ラオス・タイ旅行に続いて、7月の末に行った東アジア旅行記です。この旅行では結構あちこちを訪問したこともあり、ある程度時系列はキープしつつもトピック別に分けて書いてきたいと思います。というわけで、まずはソウルの観光編からです。
青島国際ビールフェスに行こう
今回の旅行の最大の目的は見出しの通り中国山東省・青島市で開催される「青島国際ビールフェスティバル」へ行くことでした。青島市は青島ビールの本拠地であることもあり、毎年7月から8月にかけてビールをテーマにしたフェスティバルを開催しています。2023年のフェスティバルに参加した深圳在住の友人の高須さん(@tks)が「なかなかのバカ騒ぎなのでぜひ行こう」と誘ってくれたので、カナダへの赴任前に行くことにしたのでした。しかし!赴任前の健康診断で引っかかってしまい、追加の検査のための一時禁酒を申し渡されてしまいました。そんなわけで、行くのはいいがお酒は飲めないという、かなりマヌケ(完全な自業自得ですが)な状態での旅行となりました。
そしてこの当時、中国への日本人の渡航にはビザが必要でした。正攻法としてはあらかじめ中国ビザセンターへ行って観光ビザを取得するという方法がありますが、短期間の訪問ですし、韓国経由で訪問することでトランジット扱いとしてビザを免除してもらうという方法を使うことにしました。これが後々トラブルを招くのですが、それはまた後ほど詳しく書いていきたいと思います。
まずは羽田空港から
さて、運よくJALのマイルで羽田発ソウル・金浦国際空港行きの便が取れたので今回も羽田空港からの出発です。
今回はJAL便ということでワンワールド加盟のキャセイパシフィック航空のラウンジを使うことができました。羽田のキャセイパシフィックラウンジは営業時間が短めですが、なかなかおしゃれな雰囲気でいいですよね。
羽田のキャセイパシフィックラウンジは香港のラウンジと同じくヌードルバーがあるのがうれしいポイントです。そして地味にスイーツも充実していたりします。
JALラウンジはJALラウンジで行ったのですが、この時はカレーではなく麻婆豆腐が置いてあったので麻婆豆腐牛丼という暴挙に出てしまったのでした。麻婆豆腐は結構ピリ辛でおいしかったです。
今回は羽田空港では珍しくタラップでの搭乗だったのでターミナルビルからバスで飛行機の前まで移動しました。この場所からの写真はちょっと珍しいかもしれないですね。
2時間半ほどのフライトですが国際線は国際線、ということでハムカツサンドが出たのでした。これがまたなかなかのおいしさだったのでした。
今回は窓側席だったので機内から夜景を撮ってみました。道の構造と光り方が日本とはどことなく違うのが面白いですね。
そして金浦国際空港に到着です。これまでの韓国旅行では仁川国際空港とプサン港しか使ったことが無かったので、今回が初の訪問です。仁川国際空港開港以前からの空港ということもあって、やや古さを感じるのでした。
東横インに泊まる
2023年のプサン訪問時にも泊まっていますが、今回のソウル滞在時も東横インを利用しました。よく目を凝らしてハングルを探さないとここが韓国だと気が付かなさそうなくらい、日本の店舗と似た雰囲気なのは本当にすごいですよね。
ちなみにホテルに向かう道中、「ミスターギョーザ」なるお店を発見しました。キャッチコピーがなかなかの餃子ラブ感を出していました。
オドゥサン統一展望台へ行く
前回のソウル訪問時はイムジンガクのDMZを訪問しましたが、DMZの手前の展望台が休館していたこともあり、DMZ内に入ることはできたものの北朝鮮側の様子を観察することはできませんでした。そんなわけで、今回は特に手続き無く訪問ができるもう一つの休戦ライン沿いの展望台、オドゥサン統一展望台へと行くことにしました。行きは長距離路線バスで近くまで行きました。
