2024年のゴールデンウィークのアジア周遊旅行記、Part4はイポーに続いて滞在したペナン島と、そこからクアラルンプールに戻っていく話を書きたいと思います。

ペナン島へのフェリーに乗る

Part3の最後に到着したバターワース駅を出た後は、ペナン島へと向かうべく駅ビルに隣接しているフェリーターミナルへ移動しました。ここのフェリーは2023年8月にペナン島からバターワースへと向かうために乗ったことがあるので、これで都合1往復乗ったことになります。

フェリーには屋内の座席もあるのですが、せっかくなら風景も味わいたいということで屋外エリアにいました。Grabのデリバリー用のバッグを積んだバイクが停まっていましたが、ペナン島からバターワースのお店に出前を頼んだ人がいたのでしょうか…?

海峡を渡るだけなのであっという間にペナン島に到着です。折に触れて香港の人のピクトグラムがお気に入りであることは書いていると思うのですが、この看板の人のピクトグラムもなかなか軽やかな雰囲気で好きです。

2023年の時もペナン島側のフェリーターミナルに停泊していた、カラフルにペイントされた船はこの時も停泊したままでした。なかなか古そうですが運行している時もあるのでしょうか?

歩いてホテルに向かう

ペナン島側のフェリーターミナルを出たところでGrabタクシーを拾ってホテルに向かってもよかったのですが、フェリーから一気に人が降りてきたところなのでタクシーを捕まえにくいかもしれないと思ったのと、バックパックだけで移動していたのでまあ行けるだろうと考えたので歩いてホテルまで向かうことにしました。正直なところ、ホテルに着いた時には汗ダラダラで失敗した…と思ったのは秘密です。とはいえ、上の写真のプラナカンマンションなどを道中に(外からですが)眺めることができたので、散歩としてはなかなか楽しかったのでした。

山のように柑橘類を積んでいるトラックがいてつい気になり写真を撮ってしまいました。秤も置いてあるので、ここで販売しているんでしょうね。

さらに歩いていると中山会館がありました。「~会館」という名前と見た目から気が付く人は気が付くかもしれませんが、こちらは広東系の華人の人々の同郷会の建物です。元々は大きく書いてある通り(といってもこの写真だと2文字目が柱に隠れていますが)香山会館という名前だったようですが、20世紀初頭に孫文(孫中山)を記念して中山会館という名前に改称されたそうです。

中山会館のそばでは「好朋友貿易公司」という古めかしい看板を見つけました。昔ながらの日用品店という感じのお店のようでしたが、「好朋友1」というのがなんともいいですね。

イポーもそうでしたが、ペナンもやはりカラフルなショップハウスが軒を連ねる風景が名物の一つです。全体としては結構中華風のテイストのような気もするのですが、窓なんかは思いっきり西洋風だったりするのに、全体として調和しているのが面白いところです。

ホテルまでの道中にはトライショー2もちらほら見かけました。マラッカのトライショーはバッキバキに電飾がきらめいていたりしますが、ペナンのトライショーはどちらかというと控えめ&渋めな雰囲気です。街の雰囲気からするとこういう方が合っているような気もします。

こういう提灯がぶら下がっているエリアがあったり、その並びにビールの飲めるレストランがあったりする風景を見ると、観光地化はイポーよりペナンの方がやっぱり進んでいるよなあと思うのでした。もちろん、世界遺産と一地方都市を比べるのはちょっと無理がありますが…

なかなかメッセージ性の強そうなストリートアートもありました。左側はイスラエルとハマスの軍事衝突が始まった3後に描かれていそうな雰囲気があります。

フラフラ歩いていると「日本横街」という通りに行き着きました。今では通りの名前以外は日本らしき雰囲気は全くありませんが、この辺はどうやら20世紀初頭は日本人街だったようです。そしてPart2でもイポーの通りの看板の写真とともに触れましたが、マレーシアの通りの名前の看板は場所ごと全然違うテイストだったりします。

かなりヘロヘロになりながら着いたこちらが今回のホテル、GRAND FC HOTELです。ホテルではあるんですが、入り口に堂々と「福州会館」と書いてあります。例によってここも福建省福州市周辺の人の同郷会の拠点を兼ねているのでしょうね。そして”FC”はまず間違いなく「福州(Foo Chow)」の略でしょう。フロントに入った途端ガンガンにクーラーが効いていて命拾いしたのとともに、古めかしい見た目なのにシレっと自動チェックイン機が導入されていたりしてびっくりしたのをよく覚えています。

