前回のヴィエンチャン編に引き続き、2024年7月に行ったラオス・タイ旅行記、バンコク編です。この時は現地在住の友人である椛澤さんにお会いして、ちょっとローカル感のある面白いスポットにも連れて行っていただいたのでした。
バンコクに到着
前日の夜に乗った寝台列車は朝6時前にバンコク・クルンテープ・アピワット中央駅に到着しました。
今回は2人旅ですし、ホテルもここからMRTやBTSでまっすぐ行くにはちょっと遠回りな場所に取っていたこともあり、Grabタクシーを呼んでホテルへと向かいました。
お粥を食べる
ホテルに荷物を預けた後は朝ごはんを食べに出かけました。友人は寝台車の冷房と振動でいまいち熟睡できなかったようだったので、朝ごはんは優しめかつタイの名物であるお粥を食べに行くことにしました。
MRTのサムヤーンの駅で降りて、しばらく歩くとこちらのジョークサムヤーンに到着です。ジョークというのはタイ語でお粥という意味です。朝7時半ごろでしたが、店員さんは慌ただしく働いていました。
テイクアウトもあるようですが、我々は店内のテーブルに陣取りお粥を食べることにしました。タイのお粥は結構しっかり味が付いていて、右側に見えるショウガやネギなどで味変しつつ食べると結構おいしいのでした。
お粥を堪能した後は8時に開くワットポーを目指すべく、再びサムヤーンの駅へと戻っていきました。サムヤーン駅との往復の間に、黒いネコちゃんと白いネコちゃんを見ました。白いネコちゃんはちょっとだけ模様があってホワイトタイガー風ですね。黒いネコちゃんは首元の白いアクセントがかっこいいです。
朝から歩きっぱなしというのもなかなか疲れるので、道中見かけたタイのカフェチェーンであるCafe Amazonにも寄りました。ここはガソリンスタンド併設の店舗で、2階部分がこんな感じの広いスペースになっていました。かなりくつろげる雰囲気で、コーヒーを飲みつつ体力を回復することができました。
ワットポーへ行く
サムヤーン駅から再びMRTに乗り、2019年に新規開業した区間を経由してサナームチャイ駅で下車してワットポーへ向かいました。ワットポーに限らず、このあたりのお寺は朝早い時間から見学を受け入れているので、早朝着の観光客にとってはありがたいですね。
朝早かったこともあり、境内はそこまで混みあっていませんでした。
そしてワットポーの名物の一つ、タイマッサージを受ける人の彫刻も見ました。ワットポーはタイマッサージの講習所がかなり昔からあることでも有名です。
お堂の中ではお坊さんの前にいるご家族への祈祷が行われていました。ちょっと珍しいシーンを見ることができた気がします。
そしてワットポーといえばなんといってもこの巨大な涅槃仏です。この通路には108個の鉢が置いてあり、そこにサタン1硬貨を喜捨して徳を積むことができるようになっています(サタン硬貨は入り口のところで寄付をすると入手することができます)。2020年の1月以来、4年半ぶり3回目ですが今回もこれを体験しました。
ワットポーをぐるっと観光した後はその周辺の写真をちょっと撮ってから次の目的地へと向かいました。バンコクはGrabで呼んでも普通の車ではなく、1枚目の写真右端のようなタクシーが来る確率が結構高いんですよね。そして赤バスはまだまだ健在なのでした。
湯の森へ行く
ワットポーから向かったのはこちら、不思議なデザインのビルとして有名なマハナコンタワー…ではなく、その近くにある「湯の森 サトーン」という日本式の温泉施設です。バンコクには2店舗、その他パタヤにも1店舗ある温泉施設チェーンです。寝台列車で移動したのでシャワーを浴びていなかったことと、やはりさすがに朝から動き回っていると疲れるということもあり、ここで一旦温泉に行くことにしたのでした。
ロッカーにスマートフォンを入れてしまったので写真はありませんが、温泉施設のほかにおしゃれなカフェレストランもあり、ソフトクリームを食べたりもしました。早朝着や深夜発のときには結構ありがたい施設だと思います。
エビ釣り&ムーカタ
湯の森を出た後はバンコク在住の椛澤さん(@KabakoChibiko)とお昼ご飯を食べる約束をしていたので、待ち合わせ場所のエビ釣り堀へと向かいました。椛澤さんとは2019年12月に深圳のビール工場に見学に行ったり、2023年4月のMaker Faire Rangsit訪問時などにもお会いしたりしていました。本当は2023年のゴールデンウィークにバンコクを訪問した際にもお会いしてごはんを食べに行く予定だったのですが、私がダウンしてしまって行けなかったのでした。このエビ釣り堀はその時提案していただいたお店で、1年越しのリベンジ達成というわけです。
