用していたりもするのですが、こちらの車両も日本で廃車となったものを輸入してきたもので、観光列車などに転用するべく改修中というニュースは目にしていました。実物を拝めたのは実にラッキーでした!

さらに進んでいくと、タイ、マレーシア、シンガポールを結ぶ高級寝台列車のイースタン&オリエンタルエクスプレスのチェックイン窓口を見つけました。いつか乗ってみたいですね!

きれいになったMBKへ行く

フアランポーン駅を冷やかしていたら10時になったのでそろそろサイアム駅周辺のショッピングモールも開くだろうと、朝にきれいになった外観を見たMBKセンターへと行ってみることにしました。内装もびっくりするくらいきれいになっていて、おお、庶民っぽさがなくなっていて寂しい…と思ってしまったのでした。きれいになったのだから、地元の方にとっては喜ばしいことのような気がするんですけどね。

なお、MBKセンターは以前は東急百貨店も入居していたのですが、2021年の1月末で閉店してしまいました。そこに入ったのがドン・キホーテなので、バラマキ土産を買うときに頼りになる存在であることには変わりなさそうです。(結構日本のものが多かったりしますが…)

ちなみにエレベーターの横に”PARIS MIKKI”というお店が出ていました。メガネは売っていなさそうでした…さらにこの並びだったと思うのですが、このPARIS MIKKIと同じような小さいブース状のお店で大麻らしき草を売っているお店もありました。MFRangsitの旅の方でも書きましたが、この時タイは医療目的の大麻が合法化されてちょっとしたブームのようになっていました。MBKのようなショッピングモールでも売るのね…とちょっとびっくりしました。

Zeer Rangsitふたたび

さて、MBKセンターの中を歩いたあたりから本格的に調子が悪いなぁと思い始めたのですが、せっかくだしMaker Faire Rangsitの際はじっくりとは見られなかったZeer Rangsitにもう一度行こうということで、Grabで数週間ぶりのZeer Rangsitへ向かったのでした。

各フロアの構成はMaker Faire Rangsitの旅の方に書いてしまいましたが、1階はスマートフォン関連のお店が多く、上の方に行くとPCやOA機器のになっていくという構成です。この写真を見て思い出しましたが、1階の一角はネットワークカメラを扱うお店も並んでいました。

同じく以前の記事にも書きましたが、心なしかPC用のケースは日本で買うより安い気がします。左側のケースは790バーツ、約3,500円です。電源が付いていないにせよ、光るファン付きでこの値段はお得な印象です。

ちなみにMaker Faireの際に買ったスピーカーも相変わらず売っていました。この時も1個買ってしまったのでした。

前回は気が付かなかったのですが、Zeer Rangsitの1階には写真の通りパーツ棚がずらっと並んだNPEという部品店があるのを発見しました。このパーツ棚の規模は日本でもなかなか珍しいんじゃないでしょうか。

パーツ棚やショーケースの中の部品は店員さんにお願いして取ってもらうスタイルです。ショーケースを覗いてみるとちょっとレアな74LS181(4bit ALU)や、今は亡き三洋電機のオーディオアンプICなども置いてありました。秋葉原でも見なくなって久しいICたちです…

店舗の中に入るとはんだ付け用品、キット類、ケース類、電設資材など、幅広い電気電子関連製品の取り扱いがありました。キットは独自規格のものも多い印象でした。

さらに部品店の近くにはタミヤのプラモを扱うお店もありました。日本に負けず劣らず、こういう「趣味の店」が結構あるのはタイのポテンシャルの高さを感じるところです。

かと思えば車を屋内で売っていたり、いろいろごちゃごちゃしているのがまたタイっぽいなぁと思うのでした。

さらに東南アジア定番のエアコン用リモコンを扱う店もしっかりありました。

ついでに連絡通路を渡って、Maker Faire Rangsitの会場であった、The Hub Rangsitにも行ってみました。

やはり3階はイベントがあるときにしか使っていないようで、我々が展示していたスペースはご覧の通り空っぽになっていました。

その後Zeer Rangsitへ戻り、お昼ご飯にパッタイを食べました。朝からずっとうろうろしていたせいか、この頃にはもうだいぶフラフラになっていました。さらに悪いことに、ずっと地図を見たり写真を撮ったりしていたせいでスマートフォンの電池残量も残り数%というところまで来ていました。