ちなみにこのホテルの周辺はまた古めかしい感じの通りになっています。ジョージタウンの洋風な建物が多数連なっているエリアからはちょっと離れていることもあり、背後には比較的背の高い建物も見えます。こういう組み合わせはシンガポールのジャラン・ベサール駅からムスタファセンターのあたりにもあるような気がします。(分かりにくい例えですが…)

ちなみにGRAND FC HOTELは2023年にも訪れた電子部品店、東信零件公司のすぐそばだったりします。

お昼ごはんを食べる

ホテルにチェックインして少しクールダウンした後は、食べそびれていたお昼ごはんを食べに行きました。先ほどの日本横街のそばの日本新路という通りを歩いていると、こちらのフードコート風のお店があったので入ってみることにしました。

結構奥行きのある建物で、ゆったりとした空間になっていました。フードコートの中にあるいくつかのお店の中から選んで適当にオーダーするシステムになっています。

今回はいい匂いがしていたのでチャークイティオを食べることにしました。チャークイティオは平たいビーフンを炒めた料理です。大ぶりなエビがドカッと載っていて、中華鍋で強火で炒めたいい香りが漂ってきました。これで8リンギット(約250円)は安すぎる!というおいしさでした。熱々のチャークイティオを食べつつ飲むミルクティーももちろん美味でした。

ちなみにこのお店の前には「一帯一路研究中心」という看板が掲げられていました。奥には「馬来西亜中国客家総商会」という看板もあり、中華系の団体の建物なのは分かるのですが、いったいどんなことを研究しているのかちょっと気になるところです。

お昼ごはんを食べてホテルに戻る道中に、中国からの輸入品を販売しているコンビニ風の商店を見つけました。ちょっと覗いてみると、深圳で見かけたことのあるお茶や涼茶の王老吉が売っていたのでつい買って帰ってしまいました。

ひたすら街歩き

王老吉を飲んで休憩した後は残り少ないペナンの滞在時間を活用すべく、ストリートアートなどを見に出かけました。そう、ペナンに来たばかりではあるのですが、翌朝10時のフライトでクアラルンプールに戻る旅程なのでした。前回の訪問時にメジャーな建物群はある程度見てしまっていたので、今回はストリートアートや、前回見ていなかった場所を中心に回ることにしました。

上の写真のストリートアートは一部が消えてしまっていますが、チャーシューまん(叉焼包)とあんまん(豆沙包)を売る人の絵です。あんまんって日本以外にもあったんですね…!

ペナンの街中ではこちらの鉄のワイヤーを曲げて作られたアートをいくつも見かけるのですが、こちらは世界的な靴デザイナーであるジミー・チュウがキャリアをスタートさせた場所であることを解説するアートになっています。私はジミー・チュウがペナン出身だということをここで知ったのでした。

クラシックな雰囲気のレストランとトライショーの組み合わせはまた味があっていいのですが、よく見るとトライショーはお客さんではなく椅子を運んでいました。地味に輸送力があって便利なのでしょうか…?

そういうえば前回は行っていなかったな、と思い、プラナカンマンションと並ぶ古い豪華な邸宅であるチョンファッツィーマンションへと向かいました。ここはツアー形式でしか見学できないのですが、タイミングの悪いことに私が到着したのはツアーが出発した直後だったのでした。ここで次のツアーを待つのはなかなかのタイムロス…と思い、外から見るだけにとどめたのでした。また機会があったら内部も含めて見学したいところです。

しかし外から見てもなかなか見事な青色の建物です。真っ青というのとはちょっと違う明るい青で、どう考えても派手ではあるのですが、不思議なおしゃれさがあります。

チョンファッツィーマンションからは街の中心部に向けて歩いて行きました。鳩がいたり、ワンちゃんがいたり、のんびりした空気の街です。

細い脇道の壁にもシレっと凝った壁画が描いてあったりするのがまた面白いですね。奥にはきれいなオレンジ色の家もあったりして、カラフルな街並みです。

こちらは郵便受けをランドセルに見立てたアートです。横に停まっている屋台もまた味わいがあります。

こちらはネコ科2連発です。こういうアートはどちらかというと犬よりも猫が多い気がします。

前回も訪問した消防署の写真も再度撮りました。なかなかかわいい見た目です。

ヤップ・コンシーなどから近いアルメニアンストリートから1本入ったところには、色とりどりの傘が飾られた通りがあります。傘を飾るようになったのは比較的最近のようですが、ザ・インスタ映えという感じの通りでした。通り沿いにはおしゃれなブティックやお土産屋さんなどがありました。そしてここでもネコちゃんのストリートアートです。

