ニーハオ!14日は旅行の3日目,深セン観察会ツアーの前日(0日目)でした.
宿でバタバタ
さて,本来は14日に深セン入りし宿泊開始のところ,1日前倒しで宿泊することになったので,
13日の時点で1泊分の料金を支払っていました.また,本来の宿泊期間分の料金はすでにカードで払っていました.
しかし,最初に料金を支払った時のフロントの方は英語が話せず,翻訳アプリを使ってなんとかやりとりしたということもあり,
同じ部屋を使い続けてよいのかということと,本来の宿泊期間分がすでにカードから落とされているという点を
きちんと確認しておこうと考え,フロントに行きました.
料金を支払った時のフロントの方とは違う方がいたのですが,こちらも英語NG.
Booking.comで予約して,英語のメッセージのやり取りもしていたので*1,
たまたま最初の人がダメだったのかと思いきや,若干雲行きが怪しくなってきました.
フロントの方もこちらの主張を察してくれようとするのですが,今一つうまくいかないので,
再度翻訳アプリ*2にご登場いただきました.
Google翻訳アプリを使ったのですが,どうも日本語からだと私が読んでも何か違う意味のように翻訳されてしまっていたので,
英語で打ち直し,見せると予約帳簿的なものを確認してOKとの返事が返ってきました.
ほっと一安心したところで,朝ごはんを食べることにしました.
Booking.comを見ると朝ごはん付きと書いてあったのですが,宿に到着した時にはレストランなんて
なさそうだよなあと不思議に思っていました.
しかしロビーのテーブルを見ると朝ごはんを食べている人がちらほら.
ロビーのちょっと奥に朝ごはんがおいてあるので,皿に盛ってロビーのテーブルで適当に食べる,ということのようでした.
おかゆと,饅頭*3,ゆで卵とよくわからない辛い野菜がおいてあり,
おかゆはすごく水っぽそうだったので,饅頭とゆで卵と辛い野菜を食べました.
周りを観察すると,饅頭に辛い野菜を乗せて食べる模様でした.確かに辛いのですがくせになるおいしさ.
食べ終わってから水を飲んで,前日に決めていたシャオミのショールーム
「小米之家」への集合時間に間に合うように移動しました.
シャオミのショールームに行ってみる
シャオミのショールーム「小米之家」はこの高層ビルの8階にあります.
ホテルも入居しているビルの8Fにガジェット製品のショールームがあるのは新鮮でした.
ショールーム自体はさほど広くはなく,ぐるっと見るだけなら10分程度で済む広さでした.
この時集まったのはツアー主宰の高須さん,「伽藍とバザール」の訳者である山形浩生さん,明治大学の先生で私と会社をやっている渡邊先生,私の4人でした.
セグウェイのようないわゆる「ホバーボード」の類であるNinebotも当然置いてありました.
セグウェイのような,と言いましたが,セグウェイは現在シャオミ傘下なので*4,実質的な姉妹機種といってもよいでしょう.
上の2枚の写真は扇風機と空気清浄機ですが,素人目に見ても某B社っぽいデザインですよね…(特に空気清浄機!)
そして空気清浄機は699元(約1万円)と非常に安いです.
デザインの是非についてはさておき,機能の面を見てみると,大変よくできていることが分かります.
シャオミの多くの製品にはボタンがほとんどなく,基本的な操作のみが本体でできるようになっていて,
残りの機能,例えば扇風機であれば首振り運転の差異の首を振る角度の設定*5やタイマー設定などは,
スマホから行うようになっています.
本体にはボタンを少なくシンプルに,詳細な機能はスマホで提供,というのは,スマホを販売しているシャオミならではの戦略かもしれませんが,
一貫してそのような形態を取っていることで,本体のハードウェアをシンプルにし,さらにスマホ側ソフトの改善によるUIの継続的な改善が可能になるといった点や
1つのスマホで全部の家電を操作したいのでシャオミで揃える,という動機付けにつながるといったメリットがあるのだと思います.
