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Twitterでしかお知らせできていなかったのですが、2022年12月3日・4日に岐阜県大垣市で開催されたOgaki Mini Maker Faire 2022(以下、OMMF)に参加・出展してきました。今回の記事はその参加記になります。

と…その前に:分解のススメの本が出ます

参加記に入る前に、こちらもまたまたTwitterの方でしか告知できていなくて申し訳ないのですが、ニコ技深圳コミュニティ高須さんたちと書いた「分解のススメ」の本、「感電上等!ガジェット分解のススメHYPER」が出ます。2023年1月27日発売です。ぜひお手に取っていただけると嬉しいです!

気を取り直して参加記へ

なぜ冒頭で著書の宣伝を挟んだかというと、下記のTweetの通り今回の出展はこの「分解のススメ」本の著者チームで行ったからなのでした。ちょうど本の内容も固まって、開催までには価格・発売日などの情報も揃いそうだということで、著者陣から山崎さん秋田先生と私で出展しました。

今回は会場が岐阜県大垣市ということで、まずは新幹線で移動です。新幹線で移動といえばおなじみのスジャータのアイスクリームもばっちり味わいました。

名古屋で新幹線を降りて、東海道線新快速に乗って30分ちょっとで大垣に到着です。大垣には実は以前お仕事でちょっとだけ(ほんの数時間!)来たことはあるのですが、その時は車で来たので大垣駅に来たのは今回が初めてでした。

大垣駅からOMMFの会場であるソフトピアジャパンセンターまでは少し距離があることと、今回は開催当日の朝に移動だったことから大垣駅からタクシーで会場へと向かいました。タクシーに乗り、行先を告げ車が走り出すなり運転手さんから「今日はみんなソフトピアばっかりなんですけど、なんかあるんですか?」と聞かれてしまいました。ええ、なんかありますということで、運転手さんにざっくりとOMMFについて説明しながら会場へと向かいました。

私が会場に到着した11時前の時点で、出展者の方々でなかなかの賑わいを見せていました。前日に名古屋入りしていた山崎さんと秋田先生(と研究室の皆様)とも合流して、早速私も展示の準備を始めました。

今回の出展内容

今回の出展は「分解のススメ」ということで、山崎さんの100均ガジェット分解標本、秋田先生の炙りIC、私のアクションカムの分解を展示しつつ、出版される書籍も紹介していました。説明パネルは大垣駅前のコンビニで印刷して作成しました。最近のコンビニコピー機は厚手の光沢紙なんかも選べて便利ですね。

今回はブースでの展示に加えて、実際に100均ガジェットを分解してみるワークショップや分解のススメの活動を紹介するプレゼンも行いました。分解ワークショップでは実際に来場者の方に100均ガジェット1を分解してもらい、構造を観察してもらいました。隠しネジやツメの位置をよく観察してみなさん分解にトライしていました。コツを伝授すると「なるほど!」と納得してくれたりと、分解の楽しさを少しは伝えることができたのではないかと思っています。

ちなみにワークショップはたまたま初日の最初のワークショップだったこともあってか、岐阜新聞の方に取材を受けて、記事にほんのちょっと掲載されました。

いろいろな展示を見て回る

今回は複数人での出展だったこともあり、かなり余裕をもって他の展示を見て回ることができました。ここでは写真を撮ったいくつかの展示を紹介していきたいと思います。上の写真はBBコリーさんの「時場」です。ちょうどTwitterでバズった後だったので「Twitterで見たやつだ!」とつい言ってしまいました。通りがかった際に分解しているのを見かけましたが、内部構造はなかなかの力業のようでした。

こちらはタックマンさんの自作チップマウンタです。中華CNCを改造してチップマウンタ化されています。部品の位置合わせのためにRaspberry Pi Compute Module4に2つのカメラを接続していました。Compute Moduleを使っている人はなかなか見ないので印象深かったです。このほかにも360度カメラを自作されていて、RasPiに2つのカメラを繋ぐ構成はそこで得たノウハウを活用しているようでした。

こちらはけしのみ工房のけしかんさんの自作ハードウェアシンセです。いつもTwitterで拝見させていただいていますが、基板・UVプリントのフロントパネル、出音、いずれも完成度が高いです。

こちらは毎度おなじみの一瀬さんの”omicro”です。少し前からリアルとバーチャルを融合させた展示を取り入れられていますが、今回はバーチャル側のomicroからリアル側のomicroに干渉(例えばバーチャル空間側でomicro同士がぶつかるとリアル側のomicroも動く)できるようになっていました。

こちらはdominoTECHさんのテスラコイルです。バリバリと会場に音楽を流していました。

そしてこちらはいしかわきょーすけさんのペンプロッタです。その場で付箋紙に書いた文字をペンプロッタでプロットしてくれる展示になっていました。圧巻のペンプロッタ群もさることながら、付箋紙を撮影してプロットするシステムの作りこみの完成度の高さはさすがいしかわさん、という感じでした。

