2023年7月の台湾に続いて、8月に行った韓国の旅行記です。韓国旅行記、と言いつつタイトルに「福岡」と入っているのはこの後説明します。
船で韓国に行ってみよう
今回の旅行のテーマはずばり「船で韓国に行く」です。島国の日本から外国に旅行に行くとなると、お手軽な選択肢としては飛行機一択、と思ってしまいがちですが、西日本からはいくつかの海外航路定期便が今も残っています。今回はそのうちの一つで最も手軽と思われるJR九州高速船「クイーンビートル」号に乗ってみることにしました。クイーンビートル号は博多港~プサン港の間を3時間40分で結ぶ高速船です。さすがに飛行機でプサンに行くよりは時間がかかりますが、飛行機の場合の搭乗までの待ち時間などを考えるとトータルの所要時間はそこまで変わらないため、人気の航路でした。
しかし、クイーンビートル号は2024年に浸水の発生を隠して運行し続けていたことが判明して運休に追い込まれています。当時はまさかこんなことになるとは思ってもいませんでしたが、結果的にこの時乗っておいて正解だったなと感じています。(当時は浸水していなかったと信じています…)
さて、そんなわけで今回は福岡滞在を含む以下の旅程で出かけました。
日付 | 場所 |
8月11日 | 成田→福岡 |
8月12日 | 福岡→プサン |
8月13日 | プサン→ソウル |
8月14日 | ソウル→仁川 |
8月15日 | 仁川→成田 |
今回は博多港から船に乗ることがテーマの一つだったことと、お盆シーズンということで混雑回避と航空券代の節約を兼ねて、まず成田空港から福岡に飛ぶルートとしました。また、プサンからソウルまでの移動も韓国の高速鉄道KTXを使ったので、福岡からソウルまでは飛行機なしの旅行となりました。
まずは福岡へ
先ほど書いた通り、今回は成田空港からの出発です。お盆シーズンですがLCCのジェットスターで比較的安くチケットを取ることができました。成田空港のLCCは新しい第3ターミナルからの出発になります。第3ターミナルには鉄道が通っていないので、第2ターミナルからとぼとぼ歩いて第3ターミナルへ向かいました。距離が200mとなっていますが、道中に何もなく、陸上競技のトラックのような模様が床に描いてあるからか非常に遠く感じました…
渋谷駅の新南口1かここは…と思いつつ第3ターミナルにたどり着きました。
LCC専用ターミナルということもあり、かなりシンプルな造りです。建物の中にもトラック風の模様が描かれていました。
成田の第3ターミナルから出る国内線はかなり数が少ないようで、私の乗る予定の福岡行きはおそらく国内線最終便かその1便前という雰囲気でした。どんどんガラガラになっていく待合エリアにちょっと寂しくなりつつ、フライトを待ちました。
無事ホテルに到着した後は、晩ごはんを食べに出かけました。こちらの餃子スーパー酒場は気になったのですが、今回は晩ごはんはどこで食べるのかすでに決めていたのでスルーです。
というわけで福岡に来たらこれ、ということでもつ鍋を食べに行きました。以前福岡を訪問した際にも行った一人もつ鍋のできるお店です。暑い夏に食べてももつ鍋はいいですね…!
