10月のMaker Faire Bay Areaに続いて2024年の年末、冬休みに行ったメキシコ&アメリカ旅行記を書いていきたいと思います。まずはメキシコ・ティフアナ編からです。

徒歩で国境を越えてみよう

ティフアナという地名でピンとくる方もいるかもしれませんが、今回のテーマは「徒歩で国境を越えてみよう」です。2024年だけでも1月のベトナム~カンボジア~タイ旅行、7月のラオス~タイ旅行、そしてカナダに引っ越してきてから車で米国に行ったりと、何度か陸路での国境越え自体はしていました。しかし、それぞれツアーバスで国境に乗りつけての越境だったり、国境越え自体は車での移動だったりと、なんだかんだ完全に徒歩で国境線を越える、という体験をしたことがなかったのでした。バンクーバーから近いカナダ~米国国境のピースアーチ国立公園は歩いて国境越えをすることができる(それも公園内なら入出国審査は無し!)のですが、それはちょっと味気ないだろうということで、バンクーバーからそこそこ近くて「いかにも」な国境、米国・サンディエゴ~メキシコ・ティフアナの国境を徒歩で越えてみようと思い立ちました。

当初はカナダに赴任している間だったらいつでも行けるのではないかと思っていたのですが、米国の大統領がトランプ氏に代わることが確定し、就任後は米国~メキシコ間の国境警備がかなり厳しくなるであろうという情勢になってしまいました。やましいことはないので別に警備が厳しくなっても国境を越えること自体はできると思うのですが、待たされる、別室送りになるなどの厄介な目に遭うリスクは間違いなく上がります。そんなわけで、トランプ氏の大統領就任前、2024年のクリスマス直前にこの徒歩国境越え旅行をすることにしたのでした。

また、初めに断り書きをしておきますが、今回紹介するティフアナは米国・メキシコ国境の街であり、麻薬の密輸やそれに関連する犯罪、強盗・殺人などが多発する地域でもあります。外務省の海外安全情報でも、ティフアナはレベル2の危険度となっています。正直なところ、昼夜問わず人通りの少ない通りを歩かない、金目のものを持っているように見せない、夜は短距離でも1タクシーを利用する、事前に危険なエリアの情報を収集しそのエリアには近寄らないといった基本的な対策をすれば問題ないとは思いますが、こちらの記事を参考にティフアナへ行かれる方は十分気を付けてください。

そんなわけでクリスマスムード漂うバンクーバー国際空港、USAターミナルから今回も出発です。ティフアナへの直行便はないので、まずはカリフォルニア州の南端、サンディエゴ行きの飛行機に乗ります。行きはサンディエゴ側からティフアナへ向かい、帰りも再びサンディエゴに戻ってきて飛行機に乗り帰ってくる、という計画です。

前回同様MPCを使ってすんなりアメリカの入国審査を通過し、エアカナダのラウンジに到着してさあビールでも飲もうか、とビールサーバーを見てみると、なんとお酒は午前11時以降の提供ですという札が立っていたのでした。お酒をいっぱい飲んでいそうな2北米にあってカナダは結構お酒に対して厳しく、州によってまちまちではあるようですが、多くの州ではお酒は公社による専売方式での卸売になっていて、基本的に酒屋さんでないとお酒を買うことができなかったりします。こういうところにもそういうお酒に対する態度が出るのだなあと思ったのでした。

意外とクリスマス直前のフライトというのは空いていて(会社の人に教えてもらったのでした)この時も7月の東アジア旅行に続いて一番乗りでの搭乗でした。サンディエゴはサンフランシスコよりもさらに南なので前回のMFBA行きのフライトよりも少し長く、約3時間のフライトでした。

サンディエゴに到着

サンディエゴの空港に着いて到着ロビーに出てみると、ご覧の通り飛行機が天井から吊り下げられていました。大西洋単独無着陸横断飛行を世界で初めて達成した際にリンドバーグが搭乗していたスピリット・オブ・セントルイス号は元々サンディエゴで製造された機体であり、ここから飛び立ってニューヨークへ移動してから大西洋横断飛行へと向かったという経緯があります。そんなわけで、スピリット・オブ・セントルイス号のレプリカが天井から吊り下げられているというわけです。