国立民俗博物館前でバスを降り、そこからしばらくはGoogleマップを頼りにそこそこ広い道路を歩いて行きました。道路は広いものの、国立民俗博物館からしばらく歩くと、周りはこのホテルくらいしかない閑散としたエリアでした。
しばらく歩くと道沿いにこちらの門が見えてきます。なんだか入っていいのかちょっと構えてしまう雰囲気もありますが、実はこの写真に写っていない左側の部分に車道があり、歩道はこの門の先の道である旨の看板があったので、この時点ではそこまでビビらずに中に入っていくことができたのでした。
門を通った先は両側を木に囲まれた一本道でした。展望台へのお客さんの大半はツアーバスで訪問するからなのか、特にこの時観光客とはすれ違いませんでした。しばらく歩くと少し開けたところが見えてきたのですが、詰所のようなものとゲートがあるのが見え、そこから明らかに軍用の車両が出てくるのが見えました。
ここで道が合っていたのかちょっと不安になり、「展望台」という単語をGoogle翻訳で韓国語に翻訳して表示させた状態のスマートフォンを持ちながら詰所の方へ向かっていきました。詰所を見てみると、軍用車両が出てくるくらいなので当然銃を持った兵隊さんが詰めていました。スマートフォンを見せて道が合っているのか尋ねてみると、「こっちの方に行けばいいですよ~」となんと日本語で返してくれたのでした。かなりびっくりしつつもお礼を言って案内された方向へ向かいました。この滞在中はコンビニでも日本語で話しかけられたりと、韓国の方の日本語の上手さに感心させられることが多かったのでした。
結構な坂を上りきるとようやく展望台に到着です。デザインの関係か、小さな平屋のように見えるかもしれませんが地上5階建てで中には展示コーナーもある展望台です。
ちなみに展望台の前の広場には北側の祖先を祀る碑がありました。
早速入場券を購入してまずは展示コーナーへと向かいます。こちらは北朝鮮に対していかに韓国が経済的優位を誇っているかを説明するパネルです。
さらに展示を見ていくと、歴代大統領による南北統一の決意を示した揮毫のパネル展示がありました。2枚目の「統一最先」は韓国初代大統領の李承晩の揮毫です。
さて、揮毫のパネル群の横に何かのお知らせらしきパネルがあり、何だろうと思ったのでGoogle翻訳で内容を翻訳して読んでみました。どうやら先ほど紹介した歴代大統領の揮毫の展示に第19代大統領の文在寅大統領の揮毫がないのは当局から何回か揮毫の依頼をしたものの、大統領がそれを受けなかったためである、という内容のようでした。政治的スタンスから揮毫に応じなかったのでしょうか…
他にも朝鮮半島の統一がされた暁にはソウルから韓国の高速鉄道KTXが平壌を経由してパリまで走るぞ、という意気込みを示した展示もありました。理念を形にしたものでしょうからまじめに実現可能性を検討するのは野暮というものだとは思うのですが、統一後にパリまで鉄道を通そうとすると今度はロシアを通れるのか1という問題がありそうだなと思う今日この頃ですね…本当にソウルからパリまで、快適に列車で旅ができる時代が来るといいのですけど。
展示コーナーを抜けて建物の上部へ行くと、展望台ですから望遠鏡が設置されています。カフェのある屋内のガラス張りのエリアにはいかにもイマドキなズーム式のカメラを使った望遠鏡が設置されていて、画面で北朝鮮側を観察することができました。また、屋外には日本でもよく見かけるタイプの光学式の望遠鏡が設置されていました。入場料を取っているからか、望遠鏡は無料で使えます。