そのあとは中洲のあたりをぶらぶらと歩きました。キャナルシティ博多も含めギラギラ光っていて関東とはまた違った雰囲気ですね。
もつ鍋は食べたものの、これもやっぱり外せないよねということで屋台で豚骨ラーメンも味わったのでした。中洲の屋台街はもはや100%観光客向けなんじゃないかという感じがしますが、それでもやはりこの雰囲気は楽しいのでした。
クイーンビートルに乗る
クイーンビートルの出航は朝9時なので、早めに起きてまずは朝ごはんを食べに行きました。ホテルの近くに24時間営業の一蘭総本店があったので、朝から豚骨ラーメンです。
クイーンビートルは出航45分前までにチェックインを済ませる必要があります。そこで出航1時間ちょっと前に博多港国際ターミナルに着くよう、バスに乗って移動しました。
博多港国際ターミナルに就航している定期航路線はこの当時クイーンビートルとニューかめりあの2つでした。なのでチェックインカウンターもその2路線の分だけとなっています。なお、高速船のクイーンビートルに対して、ニューかめりあは通常の客船で6時間かけてプサンへと向かいます。
チェックイン後はターミナル内をぐるっとした後に出国審査へと進みました。1日に数百人しか利用しないので当たり前といえば当たり前なのですが、結構こじんまりとした入出国審査場でした。そして博多港の出国スタンプをゲットです。
この写真の右奥に見える赤い船がクイーンビートルです。香港-マカオ間のターボジェットフェリーのようなサイズを想定していたのですが、それよりも全然大きい船でした。後程調べたところによると、クイーンビートル就航前のビートル号は香港-マカオ間のターボジェットと同じボーイング929だったのですが、速度が少し落ちる代わりにより大型化したクイーンビートルに世代交代していたのでした。
そしていよいよ搭乗して出航です。窓からは同じく博多-プサン間を結ぶニューかめりあが見えました。
しばらくしてから船尾の展望テラスに出てみると、一面海の中をしぶきを上げて進んでいるのが見えました。なかなかいい眺めです。私と同じく、展望テラスに出てきて海を眺めている人が結構いました。
ちなみに船内はこんな感じです。座席もかなりゆったりした造りで、飛行機とは比べ物にならない快適さです。もちろん船なので多少揺れるときもありますが、船酔いもせずにゆっくり過ごせました。
ちなみに結構フードも充実していました。さすがに朝ラーメンを食べているので、人気のピザなどは食べなかったのですが、クレミアソフトクリームのチョコレート味があったので思わずオーダーしてしまいました。こういう風にカップを使ってサーブするのは揺れ対策なんでしょうね。
プサンに上陸
3時間40分の船旅を経て無事にプサン港に到着しました。プサン港のターミナルは就航路線が多いからか、博多港のターミナルよりかなり大きいですね。
船での移動中も晴れていましたが、プサンもかなり晴れていました。この時8月の真っただ中でしたが、プサンは東京よりいくらか涼しい印象でした。
船を降りた後はまずプサン駅へと向かいました。プサン駅はプサン港のすぐそばにあります。中央駅と港がこれだけ近いのはさすが港町ですね。
お昼ご飯を探す
プサンに着いた頃にはすでにお昼を過ぎていたので、Googleで検索して出てきたお店に向かうべく、チャガルチ市場に行きました。
港町、それも日本海に面しているわけですから当然海鮮を売るお店が多数並んでいました。日本でもよく見るカニなどから、日本ではあまり見ない食材までいろいろ売っていて面白かったです。
しかし、お目当てだったお店はどうやらコロナ禍で閉店してしまったようでした。2023年のこの頃はまだまだコロナ禍からの回復期で、Web上の観光情報がコロナ禍前のまま更新が止まっているパターンが多々ありました。
気を取り直してホテルのある西面駅周辺に移動し、またしても検索してヒットしたこちらの「松亭(ソンジョン)3代クッパ」に行きました。
こちらで食べたのはテジクッパです。テジというのは豚のことで、豚をしっかり煮込んだスープにご飯を入れて食べます。小エビの塩辛や辛味噌などで味変しつつおいしくいただきました。写真には写っていませんが、パンチャンと呼ばれるおかずはセルフサービスで取ってくるスタイルで、そのキムチがなかなかピリ辛でさすが韓国と思ったのでした。
電気街を調査する
テジクッパを食べた後もまだホテルのチェックイン開始時間まで時間があったので、同じく西面にある電気街の調査に出かけました。ちなみに私がここを訪問する数週間前に台湾旅行記でも言及したいしかわきょーすけさん(@qx5k_iskw)がこちらを訪問しており、いしかわさんのツイートをいくらか参考にさせていただきました。なお、いしかわさんは「電子パーツ店巡りはボーダレス」の中でここ西面の電気街について言及されています。ご興味のある方はぜひそちらもご覧ください!