そのほかにも浄水器だったり,
三洋電機のOBが設計に携わっていると話題の炊飯器などもありました.
小物コーナーもあり,モバイルバッテリーやBluetoothスピーカーなどが売っていました.ここにモバイル電気蚊取り器も置いてあり,山形さん,高須さんはその場で購入していました.
出口付近にはレーザーマーキングサービス用の彫刻機もありました.
タクシーで沙井電子城へ
一通り小米之家を見た後はタクシーを拾い,深センのメカトロビルディング「沙井電子城」へ行きました.沙井電子城は宝安区という,深セン空港付近の地区にあるので,
華強北のある福田区からはだいたい1時間程度かかりました.
ちなみに行きのタクシーで道案内のために高須さんのスマホを運転手さんに渡していたのですが,うっかり運転手さんから回収する前に降りてしまい,慌ててタクシーを再度止める*6というアクシデントはありました.
宝安区は深センのかなり端の方なので,都会っぽさはなく,広めの駐車場と大きい4,5階建のビルが地方のショッピングセンターのような雰囲気を若干醸し出していました.
しかし中に入るとご覧のとおり,ずーっと先まで工具とメカ部品のお店が広がっています.なんというか,ラジオデパートのように,小さい商店がずらっと並んで営業しているという感じです.
店舗1店舗の仕切りに壁はなく,単にガラスケースの切れ目がお店の切れ目という割とアバウトな形でお店が並んでいるのはラジオデパートやガード下と違う点といえます.
FA機器ではお馴染みのケーブルを引き回すためのチェーンも,かなり大きい物が普通に販売されていました.
ヒートシンクの山だったり,
ずらっと並んだコネクタ,
換気扇用のモーターや,
バルブ,
モータに直動機器など,メカトロ関連のものであれば中古,新品入り混じってはいますがおよそなんでも揃いそうな雰囲気でした.
モータに関しては値段を高須さんに聞いてもらったところ,42mm角のステッピングモータが800円程度との事だったので,日本で中国産を購入する場合と比べて,送料分に加えて少し安い程度の雰囲気のようでした.
3階まで上がると,FA関連というより工場の事務機器やレジ,お金を数える機械やPCなどの売り場となっていました.2階まではまったく客引きはなかったのですが,売るもののジャンルが異なるせいでしょうか,なぜか3階だけ客引きが強烈でした.
4階の様子を見に行った(結局4階はオフィスだけでした)時に発見したLED非常口サイン.コンセントから電源を取ってお手軽に光らせることができるようになっていました.
一通り見て1階まで降りたところ,金属3Dプリントのお店を発見.お店に3Dプリンタはなかったので,受注窓口になっているようでした.
その他にも中国の将来のメイカームーブメントを支えそうな若者(?)などを目撃しました.
深センでの初お昼
沙井電子城を出て,ちょうどいい時間なのでお昼ごはんにすることになりました.沙井電子城のそばの,お店の店員さんたちが行っていそうなローカルのお店へみんなで入りました.
エビやえんどう豆の炒めもの,煮豚(超うまかった!)などとご飯,スープを頂きました.4人分全部で確か50元(約750円)程度でした.
ご飯が安くておいしいのは大事なことですね.実は店員さんが並んでいるお店の隣の空いているお店に入ったので,そんなに味は期待していなかったのですが,
良い意味で予想を裏切られました.
さらに,ご飯を食べている最中に,WeChat Payment(微信支付:ウェイシンジーフー)の話が出ました.
高須さん曰くWeChat Paymentは専用端末が不要で,QRコードを読み取るための携帯だけで決済ができるためにどこでも使えるという話でした.
どこでもと言っても流石にローカルの食堂では使えないだろうと思っていたのですが,お店のおばちゃんの携帯を使って無事決済できました.
WeChat Paymentの威力を垣間見た気がしました.
沙井文具城へ
お昼ごはんのあとは沙井電子城の隣の沙井文具城へ向かいました.