こちらはカサネタリウム・堀さんの折り紙式メディアデバイス「ORIME」です。会場では写真右の折り鶴が優雅に羽ばたいていました。なんとも魔法のような雰囲気でした。

こちらは芝寅製作所さんの空気圧機関車です。フルにメカで動かしているのかと思いきや出力の制御はフライ・バイ・ワイヤのごとく、ハンドルの角度は一度マイコンで読んでサーボでバルブの開閉をやっているとのことでした。初心者にもやさしくハンドルの角度の指示灯付きで、そのコンセプトが面白いなあと思ったのでした。実際に走るところも見せてもらいましたが、なかなかパワフルでした。

最後に紹介するのはYara:MakersさんのSPIRO MAKERです。XYプロッタでスピログラフを描画してくれる展示なのですが、XYプロッタの素早さや、描画するスピログラフのパラメータを決定するUIの作りこみがナイスでした。ペンで書かれた細い文字の味わいもいいですね。

会場を歩く

OMMFの会場はソフトピアジャパンセンターの2Fのソピアホールと、その下の1Fの広場エリアに分かれています。この空間構成はなかなか珍しいのではないかと思いますが、コンパクトな開催規模でも大物の展示が可能ないい構成だと思います。

ちなみにソピアホールのドアの取っ手はちょっとおしゃれな感じでした。

こちらは遠目から見て何かの展示なのかと思って近寄って行ったら単に業務用扇風機が換気のために使われていただけでした。こういう展示、たまにあったりするんだよなぁ…

東大垣駅から大垣駅へ

さて、初日が終わった後は見学者として来ていたShigezone茂田さんたちと一緒に東大垣駅へと向かいました。もともとはタクシーを呼んでみんなで乗り合わせて大垣駅周辺へ向かおうとしていたのですが、OMMF特需で地域のタクシーのキャパを超えた状態になっていたようでした。そこで我々はタクシーをあきらめ20分弱歩いて樽見鉄道の東大垣駅へと向かいました。カメラの補正機能でだいぶ明るく映っていますが、実際はもっと暗い無人駅でした。

ご覧の通り、大体一時間に1本の運行のようでした。

車両はこんな感じのワンマン気動車です。これは我々が待っていたら先にやってきた反対方向(樽見行き)の列車です。

しばらくしてやってきた大垣駅行きの列車に乗り、あっという間に大垣駅に到着です。運賃精算はバスと同じ運賃箱にお金を入れる方式です。ただ、大垣駅ではJRの改札を通る都合上、運転手さんにお金を渡してこの降車証明書を貰い、JRの改札を通って駅の外に出る方式になっていました。なかなか面白い体験でした。

おうちに帰るまでがMaker Faire

そんなこんなで2日間のOMMFを終えて、2日目の夜に名古屋へと戻ってきました。疲れたところで食べるひつまぶしはうまいですね…

名古屋駅前名物のエンドミル2型ビル(モード学園スパイラルタワーズ)とナナちゃんもばっちりチェックできました。

3日目の朝の新幹線で首都圏に戻る予定だったので、チェックアウト前に名駅周辺をぶらぶらし、モーニングが食べられるお店を探しました。駅前のモニュメント「飛翔」はすっかり跡形もなくなっていました。

地下街をふらふらと歩いていて見つけたこちらの喫茶「ふる里」でモーニングをいただきました。

昔ながらの喫茶店という感じで、きびきびと働くおばちゃんウエイトレスが入ってくる人々に「いつものでいい?」と聞いては素早くメニューをサーブしていく様は何とも味わい深かったです。伝票裏の「毎々のおひきたて」というのもなかなか。

そんなこんなでモーニングを食べ、ホテルに一度戻って荷物を整理してチェックアウトし、再び東海道新幹線に乗って自宅へと帰っていったのでした。

全体を通して

やはりリアルイベントというのはそれでしか得られない「魔力」のようなものがあり、参加するととても楽しいなあといつも感じるのでした。今回は分解のススメチームでの出展ということもあり、山崎さんや秋田先生の既刊の読者の方だったり、私のこのBlogや#makepcbaのLTを見てくださってPCBAに挑戦したという方もブースに来ていただき、交流できたのがまた大きな収穫でした。またどこかのイベントに、分解のススメで出すか、先日まで記事を書いていたボイスチェンジャーメガホンで出すかはわかりませんが参加できたらと思います。お楽しみに!

  1. なんと今回分解したガジェットはすべて山崎さんのコレクション!流石です!
  2. フライス盤で切削加工をするときに使う刃物
公開日:2022/12/31 最終更新日:2023/01/01