もちろん、クリスマスムードで浮かれ気分なのはカナダだけではなく、米国もなのでした。空港の外の通路もがっつりクリスマス仕様になっています。

空港からはティフアナへと向かうべくまずバスに乗りました。メキシコとの国境があるサン・イシドロには路面電車が通っているので、サンディエゴ市街地の路面電車の駅までまずはバスで向かったのでした。サンディエゴの公共交通はこちらのPRONTOというICカードで乗車できます。空港のカード販売機ですんなり購入することができました。

バスに乗っていると、外にカリフォルニア州旗が見えました。前回も書きましたが、カリフォルニア州旗にはクマが描かれています。

そしてこちらが国境のサン・イシドロまで行く路面電車、トロリーのブルーラインです。行先表示板に”INT’L BORDER”と出ている親切仕様です。

国境を越える

トロリーは結構ちまちま駅があり、走っては停まり、走っては停まり…という感じで南へと向かっていきます。車内でBluetoothスピーカーでがっつり音楽を流す人がいたり、不正乗車3で捕まっているらしき人がいたり、日本の車内とはまた違う雰囲気だなぁと思いながら40分ほどトロリーに乗ると、終点、サン・イシドロ駅に到着しました。ホームにヤシの木が植えられていて、少し南国な雰囲気がありました。

サン・イシドロ駅の駅名標にはご丁寧にティフアナの名前も併記されているのでした。ちなみに駅名標の奥に数字の描かれた看板が写っていますが、これは米ドルとメキシコペソを両替する両替商です。国境沿いということでここを含めいくつか両替商がありました。ただ、今回のメキシコ滞在は一瞬ですし、ティフアナでは米ドルが通用すると聞いていたので今回は両替はしませんでした。ちなみに、ティフアナでは米ドルが通用するだけでなく米ドルが出てくるATMまであるのでした。

サン・イシドロまでトロリーに乗る人の大半はそのままメキシコとの国境へ向かっていくので、自分もそのままその流れに乗って歩いて行ったのでした。道中”To Mexico”という看板もあり、なかなか親切仕様になっていました。

そしてここが有名な国境の施設です。有刺鉄線がびっしり張り巡らされているこちらには、米国側からメキシコへ一方通行で人を通すために金属の棒でできた回転扉が設置されています。以前はここを通るともう特に審査もなくメキシコに入国できたようなのですが、今はこの回転扉の先に入国審査場が設置されています。そんなに広くなく、並ぶためのレーンと申し訳程度の審査ブースが何個かある薄暗い空間なのですが、写真の回転扉が回るカシャコン、カシャコンという音がやたらと響いていてちょっと不思議な雰囲気でした。入国審査自体は滞在日数などを答えるだけですんなりと終わりました。

建物を通り抜けるともう夕方で空が黄色くなっていました。徒歩用の審査場のすぐ横は自動車用の国境になっていて、車が行列をなしていたのでした。

国境の施設を出たところで待ち構えているタクシーの客引きをかわしつつ、どこかでUberを呼んでホテルに向かおうかとも思ったのですが、荷物はバックパックだけでしたし、日没までまだ時間があるようだったので歩いてホテルまで向かうことにしました。途中、国境へ向かう道路の上を通る橋から撮ったのが上の写真です。車の数もさることながら、道路沿いのお土産物店、車道に飛び出して物を売る人々、屋台などなど、なかなか混沌とした強烈な風景でした。この風景を見ることができただけでも、歩いてホテルまで移動した甲斐があったと思っています。

夜のレボルシオン通りを歩く

ホテルにチェックインした後はティフアナの目抜き通りにして最大の観光地、レボルシオン通りへとやってきました。ご覧の通り、クリスマス直前ということで通りには巨大なクリスマスツリーが設置されていました。てっぺんのリボンの部分にはコカ・コーラのロゴが入っています。ちなみにクリスマスツリーの後ろに見えるステージではゴスペルのコンサートが行われていました。キリスト教圏でのクリスマス、やはり本格的だなあと感心してしまいました。