こちらも電子城に負けず劣らず巨大です.
沙井文具城の中は名前に違わず文具がずらり.品揃えを見るに,企業のノベルティ用文具やオフィス用文具・事務用品がメインなようです.
領収書の束も売っていました.基本的に個人商店風のお店はこんな感じの束から領収書を切手くれました.
ラープ(?)の箱もありました.高須さん曰くいろいろなところで見かけるとのこと.
その他にも工場のラインに入る時に着用する帽子なども売っていました.
Maker Barを見学
沙井文具城を離れて,ちょうど一般公開日だったMakerBarへ向かいました.ここで更に何人かの方と合流しました.
おしゃれな感じのメイカースペースで,Elecfreaksという企業が主体となって運営しているようです.
無接点充電回路用のコイルだと思われる部品での作品が壁に掛けてありました.
MakerBarには2階もあり,2階に関してはインキュベータのような施設になっていて,いろいろなプロジェクトのチームの試作のためのオフィスとなっていました.
その他1階には持ち運び可能な3Dプリンタなども展示されていました.
このメイカースペースの共同創業者であるKentさんが直々にいろいろなプロトタイプについて紹介してくれました.
初めて深セン地下鉄に乗る
MakerBarを一通り見学した後は,華強北を目指して最寄りの深大站*7から地下鉄1号線に乗りました.
前日にも地下鉄に乗ろうとしましたが,細かいお金がないこととプリペイドカードである深セン通が買えなかったこともあり,
乗っていなかったのでした.
日中だったこともあり深セン通を無事入手.デポジット50元,チャージ50元の合計100元(約1400円)でした.
ちなみに裏側は路線図になっている便利仕様でした.*8
深セン地下鉄は至って普通の地下鉄で,都営南北線のような(?)ホームの端がすべてガラスのドアになっているタイプでした.
12駅,約1時間の旅でしたが,日本で電車に乗るのと大して変わらないという感想でした.
華強北へ上陸!
1号線の華強路*9駅で降りてA出口を出るといきなり電気街でした.
「華強電子世界」といういかにもなビルを尻目に,ずんずんと進んでいく高須さんに付いて行きました.
最初に見に行ったのがiPhoneなどの中古部品を売る市場でした.この市場だけはカメラNG*10だったので写真がないのですが,
そこへ近づくにつれ,路上にiPhoneの買い取りをする旨を書いた看板を掲げたおばちゃんがいたりしました.
いざその市場に入ると,iPhoneのロジックボード(メイン基板)やタッチスクリーンといった,スマホの部品が構成要素ごとに10枚程度の束として輪ゴムで束ねられて売られていました.
ここまで分解してリサイクルしてもペイするというのはちょっとびっくりです.
その後戻ってきて国際電子城へ.看板の多言語表記の通り,どうやらいろいろな国からガジェットを買い付けに来る人が多いようです.
深センで700円のアクションカムを買った話や深センで買った700円アクションカムをバラしてみるで取り上げている
700円アクションカムはこの時初めて発見したのでした.ガラスケースの外に出ている特売品が700円アクションカムです.
このときは時間がなかった*11こともあり,買いはしませんでしたが,華強北の強烈な洗礼という印象でした.
その後向かいの賽格工廠店で1万円を切っているホバーボードや電動自転車やVRゴーグルを見ました.どこかで見たような気がしないでもない電動自転車が格安で売っていたりして,
単なる怪しいガジェットの産地であるだけでなく,OEM製品等の産地でもあることを再認識しました.
その後さらにその隣の賽格広場の中を見学しました.
ドローンメーカであるDJIのショールームもありました.
賽格広場の中の賽格電子市場にはCPARKという深セン発の製品を集めたショールームもあり,そこのカフェコーナーでりんごジュース*12を飲みつつ,
いろいろな製品を眺めていました.
