2024年1月の東南アジア旅行記、完結編のPart6です。よく考えるとタイトルは「東南アジアの旅」ですが、Part6には一切東南アジアは出てきません1ね…まあ、想定外の事態だったということで大目に見てもらえればと思います。

突然のボーナスステージ

Part5の最後に書いた通り、帰りのフライトのうち、ホーチミンシティから乗り継ぎ地である香港へのフライトは定刻の55分遅れで動き出したのでした。元々の乗り継ぎ時間が1時間5分だったので、どう考えても乗り継げるわけがありません。まあもう飛行機に乗ってしまったし、なるようになるさ…と思いながら香港へと向かったのでした。機内でCAさんにも何か情報ありますか?と聞いてはみたものの、案の定ではありますが降りてから地上係員に聞いてください、との回答でした。

結局飛行機が香港国際空港のゲートに到着したのは次に乗るはずの飛行機のゲートクローズ1分前ということで、当然乗り継ぎには失敗したのでした。キャセイパシフィック航空にしては珍しいレベルの遅延だったのか、飛行機を降りたところには多数の係員さんが待ち構えていて、それぞれ乗り継ぎの行先の看板を持っていました。見た限り、遠いところだとニューヨーク行きの乗り継ぎを逃してしまった人もいたようです。

羽田行きのフライトの看板を持った係員さんの所へ行くと、遅延に対する対応は準備万端!という感じの構えで、係員さんのカートには発券済みの航空券が並んでいました。聞いてみると、午前0時45分発の成田行きがあるので、そちらに振り替えさせてくれとのことでした。元々羽田行きだったのに成田行きに振り替えられたうえ、中途半端な時間の出発です。年始のお休みで翌日も休みだったこともあり、係員さんと交渉して、翌日同時刻の羽田便に振り替えてもらうことにしました。羽田便のチケットは当然発券されていないので係員さんに連れられてカウンターまで歩いて行ったのでした。

私のほかにも羽田便に乗り継ぐ予定の人は何名かいたようで、私の前にカウンターで手続きをしていた方は「乗り継げなくて1日ロスするというのにビジネスクラスのラウンジしか入れないの?ファーストクラスのラウンジには入れないの?」と結構なトーンで言っていました。翌日予定があったら結構イラっとするであろう気持ちもわからないでもないですが、香港国際空港のキャセイのラウンジの豪華さ2を考えると、これは半分演技でゴネてんじゃないのか~?とちょっと思ってしまったのでした。しかし係員さんもさすが、「我々としては最良の選択肢をご提供しておりますので」と笑顔で返してきっぱり断っていました。妙なところでプロのお仕事というものを拝見したなという気分になりつつ、私の手続きも進めてもらい、ホテルバウチャーと翌日の搭乗券をもらったのでした。

ホテルバウチャーをもらったので香港国際空港の近くのホテルに無料で一泊することもできたのですが、突然のボーナスステージ、せっかくならば観光する場所があまりない空港の近くではなく市街地に泊まろうと、自分で取ったホテルに泊まることにしました。都合のいいことにパスポートホルダーの中にある程度チャージ済みのオクトパスカード(香港の交通系ICカード)が入ったままだったので、これで尖沙咀方面行きのバス・A21バスに乗って市街地を目指しました。

重慶大廈へ

急遽佐敦駅のそばに取ったホテルにチェックインした後は、まあ何かしらあるだろうということで尖沙咀方面へと向かいました。ごちゃっとした街中を走る赤いタクシーを見ると、香港に来たなあという実感が湧いてきます。

今回は佐敦周辺に泊まっていて、尖沙咀までは1駅ということもあり、地下鉄には乗らずネイザンロードを歩いて尖沙咀へと向かっていったのでした。このギラギラした雰囲気の中を歩くのが楽しいのですよね。

しばらく歩くとおなじみの重慶大廈に到着です。今回はカンボジアで使うために米ドル3を持っていたので、残りを重慶大廈で香港ドルに換金してご飯代等々にすることにしました。重慶大廈はあまり中まで入ったことはありませんでしたが、入ってみるとこれがまた独特の雰囲気で面白かったのでした。