レボルシオン通りはそこそこ幅も長さもある通りなので、別のエリアでコンサート以外の催しも同時に行われていました。あまりよく見えないかもしれませんが、この写真の中央部ではメキシコのプロレス、ルチャリブレをやっていました。ルチャリブレに限らずプロレスを生で見るのは初めてだったのですが、相手の攻撃をジャンプしてうまくかわすところだったり、リングに叩きつけられた時のバチーンという音だったり、何も知らない私のような素人が見ても結構面白いなと思ったのでした。ちなみにルチャリブレのリングは翌日には片付けられていたので、1日限りかこの日が最終日だったようです。なかなかいいタイミングでの訪問でしたね。

その他にもこの通りにはスケートリンクも設置されていました。ティフアナは北緯32度で九州とほぼ同じ緯度でそこそこ南国なのですが、それでもアイススケートはアイススケートでやりたいものなんですね。結構な待ち行列ができていました。

通りの南側にはティフアナの名前を掲げたゲートがありました。ちなみに通りの北側(米国に近い側)にはもっと大きなティフアナアーチと呼ばれるモニュメントがあります。

滞在中のごはんのほとんどはこのレボルシオン通り沿いのレストランで食べました。やはりメキシコに来たらタコスを食べねばなるまいということで、牛肉入りのタコス・デ・カルネ・アサーダを食べました。何も言わなくともサルサとワカモレ(アボカドソース)が付いてくるのがいいですね。そもそもそんなにタコスを食べたことが無かったこともあり知らなかったのですが、メキシコはどちらかというと牛肉中心の文化圏なんですね。このタコスも含め、滞在中は結構がっつり牛肉を食べた印象です。

そして当然ビールも飲みました。メキシコに限らずカナダでも感じているところではあるのですが、カナダに引っ越したことでこれまで飲んだことのない銘柄のビールに遭遇する機会が非常に増えたなあと思っています。コロナビールの発祥地メキシコなだけあり、もちろんこれらのビールもなかなかおいしかったのでした。

ちなみに通り沿いにはこんな彫刻がドカンと置いてあったりします。メキシコの地にかつてあったオルメカ文明の遺跡から出土した巨石人頭像を模した彫刻のようです。

レボルシオン通りを北側に歩いて行くと、”USA”と書かれた看板が見えてきます。米国側もメキシコ側も国境への案内が手厚いです。

レボルシオン通りの北側、ティフアナアーチのそばには小さな広場があり、ここはちょっとした屋台村のようになっていました。

元祖シーザーサラダを食べる

さて、ティフアナ発祥だと意外と知られていない4料理としてシーザーサラダがあります。上の写真に写るレボルシオン通り沿いのホテル、ホテル・シーザーズに併設されているシーザーズ・レストランで、禁酒法時代の米国から越境して酒を飲みに来た客にありあわせの材料でサラダを提供したのがシーザーサラダの始まりなのでした。

シーザーサラダは1924年の米国独立記念日に初めて作られたので100年が経っていますが、いまでもホテルどもどもシーザーズ・レストランは営業を続けています。そんなわけで私も少し並んで元祖のシーザーサラダを食べてみることにしました。ちなみにレストランの前でにこやかに笑うこちらの像のお方がシーザーサラダの父・シーザー・カルディーニ氏です。サンタ帽子をかぶってこちらもクリスマス気分です。

店内はクラシックな感じのおしゃれなレストランでした。せっかくだからと料理のほかにダイキリも頼んで飲みつつしばらく待っていると、ウエイターさんがシーザーサラダ専用のワゴンを押して私のテーブルの前にやってきました。ここではシーザーサラダを頼むと目の前でドレッシングを作り、ロメインレタスと和えてサーブしてくれるのです。日本のマグロ解体ショーのような楽しさがありますね…!