ランシットはあいにくバンコク中心部から遠いこともあり、なかなかすんなりGrabも捕まりませんでした。これで待っていたりするとスマホの電池が切れてしまってホテルに戻る術がなくなってしまうのではないか…と考え、ショッピングモールなだけあって入り口の前に待機しているタクシーでBTSの最寄の駅までとにかく行こう!と方針転換しました。電池が切れる前に急いでスマホでGoogle Mapを確認して、乗り込んだタクシーの運転手さんに見せ、駅まで向かってもらいました。当たり前もいいところですが、タクシーは待機していればこういう時に待ち時間ゼロで乗れるので、Grabより便利なところもあるなぁと再認識したのでした。

そして着いたのがこちら、Yaek Kor Por Aor駅です。スマホの電池切れ対策で、Google Mapで地図を見て駅名を暗記する作戦もフラフラの頭で考えたのですが、何と読むかわからず、仕方がないのでバックアップとして駅名を表示させたスマホをカメラで写真に撮っておいたのでした。スマホの電池が切れる前にタクシーに乗れたので、カメラで撮った写真は使わずに済みましたが…

ちなみに読み方は「イェークコーポーオー」だそうです。「コーポーオー交差点」という意味だそうで、これは観光客キラーすぎるよ~と思ったのでした。

MBKで晩ごはん

なんとかふらふらになりながらホテルに帰り着き、夕方まで寝込んでいたらとりあえず動けるようになったので比較的近いMBKに再度出陣しました。1汗をかなりかいてしまったので、替えの服を買おうとやってきたのですが、その際にきれいになったエリアの一角でスマートフォン関連製品を売っていることに気が付きました。この辺の雰囲気は相変わらずといった感じでちょっとうれしくなりました。

替えの服を買った後、MBKまで来たことだしとフードコートで晩ごはんを食べました。2014年に初めてバンコクに来た時にもMBKのフードコートには行っていたので、ちょっと思い入れのあるフードコートだったりします。

ちなみにMBKセンターには8番らーめんがありました。ホーチミンシティでも見ましたが、8番らーめんは海外ではタイとベトナムに展開しているようです。なんと福井県に訪れたタイ人の繊維会社の社長さんが8番らーめんにほれ込み、タイで合弁会社を立ち上げて90年代から展開しているようです。今ではタイ全土に158店舗あるとのことです。関東には1店舗もないのに…すごいです。

フォーチュンタウンを深掘りしてみる

最終日である翌朝はある程度体調も戻ったので帰国前の電気街調査に繰り出しました。まず行ったのはラマ9世駅前のフォーチュンタウンです。Maker Faire Rangsitの際も行きましたが、夕方に展示品の補修用部品を買いに行っただけだったので、もう一度行ってみようと考えました。

この時は金曜日の午前中ということもあってか、これはこれであまりいいタイミングでないせいか、シャッターの下りているお店が多かったです。メッシュ状のシャッターの向こう側をちょっと覗いてみると、物置のようになっていて久しく開けていなさそうなお店もあり、コロナ禍の影響で閉業してしまったお店もそれなりにありそうでした。

一方、JIBやIT CITYといったチェーンのPCショップなきれいな大きい店舗を展開していて、ITモールとしての一定の地位は維持していそうな雰囲気でした。

上の方のフロアの端の方に、そういえば中野ブロードウェイのようなフィギュアなどのコレクターズアイテムだけをひたすら売っているお店があったよな…と思い、2020年のMaker Faire Bangkokで訪問した際の記憶と写真を頼りに探してみましたが、お店があったエリアは休憩スペースに変わっていました。まあ、元々コロナ禍でなくとも採算が取れているんだろうか…と不思議な感じではあったので、仕方ないような気はします。

ちょっとマイナーな電気街を調査

フォーチュンタウンをチェックした後は、ここ何回かのバンコク訪問で調査できていなかったややマイナーな電気街を調査しに行きました。

クロントムセンター

まず最初に向かったのはクロントムセンターです。今回訪問した中ではここが一番西側にあったので、まずここに向かってから徒歩で他の電気街に向かいました。

ここは結構有名なスポットで、観光ガイドなんかにも載っていると思います。電気街要素も多分にあるのですが、写真のようにオイルや洗剤など、カー用品を売るお店が一番多いです。

車と一緒に使うのか、BluetoothスピーカーやLEDライトなども多数売っています。2014年に最初に来た時はBluetoothスピーカーはあんまりなかった気がするのですが、雰囲気としてはあんまり変わっていないような気がします。車の電装品というところをとっかかりに、電気街としての要素を備えているという感じでしょうか。

ちなみにクロントムセンターの裏手にはごちゃごちゃした屋台街が広がっています。写真の部分はまだまだ平和ですが、露店は怪しいものも売っている(かなりきれいになったとは思いますが…)いて、盗品も売っているという噂から「泥棒市場」という別名もあります。