ビクトリアハーバーへ

重慶大廈で香港ドルを入手した後はさらに歩いてビクトリアハーバー側へと向かっていきました。こちらも毎度おなじみですが、ペニンシュラホテルの写真も撮って、海岸へと歩いて行きました。

ここに来るまですっかり忘れていたのですが、このビクトリアハーバーでは午後8時から周辺のビルによるライトショー、「シンフォニー・オブ・ライツ」が開催されるのでした。私がビクトリアハーバーに着いたのは7時半ごろだったので、このショーを見ようと海岸には人だかりができていました。

そういやそんなショーがあったなぁと思いながら海岸沿いを歩いていたら、たまたまちょうど一人分座れるスペースが開いていたところがあり、近くまで行ったら隣の方が座りなよ!と言ってくれたこともあって、なかなかいい眺めのところに陣取ることができたのでした。香港は何度も4来ていますが、シンフォニー・オブ・ライツは見たことはなかったので、ここで偶然にもきちんとみることができたのはラッキーでした。

ちなみにまだこれはショーが始まる前の写真ですが、水上からショーを見る人向けの船がビクトリアハーバーを行き交っていました。中国の昔の帆船であるジャンク船風の観光船なども出てきて、なかなかの雰囲気でした。

午後8時になると、ピルの屋上からサーチライトなどの光が放たれて、音楽と同期してイルミネーションが点灯するショーが始まりました。それなりの見応えはあったのですが、正直なところショーの時間でなくとも、香港島側のビルがキラキラ光っている様子だけでも十分な見応えなんじゃないかなぁ…と思いつつ、最後まで見てしまいました。

香港島で晩ごはん

ショーの前の待ち時間にスマートフォンで調べたところ、ひとりごはん向けの点心セットを出すお店が香港島側にあるという情報をゲットしたので、ショーが終わった後はスターフェリーに乗って香港島側へ移動することにしました。フェリーターミナルの前のこのアイスクリーム屋さんは1月にも関わらずかなりの人気ぶりでした。

さすがにショーのためにビクトリアハーバー周辺に人がいっぱいいたこともあって、スターフェリーもこれまで見たことがないくらいの大混雑でした。

というわけで今回訪れたのは中環の坂を上った途中にある「鼎點 1968」です。一人用点心セットとキャベツと腸粉の炒め物、香港クラフトビールで晩ごはんにしました。香港なので当たり前というか仕方ないのですが、東南アジアを周遊した後だと物価が本当に高く感じますね…

点心を楽しんだ後は近くの繁華街、蘭桂坊まで足を伸ばしました。通りの看板はまだまだクリスマス仕様のままでした。

ここはいつ来ても混んでいるイメージではありますが、なんとなく新年の浮かれた雰囲気がまだまだ残っているような感じがしました。

蘭桂坊を冷やかした後は、ちょっとだけ香港島をぶらぶらしてからメトロに乗って九龍半島側へと戻りました。このレストランのネオンはなかなかのギラギラっぷりでした。

九龍半島側も写真を撮るべくフラフラと歩き回っていたのですが、途中でタイ資本のスーパーであるBig Cがあるのを発見しました。タイやベトナムではかなりお世話になっているBig Cですが、いつの間に香港にも出店していたんだ!とびっくりしてしまいました。この記事を書くにあたり調べてみたところ、2023年に香港の小売りチェーンをBigCが買収して、そのチェーンの店舗をBigCの店舗に切り替えていっていたようです。

香港のメトロの駅の通路やエスカレーターの横には様々な広告やマナー向上の啓発ポスターが出ていたりするのですが、1月だからかこの時はどの駅も、おそらく今年の運勢を解説するような内容の本の広告であふれていました。私個人としてはなんとなくうさん臭さを感じてしまう広告ばかりなのですが、こういうところにしっかり広告が出るくらいには売れるんでしょうね。さすがは建物を建てる時にも風水を重視する香港です…