そして肝心のシーザーサラダがこちらです。ドレッシングを作っている時にだばだばとオリーブオイルを入れていたので覚悟はしていましたが、なかなかのこってりさと塩分があるサラダでした。でもおいしかったですね。メキシコの物価を考えると高い(千数百円くらいだったような)のですが、目の前で調理してくれるパフォーマンス込みと考えれば、十分オーダーする価値はあると思います。

メインはカルボナーラをいただきました。チーズがシーザーサラダとかぶっちゃいましたが、こちらもなかなかの美味でした。

レボルシオン通り周辺を観光する

到着翌日は丸一日滞在するということで、まずは到着日は日が落ちてからしか散策できなかったレボルシオン通りを見て回ることにしました。朝ごはんは通り沿いのレストランでカルネ・アサーダのブリトーを食べました。アボカドと牛肉の組み合わせが結構合うというのはこの旅行での発見でしたね。飲み物はレモネードをチョイスしました。ティフアナでは結構どこでもレモネードを置いている印象でした。

こちらの写真の中央に見えるのがレボルシオン通りの北側にあるティフアナアーチです。結構大きいので遠目からでも目立ちます。

先ほども紹介したティフアナアーチのそばの小さな広場からは斜めに路地が伸びていて、そこも土産物屋やレストランが並ぶ観光客向けの路地になっています。通りの上に架かっている色とりどりの装飾はパペルピカドと呼ばれるメキシコの伝統的な装飾切り絵だそうです。ここ以外にも何か所かで飾られているのを見かけました。

こちらはレボルシオン通りから少し西に外れたところにあるグアダルーペの聖母教会です。レボルシオン通りから歩いて数分の距離にありますが、観光地化されているレボルシオン通りを少し離れると一気にローカル感が増し、ホームレスの方もちらほら見かけたりと、かなり雰囲気が変わります。クリスマス前ということもあり、中では儀式を行っているようだったのでちょっとだけ覗いて外に出てきたのでした。

おそらくクリスマスだからなのでしょうが、教会の前の広場では日本でいうところの縁日のような催しが開催されていて、屋台や子供向けの乗り物のアトラクションなどが設置されていました。ちょっとしたジェットコースターもあり、なかなか本格的なお祭りのようでした。実はこの旅行の前にバンクーバーのクリスマスマーケットにも行ってそこでも感じたのですが、こういう催しを見るに、キリスト教圏の人々は日本の人々がお正月に求めるお祭り感をクリスマスに求めているんでしょうね。

教会を観光した後は再びレボルシオン通りへと戻ってきました。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、写真の建物の手前側には”PHARMACY”つまり薬局の看板が掲げられています。ここに限らず、レボルシオン通りのいたるところに薬局があります。これは医療費が高い米国から越境して医薬品を買いに来る人向けのビジネスだそうで、国境の街ならではの光景ですね。ちなみに同様の理由から歯医者も多いのでした。

レボルシオン通りの南側には大きな劇場もありました。特にこの日は公演が無いようで中には入れませんでしたが、なんとも立派な造りでした。

ちなみに劇場のそばにはルチャリブレミュージアムもありました。この日は休館日だったので中を見学することはできませんでしたが、壁の覆面レスラーの絵がなかなかの迫力です。

夜にも撮ったティフアナの名前を掲げるゲートを昼にも撮ってみました。周囲のヤシの木といい、やはり南国感があります。

前日の夜にはルチャリブレのリングがあったエリアもすっかり片付けられていました。しかしこの”2025″はちょっと気が早いような気もします。きっと数週間置きっぱなしなんでしょうね。

レボルシオン通りに面した小さな路地を入っていくと、回廊のような商店街がありました。中庭の噴水と奥の革製品の工房の組み合わせがなかなかクラシックな雰囲気です。

レボルシオン通りの周辺にはメキシコ地元資本のコンビニエンスストアチェーン、OXXO(オクソ)がいくつもあり、飲み物などを買うのには不自由しませんでした。しかし水を買ったらワンピースコラボパッケージだったのはよいのですが、”NAMI”と書いてあるもののイラストは何かちょっと違うのではと思ってしまうテイストだったのでした。よく見ると左下に”Netflix”のコピーライト表示があり、実写版をベースにしたイラストだということで納得5しましたが、最初はちょっとびっくりしました。

