2024年1月の東南アジア旅行記、プノンペン滞在編のPart2に続いてPart3です。シェムリアップ滞在も1泊ではあったのですが、滞在時間がそこそこ長かったことと、やはりアンコールワットを中心としたアンコール遺跡群の見応えが抜群だったことからシェムリアップ滞在は2パートに分けて書いていきたいと思います。

バスで西へ

Part2の最後で乗ったシェムリアップ行きのバスに乗ること約1時間弱、窓の向こうの風景が街から田んぼに変わってしばらくしてから、道端のガソリンスタンドでトイレ休憩となりました。なかなかだだっ広いガソリンスタンドです。

今回は先頭座席なのでバスに乗っていてもかなり眺めがよいのでした。前を走る車両を何気なく見ていたらKGBと書いてありました。スパイでも乗っているのか?という雰囲気の名前ですが、よく見るとハングルも書いてありますし、どうやら韓国の宅配業者のトラックが中古でカンボジアに流れ着いたもののようでした。ミャンマーでもこの手の中古車両は見かけましたが、一瞬びっくりしますね…

さらに走っていると対向車線に謎の乗り物が走っているのを目撃しました。最初はトラクターで藁を運んでいるのかと思ったのですが、それにしては後ろの台座の部分がしっかりしすぎているような気がします。後ろの部分にも人を載せる用途の乗り物なのでしょうか…?

最初の休憩から2時間半ほど走ったところでお昼休憩でレストランに停車です。ホーチミンシティ~プノンペン間と違い、こちらは正午前というピッタリな時間帯のお昼休憩でした。

また、ガレージのような半屋外の食堂ではなく、きちんと建屋のあるレストラン、といった趣のお店でした。この先もしばらく移動が続くので冒険せず五目チャーハンをオーダーしました。

シェムリアップに到着

お昼休憩からさらにバスで2時間半ほど走るとシェムリアップのバス会社オフィスに到着です。今回は宿のサービスでトゥクトゥクに迎えに来てもらっていたのですが、運転手のお兄さん曰く「予約が2名になってたから大きいトゥクトゥクで来ちゃったよ~」とのことでした。1名で予約したと思うんですけどね…ちなみにこのお兄さんには後ほど、チャーターツアーでアンコール遺跡を案内していただきました。大変お世話になりました!

ホテルのフロントにはワンちゃんがいました。看板犬ですね!

アンコールワットへ

ホテルで一息ついた後はアンコール遺跡観光へ出発しました。観光の際の移動は街中を走るトゥクトゥクと交渉してチャーターすればいいかなと思っていたのですが、ホテルのフロントにトゥクトゥクチャーターの案内が置いてあったので、スタッフさんに今からチャーター可能か聞いてみました。すると先ほどホテルに私を運んできてくれたお兄さんを呼ぶというので、チャーターをお願いすることにしました。というわけで、再び同じトゥクトゥクに乗ることになったのでした。

写真はトゥクトゥクの車中から目撃して思わず撮った街中の風景なのですが、我ながらなかなかデンジャラスな光景を器用に撮ることができたと思います。ちょっと納得いきませんが、この日のベストショットはアンコール遺跡の写真ではなくてこれと言わざるを得ませんね。これ、切り抜きすらしていない撮って出し、それも1枚だけ撮った写真なんですよね…

ちなみにアンコール遺跡群に入るためにはアンコール遺跡群の手前にある入場パス売り場で顔写真入り(売り場で撮影してくれます)の入場パスを購入する必要があります1。1日券、3日券、7日券の3種類がありますが、購入日から10日以内の任意の3日間有効の3日券を買いました。お値段US$62と聞くとなかなか高いような印象を受けますが、文化財保護の観点だと京都なんかもこのくらいの入場料を取ってもいいような気がしてきますね…

入場パスをゲットした後は、アンコール遺跡群の目玉、泣く子も黙る(?)アンコールワットへ向かいました。西参道の入り口にはこの蛇神ナーガと獅子(シンハ)の像が待ち構えていました。

参道はアンコールワットを囲むお濠の内外をつなぐように敷設されています。かなり幅の広いお濠と敷地の外周をぐるっと囲む第一回廊はなかなかの迫力です。

さらに進んでいくと第一回廊の塔門のディテールが見えてきます。お濠やヤシの木の雰囲気と合わせて、アンコールワットに来たぞ!という実感が徐々に湧いてきました。

アンコールワットは第一回廊、第二回廊、第三回廊で構成されています。先ほどの塔門を越えると第二回廊が見えてきます。

第二回廊の前まで来ると中央の祠堂がはっきりと見てて来ます。旅行会社のイメージ写真なんかでよく見るのはこの辺りの写真ではないでしょうか。なんだかこういうベタなところに来ると「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターになったような気分になります。

アンコールワットは元々12世紀にヒンドゥー教の寺院として建立されましたが、16世紀に仏教寺院に改修され、現在に至るまで仏教寺院として維持されている遺跡です。回廊の中に入っていくと沐浴用の池などもあり、寺院としての規模の大きさを感じました。

第二回廊を越えて中心部へ進むと、第三回廊にたどり着きます。第三回廊は少し高いところに作られているため、写真の急な階段を上っていく必要があります。ここは入場に制限がかかることもありますが、この時は見学可能でした。

第三回廊に上ると、それまで通ってきた回廊や周囲の庭園部を一望することができます。偶然柱と柱の間に気球が飛んでいるのが見えたので写真を撮りました。

第三回廊の中にはさらに中央祠堂があります。ここは中に入ることはできないのですが、第三回廊から続く通路の端に仏像が鎮座しています。アンコールワットはもちろん観光客が多いのですが、第三回廊はアンコールワットの中でも神聖なエリアということもあり、少し静かで荘厳な雰囲気がありました。

ちょっと駆け足ではありましたが第三回廊まで一通りアンコールワットを見学した後、再び西側の入り口へと戻ってきました。夕日に照らされる第一回廊もまた味わいがあります。

ちなみに西参道のあたりにはお猿さんがいました。家族でしょうか?