エビ釣り堀は本当にエビを釣る施設で、写真の通りバケツ一杯の氷とビールがやってきて、これを適当に飲みつつみんなでエビを釣っていました。ちなみにエサは鶏ハツでした。エビって鶏ハツを食べるんですね。
ちなみに、結構な時間この釣り堀で粘ったのですが、釣れたのは椛澤さんのみという結果になりました。周りには我々より先に座っていて我々がごはんを食べるためのテーブルに移動した時にもまだ釣りを継続していたおじさんもいましたが、果たして釣果はどうだったのか気になるところです。
釣り堀の横にはレストラン用のテーブルが併設されていて、釣ったエビは焼いてサーブしてくれるシステムになっています。もちろん釣れなかった人は普通にエビをオーダーすることもできます。
そしてエビ以外にもタイ式焼肉鍋・ムーカタもオーダーすることにしました。豚肉を中央部で焼き、周囲の鍋ゾーンでキノコやヤングコーンなどの具材を煮るというシステムです。きちんとムーカタを食べたのはこの時が初めてだったのですが、なかなかのおいしさでした。ちなみにここの具にも玉子豆腐があり、前日の食堂車で出てきたスープの具の謎が解けたのでした。
その他にもサイドメニューを何品か頼みました。どれもおいしかったのですが、2枚目の写真のイカを塩漬けの卵を使って炒めた料理はなかなか卵のコクと塩気があり美味しい料理でした。
アイコンサイアムへ行く
エビ釣りとムーカタを楽しんだ後は近くにある2018年開業の商業施設、アイコンサイアムに行ってみようということになり、ケーブルがモジャモジャと絡まっている電柱を眺めつつ歩いて向かいました。
バンコクはサイアム駅周辺などにも多数ショッピングモールがありますが、ここアイコンサイアムは中心部から少し離れている代わりにかなりの巨大さ、そしてゴージャスさを誇っています。エリアによってそれぞれ異なるテーマの内装になっていて、ちょっとしたおやつから本格的な料理まで楽しめるフードコートなどがありました。また、日曜日ということもあってか写真の通りかなりの混み具合でした。
ちなみにモール内テナントとしては高島屋もあります。高島屋はホーチミンシティにもありますね。海外で日本の百貨店チェーンを見るとちょっと不思議な気分になります。
ちなみに道路沿いの正面エントランスからまっすぐ通り抜けていくと裏手のチャオプラヤー川沿いの広場に出ることができます。噴水ショーがあるということでこちらに向かったのですが、他にも何か催し物があったのか、大分気合を入れておしゃれをしている人々も見かけました。あれはいったい何だったのでしょう…?
なお、1枚目の写真でちょっと見えるように、2階より上のエリアにはカルティエやルイヴィトンなど、ハイブランドのかなり大きい店舗が入居していたりもするのでした。
船に乗る
アイコンサイアムをぶらぶらした後は、中華街のヤワラーの夜景を眺めに行こうと考えていました。するとここで椛澤さんが船で行くのが便利ではないかと提案してくださったので、アイコンサイアムのチャオプラヤー川沿いにある船着場から、まずは対岸のフェリーターミナルへと船で移動しました。船に乗る頃には外は結構暗くなっていました。
チャオプラヤー川はチャオプラヤー・エクスプレスという路線バスならぬ路線フェリーの他、先ほど乗ったような商業施設やホテルへのアクセスのためのフェリーなどが頻繁に行き交っています。2014年に初めてバンコクを訪れた時にもフェリーに乗ってアジアティーク・ザ・リバーフロントに行ったりしていたので、本当にフェリーが多いなあと思っていたのですが、椛澤さん曰く蘇州と並び東洋のベニスとも呼ばれたほどバンコクは水運が発展している街なのだそうです。確かにバンコクの街を歩いていると運河に架かる橋を渡ったりすることがちょくちょくありましたし、東洋のベニスの名前も納得です。
アイコンサイアムからの渡し船で移動したフェリーターミナルでチャオプラヤー・エクスプレスに乗り換えて、ラーチャウォンで降りてそこからは徒歩でヤワラーへと向かいました。道中のセブンイレブンで各自水分補給に飲み物を買いましたが、私はタイの栄養ドリンクであるM-150をチョイスしました。
ヤワラーの夜景を撮る
しばらく歩くとヤワラーに到着です。こちらもアイコンサイアムに負けず劣らず、歩道の上は人であふれかえっていました。
香港ではかなり減ってしまいましたが、ここヤワラーの看板群はまだまだ路上にせり出していて、独特の風景を作り出しています。香港と違ってネオン看板は少ないですが、手書き感のある太めの書体の漢字で書かれた看板はどれもなかなかのインパクトがあります。
