2025年2月のヨーロッパ旅行3月のシカゴ出張に続いて行ったメキシコ・チリの旅行記を書いていきたいと思います。まずはトランジットで滞在したメキシコシティ編からです。

南米にも行ってみよう

以前にも書いていますが、カナダ・バンクーバーに引っ越してきたこともあり、今まで何度も訪問してきたエリアが遠くなった代わりにヨーロッパや米州の各都市はぐんと近くなったのでした。そんなわけで日本から行こうとすると丸一日かかってしまうような南米の都市にも行ってみようと考え、比較的安価なフライトが出ていたチリに狙いを定めて行ってみることにしたのでした。

バンクーバーからチリの首都・サンティアゴまでは直行便がないので、飛行機を乗り継いで向かうことになります。今回、往路の経由地のメキシコシティまでは初めての利用となるメキシコのフラッグキャリア・アエロメヒコ航空による運航でした。

飛行機に乗り込むと座席には新しめの機内エンタメ端末が装備されていました。なんと日本語の表示も用意されていました。「今はリラックスタイムですよ」という、エコノミーの狭めの座席でもリラックスすることを強いてくる表示はなかなかの味わい深さです。

ちなみに非常用設備の案内ビデオの後のCMでは中国の吉利(GEELY)の広告が流れていました。日本ではあまり存在感の無いGEELYの車ですが、こうして新興国に着々と展開しているのだなあと感じました。

その後、5時間半ほどのフライトで特にトラブルもなくメキシコシティの空港に到着しました。メキシコシティの空港は市街地にかなり近い立地だったので、次のフライトまでの6時間弱の乗り継ぎ時間を活用して、駆け足でメキシコシティの市街地を観光することにしました。

電気街探訪

空港からのタクシーでまずはメキシコシティ最大の観光スポットであるソカロ…を横目に、そのすぐそばの電気街へと向かいました。空港からの道中の風景からメキシコシティが私の想像をはるかに超える大都会だということはなんとなく分かってきていましたが、電気街も私の想像をはるかに超える規模のものでした。

メキシコシティの電気街はソカロからほど近いセントロのEje Central Lázaro CárdenasとRepública de Uruguay、República del Salvador通りが交差するあたりにあります。後者の2つの通り沿いに小さいお店が多数入居する、秋葉原でいうところのラジオデパートのようなテナントビルがいくつも建っています。しかしRepública de Uruguay、República del Salvador通り、つまりウルグアイ共和国通りとエルサルバドル共和国通りがメキシコにある、というのはなんだかややこしい気もしますね。

通りは車がひっきりなしに行き交っていて、平日にも関わらずお店は家族連れなどもちらほら見かける感じで賑わっていました。

早速お店を覗いていきます。先ほど書いたように通り沿いに何軒もテナントビルが建っているような形態になっているので、道路に面したお店、ビル内の通路を進んだ先のお店と色々あります。ちょっとユニークなのは1枚目の写真のように、ソーラーパネルや屋外照明などの電設関連のお店があったことでしょうか。メキシコの暑い・陽気というベタなステレオタイプから来る期待を裏切らず、大音量の出そうなスピーカーや扇風機を扱うお店もありました。

もちろんPCやスマートフォン関連を取り扱うお店もありました。スマートフォンやゲーム機などコンシューマー機器系のお店があることが、家族連れなどで賑わっている要因だったのだと思います。

そして東南アジアでもよく見かけるリモコンを販売するお店もありました。エアコンのリモコンではなく、TVのリモコンの専門店のようです。

先ほどから書いているように、メキシコシティの電気街は通り沿いに複数のテナントビルが建っているスタイルです。その中でも特に規模が大きいと感じたのがこちらの”Plaza de la technologia”です。ここに限らないですが、大体1階と2階が店舗、さらに上のフロアがある場合そこは倉庫やオフィスというパターンが多かったです。

外からの写真にも見えている通路を入って進んでいくと、このビルは結構広いことが分かりました。交差点の角の部分には別のテナントビル(そこも電気街なのですが)が建っていますが、このビルはその角地のビルを囲むようにL字型に建てられていました。そのため、それぞれの通りに面している間口からイメージするよりも広い内部空間がありました。歩いても歩いてもまだ向こう側に小さいお店があり、他のテナントビルと併せるとこれは現在の電気街としての秋葉原の規模と互角かそれ以上の規模なのではないか…と、かなり圧倒されてしまったのでした。

他のビルの中にはArduino(互換機)本体やArduinoと組み合わせてちょっとしたロボット工作をするためのパーツや、電子部品を売る店舗もありました。Arduinoを売るお店は何軒か見かけた一方、Raspberry Piを売るお店を見かけなかったのがちょっと意外なところでした。

こちらの写真の基板群はおそらく液晶テレビ用の電源基板です。TVリモコンの専門店があったことからもわかりますが、テレビを修理して再利用することがよく行われているのだと推測できます。