一番インパクトがあったのはガソリン駆動マルチコプターです.ここまで来ると本当にマルチコプターでないといけないのか,ちょっと謎です.ガソリン駆動なのは中央の二重反転プロペラだけで,外周のプロペラは電動のようだったので,
実際にはハイブリッドマルチコプターということになるのでしょうか.
ホバーボードのデモをしていたおねえさんが歩きスマホ,もといながらスマホをしていたり,いろいろと突っ込みどころ満載でした.
午後6時を過ぎたところで,閉店時間とのことだったのでお店を出ました.
外に出ると,ちょうどドローン販売の屋台が出ていて,ビルとビルの間を縦横無尽に飛ばしていたのですが,
公安が来た途端に売り子のおじさんたちが飛ばしていたドローンをキャッチして待機状態に.さすが「上に政策あれば下に対策あり」の国ですね…
ちょっと見にくいですが,移動中にマップを見つけたので写真を撮りました.「電子」「工業」「手机*13」などの表記があるビルが幾つもあることがお分かりいただけるかと思います.
羅湖商業城で北京ダックを食べる
その後,前日入り組で羅湖*14駅のショッピングセンターである羅湖商業城の北京ダックのお店に行くことになっていたので,
再び地下鉄1号線に乗り,5駅先の終点,羅湖まで行きました.
羅湖商業城は中港国境であることもあり,偽ブランド品などの偽物天国として有名なショッピングセンターでもあります.
足を踏み入れると,偽物も本物もないような怪しいスマホアクセサリーが並んでいました.
上の方から眺めると,そこまで怪しい雰囲気はないのですが,よくよく見てみるとやはり偽ブランド品のお店が…
そんな感じでぐるぐると見学した後,予約の時刻となったので北京ダックのお店である丹桂軒へ.
ローカルの人々にも人気のお店のようで,大混雑でした.
そしてなにはともあれ最初はビールです.お約束の青島ビールでした.
そして乾杯の後主賓である(?)北京ダックの登場です.
このせいろに入った皮で野菜と北京ダックを包んでタレを付けて食べます.ダックの脂の旨味が口の中に広がり,さすが中国で食べる北京ダックは旨い…!と一行が無口になるレベルのおいしさでした.
サイドメニュー(?)もどれもおいしく頂きました.いろいろ食べて200元(2800円)以下で済みました.安い…!
その後,また地下鉄に乗り宿まで戻りました.
2年前の旅行記もそうでしたが丸一日ずっと観光しているとさすがに長い記事になりますね.
1ヶ月ほど経ってしまいましたが,写真のFlickrへのアップロードも終わったので頑張って書いていきたいと思います!
*1:少なくとも私が見る限りそこまでGoogle翻訳感はなかったです.
*2:前回はフロントのお兄さんのスマホのを使いましたが今回は私のスマホのアプリを使いました
*3:日本のまんじゅうではなくて,中に何も入ってない中華まん
*4:Ninebotという企業とセグウェイとの間での特許訴訟のごたごたの挙句に両社ともシャオミ傘下になる,という結末だったと記憶しています.
*5:そもそも,首振り角度の設定ができるということは,よくある扇風機の,風を送るモータの動力と機械的なリンク機構による首振りではなく,センサないしはスイッチと,首振り専用モータによる首振り運転ということになるので,正直なところこれだけでも十分高評価.
*6:運転手さんもすぐ気がついたようですぐに止まりました
*7:Shenzhen University駅
*8:が,最終日になくしてしまったので何の意味もないのであった
*9:ファーチャンルー,華強北電気街の最寄りの1つ
*10:公安に怒られるとのこと!
*11:華強北のお店は秋葉原と同じで6時位には閉店し始める
*12:どうでもいいのですが中国で飲むりんごジュースは皮ごと絞ってる味がします!
*13:スマートフォン
*14:普通話でルオフー,広東語でローウー,中港国境の駅.陸路で入国していれば通ったはずだが蛇口港経由の海路入国なので国境付近の様子はわからず.