通りを出た後、少し歩いていると今度は本物のネコちゃんに遭遇しました。お店の飼い猫なのか、東南アジアのネコちゃんにしてはなかなかの貫禄でした。

ショッピングモールを覗く

旧市街をぶらぶら歩いた後は、そういえばこれまた未訪問だったなということでペナンで一番高いビル・コムターへと向かいました。しかしもうこの時にはコムターの上部の展望台の入場時間は終わっていたので、近くまで行くだけで展望台には行かなかったのでした。

メインのタワーのそばにあるショッピングモール・1st Avenueは営業しているようだったので、ちょっとだけ見て回ることにしました。

なんと入り口のそばにはシャトレーゼがありました。シャトレーゼはベトナムでも見かけたことがありますが、東南アジアで結構お店を展開しているのですね。この記事を書いている2025年1月時点で、インドネシア・シンガポール・マレーシア・ベトナム・タイ・UAE・香港に展開しているようです。

さらに上のフロアにはベスト電器もあるようでした。ベスト電器はシンガポールのフナンモールでも見かけましたね。

晩ごはんを食べに行く

コムターの周辺をぶらぶらしているともう午後7時を過ぎていたので、そろそろ晩ごはんにしようと考えました。今回も前回と同様、会社のペナン赴任経験のある方に教えてもらったレストランへと向かうことにしました。Grabタクシーで向かっていると、前回訪問したバクテーのお店の前を偶然通りかかったりもしました。

しばらくGrabタクシーに乗ってやってきたのは海沿いのこちら、”NORTHAM BEACH CAFE”です。ここはなかなか大きいフードコート(ホーカーセンター)といった感じのお店で、お昼のフードコートを屋外のビヤガーデン風にして、規模を何倍かにしたような感じでした。

店名の通り、海が目の前に見える立地です。夕方になって少し涼しくなってきたところに海風を浴びながら飲むビールは格別です。(いつ飲んでも格別なんですけどね)

先ほど書いたようにフードコート方式のお店なので、テーブルの周りに出ているお店をいくつか見て回り、とりあえずホッケンミーをオーダーしました。以前も書きましたが、ホッケンミーという名前はシンガポール・クアラルンプール・ペナンでそれぞれ別々の料理を指しています。クアラルンプールのホッケンミーは茶色い焼きうどんのような料理ですが、ペナンのホッケンミーはピリ辛のエビ出汁ラーメン、といった感じの汁麺です。ペナン式のホッケンミーは今回が初めてのトライでしたが、小エビの香ばしさと大きなエビの旨味が合わさったなかなかおいしい麺料理でした。

しばらくしていると日も落ちて空が暗くなってきました。こういうときにLEDがギラギラし始めるのがさすが東南アジアです。

もう少しビールを飲みながら何か食べたいなということで牡蠣オムレツもオーダーしたのでした。このオーダーを通すときにうっかり荷物を座席に置いたままお店に行ってしまったのですが、ビールの注文を取るために巡回しているおばちゃんに「もう!ここは日本じゃないんだから荷物を置いて行っちゃダメよ!」とお叱りを受けたのでした。おばちゃん、心配させてしまいすみませんでした…しかしこういうところはいろいろ食べ比べたり、後から追加オーダーしに行ったりすることを考えるとやはり大人数で訪問したいところですね。

それはさておき、この牡蠣オムレツも絶品かつなかなかビールが進む味でした。ちなみにこの料理は福建省のあたりがルーツなので、そのあたりからの移民が多いエリアではどこでも食べることのできる料理の一つです。例えば台湾だと阿仔煎(オアチェン)、タイだとホイトートという名前で売られています。