バイヨン寺院

アンコールワットを出た後は再びトゥクトゥクに乗って、次の目的地であるバイヨン寺院へと向かいました。アンコール遺跡群の見学可能時間は17時半までと決まっているので、バイヨン寺院がこの日の最後の見学地となりました。道中、シレっと道路を横断するワンちゃんにも遭遇しました。アンコール遺跡群はシェムリアップの市街地から多少離れているので、遺跡と遺跡の間の道路は森の中を切り開いて通した、という雰囲気があり、そこをトゥクトゥクで風を感じながら走るだけでも結構楽しいのでした。

バイヨン寺院はアンコールワットの西参道を出てまっすぐ北に行ったところにあります。この一帯はアンコールトムと呼ばれる城郭都市の遺跡で、バイヨン寺院はその中心部に存在します。アンコールワットほどは開けていない、森の中にたたずむ寺院という感じで、こちらはこちらで独特の雰囲気があります。

バイヨン寺院は中央祠堂をはじめとした複数の塔に人面が彫られている点で有名です。このなんとも穏やかな顔たちは「クメールの微笑み」と称されているそうです。

長い年月の影響か、内戦の影響か、朽ちている・欠けている像も多数あるのですが、それでも残っている像は四面像と同じく穏やかな顔立ちで佇んでいたのでした。この時はもうすでに17時を過ぎていて見学可能時間終了間際だったこともあり、あまり周囲に人もいなかったためより一層仏像の穏やかな雰囲気が引き立っていました。

ここもかなり駆け足でぐるっと回っていると係員さんが巡回してきて、そろそろ見学終了時間だから出ていってねと促されました。

そんなわけで寺院を出たところで再びトゥクトゥクに乗り、シェムリアップ市街へと戻って行ったのでした。戻っていく道中、アンコールトムの南大門を内側から外側に出ていくところの動画を撮ってみました。これまでにも遺跡の類は訪問したことがありますが、寺院などの建物だけでなく、城郭なども含めてこれだけ味がある遺跡は初めてという気がします。観光地として人気が出るのも納得です。

パブストリートへ

ホテルに戻った後、少し休憩してから晩御飯を食べにパブストリートへと向かいました。ここはホテルの裏手にあったので、徒歩で行きました。

通り沿いのお店をつなぐように電飾がキラキラとぶら下がっています。LEDがそのままぶら下がっているのではなく、いろいろ飾りがついているのでなかなか派手な光景になっています。

歩いていたらドクターフィッシュの体験(なんと体験中に飲むお酒付き!)がありました。ドクターフィッシュは昔体験したことがあるのでここでは体験しませんでしたが、こういうのがあるあたり、ザ・観光地という感じですよね…

しばらくパブストリート内をぐるぐる歩いて、適当なお店の半屋外な席に陣取りました。アジアンな雰囲気と西洋風な雰囲気の折衷という感じで、やっぱりアジアより欧米からの観光客が多いんだろうなぁと思いながら座っていました。(他のお客さんを見ていてもそんな感じでしたが…)

というわけでまずはビールです。Part2にも書きましたが、カンボジアはビールが安いですね。

おつまみはまたザ・観光地という感じですが、名物詰め合わせといった雰囲気の、「クメールセット」を頼みました。奥のスープ料理はアモックという料理ですが、お隣さんなだけあってタイカレーと似た味わいでした。

名物詰め合わせセットで終わりにしておけばよいものの、ビールを飲んでいたら近くのテーブルで食べているのを見てしまい、ピザも食べてしまいました。こういうアメリカンな雰囲気の料理が普通に出てくるあたりも客層を反映していそうです。

ご飯を食べた後はこれまたすぐ近くにあるナイトマーケットへと出かけました。なんともまあベタなインスタ映え狙い…という雰囲気でした。ちなみにこのそばに昆虫の素揚げを売る屋台がありました。お腹いっぱいだったのもあり今一つ挑戦する気になれず今回はスルーしましたが…

ナイトマーケットからホテルに戻る道中、ワンちゃんに遭遇しました。なかなかの毛並みの良さです。東南アジアのワンちゃんにしては小柄な気がします。にこやかな表情がいいですね!

アンコールトムから戻ってくるときに、運転手のお兄さんの方から提案もあったので、翌日の午前中も今日と同じトゥクトゥクのお兄さんにチャーターツアーをお願いすることにしていました。また、午後は日本にいるときに予約したオプショナルツアーを入れていたので、翌日は丸一日遺跡観光になることが確定していました。そんなわけであまり夜更かしはせず、体力を回復するべく早々にホテルで就寝したのでした。

以上、2024年1月の東南アジア旅行記Part3でした。次回・Part4もシェムリアップ滞在編になります。お楽しみに!

  1. それぞれの寺院などの手前に関所があり、そこでパス提示しないと先に進めないシステムになっていました
公開日:2025/01/10