キャピタルプラザ

さて、クロントムセンターの方からジャルンクルン通りまで出たところにガジェットを扱う市場がありました。ここはこのとき初めて存在を知ったのでした。タイは掘っても掘っても電気街が出てきますね…

名前はいったい何だろう…と思って歩いていたらご丁寧にCapital Plazaとの看板が出ていました。Google Mapでもこの名前でヒットしたので、このモールの名前で間違いなさそうです。

細長い通路にずらっとお店が並んでいる感じなのですが、突き当りに少し広くなっているエリアがあり、そこだけ2階がありました。ただ2階部分は主に1階の店舗の倉庫として使われているようでした。

スアパープラザ

途中で発見したキャピタルプラザに寄り道しましたが、元々行こうとしていたのはこちらのスアパープラザでした。キャピタルプラザからジャルンクルン通りを東に歩いていくとスアパー交差点という交差点にさしかかります。ここの一角に建っているのがスアパープラザです。ここは2014年のバンコク訪問時にローカルの友人に教えてもらったスポットです。

当時からそうでしたが、ここはスマートフォン関連のアクセサリの問屋さんがとにかくひたすら並んでいます。これだけずらっとスマートフォンケースが並んでいるのを見たのは他には深圳の華強北と、2014年にだけ訪問できた(その後廃墟と化した)クアラルンプールのJalan Pasarの問屋ビルくらいでしょうか…

2014年は2階か3階くらいまでしかチェックしなかったのですが、今回はせっかくならばともっと上の階まで行ってみましたが、8階建てのビル、上のフロアに行っても行ってもコピー&ペーストしたかのようにスマートフォンのケース問屋が並んでいました。最上階だけは倉庫専用という雰囲気でしたが、それ以外は本当に全部ぎっちり問屋さんで埋まっていました。相変わらずなかなかの規模です。

ドンムアンからハノイへ

さすがにぐるぐる調査したのでお腹が空いてきました。というわけで帰りの飛行機に乗る前にハンバーガーを食べ、シンハービールでアルコール消毒(?)をしました。

Maker Faire Rangsitの時にも見かけましたが、この時もまだ選挙看板が出ていました。看板に写っているおじさんは2014年のクーデターの際の司令官で当時は首相のプラユット氏です。この看板の他にも彼が指でハートマークを作っている看板もありました。選挙参謀に「首相、こういうポーズをすれば若者ウケはばっちりです!」とか入れ知恵されてこういうポーズをしているのだとするとなかなか選挙も大変ですね…などと余計なことを考えてしまったのでした。

ハンバーガーを食べた後はホテルで荷物を回収してドンムアン空港へ向かいました。今回は東京~ハノイの航空券を往復で買っていたので、バンコクから直接東京に戻るのではなく、ハノイにいったん戻る必要があります。こういう東南アジア内の近距離路線はエアアジアが多数運行しているので、今回はそれに活用してハノイに戻ることにしていました。ちなみに、ドンムアン空港には先代のラーマ9世国王の写真が相変わらず掲げられていました。

結構混んでいるオーバーステイの人の罰金支払いコーナーを横目で見ながら出国審査を通り、バスに乗って飛行機の前まで移動しタラップで乗り込みます。約2時間のフライトでハノイに到着です。

バンコク~ハノイはエアアジア、ハノイ~東京はJALと別々に予約していたため、ハノイに着いてから一瞬だけベトナムに入国しました。チェックインの手続きを済ませた後、せっかくハノイに戻ってきたしフォーを食べたいということで空港内のレストランに行ってフォーを食べました。空港価格でちょっとお高めなだけのことはあり味はよかったのですが、このお店のBGMがなぜか「津軽海峡冬景色」のインストゥルメンタルバージョンでした。ベトナムに夜行列車はあるにせよ、どうやっても雪の中にたどり着かないでしょうと突っ込まざるを得ませんでしたが、出発の時間も迫っていたので早々にフォーを食べきり、再度出国の上搭乗口へと向かったのでした。

以上、2023年GWの東南アジア旅行記、バンコク編でした。バンコクに着いたところで体調を崩してしまいましたが、ラオスを新規開拓できたり、東南アジアの寝台列車を体験したり久々の電気街を調査したりと、充実のGWでした。次回はGWの直後にまたまた出かけた香港・深圳旅行記の予定です。お楽しみに!

  1. ランシットからホテルに帰るときにWatsonsに寄り、新型コロナウイルスの抗原検査キットを買って試したのですが、陰性でした
公開日:2024/11/20