このオドゥサン統一展望台は漢江(ハンガン)と臨津江(イムジンガン)の分岐点に建っています。ここは川が蛇行して対岸の北朝鮮が韓国側に少し食い込むような地形かつ、川幅が広がっているエリアであるため、民間人の入境が統制されるようなエリアには該当しないのに北朝鮮にかなり近いという状態になっています。上の写真は望遠鏡で見た北朝鮮側の風景です。同じような見た目の建物がいくつか建っています。しばらく眺めていましたが、田畑で作業をするために人が動いているのもちょっとだけ見えました。ここは韓国側から見えることを意識して作られた「宣伝村」らしいのですが、展望台から南の韓国側を見てみるとすぐ下に片側4車線のきれいに舗装された道路があり、そこを車がバンバン走っているわけで、果たしてこれで宣伝になるのであろうかと考えさせられます。
ひとしきり北朝鮮側の風景を見た後は、また行きと同じ長距離バスに乗って帰ろうかとも思ったのですが、かなり待つことが分かったので近距離を走るミニバスに乗り、金村駅から電車に乗ってソウル市街地へと戻ったのでした。
東大門デザインプラザを眺める
前回のラオス・タイ旅行では、Maker Faire Vientianeの開催予定地2のヴィエンチャンセンターを見に行きましたが、今回はMaker Faire Seoul 20243の会場である東大門デザインプラザ(DDP)を見に行きました。ちなみにビジュアルから分かるかと思いますが、こちらの建物はザハ・ハディド氏の設計です。
とってもどうでもいいのですが、DDPと聞くと国際貿易における責任分担を表すインコタームズのDDP4を思い出すのは私だけでしょうか…
ここは地下鉄の東大門歴史文化公園駅を出ると目の前にあるので、かなりアクセスが良いのでした。駅を出るといきなりザハ建築が見えるインパクトはなかなかのものです。
通りの向こう側からも写真を撮ってみました。有機的な形状もさることながら、かなり大きな建物であることがお分かりいただけるかと思います。ちなみに中にあるミュージアムではハローキティの50周年記念展をやっていました。
ミュージアムのほかにも、フードコートやコンビニなど、普通の商業施設のようなエリアもあります。内部もちょっとだけ有機的な形状が見え隠れしているのがまた面白い建物でした。
広蔵市場でユッケを食べる
さて、ここからはソウル滞在中に食べたものを紹介していきたいと思います。まずは毎回訪問している広蔵市場でのごはんからです。ここの近くには世運商街という電気街があります。そこに行くついでに立ち寄り、市場のごちゃごちゃとした雰囲気を味わいつつごはんを食べたのでした。
見出しでネタバレ済ですが、広蔵市場の一角は「ユッケ通り」と呼ばれるくらいにユッケが名物になっています。カナダに行ったらそう食べられないだろうということで、ここでユッケを食べておくことにしたのでした。
同じくそうそう食べられないだろうということで、レバ刺しとセンマイ刺しも頼んでしまったのでした。
広蔵市場に行ったのはオドゥサン統一展望台に行った後だったのでかなりお腹が空いていて、さらにチヂミまで頼んでしまったのでした。さすがにかなりお腹いっぱいにはなりましたが、当面の食べ納めとしては充実したものになりました。
焼肉を食べる
さて、韓国といえばやはり焼肉も外すことはできません。というわけで、滞在中にはホテルのそばの繁華街にある焼肉屋にも行ったのでした。韓国の繁華街は日本の繁華街とはまた違った光り方をしている気がします。
韓国は中国と同じく大勢でテーブルを囲む文化が根強い国の1つですが、検索するとおひとり様OKの店舗もいくつかあり、今回もそういう店舗を選んで訪問したのでした。
なかなかおいしい焼肉を堪能できたのはいいのですが、お酒を飲んでいないのにチャミスルのショットグラスをお土産にもらってしまいました。観光客ならくれるとか、そういうものなんですかね…?