朝の香港を歩く

翌朝はまずは朝ごはん探しを兼ねた散歩からスタートです。初めて香港に来た時5も佐敦に泊まっていたので、当時泊まったゲストハウスのある建物の前まで久々に行ってみました。相変わらずごちゃっとした見た目です。

朝ごはんは毎度の定番ですが茶餐庁(カフェレストラン)でラーメンです。トッピングのサテー味の牛肉は欠かせませんね。

最初の方でも書きましたが、香港のタクシーはちょっと古めかしい雰囲気がありついつい写真を撮りたくなってしまいます。そしてもう一つ、2枚目の写真のミニバスも香港の風景の重要な構成要素です。このミニバスはやけにつるっとしていて、新しそうでした。

ご飯を食べた後は朝から開いているスポットということで油麻地の天后廟へ行きました。Part1で書いたように、この旅行の最初にホーチミンシティ・チョロンの天后廟にも行ったので、1週間で2つの天后廟を回ったことになります。

こちらの天后廟にもチョロンと同じく、ぐるぐる線香がぶら下げられています。朝ということもあって、天后廟は静かな雰囲気に包まれていました。

天后廟に行った後は、スターフェリーに乗って前日に引き続き香港島側に行こうと考え、ネイザンロードを歩いてメトロの駅へと移動し、尖沙咀へと向かいました。ネイザンロードは目抜き通りでチェーン店ばかりかと思いきや、写真のような果物屋さんなど、ローカルのお店がひょっこり営業していたりするのが面白いところです。

スターフェリーふたたび

前日は中環行きのスターフェリーに乗りましたが、この日は目的地が決まっていたこともあり湾仔行きのフェリーに乗ることにしました。

これまでも何度か書いていますが、尖沙咀のスターフェリー乗り場のこの待合スペースから見える香港島の風景はなかなか良いので、フェリーに乗る前にちょっと外を眺めてみることをお勧めします。

シンフォニー・オブ・ライツの直後とは違い、この時はスターフェリーはガラガラだったのでした。

湾仔のスターフェリー乗り場から通路を歩いてメトロの駅の方へとやってきました。この辺りはオフィス街ということもあり、日曜日だと交通量もまばらなのでした。

通路から下を通る道を見ると、タクシースタンドに長蛇の(タクシーの!)列ができていました。タクシーも香港島側・朝の時間帯じゃあまり出番がないんでしょうね。

通路の端まで来るとトラムが走っているのが見えました。2階部分の前半分がオープンになっているトラムでした。1階部分に人が乗っていないようですし、パーティーなどでの貸し切り用のトラムでしょうか?

湾仔電脳城へ

フェリー乗り場からの通路を歩いてやってきたのはこちら、湾仔の電気街ビルである湾仔電脳城です。ここに来るのであれば地下鉄に乗ってきた方が駅に近いので便利なのですが、スターフェリー、ついつい乗りたくなっちゃうんですよね。

2階に上がるエスカレーターの横にはFILCOのキーボードの広告が出ていました。FILCOのメカニカルキーボード、私も以前使っていました。

午前11時前の訪問ということでまだ閉まっているお店と営業中のお店が半々というような雰囲気でした。目新しいところではVRヘッドセットのMeta Quest3が売られていましたが、128GBモデルで日本円換算9.2万円なので日本で買う方が安いようでした。

トラムに乗る

この日のフライトは午後4時前の出発予定だったので、空港への戻りを考慮すると市街地に滞在できるのはお昼過ぎまでとなります。そんなわけで、湾仔電脳城をチェックした後は時間の節約を兼ねてトラムに乗って金鐘駅へと向かい、そこからメトロで九龍半島側へと戻りました。トラムに乗る頃になると、香港島側の人出も増えてきました。余談ですが、歩いていたりメトロに乗ったりしていると、インドネシア語がちらほら聞こえてきました。香港に出稼ぎに来ているインドネシア人のメイドさんは日曜日がお休みなので、日曜日に限っては香港の街中でインドネシア語の会話がちらほら聞こえてくることがあるのでした。

ラッキーなことにトラムの2階の先頭を確保することができたので、外の景色を眺めながら金鐘駅へと向かいました。2枚目の写真のビルはこのブログではおなじみの中銀香港ビル(左側)とリッポーセンター(右側)です。

シャムスイポーへ

金鐘からメトロに乗ってやってきたのはこちら、もはや説明不要の香港の電気街、シャムスイポーです。

まずは駅に近い深の都商場から調査開始です。ここは2023年5月の訪問時から変わらず、シャッターが下りている店舗が大半でした。これでモールの運営はやっていけてるんですかね…?