しかしこの日は土曜日だったこともあり、電気街のお店はことごとくお休みだったのでした。韓国の電気街はソウルでも土日はあまり営業しない傾向があったので、平日に訪問する方がよさそうですね。そんなわけで、お店の外からショーケースの部品群を眺めました。
このあたりは単一の店舗が並んでいるというよりは、いわゆる商業団地になっていてその中に部品店などが入居しているという形態でした。ソウルの龍山電子商街も同様の形態なので、韓国の電子産業ではよく見るスタイルなのかもしれません。2つの写真のうち最初の写真は商業団地内のきれいなビルの2階部分で撮った写真です。なかなか広そうだったのでいつか再訪して部品のラインナップを確かめてみたいところです。2枚目の古い建物はシャッターが下りているお店だったり、アクセサリーショップなど、小さい店舗でも営業できる他の業種のお店に変わっていたりするところが多かったです。
電気街の周辺をうろうろしていたらなかなか看板で埋め尽くされた不思議なビルに遭遇しました。明るいのにちょっとサイバーパンクっぽいのがちょっと面白いポイントです。
韓国でも東横インに泊まる
電気街調査を終わった後はホテルに向かいました。そう、東横インです。東横インは海外にもいくつか店舗があり、以前にフランクフルト中央駅前店に泊まったことがあります。
チェックインが済んで客室に入ってみると「いつもの」東横インでした。これだけ見ると韓国とは思えないですね…
チェックインした後、散歩に出かけて近くのNC百貨店をうろうろしていたら、お皿でできたドレススカートを着けたマネキンが置いてありました。なんだかよくわからないですが面白かったのでつい写真を撮ってしまいました。
ひたすら階段を上る
NC百貨店をうろうろした後はプサンの観光スポット、168階段に向かうために再びプサン駅まで移動してきました。プサン駅のコンコースにはスラムダンクの登場キャラクターの誕生日を祝う看板が出ていました。キャラクターの名前はローカライズされているんですね。
168階段は名前そのまま、168段あるプサン駅近くの階段です。写真の通りかなり狭い階段なのですが、上まで行くと眺めがよいということで観光スポットになっているようでした。
ご覧の通り、結構急な階段です。写真左側にはおそらく地元住民の方向けのモノレールのレールが写っていますが、今も稼働しているかは結構怪しそうな雰囲気でした。
ややヘロヘロになりながら上っていくと、一番上にはちょっとした展望テラスが用意されていたのでした。なるほど確かにこれは眺めがいいなと思いました。海と山が近い極東の港町ということで、ウラジオストクにもちょっと似ているという印象を受けました。
展望テラスからの眺めを楽しんだ後は再度階段を降りて、一旦ホテルに戻りました。道中のコンビニで見つけた栄養ドリンクを思わず買ってしまったのですが、こちらはどうやら某ワシのマークの栄養ドリンクのパクリ商品のようです。なかなか露骨!と思うのは私だけでしょうか…
ユッケ&レバ刺しを食べる
そうこうしているうちに夜になったので晩ごはんを食べに繁華街のナンポドン(南浦洞)エリアに移動しました。やっぱり韓国に来たらユッケとレバ刺しです。今回は贅沢にアワビとイカも付いています。
そしてお約束のマッコリもしっかりいただきました。このボトルタイプを一人で全部飲むとちょっと飲みすぎになるような気もするのが、意外と飲めてしまうのですよね…
ナンポドン周辺は繁華街ということもあり居酒屋などがひしめいています。通りの雰囲気は日本にちょっと似ているものの、看板が日本のものよりギラギラしていたりしているのが韓国の街並みの特徴かなと思います。中洲ではないですが、屋台が連なっているのも楽しげでいいですよね。
レバ刺しやユッケをひたすら食べた後、ホテルに帰るときにお茶が飲みたいと思い再びコンビニを覗いたところ、「17茶」というお茶を見つけました。まさかの十六茶の敗北です。ちなみに結構薬膳っぽい味がした記憶があります。
ソウルへ向かう
翌朝は東横インで朝ごはんを食べた後、すこしゆっくりしてからソウル行きの高速鉄道KTXに乗るべくプサン駅へと向かいました。この手の文字オブジェはどこでも定番ですね…
11時発のソウル行のKTXに無事乗車…したのはいいのですが、事前に予約していた座席がまさかの対面座席でした。KTXは日本の新幹線と違い座席が回転しないようになっていて、一両の前半分と後ろ半分で座席の向きが違うというシステムになっていました。これを知らずに予約してしまった私のミスなのですが、最初だけちょっと気まずかった約3時間の列車の旅となったのでした。走り出してしまえばみんなスマートフォンを見ていたりするので気にならないのですが…
以上、2023年8月の韓国旅行記、福岡&プサン編でした。次回はソウル編です。お楽しみに!