ここまで書いたように、メキシコシティの電気街はその店舗数もさることながら、TV、オーディオ、PC、スマホや補修パーツ、そして電子部品と、コンシューマーからマニアックだったり業務用途のものまで取扱品目の幅の広さという意味でも大規模な電気街だといえます。正直なところ電子部品店が1軒しかないバンクーバー1で電気街に飢えていた私にとって、思いがけず遭遇した大規模な電気街はなかなかのインパクトでした。

ソカロを歩く

ひとしきり電気街を堪能した後は歩いて先ほどスルーしたメキシコシティ最大の観光地、街の中央広場のソカロへと向かいました。空港からのタクシーの窓からも写真の大きなメキシコ国旗が目に入り、おお、大都会だ!と思ったのですが、歩いて広場に近づいていくと、大きい国旗とおしゃれな街並みにメキシコシティは思った以上に都会だなぁ…と改めて思わされたのでした。

ソカロは大きな広場で、広場の東には1枚目の写真の政府宮殿が、北には2枚目のメトロポリタン大聖堂が面しています。政府宮殿も一部は博物館として公開されているようですが、今回は乗り継ぎで時間もないので、メトロポリタン大聖堂のみ見学することにしました。

メトロポリタン大聖堂はヨーロッパの大聖堂にも負けない、大きく荘厳な造りでした。たまたま訪問時は写真のパイプオルガンの演奏が行われていて、これがまたかなりの迫力でした。また、2枚目の写真の通り大聖堂の中がかなり混雑していて、メキシコの人口の多さを感じました。この時に調べて知ったのですが、メキシコは今や1.3億人と日本よりも人口が多いのでした。若年人口でいうとさらに日本と差があるでしょうし、なるほど電気街が賑わうのも納得…などと考えてしまいました。

ベジャス・アルテス宮殿を眺める

ソカロ周辺を見学した後、レストランでちょっとご飯を食べてから最後にメキシコシティのもう一つの名所ということでベジャス・アルテス宮殿へと向かいました。こちらはオペラハウスとして使われている建物で、内部も一般公開されています。しかし今回は残念ながら時間切れということで、外から眺めるだけとなったのでした。1900年代初頭の建築で、こちらもメトロポリタン大聖堂と同じくヨーロッパのオペラハウスにも負けない威容を誇っています。

日が落ちてくる中、後ろ髪を引かれつつも、空港へ戻るタクシーをUberで呼びました。ベジャス・アルテス宮殿の周辺でのんびりしている若者たちを眺めつつタクシーを待っていると目の前を古めかしいワーゲンバスが通りました。さらに通りの向こう側を見てみると、なんとメキシコにもメイソウことMINISOがありました。MINISOのグローバル展開の努力は(日本ブランドのフリをすることの是非はともかく…)すごいですね。

また、ベジャス・アルテス宮殿の近くには写真のような外壁のタイルが美しい建物もありました。こちらは「タイルの家」という有名な史跡で、18世紀にこのようにタイルで装飾された現在の外観になった歴史ある建物だそうです。

メキシコのグルメを味わう

順番が前後しますが、ソカロを観光した後にせっかくならばメキシコのご飯も堪能しておこうということで近くのレストランに入りました。夕飯時にさしかかりはじめるタイミングに飛び込みで入りましたが、このおしゃれな建物の3階まで全部レストランになっているようで、すんなり入ることができました。

せっかくならばメキシコっぽいものを…ということで、メキシコ風のソースで味付けされたチキンとクラフトビールをオーダーしました。ややフルーティーなチキンのソースの味付けもおいしかったですし、ホクホクのバナナをメインの料理として食べるというのも新鮮な体験でした。もちろんビールもおいしかったです!

ベジャス・アルテス宮殿から空港に戻った後、空港のラウンジにプライオリティ・パスを使って入ろうとしました。しかしあいにく満席ということだったので、同じくプライオリティ・パスの特典で割引のあるレストランでビールを飲みながら時間をつぶすことにしました。おつまみで頼んだ牛肉のタコスの味もなかなかでしたが、おしゃれにスライスされたアボカドを見てさすがはアボカドの産地、と唸ってしまったのでした。

しばらくタコスをつまみつつビールを飲んだ後、再び飛行機に乗りました。搭乗時にスペイン語しか話せないおばちゃんに座席を間違えられて説明に苦戦するといったトラブルもありましたが、無事に飛行機はチリ・サンティアゴへと飛んでいったのでした。

以上、2025年4月のメキシコ・チリ旅行記、メキシコシティ編です。次回はチリ・バルパライソ編です。お楽しみに!

  1. …と私は思っています!もっとあるぞと思った方は教えてください!
公開日:2025/10/22 最終更新日:2025/10/24