深の都の次は地下道を通り、鴨寮街へと向かいました。

鴨寮街の屋台式電気街は相変わらずの賑わいです。お店も多数開いていますし、実際に買い物をしているかどうかはともかく、かなりの人通りもあります。中古リモコンの販売店もばっちりあります。

今回、個人的に新発見だったのはこちらの磁石屋さんです。屋外に強力そうな磁石をこれだけ並べていますが、砂鉄が付いたりしないのでしょうか…?ちょっと何個か買ってみようかとも思ったのですが、磁石は飛行機で持ち帰るのが面倒そうなので、眺めるだけにしたのでした。

鴨寮街を見た後は再び大通りの反対側にある黄金電脳商場に行くべく、一旦メトロのシャムスイポー駅のコンコースに移動しました。コンコース内のセブンイレブンでポカリスエットを発見したので、シェムリアップでも飲んだしせっかくだからと香港でも買ってみました。香港のポカリスエットは繁体字表記にローカライズされたパッケージになっています。

駅を出て、ポカリスエットを飲みつつちょっと歩くとすぐに黄金電脳商場に到着です。

お昼前の中途半端な時間だったこともあり、通路によってはガラガラでした。でも相変わらずのかなりの店舗数と品揃えでした。

ちょっと目新しいと思ったのはゲーミング系のメカニカルキーボードの展示があったことです。地域ごとに時間差はあれど、コロナ禍後はどこでもこういうゲーミングギアを見るようになってきたなという印象です。

駆け足で旺角へ

黄金電脳商場をぐるっと回った後は、ぐっと尖沙咀側へと戻ってきて先達廣場へと行きました。タイムリミットが迫ってきていることもあり、さっと歩き回っただけでしたが、1階部分の中古スマートフォン販売店は以前と変わらず営業しているようでした。

先達廣場をチェックした後は、最後に油麻地の厨房用品街へと向かいました。残り時間が少ない中ですが、この時は急須を買いたいと思っていたので、せっかく飲茶文化のある香港に立ち寄ったことだし探してみようと考えたのでした。結局イメージしていたようなシンプルな急須は手に入らなかったのですが、入ったお店の一つで売っていた上の写真のティーカップを買ってしまいました。このBLACK&WHITEは香港の定番の練乳ブランドで、香港の茶餐庁でホットのミルクティーを頼むとこちらのティーカップで出てくることが多いのでした。

ティーカップを買った後はネイザンロード沿いのバス停に出て、行きと同じA21バスに乗って香港国際空港へと向かいました。この後、乗るはずの飛行機がまたしても20分ほど遅延したり、羽田への着陸時に一部の室内トランクのドアが開いてしまいCAさんが慌てるというちょっとしたトラブルはありましたが、無事に日本へと戻ってくることができたのでした。

以上、2024年1月の東南アジア旅行記、完結編のPart6でした。今回はベトナム・ホーチミンシティ、カンボジア・プノンペン&シェムリアップ、タイ・バンコク、そして思いがけず香港と、1週間のうちにのどかな東南アジアの都市からアジア全体で見ても屈指の大都市まで、駆け足でしたが見て回ることができた面白い旅行でした。次回は旧正月の東南アジア旅行記の予定です。お楽しみに!

  1. 香港は東アジアですからね!
  2. バスタブ付きのシャワールームにウエイターさんが注文を取りに来るレストラン(もちろん無料)までありますからね
  3. カンボジアにはリエルという法定通貨がありますが、米ドルが普通に流通しています
  4. きちんと滞在した時だけをカウントするとこの時が7回目でした
  5. 正確には深圳経由でハノイまで行って戻ってきた後ですが
公開日:2025/01/13