電子部品店に行く

さすがにレボルシオン通り沿いにはないのですが、Googleマップで検索してみたところ、レボルシオン通りから車で30分ほど行ったところに電子部品店があるということが分かったので、メキシコの電子部品店はどんな感じなのかと見に行ってみることにしました。カー用品店などがいくつか連なっている長屋のような建物の中にあるこちらの”Electron Electronica”が今回訪問した電子部品店になります。入口にはArduinoのロゴも掲げられています。

店内は工具やオーディオ関連製品などが並び、カウンターの向こうには細かい半導体部品が入った引き出しもありました。

レジのカウンターにはRaspberry Pi PicoやArduinoなども並んでいました。品揃えの雰囲気からすると、ちょっとしたマイコンを使ったプロジェクトであれば、このお店で買えるものだけで部品をすべて揃えることができそうです。この時はバンクーバーに戻ってから使う予定のあった線材を買って帰ったのでした。

国境の壁を見に行く

電子部品店からはまっすぐレボルシオン通りへとは戻らず、国境沿いのビーチへ向かいました。このあたりの米国とメキシコの国境には写真のように勝手に行き来できないようにするための壁が建てられています。その中でもビーチの壁はかなり近くまで近寄ることができるということで、行ってみることにしたのでした。上の写真はタクシーの窓から撮った、道路沿いの壁です。

ビーチの手前はちょっとした丘になっていて、国境の壁がよく見えるようになっています。泳いで国境を越える人がいないように、写真の通り海中にもある程度壁が建設されています。

ビーチも観光地のひとつということで、ティフアナと書かれた看板があったり、公衆トイレと展望テラスが整備されていたりしました。

手前にいる人と比べてもらうと、壁は結構高さがあることがお分かりいただけるかと思います。そしてご覧の通り、壁にはいろいろな落書きがされています。

壁の近くまで降りていき、隙間から米国側の写真を撮ってみました。メキシコ側は私以外にもちらほら観光客らしき人がいましたが、米国側は閑散としていました。

海岸沿いでお昼ごはん

さて、ビーチを少しうろうろしたあたりでお昼時になったので、ビーチの上の丘にいくつか並んでいるレストランの一つでお昼ごはんにすることにしました。海が見える素敵なカウンターに案内されたのはいいのですが、どう見ても目の前にある座礁船らしき船が気になってしまうのでした。

お昼なのにカクテルなんかも頼んでしまっておしゃれな雰囲気ですが、どうしても映り込む座礁船が気になるのでした。

お昼はタコスとシュリンプカクテルにしました。シュリンプカクテルもこのあたりの名物だそうです。痛風になるんじゃないかという数のエビが入っていてなかなかおいしかったです。

ごはんとは全然関係ないのですが、ビーチからレボルシオン通り周辺に戻る時にウォルマート系の会員制倉庫店、要するにコストコ風のお店である”Sam’s Club”を見かけました。存在は聞いたことがあったのですが、実物を見たのはこの時が初めてでした。

蝋人形館を覗いてみる

クリスマス前だったり、この日が月曜日だったりということでルチャリブレミュージアムを含め博物館の類は結構お休みのところが多かったのですが、こちらの蝋人形館はオープンしていたので、覗いてみることにしました。

入場券を買って中に入っていくと、最初はアステカ文明などメキシコの古代文明にまつわる蝋人形の展示があり、その後にスペインによる征服時代の人々の蝋人形の展示がありました。

さらに進んでいくと現代の政治指導者のコーナーにたどり着いたのですが、なぜかイランのホメイニ師はピンでの展示でした。

沢山の政治指導者が並んでいるコーナーには米国の歴代大統領の他にカストロ、ゴルバチョフなど東側諸国の指導者の蝋人形も置いてありました。カストロとゴルバチョフの間の方はルイス・ドナルド・コロシオというメキシコの政治家です。この方は1994年の大統領選の候補者となったもののここティフアナで遊説中に暗殺されてしまった方だそうです。正直なところ米国歴代大統領の蝋人形の出来栄えがなんともいえない雰囲気だと思うのは私だけでしょうか…