ヤワラーは王宮エリアとかつてのバンコクの中央駅、フアランポーン駅をつなぐ幹線道路でもあるので、車道は車道で車やトゥクトゥク、タクシーであふれかえっています。でもこのガヤガヤ感がヤワラーの持ち味なんですよね。
せっかくだからということで椛澤さんに交渉いただき、トゥクトゥクでフアランポーン駅へと向かうことにしました。1人旅だと相場も分からないですしぼったくられるリスクがあるのでGrabタクシーかMRTなどしか使わないので、ここでトゥクトゥクに乗ることができたのはちょっとうれしかったのでした。
フアランポーン駅で予想外の発見
椛澤さんにお礼を言いつつ別れてから、MRTに乗ってホテルに戻る前にフアランポーン駅へ寄ってみることにしました。クルンテープ・アピワット中央駅に中央駅の機能を移転した後、何か博物館のような施設というような話がある一方で一部の列車は相変わらずフアランポーン駅発着だったりと、いまひとつ今後の方向性が不透明なままの駅なので、見られるうちに行っておこうと考えたのでした。
タイ国鉄の列車は実際に車両に乗るときに検札するシステムなので、駅構内に改札はなく、そのままプラットホームへ入っていくことができます。この時はSLが展示されていました。
フアランポーン駅は出入り口に近い手前の方にはアーチ状の屋根があるのですが、その先の屋根のないエリアまでプラットホームは続いています。2023年の訪問時に奥の方でJR北海道で活躍していた183系気動車を目撃していたので、今回も停まっていないかな…と見に行きました。するとなんと183系気動車だけではなく、タイ国鉄に同じく譲渡されたかつて日本で走っていたブルートレインの車両までいたのでした。ちなみに、これらの車両ははいずれも現在はタイで観光列車として活躍しているようです。
MBKセンターへ行く
翌朝は遅めに起きてお土産を探しつつ朝ごはんも食べようということで、サイアム駅周辺2の中では庶民派3なMBKセンターへと行きました。
朝ごはんはシンプルにカオマンガイ…だけのつもりだったのですが、タイに来たのだから牡蠣オムレツのホイトートも食べておきたいと思い、ちょっとガッツリ感がありますが両方頼んでしまいました。
その後はMBKセンター内のIT関連エリアをちょっと覗いた後、ファッションエリアでいろいろ(?)とアウトそうなTシャツを眺めたり、たまたまやっていた「名探偵コナン」のイベントに入ってみたりしました。
シリラート医学博物館を見学する
MBKセンターを出た後は、いくつか案を出したのですが友人がぜひここで、というのでシリラート医学博物館へと行きました。ここは「死体博物館」という通称でも知られる、シリラート病院内にある医学博物館です。シリラート病院はタイ最高峰の医学部を抱えるマヒドン大学の附属病院で、構内にあるいくつかのビルに分散して医学関係の展示を行っているのでした。
内部は写真撮影が禁止だったため写真はありません(写真が撮れたとしてもちょっと載せるのは気が引けますが)が、人間の胴体を鉄の容器で包み、容器内を加減圧することで強制的に肺を動かして呼吸させる「鉄の肺」という昔の人工呼吸器や、いわゆる奇形児の標本、法医学博物館エリアでは殺人事件に巻き込まれて銃弾が貫通した頭蓋骨など、様々な展示がなされていました。
空港へ向かう
シリラート病院からサイアム駅方面へ戻るタクシーがなかなか捕まらず四苦八苦したりもしましたが、お土産を少し買ったりした後ホテルで荷物を回収し、空港行きのARLに乗ってスワンナプーム国際空港へと戻ってきました。
チェックインした後は帰りもラウンジをいくつか巡りました。エバー航空のラウンジは台湾系だけあって点心が置いてあり、これがなかなか本格的でした。ただ、帰りに行った中ではタイ国際航空の遠距離乗客向けの広いラウンジがやはり圧倒的な充実度でしたね。
各国空港にはあれこれオブジェを置きがちですが、ここのオブジェは銀色のゾウでした。チャーン(ゾウという意味)ビールといい、タイ人にとってゾウが特別な存在であることを垣間見ることができるポイントでした。
ラウンジを回った後は行きと同じくタイ国際航空の飛行機に乗り、日本へと戻っていったのでした。
以上、2024年7月のラオス・タイ旅行記、バンコク編でした。ヴィエンチャン、バンコクともに短い滞在でしたが、バンコクでは現地在住の椛澤さんの力もお借りしてなかなか面白い体験をすることができました。(ありがとうございました!)次回は同じく7月に行った東アジア周遊旅行記です。お楽しみに!