他のお店にも行ってみようということで、別の日には以前訪問しようとしたものの混んでいて断念した焼肉店「黄金牧場」がある明洞にも行きました。
といわけで黄金牧場の同じ店舗にリベンジです。今回はタイミングが良かったのかそこまで待たずに入ることができました。ここはザ・韓国式のおかずの群れ(パンチャン)が出てきました。また、注文がタブレット式で、1人前で頼めるメニューかどうかすぐわかるのがちょっとありがたいポイントでした。
この日はお肉は豚肩ロースであるモクサルを食べてみることにしました。油が少なめでさっぱりした味わいですが、厚切りの豚肉はなかなかの旨味でした。そしてせっかくだからと石焼ビビンバまで食べてしまったのでした。
ロッテ百貨店へ行く
ホテルの近くにはロッテ百貨店があったので、お昼ごろにホテルに戻ってきた際にお昼ご飯を探しがてら行ってみることにしました。ロッテ百貨店はソウルの各所にありますが、きちんと行ってみたのはこの時が初めてだったと思います。
中には行ってみるとなかなかきれいな雰囲気です。駅のそばですが、日本のパルコやルミネのようなファッションビルのような雰囲気というよりは、名前の通りきちんと「百貨店」という感じのやや高級路線の雰囲気でした。
地下に降りてみるとフードコートがあり、回転寿司まであったのでした。
回転寿司もちょっと気になったのですが、せっかく韓国にいるのだからということでここでもビビンバのような丼ものを食べたのでした。なかなかおいしかったのですが、さすが韓国、辛さノーマルでお願いしてもなかなかの辛さなのでした…
コンビニを覗く
ここまではレストランで食べたご飯をいくつか紹介しましたが、食べ物紹介の最後にコンビニで買ったものについてもちょっと触れたいと思います。日本と同じく結構たくさんコンビニがあり、品ぞろえも充実しているので韓国のコンビニを眺めるのは結構楽しいんですよね。まず紹介するのは毎度おなじみのポカリスエットです。カンボジア、インドネシア、香港などでも飲んでいますが、韓国のポカリスエットはきちんとパッケージにハングル表記も記載されていますね。
お次はおーいお茶です。こちらもパッケージの雰囲気はほぼ日本のそれですが、ハングル表記を入れてきちんとローカライズしています。旅行先でザ・日本茶を見つけるとついついちょっとした安心感を求めて買ってしまうのですよね。これはあちこち旅行を行く方の中には同感という方もいるんじゃないでしょうか。(逆に現地の飲み物で全然大丈夫!という人も多いでしょうけど…)
そして最後は韓国ブランドのメロンアイスです。きっとそんなにメロン果汁は入っていないんじゃないかと思うのですが、なかなかどうしてこれが結構おいしいのでした。滞在中に複数回買って食べた記憶があります。
空港でトラブル
さて、ソウル旅行記はもう一つ、電気街調査編を書く予定ではあるのですが、次の目的地である青島に向かうところの話を先に書いてしまいたいと思います。青島行きのフライトはお昼の12時発だったので、余裕をもってホテルを出発しバスで仁川国際空港へと向かうことにしました。
空港行きのバスは韓国の交通系ICカードであるT-moneyカードで乗ることができます。また、ホテルの比較的近くから出ている便があったために乗り換えなしで空港にたどり着くことができなかなか便利でした。
しかし空港に着いて青島行きの便のチェックインをしようとしたときにトラブル発生です。今回の旅程は東京→ソウル→青島→ソウル→東京、というルートを想定していたのですが、そのようなルートではトランジットビザは発給されず、韓国発中国行きのフライトで中国に入るのならば、中国からは韓国とは別の異なる国(または地域)に移動する航空券を持っていなければならないと指摘されてしまったのです。
居住国と違う国を経由すれば往復同じ国を経由してもOKだと勘違いしていた私の完全なミスなのですが、青島に行けないとなると今回の旅の目的である国際ビールフェスティバルへの参加ができません。仕方がないので急遽韓国以外の目的地かつ安いフライトを、ということで香港経由日本行きのフライトを取ったのでした。
日本へ直接戻る便5も検討したのですが、直前ということでかなり高かったのでした。さらに追い打ちをかけるようにトランジットビザ免除制度では中国国内の滞在は指定地域(青島の場合は山東省全域)に144時間までしか滞在できず、航空券が安くなるタイミングまで滞在を伸ばすという手も使えません。挙句山東省でこの制度が適用になるのは青島膠東国際空港と青島港だけなので、他の都市の空港に移動して安い便を探す作戦もまた使えません。そして青島周辺でビザなしで日本人が簡単に行ける日本・韓国・中国本土以外の場所となると意外とない6ので、香港経由で日本に戻るチケットという選択肢になったのでした。
冷静に考えれば居住国と違う国っていう判定方法はありえないよなぁ…なんで気が付かなかったかなあ…とがっかりしながら、セキュリティチェックを通ってトボトボと搭乗ゲートへ向かったのでした。
以上、2024年7月の東アジアの旅、ソウル・観光編でした。この時はユッケやレバ刺し、焼肉など韓国グルメを堪能したり北朝鮮の宣伝村を見たりと、結構あれこれできはしたのですが、最後の最後に自業自得のトラブルに遭遇してしまい結構バタバタしたのでした。次回はソウル・電気街編の予定です。お楽しみに!