ちなみにアーティストや俳優などの蝋人形を飾ったコーナーもありました。特徴がはっきりしている何名かはまあすぐわかるのですが、椅子に座っているトム・クルーズは札を見るまで誰だか分かりませんでした…

私の他にほとんどお客さんはいませんでしたが、ドラキュラ伝説などをモチーフにしたホラーエリアなどもあり、そこそこ広い蝋人形館だったのでした。

米国へ戻る

さて、滞在3日目の朝は早々にホテルをチェックアウトし、サンディエゴを目指して移動を始めました。米国からメキシコに入るのとは異なり、メキシコ側から米国側へ入る場合は厳格な入国審査があり、ひどい時には何時間も並ぶという情報を得ていたので、空いていそうな朝方を狙って米国へ向かうことにしたのでした。

ホテルからタクシーで歩行者向けの国境施設の入り口まで連れて行ってもらい、その先に進んでいくと、こちらのフェンスで区切られたレーンが現れました。おそらく混むときはここにずらっと行列ができるのだと思います。ここからさらにもう少し進んでいくと背の高いフェンスで囲まれたエリアがあり、その入り口には米国の国境警備隊の係員が立っていたのでした。まあ彼らも怪しい人を通さないのがお仕事なので仕方ないのですが、これまで遭遇した国境関連の係員のなかで最も高圧的な対応をされたのが印象的でした。

米国の市民カードを見せ、US Citizenだと言う人々をするすると流していく横で、結構な威圧感でパスポートを出せ!と言い、さらにパスポートを繰って、お前!ビザはどこだ!ないじゃないか!と言ってきます。おいおい、日本パスポートなんだしビザ免除だよ、と思いつつ、ESTAの申請はしてあるんだけど、と言うと、は?ESTA?なにそれ?という態度をしてきます。いやいやESTAをあんたらが知らんわけなかろうと苦笑いしていると、3人いた隊員のうち一人が、ESTAの承認履歴を表示出来たら通してやろうというので、レーンの横にそれてスマホを操作しESTAの承認履歴を出し、隊員に見せました。見せるなりいきなり無言で通れ、というジェスチャーをされ、中の入国審査場へと進むことができました。ちょっとドキッとする一幕ですが、まあ徒歩で日本人がガイドもなしにメキシコから米国に越えようとしていたらちょっと怪しいですし、仕方ないですよね…

ちなみに入国審査場では滞在期間や行先、カナダへの戻るタイミングなども聞かれたのですが、最後に「スズキって名前だけど、車のメーカーのプレジデントだったりするの?」という鈴木あるあるのジョークでいじられたのでした。ちょっと疲れた米国入国でした。

ESTAの承認履歴を表示するのにかかった時間が一番長く、入国審査もほとんど並ばなかったので、メキシコ側の国境施設の入り口のレーンから米国側のトロリー乗り場に戻ってくるまで10分程度しかかかりませんでした。朝ごはんをまだ食べていなかったのでトロリー乗り場の隣の建物の中で何か食べようかと思ったのですが、ここでマクドナルドを食べることはなかろうということで、そのままトロリーに乗ってサンディエゴ市街地へと向かっていくことにしたのでした。

以上、2024年12月のメキシコ・アメリカ旅行記、ティフアナ編でした。メキシコに限らず中米やスペイン語圏は初訪問だったこともあり、いろいろと文化が違うところが面白かったティフアナ滞在でした。次回はティフアナに引き続きクリスマスムードの中滞在したサンディエゴ編です。お楽しみに!

  1. 後述のレボルシオン通りの賑わっているエリア内はまあ歩いて大丈夫だと思いますが
  2. 完全にステレオタイプですね
  3. 乗車駅でPRONTOカードをリーダーにタッチすることで支払いを行うため、これをせずに乗車していると不正乗車と見なされます
  4. カナダで同僚に聞いてみても誰も知りませんでした…
  5. 実写版のキャストの方にはよく似ていますね
公開日:2025/02/17