今回は海を眺めたかったので屋根なしエリアに座りましたが、手前の方にはシーリングファン完備の屋根付きエリアもあるのでした。

お店を出たところの駐車場には塗装がはげはげになっている古いプロトン4・サガが停まっていました。2014年に初めてクアラルンプールを訪問した時は塗装はともかく、結構こんな感じの車が走っていたのですが、すっかり見なくなりましたね。

お店からホテルに戻った後は近くのコンビニに飲み物を買いに行きました。するとお昼に飲んだ王老吉と並ぶ涼茶ブランド・加多宝の涼茶が売っていました。そんなわけで、こちらもついつい買ってしまい寝る前に飲んだのでした。漢方の観点から見ていいのかは知らないのですが、お酒を飲んだ後に飲むとちょっと落ち着く味なんですよね…

クアラルンプールへ戻る

翌朝は10時のフライトでクアラルンプールに戻るということで、朝起きて支度をしてすぐにホテルをチェックアウトし、空港へと向かいました。ペナン国際空港はジョージタウンから見ると島の反対側にあるので、30分ほどGrabタクシーで移動することになりました。

チェックインを済ませた後は朝からラウンジでビール&ラクサです。前日のホッケンミーもよかったのですが、ラクサもまたおいしいのでした。

三井アウトレットパークへ行く

あっという間のフライトでクアラルンプールまで戻ってきました。しかし、この日はこれで移動完了というわけではなく、午後6時前には今度は香港までの戻りのフライトが控えていました。クアラルンプール国際空港に着いたのがお昼前なので、6時間ほどの待ち時間となります。しかし、今度は国際線に乗るわけなのでそれなりに早くチェックインカウンターへ向かう必要があるため、6時間フルに空港の外で行動することはできません。そんな中で空港からそれなりに距離のある市街地まで行くのはちょっと時間がもったいないと考え、空港のそばのショッピングモールである三井アウトレットパーク KLIA セパンへと行くことにしました。ここは空港から無料の送迎バスに10分ほど乗れば行くことができるので、暇つぶしにはもってこいなのでした。

送迎バスを降りて、帰りのバスの時間を確認してから建物の中に入ってみると、まあなんというか当たり前ですが日本のアウトレットパークとさほど変わらない雰囲気でした。そこそこ広く、結構色々なお店が入っていました。私は足のサイズが大きいので靴を買うときになかなかサイズが合わないことが多いのですが、こういうところのアウトレットだと結構大きいサイズも置いてあるので重宝するのでした。この時もVANSの靴を買って帰りました。箱を捨ててしまえば何とかバックパックに入るものですね。

そしてちょうどお昼時になっていたため、このアウトレットパーク内でお昼を食べてしまおうと考えました。いろいろお店はあったのですが、よせばいいのにどうしてもマレーシアの回転寿司を試したくなってしまい、こちらのお店に入ることにしました。海外で寿司にトライするの、どうしてもやりたくなってしまうのですよね。大半は落胆して終わるのですが、学習せずにいろいろな国でトライしています。

イマドキの回転寿司店らしく、タブレットからも注文できるようになっていました。暑かったので冷たいお茶をオーダーしたところ、上の写真のようにデキャンタでたっぷり出てきてちょっとびっくりしたりもしました。

肝心のお寿司ですが、サーモンの寿司はちょっとシャリが固めなものの普通の寿司、という感じでした。一方で流れている寿司のなかにはスコッチエッグにカニカマとマヨネーズを載せたものなど、なかなか独創的なものもありました。不思議な回転寿司ワールドを見た気がします。

ちょっと不思議な回転寿司を堪能した後は、さらにモール内を少し回ってから再び送迎バスに乗り、空港へと戻りました。マレーシア出国時に審査官に「パスポートのスタンプが多すぎて今回の入国のスタンプがどこにあるかわかんないんだけど!」と言われるという珍事こそありましたが、香港への飛行機には無事に乗ることができたのでした。

以上、2024年のゴールデンウィークに行ったアジア周遊旅行記、Part4でした。ペナン滞在はなかなか駆け足でしたが、チャークイティオやNORTHAM BEACH CAFEのグルメやストリートアートなど、押さえるところはきちんと押さえて楽しむことができたと思っています。次回Part5は香港&マカオ編の予定です。お楽しみに!

  1. 友達、という意味
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  3. 2023年10月
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公開日:2025/01/21